へたれ

ノースマン 導かれし復讐者のへたれのレビュー・感想・評価

3.3
良かったとこ1 戦闘シーンの撮影
トラッキングショットで戦闘を追いかけるのが印象的。特に大人になったアムレートたちが村を襲撃するシーンは、アムレートの強さと、ヴァイキングたちの残虐さをうまく表していた。

良かったとこ2 奇祭のような儀式
伝承や伝説を再解釈する試みは今回も健在。ラリった王と息子が狼の真似をして雄叫びをあげてトランス状態になったり、生首を前にして幻覚を見たり、神話を本能とか生理現象で捉えようとするのは面白かった。

ダメだったとこ1 リアリティラインが揺らぎすぎ
終盤にかけてのヴァルキュリアとか、唐突に始まるスターウォーズ・エピソード3の最後みたいな火山の対決シーンとか、盛り上げるための過剰演出で映画全体のリアリティラインが揺らいでいた。

ダメだったとこ2 女性の位置付けに対する中途半端さ
神話における女性の位置付けにひねりを加えようとしたのは分かるけれど、どれも中途半端で効果がなかった。ニコール・キッドマンは「ハムレット」でいうガートルードと見せかけてマクベス夫人だったというひねりがあるけどアイデア倒れ。アニャ・テイラー=ジョイが演じるオルガも生身の女性性を持ち込んだ割には終盤には存在感を失ってしまった。
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