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ミューズは溺れないのmakoのレビュー・感想・評価

ミューズは溺れない(2021年製作の映画)
3.9
《足りない色、足りない部品―。合わせてみたら、息できた。》
◎78点

淺雄望監督と横山雄二さんのトーク付き上映で鑑賞。

監督・脚本・編集: 淺雄望(あさおのぞみ)。広島出身。万田邦敏監督、大九明子監督のもとで助監督をつとめていたそうです。
長編デビュー作。

アイデンティティのゆらぎ、創作をめぐるもがきなど、葛藤を抱えながらも前進しようとする高校生たちのひと夏の物語。

【あらすじ】
美術部に所属する高校生の朔子(上原実矩)は、船のスケッチに苦戦している最中に誤って海に転落。それを目撃した西原(若杉凩)が「溺れる朔子」の絵を描いて絵画コンクールで受賞、絵は学校に飾られるハメに。悔しさから絵の道を諦めた朔子は、取り壊しの決まった家で…。


うまく描けない中、私(朔子)が溺れてる絵を描いて受賞した西原。
絵を見て、とても敵わないと思った。絵を描く熱が冷めていった。
小さな頃から絵を描くのが好きで美術学校に行きたいと思っていたけど…。
家では、父と妊娠中の継母がいて、引越し準備で家の中を片付け中。思い入れのある時計だが故障してて、継母から捨てると言われた。父も要らないだろうと。
父と継母との仲は悪くない、でも…。
部活、家、なんだか少し居づらいというか居心地が少し悪いというか。

西原はあまり人と関わっておらず、部員も遠巻きにしてる感じ。
でも自分から遠ざけている訳じゃない。
天才と呼ばれているけどそうじゃない。

朔子は、西原と仲良くなれないと思っていたがそうでもなかった。
朔子と仲が良い大谷栄美(森田想)。
理解し合ってると思ったけどそうでもなくて。
外から見えないけど、内に秘めている思いがそれぞれある。
雰囲気や憶測で人となりは分からない。

朔子が家の中の不用品で作った船はノアの方舟のようだった。
作り上げたら心のモヤモヤはなくスッキリした感じがしました。
ラストも良かったです♪

映像、劇伴、共に良かった。
船を作る時の劇伴が印象的でワクワク感があった。

✤ここから監督の話を少し書きます。
・監督自身の10代の気持ち
主人公たちに重ねている。
・『GO』に影響を受けた。
・ガラクタの船は、朔子自身であり、青春などいろいろ。
壊して、作り直してを繰り返していたのは、そういうメタファー。
・貯金をして、全財産をつかって作った映画。
・劇中の鳩は監督が飼っている鳩で、名前はキューちゃん。


【追記】
X(旧Twitter)に連携して感想を投稿したら監督からコメントがあり嬉しかったです💓





観客 1階席…?、2階席 13人
劇場鑑賞数 #73
2023鑑賞数 #79
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