グラビティボルト

イニシェリン島の精霊のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
2.6
これ、友人関係のあるある話をちょっと過激にしてるから話題性が強いだけで、映画として観た時にかなり微妙な代物だと思う。
撮影も高水準だとは思うけど、完全に脚本に奉仕しているようでただただ綺麗なだけ。
中年男性二人の諍いで110分強維持するのが凄いという見方は勿論出来ると思うが、指の切断も、放火も、全てあらかじめ宣言した事をその通り行うので全く驚きや飛躍を感じさせない。
二人の合間にある蟠りを、海の向こうでの戦争と重ねる語りも、ありがちでただひたすらムードをシビアにしているだけ。
コリン・ファースの怪物じみた鈍感さが事態をややこしくする点、その欠点を挙げる台詞回しが冴えない人の貧相な共感を煽り、感想を喋らせるのはわかるけどそんな所に映画の面白さを感じるのは居心地が悪い。