鷲尾翼

BLUE GIANTの鷲尾翼のレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.0
【まとめシネマ】#924

【まとめ】
* 夢物語であり、青春物語であり
* 天才の音楽家が奏でる最高のジャズ
* 狂喜乱舞のラストが、ジャズ

原作未読で鑑賞。

主人公の大は、ジャズに魅了された仙台の高校生。テナーサックスを片手に上京し、高校の同級生である玉田や同世代の凄腕ピアニスト・沢辺と出会い、ジャズバンド「JASS」を結成。本作は「世界一のジャズプレイヤー」を目指す夢物語でもあり、三人の部活のような青春物語でもある。羨ましいほどの飛躍の活躍で夢に近づく反面、音楽の現実も見せる。

本作の音楽とピアノ演奏を担当するのが、上原ひろみ。サックス演奏に馬場智章、ドラム演奏に石若駿が参加している。三人の天才音楽家が奏でる最高のジャズの数々は、凄まじい。本作の登場人物の成長に合わせて、音の強弱やミスを前半に強調して、後半で一体感を爆発させる。

しかし、演奏シーンのCGがどうしても気になる。他のシーンと明らかに浮いているし、終始勿体無いと思ってしまう。あのCGに理由があるのか少し考えるが、やはり残念な要素。満点からの減点。

本作のラストは、ジャズの凄味を味わう強烈な時間だ。衝撃的な展開の数々が襲う後半戦、そして迎えたライブシーンはジャズの音楽性、その魅力が詰まった狂喜乱舞。

これだからジャズは、奥深い。
鷲尾翼

鷲尾翼