リコリス

白日青春 生きてこそのリコリスのレビュー・感想・評価

白日青春 生きてこそ(2022年製作の映画)
4.6
大体、日本国籍で日本に生まれると、国を移るという発想は自然ではない。同じ島国でも香港は違う。

難民の人たちの個別事情や、国の冷たい対応、社会的な差別を一つずつ拾うとハッサン側に共感出来るが、身近に子供らの窃盗や組織的な犯罪集団(スニーカーに薬物…)の存在(というより存在する可能性だけで 、嫌な感じだ。だからきっと偉そうに理想を言いつつ、自分の良心に都合のいい善意か、無視か排斥する側かもしれない私。

香港が今、あの状況で、でも元々、大陸から不法に渡ってきた香港市民。「白日」は妻と息子への贖罪を自分の起こした事故で父を亡くした「ハッサン」に返そうとする。

大陸から定住したように、ハッサンもカナダに定住出来るのか? 白日の香港暮らしが幸せには見えないが、生きていれば、生きてこそ、孫の世代になり、社会は変わるのか。

ハッサンは広東語。この日のお昼ご飯、大久保から新大久保辺りで沢山の日本語を聞いた。皆さん、親切で丁寧で優しかった。大陸、台湾から神様方も国をお渡りになり日本へ。今、香港から移民となる人々への静かなエール。
アンソニーは意志を持って現実世界を生きているから、存在が演技を超えていた(しかし香港は飲酒運転して良いの?)。
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