リコリス

おじいちゃんはデブゴンのリコリスのレビュー・感想・評価

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)
4.5
中国版レオン、というか皆殺しのカンフー・パンダ(とギャングが呼ぶ)。

認知症で孤独な暮らしを送る元要人警護の中央警務局にいたディン@サモ・ハンが、孫のように可愛がっていた隣人の娘を守る。この二人に息子が優秀な警官の家主おばさんが加わったほのぼの関係に、無茶苦茶暴力的な中露マフィア抗争が乱入する。

様式美のカンフーと異なり、見てられないくらいの血まみれ骨砕き残虐なバトル(殺られるのは悪人ばかりといえ、痛快を超えて痛さ爆発)。体重を活かした関節技がバキバキ決まる(ご丁寧なスケルトン仕様)。ジョン・ウィックもそうだが、超人ではなく疲労でヨレヨレになっていくリアル。カーチェイスも本格的。

大大大好きサモ・ハンとはいえ怖くて見てらんない(泣)
そのたびに、ほのぼのシーン登場。音楽もなんだか妙に多種多様。中露国境沿いの、いかにも中国という田舎町の生活は興味深いし、女の子もおばさんも女の子が描いた絵のアニメも可愛いし。何気にレジェンドな道端爺トリオにも、マッタリさせられるし。

我慢しつつ見続けると、血なまぐさい終わりを、ほのぼのと終わらせるラストとエンドロール音楽。ラウ様の勿体ないクズ役(アクションは良かったですよ~)も、主題歌でホッコリ。

認知症でも孫を失った悲しい記憶だけは忘れず、自分を責めていたディン@サモ・ハンが、認知が黄昏れていくなか、新たな孫という幸せな記憶を得るという救い。

なんていいますか、嫌いじゃないです、見るの怖いけど。
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