きねぼっち

デューン 砂の惑星PART2のきねぼっちのネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

田舎の女の子が都会から来た男に遊ばれて捨てられる話!

監督は、なんか切り取る視点がおかしくない?
百歩譲って観客というか地べたを這ってる庶民視点として砂漠の民の女の子で始まって終わらせるのはいいけど、それならラストはもっと情感たっぷりにしてほしかったかな~

なにさ、あんなクズ男! みたいな感じのラストだったけど、修羅の道に進むポールを女の子はほんとは心配してるわけやん?
ポールだって、ボクはママンに逆らえないから君とは結婚できないけどホントは死ぬまでずっと好きだよ、たくさんのステキな思い出ありがとう、みたいな女々しいこと言っててかわいそうすぎ!

っつーか、この話、冒険譚のわりにパート1のころからずっと爽快感ないと思ってたけど、手に負えないオカンが主人公にずーっとへばりついてるから、気づまりでしゃーないよな。
うるさいオカンがおったらハクいスケがおってもナンパできへんねん!
などと主人公に同情していたら超あっさり肉体を関係させててズコー。
どう考えてもシャラメ補正かかっとるやろ! メタ展開やめろや!!

それはいいとして、全体的に映像、特に色調が素晴らしいし、低音もズンズン効いてたけど、アクションが少ないうえにフツーすぎて、映画としてもひとつだったかな。

なにより最終兵器であるサンドワーム乗ってる絵面がなんかチャチくて、あれで乗りこなせてんの? っていう疑問がわく。
あと、今作のデザインがいまいちノレない部分があって、武器を現行兵器に寄せてるところ。
迷彩っぽい戦闘服、ナイフ、機関銃、オーニソプターの戦闘ヘリっぽいシルエット、核ミサイルなどなど・・・
異世界SFなんだから、もっと突飛な戦いにしてほしかった!
なんだったら、ハルコンネンは修羅忍道破魔砂蜘蛛くらい使えばいいのに!!

それから、基本ストーリーが白人酋長もので、グレート・ゲームを巧みに泳いで砂漠の王になりおおせたアラビアのロレンスみたいな内容が、日本人の自分にはイマイチ響かないのは仕方がないよな。
日本だと義経=チンギスハン伝説に相当するのかもな。
情報機関みたいなベネ・ゲゼリットが宗教をバカをだます道具として扱ってて、自分たちは上位存在だと思ってる厚かましさ、ドライさにちょっと閉口。

しかし、主人公にソ連を想起させるハルコンネンの血が流れているという設定、レーニンをリスペクトしている?
レーニンも一介の平民からソ連という超大国を手に入れた梟雄。
主人公がサンドワームから吸い出したエリクサーで覚醒、ニュータイプに
なっちゃうという、ヒッピームーブメント世代にウケる要素も盛り込んで、悩みつつも父の敵を討ち天下を取るという、徳川家康みたいなわかりやすい出世物語で、わりにチャラいSF作品な気もしてきた!

この作品ってギョーカイのおまつりみたいなもんで、語り継がれない名作となってしまうのではなかろうか、と勝手に心配。
でも、ノースマンに続いてまたも巫女さんみたいな役のアニャ=テイラー=ジョイが見たくて、パート3楽しみにしてます!
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