きざにいちゃん

デューン 砂の惑星PART2のきざにいちゃんのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.0
満を持して日本一デカい池袋グランドシネマサンシャインのIMAXで鑑賞。
やはりDUNEの広大な風景やスペクタクルシーンはIMAXが映える。

映画は前作よりぐっと動的な作品に仕上がっていた。前作がどうしても説明パートになったためか、物語の運びも前作よりストーリーの振幅が大きく、直感的エンタメ度がアップしていて楽しめた。

映像美は今更触れるまでもなく、抑制の利いたヴィルヌーヴ・アースカラーの燻んだ美しさと凝りまくった緻密な描写は息を呑むほど素晴らしい。さらに今作は戦闘スペクタクルが派手になって絶品である。

ただ、そうは言うものの、当たり前だがリメイクゆえに、ストーリー自体はあのデヴィッド・リンチの旧作と基本的には同じで分かっている。そして個人的な好き嫌いだが、専制君主制の下での軍人皇族間の争いと中世君主騎士道という原作の世界は、やはりややこしくて古臭い苦手な世界なのは前作どおり。
大きな驚きや意外性は当然ない。

まだまだ次回作以降も物語は続くようだが、もうヴィルヌーヴを解放してあげて欲しい、といのが個人的な思いである。

DUNEは大作ゆえに彼の創作エネルギーと時間を相当奪い取ることになってしまう。
ヴィルヌーヴのオリジナルが観たくて仕方がないのである。
誰もが臆するブレードランナーの続編で素晴らしい仕事をし、DUNEの二作でも大きな実績を残した。職業監督としての仕事はもう十分過ぎる成果をあげたではないか。

あの「メッセージ」「静かなる叫び」「灼熱の魂」等で魅せつけてくれた彼の映像作家としての創造力をフルに発揮できる仕事を是非させてあげて欲しい(というか、次のDUNEよりそちらの方が観たい!)

スターウォーズと同じように、今後は様々な監督が夫々のDUNEを見せてくれたら嬉しい。
というわけで、次はJJエイブラムスのDUNEでどうだろうか…笑

※池袋グランドシネマサンシャインのIMAXについての余談

「日本一」の期待が大きすぎたのか、印象は画面の大きさよりも「ハコの大きさ、客席数の多さ」だった。
改めてチェックすると、スクリーンサイズ自体は地元の109名古屋のIMAXより縦は90センチ長いが、横幅は20センチ逆に短く大差ない。
一方で席数は池袋の方が135席も多いので、客一人当たりのスクリーン面積は逆に小さかった。ということで、結果論であるが、地元IMAXで十分、ということになった。