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アンビュランスのdeenityのレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
4.5
いやー、ワールドカップが始まってほとんどの試合をチェックしまくってたら全然映画なんて見る時間なくて、ましてやレビューなんてストックを消化することすらできなくて、すっかりご無沙汰気味でした。皆さんのレビューも伺えず申し訳ないです。

さて、そんなこんなでとりあえず久しぶりに見た作品が本作です。
マイケル・ベイ監督なので安定のアクションは期待できるかな、と思いつつ、その割に意外と知名度も高くなかったのでスルーしていましたが、これはもう文句なしの劇場案件でしたね。もう最高のノンストップアクション映画でした。

いや、もうね、想像以上にノンストップなんですよね。主人公ウィルの妻が病気であること。金が必要なのに社会制度にたらい回しにされていること。彼には血の繋がらない兄のダニーがいること。ヤバめのダニーに銀行強盗を持ちかけられること。同時に救命救急員のキャムや警官のシーンなんかも開始15分程度で一気に描きつつ、後はそのベースを軸にストーリーが防波堤が決壊したかの如く、怒涛の勢いで展開されていきます。

まあアクション映画ですからね。そりゃカーチェイスなんかはマイケル・ベイからすればお手のものなんでしょうが、まさか救急車とは。しかも、同時にオペもしちゃうとは。めちゃくちゃにもほどがあります。

でもまあそこもアクション映画ですからね。ご都合主義なのも一つのご愛敬として踏まえればかなりアクションとしては重厚な作品だと思いますよ。
そしてまた、それだけいろんな要素を詰め込んでも飽きさせないのはしっかりとキャラクター造形を描いていたからでしょうね。
血の繋がらない二人の関係性。ウィルの正義感。キャムや警察、FBI側の背景なんかも見えていて、それがストーリー的な面白みに直結していたように思います。

ジェイク・ギレンホールは相変わらずの演技力でしたし、エイザ・ゴンザレスはキリッとしているのに可愛くて華がありましたね。
カメラワークなんかも手持ちだったりドローンだったりと、とにかくアドレナリン出っ放しの136分でした。

ラストのオチこそ金の始末に少し不満は残りましたが、これを社会問題的なメッセージ作品にしたらいささか興醒めですし、これで良かったようにも思います。

そういえばネタ的に「ザ・ロック?曲でしょ?」なんて入れちゃう監督のユーモアも見られましたが、いやいや何をおっしゃる。あれは忘れ去られた過去の遺物とかではないですよ。間違いなく名作ですよ、監督。
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