1996年か97年だったか、香港返還のタイミングくらいでWOWOWが「香港満漢全席」というようなタイトルで一ヶ月に100本近く香港映画が毎日放送される企画があった。ぼくは幼稚園児のときからジャッキー・>>続きを読む
最高傑作とはいえないけど、ジャームッシュの中ではいちばん好きで、いちばん回数を観ている。いっときこの映画にハマりすぎて、毎日どれかのエピソードを観るという日が続いたくらいだった。
基本的にタクシーに>>続きを読む
傑作。成瀬、ブレッソン、ジャームッシュなど古き良き日本映画にヌーベルバーグからアメリカインディーズを体験させるサンプリング能力はもちろん、演出自体も彼らが得意としている説明やセリフを極力排除したやり方>>続きを読む
期待を裏切らない大傑作。監督の出自も含めなにわを舞台にした「パラサイト」と言いたいところだが、ぼくのイメージだとオチも含めて「ファーゴ」っぽいなとも思った。実話がベースだし(あとTBSドラマの「カルテ>>続きを読む
傑作。“人間の本質に迫る”なんて謳い文句は数あれど、これほどそれが似合う作品もそうない。人種、思想、職種、立場と何もかも違いすぎる人々が戦争で出会い、クリスマス(平和)でひとつになる。全編アンビバレン>>続きを読む
20年ぶりに鑑賞。「ブラック・ジャック」や「ディア・ドクター」、「JIN」といった医療ドラマの先駆けであり、黒澤明としても最後のモノクロ作品で三船敏郎との最後のコンビということでメモリアルかつ集大成的>>続きを読む
つい先日BSプレミアムで放送していたので14年ぶりに鑑賞した。当時はかなり酷評していたのだが、いま観たらめちゃくちゃおもしろかった。というよりそもそも「椿三十朗」という物語は脚本の完成度が圧倒的でその>>続きを読む
よく昨今の邦画は説明セリフが多いと言われがちだが、その大元は黒澤明だと思っていて、映像のダイナミックさとは裏腹に意外と状況をキャラクターに喋らせるという演出をよくやる。
ただ、それは三船敏郎という役>>続きを読む
なかなか嫁がない娘をなんとか嫁がせようとする父親の奮闘記。
いま観ると家父長制や父と娘の怪しい関係性など時代的に「?」となってしまうがそれでも名作であることに変わりはない。
縦と横の線が覆い尽く>>続きを読む
ハイソな家庭で育った妻と田舎モンの夫、価値観からすれ違って行く夫婦のやりとりを描く小津安二郎のホームドラマ。
今作ではぐっと寄って行くカメラがユニークで「池の鯉」「光の揺れ」「温泉宿での4人の配置」>>続きを読む
シンプルに『ドラえもん』や『サザエさん』にも通ずる話で、主人公はカツオのようにズル賢く、ジャイアンとスネオを連想させるガキ大将はいるもののどちらかといえば主人公がいじめる側であり、それが親の立場になる>>続きを読む
いわゆる『椿三十朗』とか『飢餓海峡』とか『太陽を盗んだ男』的な誰もが文句のつけようもないくらいのエンタメ作品として極北。
保険金目当てで旦那を殺した疑いが持たれている前科4犯の女。世間やマスコミ、な>>続きを読む
「素性の知れない男がある場所にやってきて、その場所をかき乱し、問題を解決したらその場を去る」という定型をなぞった物語であり、西部劇でよくありがちの話だが、これをサラリーマンの株取引に置き換え、そこにジ>>続きを読む
そのタイトルから『恋は雨上がりのように』や『天使の恋』みたいな映画を想像してしまうと思うが(そう思ってしまった内のひとり)、構造的にはファムファタールに翻弄されたあげく地獄に堕ちる男を描いたある種のノ>>続きを読む
「踊る大捜査線」の7話で、サラリーマン時代に営業マンだった経験を活かし、あれよあれよと会社の内部に入りこむというシーンがあったが、恐らくこれが元ネタ(というか君塚良一が知らないわけがない)。
まるで>>続きを読む
この作品に関しては寺本直末氏が書かれた文章が素晴らしいので一部略して引用させていただく。
「最初88年の公開時に観た『グレート・ブルー』は主人公のジャックがなんて冷たいのだろうと思った。女を捨てて、>>続きを読む
素性の知らない男がある場所に行き、そこの場所にいる人々は幸せになっていくが、男は唐突に去っていくことで、周りのみんなに変化(幸も不幸も)が訪れる……という構成は古くは「テオレマ」や「家族ゲーム」などあ>>続きを読む
奇しくも師匠筋である是枝監督の「そして父になる」と題材が被るが、ノンフィクションを映像化し原作者からクレームがきたうえにその題材で金を稼ごうという腐り切った根性を見せる師匠とは違い、似たような話であれ>>続きを読む
『レザボアドッグス』と並び、ヒップホップ的なサンプリング(ストーンズ、クラプトン……特にレイラの使い方が絶妙)の手法で90年代の扉を開いただけでなく、カジノ、ディパーテッド、ウルフ・オブ・ウォールスト>>続きを読む
にしてもよくわからん映画である。日本ロケのわりにカルチャーギャップものでもなく、ストーリーもよくわからず、ナンセンスコメディが延々と続く香港映画のショーケース。
一味のアジトがお化け屋敷につながって>>続きを読む
だいぶ昔に観たんだけどストーリーが思い出せないはずで、いわゆる本筋の関係ない部分が大半をしめる香港映画のショーケース。にしてもナンセンスギャグ、アマゾネス、カンフーアクション、連続の爆破、オカルトホラ>>続きを読む
恋人が重症なのに金払わないと助けない医者とか、刑務所内で仇討ちしてもOKとか、そもそも死刑囚を使って暗殺企てるなど、中国がそういう国なのか単に映画的なご都合主義なのかわからないが、ジミー・ウォング的な>>続きを読む
「禁断の愛を描いた官能的なドラマ」みたいな紹介をされているが、完全なノワール。雇用主の妻と不倫関係にある親族の男という、保守的な中国においてタブー中のタブーに切り込んだ問題作。「郵便配達は二度ベルを鳴>>続きを読む
NHKで放送された短縮バージョンで鑑賞。
かなりアレンジが効いてるとアナウンスされていたが、セリフや設定などかなり原作に忠実に映像化されていたので、放送に合わせて原作と同じになるように編集したのでは>>続きを読む
全編新潟ロケを敢行したことで新潟県“のみ”で話題になった作品。新潟の満漢全席といった感じで、映るもの、出て来るものありとあらゆるものが新潟。なんといっても朝の食卓に“かんずり”が出てくるくらいである(>>続きを読む
『007は二度死ぬ』や『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』など、洋画に出てくる「間違った日本描写」が大好きなぼくにとって97分それしかないという本作はまさに極北(しかも、それを日本で作る>>続きを読む
『デス・ウィッシュ』的な映画のオマージュだと思ったら、原作者が一緒というオチで、どんだけ似た話を書いたのかという。
街のクズども皆殺し!ジャンルであるが、どちらかというと歯どめの効かなくなった終わり>>続きを読む
冒頭、身体中を這い回る虫をなんとか取り除こうとあたふたする男を映し続けるが、このツカミが完璧で一気に引き込まれる。
『ウェイキング・ライフ』と比較されがちだが、その映像はまったく別物であり、何度も何>>続きを読む
『マトリックス』をはじめて観たとき「コンピューターに支配された世界で人間は機械に夢を見させられてるっていう設定だけど、別に悪夢ってわけでもないし、そのまま目覚めなくてもよくね?」と思ったのだが、この映>>続きを読む
映画のなかから現実に出てきたシュワちゃん演じるジャックが「オレの人生は他人に作られたものだったのか……仕事も家族も……」と絶望しながら言うシーンがあるが、これがフィリップ・K・ディック的なアイデンティ>>続きを読む
再見して驚いたのだが、惚れた女と一緒に訪れた戦地で女が置いてけぼりになってしまい、それを救うために命をかけてもう一度その戦地に舞い戻るというプロットが『ランボー 最後の戦場』と一緒。演出ひとつで重々し>>続きを読む
「2」を観た時にも思ったのだが、ストーリー的に何も起きない部分でも大スターがたくさん映りこむため、それ自体が見せ場になるというありそうでなかった演出の連続で、さらに「新人をスカウトするために現地に赴く>>続きを読む
当時映画館で観れたというのは今思えば貴重な体験だったし、あの有名なスパイダーウォークはこっちにしか入ってないということをつい最近知った。
詳しくは「FILMAGA」に書いたので割愛するが、ぼくが映画のなかで好きな「刑事が勝手に民間人から車を奪ってチェイスし、それを見た車の持ち主が“やめてくれ!それはオレの車だ!”とリアクションする」シー>>続きを読む
そもそも業を背負って生まれてきた女リカが男社会という抑圧に立ち向かう話なのに、「アメ公と混血児だけはゆるせん!」という謎の男の登場により、ストーリーがブレまくり(しかもかれがなぜそんな思想なのかを回想>>続きを読む