魔法使いの妹役、アリソン・スドルに驚く。A Fine Frenzy聞いてたよ!本筋よりダン・フォグラー(気のいいデブ)のくだりが王道のハッピーエンドでグッとくる+0.5。大人のハリーポッターというより>>続きを読む
前半はミッション:インポッシブルシリーズに負けていないような気がする。窓外からのキャメラで緊張感を煽ったり、それなりに工夫して撮っている。進むにつれ雑にはなるが、そのデタラメさを暴力(アクション)で押>>続きを読む
田中徳三にスパイ映画は撮れない。荒唐無稽の展開を鈍臭く処理するのでしらける。
こういった内ゲバの撃ち合い(殺し合い)をガキのごっこ遊びのようにしか映せていない映画を今見ると、とてつもなく古臭く感じる。その時代の先鋭的(独創的)な表現としての画ではなく、その時代に媚び、これは洒落>>続きを読む
終盤の展開を少女の夢として捉えるか父親の果てなき予知夢として決着付けるか。迷い込むヴィゴ・モーテンセンの身なりが最後まで整いすぎているのが気になるが、リサンドロ・アロンソは人物(キャラクター)を深く見>>続きを読む
映画館を未知なる生き物として、その建物に飲み込まれた人間たち。明滅する灯、静かに開く扉。あえて何も起こさず、自然な出来事を効果的に見せようとする野心が凡庸。
その場で糞をしたりアルマジロを食べてしまう蛮人のような木こりの「日常」を衝動ではなく計算で撮っている。入り込まない程度の微妙な距離で「非日常」な被写体を映す、退屈はしないが不満は残る(表現者の覚悟とし>>続きを読む
寄り添いたくなる人物が一人も出てこない誘拐劇、大見得きってドラマとして割り切るか、徹底的に冷めた視点で突き放すかしかないとは思うが、どちらにもフラフラしていて、所々で見え隠れする甘え(共感さを求める演>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ウェス・アンダーソンが「子供」しか信じていないのがよく分かる。少なくとも現実を突破するための表現(映画)には子供が子供であることの自由さ(可能性)しかないと本気で思っている。アンダーソン映画の初期は、>>続きを読む
ガキの遊び。本編が始まる前のパイロット版を見せられているような感じ。そこまでして(魂を売ってまで)映画(表現)にすがりつきたいのかと墓の下のデヴィッド・ボウイが泣いてるよ。
日本の『エクソシスト』(オカルトブームに乗っかり)とか言われているけど、80年代の家庭内暴力からの家族崩壊(『積み木崩し』的な)ドラマの影響の方が強いと思う。「家族」の脆さが物語になりはじめた80年代>>続きを読む
社会や政治の正しさありきで撮られているようなインポテンツ(現代的)な映画に金を払うぐらいなら、二転三転する「どんでん返し」が作品の全てであり、「サスペンス」というジャンルのみを愚直に信じて突き進む90>>続きを読む
恥ずかしげもなくタランティーノの影響を受けまくっている90年代暴力映画をたまに見たくなる。漫画みたいなキャラクターがダラダラと無駄口をたたき、きっかけは間抜けだが容赦ないviolenceとデタラメな血>>続きを読む
中心人物の物語を華やかにするためだけに存在する友人や仕事仲間、ハッピーエンドのためにバカバカしく利用される憎まれ役。周りの人物(脇役)の人生が(その欠片も)見えてこない映画はどれだけ通俗的なテーマを扱>>続きを読む
早死にした彼女を乗せた馬車が遠くに去っていく、幻影というか夢のような、訃報が届いた青年が思い浮かべる画が素晴らしい。終盤の一瞬だが生と死が混濁している世界、後期清順映画の匂いがする。極めてストイックに>>続きを読む
喜劇調の『くたばれ悪党ども』をディープにマッドに加工したのが『野獣の青春』。光とか壁の色とか相当どぎつくやっているが、黄砂が舞う小林昭二(サディスト)の自宅のくだりはあまりにもシュール過ぎ。肝心の渡辺>>続きを読む
潜入捜査のコミカルなくだり(教会のシーンなど)が『ポリス・ストーリー3』と似ている。歪な宍戸錠の風貌が清順の荒唐無稽な世界ではひときわ輝く。
社会から必要とされていない中年と居場所を失った少女二人とのロードムービー。道中の喜劇的なドタバタからやりきれなくて切ないクライマックス。そして、救いのラスト。生きていく厳しさ引き受けて、それでも迎えに>>続きを読む
それは愛する人を裏切った痛みであり、他者の過ちを赦す痛みでもあったり、それぞれがそれぞれの苦しみを受け入れるまでの、受け入れてからの物語。型破りな大学教授役のマーティン・シーンがとにかく最高。ディック>>続きを読む
アロノフスキーって自分以外はたいていバカだと見下しているんだろうなあ(ハーバード大だし)。映画なんか見に来る田舎者で無教養な客を俺は啓蒙してやってるんだよ!ぐらいの気持ちで撮っていると思う。俺は悪趣味>>続きを読む
キャメラも物語もキャラクターも作為的であざとい。人が出て入って、台詞を言ってが段取りでしかなく退屈。暴力をあえて見せない撮り方も2005年では古臭いように思える(90年代でやり尽くしたはず)。薄っペら>>続きを読む
結核の南田洋子と健さんのくだり、何度見てもグッときてしまう。ラストの約束を果たせない男と待ち続ける女。ベタだがこれが映画(物語)の完成形。健さんを最も魅力的に映したのは間違いなく石井輝男。
70年代後半の不況、経済格差の影響によって苦しむ田舎の女性三人が一発逆転を狙って街に集められた金を盗む、ケイパー映画の秀作。それぞれが抱えているダメ男絡みの問題を描きながら、その「日常」の地続きで犯罪>>続きを読む
前作『ヘンゼル&グレーテル』(傑作)ほどの爆発力はないが、そこまで悪くない。一人の役者に七役させるという無謀さも買いたい。度を超えた「暴力」と唐突に差し込まれる黒い「ユーモア」、この二本の柱がトニー・>>続きを読む
アイヌ民族を演じる野添ひとみがギャルメイクのようで可愛い(+2.0)。勝新、雷蔵ともにほとんど見せ場なし。善悪二役で無駄に張り切る長谷川一夫に振り回されているだけの駄作。
物語など無視して笑わせてやろうと意気込むハチャメチャなコメディほどいま見るとキツい。アクションや動きの面白さで魅せていくのは確かに「喜劇映画」(サイレント時代からの)への正しきアプローチなんだろうけど>>続きを読む
初期シドニー・ポラック映画特有のやりきれなさ、飄々としていながら決して甘やかさない、どうにもならない虚無感に襲われるラストが最高。敵兵に機関銃を撃ちまくりながら、その銃弾と共に短いカットで記憶がフラッ>>続きを読む
殺しのバリエーションが豊富で飽きさせない。ロベール・アンリコがよくやる映画内の時間を無視した「勝手な回想(夢のような)」、その居心地の悪さがたんなる復讐のドンパチで終わらせない映画の肝。フィリップ・ノ>>続きを読む
白痴の女性がゆにばーすのはらちゃんそっくり。説明台詞と行き当たりばったりな展開。橋本忍のいきったシナリオを抑制できない堀川弘通の力のなさ。カルトになるほど出鱈目でもなく、ただただつまらないだけの駄作。
このレビューはネタバレを含みます
その仮想現実が酷い人生(リアル)からの逃避であり、上がり目なしの私たちの全てであるならば、どこかの若者がゲームクリアしたからといってハッピーエンドになるはずもなく、日常で溜めたなけなしの金(リアルでは>>続きを読む
お前はお前のままで、お前の物語(人生)を生きるんだよ、という青春映画の秀作。『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』にも通じる成長物語。シナリオのマイク・ホワイトはこれ以外もクセのある良質な作品ば>>続きを読む
ジェイク・カスダンが撮る子供たちの成長の物語に、久しぶりにイキイキしているジャック・ブラックとなによりコリン・ハンクス!が最後の最後に(あの役柄で)出てくるのはモチロン『オレンジカウンティ』があるわけ>>続きを読む
シネロマン池袋での大杉漣追悼上映。死体を盗み出してから、寒々しい海で佇む四人の間抜けな画がとても良かった。馬鹿げた役柄を大まじめに演じる大杉漣こそ至高 。好きな役者だった、ポルノ映画館で合掌。
サヴァン症候群の娘と片腕が動かない中年男性。生活する(社会)には不都合な心と肉体、その不自由さから離れどこまでも自由になれる鹿の夢。「私」が愛する「アナタ」に触れるための、その一歩を踏み出すためのスト>>続きを読む
かつての熱狂を求めて死体を掘り起こしても痛々しいだけ。池袋西口のピンサロあたりに実際いそうな水野絵梨奈のリアリティに+0.5。
やることなすこと裏目に出て、後先考えない空振りと躓きの連鎖で物語(人生)が下へ下へと転がるなか、マンションから「落下」するクズ(を見ている兄)で映画に「オチ」をつけるのは出来すぎているとは思う。底に着>>続きを読む