NICEさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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if もしも・・・(1968年製作の映画)

3.9

頭から尻までシュールなギャグで突き抜ける学園コメディ。
イギリス好きには超オススメ🇬🇧

「廊下は走れ!」という規則がカルチャーショックだった。

ケン・ローチの『ケス』よりは年齢と階級がちょい上で、
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トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃ良い映画。
西部劇という死んだジャンルを見事に現代に蘇らせた🤠

王道なストーリーとクオリティの高さに、コーエン兄弟のクセのスパイス。
スピルバーグ製作総指揮&コーエン兄弟監督・脚本という
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エド・ウッド(1994年製作の映画)

5.0

「芸術の突然変異」こと、史上最悪の映画監督エド・ウッドの伝記。

数ある「映画の映画」の中でも、三本指に入る傑作でしょう🎥

映像の美しさ、演出、脚本、演技、テーマ性、全てにおいてティム・バートン監督
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サボタージュ(1936年製作の映画)

3.6

"鳥は1:45分に鳴く"

ヒッチコックイギリス時代の傑作。
ヒッチコックの全キャリアを通しても、かなり暗い作品だと思う。

ミステリーではなく、サスペンスに特化させた映画。クオリティの面でとても30
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ドアーズ(1991年製作の映画)

3.9

アメリカのロックバンドとしては史上最高(だと思う)ドアーズの伝記映画。

オリヴァー・ストーンは60sを描かせるとやっぱり上手い。凄まじい映像の迫力。
最初は不安だったが、ヴァル・キルマーが想像以上に
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三人の女(1977年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

1Woman

今作は一人の女性の3つの人格・時期(少女時代、大人時代、老人時代)を描いた映画なんだと思う。

ラストの、ピンキー(娘)、ミリー(母)、ウィリー(祖母)の構図。

内気なピンキー(少女
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.7

家族の形式に苦しめられ、家族の形式に救われる&愛に苦しめられ、愛に救われる。

メイベルの主観とその他の客観のバランスが良く観ていて全く飽きない。メイベルに感情移入する時もあれば、外から観察している気
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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

3.8

カッコイイ映画。
登場人物がカッコイイとかではなく、映画としてカッコイイ。

登場人物の顔を写さず手元だけを撮るスリのカメラワーク。「そりゃ無茶だろ!」というツッコミを許さないカッコ良さ。

「映画的
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マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

3.7

ウォン・カーウァイin the USA

『恋する惑星』『天使の涙』あたりの作品をアメリカに舞台を変えて撮り直したような映画。

相変わらずの凄い映像のセンスと、イタさを気にしないオシャレ演出。香港で
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街の野獣(1950年製作の映画)

4.0

他には見たことのないノリのフィルムノワール。

舞台がイギリス・ロンドンだからか、一般的なアメリカのフィルムノワールには無いユーモアがあり、全ての登場人物に愛嬌がある。

どこか「巨匠が撮ったB級映画
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悪魔の発明(1957年製作の映画)

3.8

カレル・ゼマンの2.5次元の世界観はいつ見ても独創的。もはやサイケ。

SF小説のイマジネーションをここまで見事に映像化できるとは!

エンタメ性では『ほら男爵の冒険』の方が上だが、美術的には今作の方
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ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ(1997年製作の映画)

3.6

バリー・レヴィンソンの隠れた名作。

アメリカと戦争を題材にしたブラックコメディ。皮肉な面白さというよりは、都市伝説的な面白さ。

会話が多く画的な魅力には欠けるが、ダスティン・ホフマンとデニーロのカ
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間違えられた男(1956年製作の映画)

4.1

ヒッチコック異色の名作。

ストーリー内容は多分ヒッチコックの映画で一番つまらない。ただその分、とにかく演出が洗練されている芸術的な映画。
マーティン・スコセッシが、最も良く見直す映画として今作を挙げ
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ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

3.8

独特のノリと疾走感で突き抜けるデパルマ劇場。

どこまでが真面目で、どこまでがふざけてやっているのか分からない狂気。デパルマらしさの一つの終着点。

映画という舞台において、殺人(=悲劇)は最大の喜劇
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.8

世界一性格が悪い映画。
トリアーは何でこんなに人間が嫌いなんだよ!😅

嫌な感じ・胸糞悪い系の映画の最高傑作。一度しか観てないのにここまで好きな映画って他にないかも

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

4.0

ペドロ・アルモドバルは何でこんなヤバい話を思いつくんだ!

良い悪い、美しい美しくない、そんな客観的な姿勢を一切排除して描かれる倒錯的な純愛。

ロマンスではないラブストーリー。

また今作は、女性を
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オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

3.8

母の総て、全ての母へ。

変態要素が控え目で、一番万人ウケするであろうアルモドバル監督作品。

巧みな演出と素晴らしい演技、独特の雰囲気に包まれたメロドラマ。全ての登場人物の強さと弱さがリアルで、悲し
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欲望のあいまいな対象(1977年製作の映画)

3.9

あいまいな二面性。

繊細な演技と抽象的な演出が絶妙。
おバカだけど非常にクオリティの高いコメディ。

愛−憎。主−従。純真−不純。正常−異常。捕まえる側−捕まえられる側。人は曖昧にどちらでも有り得る
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赤い砂漠(1964年製作の映画)

3.7

赤=愛、赤い砂漠=渇いた愛

ミケランジェロ・アントニオーニ初のカラー作品で、かなり実験的な映画。
これ以前の作品の雰囲気とは少し違った、前衛芸術の雰囲気。(ただテーマは"愛の不毛"でいつも通り)
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愛と憎しみの伝説(1981年製作の映画)

3.6

大女優ジョーン・クロフォードの名誉を傷付けたとして、ハリウッドからは大バッシングを受けた問題作&カルト映画。

確かに問題点もあるが、終始釘付けになる魅力のある作品。
フェイ・ダナウェイの取り憑かれた
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アナライズ・ミー(1999年製作の映画)

3.6

ハロルド・ライミスのコメディはやっぱり良い!

ただのギャング映画パロディで終わらず、一つの作品として筋がしっかりしている。

下品でブラックだけど、心温まるコメディ映画。かなり笑った。ときどき入るシ
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.5

近年の「一般人かと思ったら実は…」系アクション映画を踏襲した作品。

BTTFのドクでお馴染みの、クリストファー・ロイドの元気な姿を見れて嬉しい。

脚本家どんだけロシアン・マフィア好きなんだよ😂
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預言者(2009年製作の映画)

4.0

仏ノワールや『ゴッドファーザー』を彷彿とさせる懐かしさを含みながら、独自の雰囲気も作り上げた傑作。

ドキュメンタリーのようなリアルさと、映画的な演出・娯楽性のバランスが見事に取れている。

アラブ系
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ニューヨーク・ストーリー(1989年製作の映画)

3.7

NYを代表する3人の巨匠が集結したオムニバス映画。

スコセッシ監督作🥈
ニック・ノルティ演じる主人公がほぼスコセッシ自身。カメラワーク、演出がキレている。

コッポラ監督作🥉
ソフィア・コッポラのた
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大都会/ビッグ・シティ(1963年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

これぞ愛…!?

インドにおける女性の社会進出、欧米化&資本主義の波…と言いつつも、個人的には社会派の映画というより楽しい映画として見た。

シュールな人間ドラマ、個々のエゴを描いた映画として大好きな
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大地のうた(1955年製作の映画)

4.0

サタジット・レイの初監督作にして、インド映画の原点ともいえる作品🇮🇳

ネオレアリズモがベースではあるものの、貧困(=人的なもの)というよりは、自然の厳しさを描いた作品のように思えた。
アジア的(仏教
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クイーン 旅立つわたしのハネムーン(2014年製作の映画)

3.8

腐れ縁より一期一会。

リベラルがテーマの現代的なインド映画。アジアだからこそのヨーロッパへの憧れみたいなものに親近感が湧く。

浅いといえば浅いのかも知れないが、それも含めて楽しい映画だった。
とに
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マダム・イン・ニューヨーク(2012年製作の映画)

3.6

イングリッシュマンですらイン・ニューヨークすると疎外感を感じるらしいので、インドのマダムなら相当なものだろう🇮🇳

主演シュリデヴィのドギマギした演技が上手くて、こっちまで不安になってくる。

ラスト
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バーフバリ 王の凱旋 ≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫(2017年製作の映画)

3.8

前編より、さらにコッテリ🇮🇳
LOTR感と300感は前作から引き続き。

豪華絢爛なインド美術が凄まじく、基本CGとVFXだが映像が美しい。

ツッコミ所は満載だけど、それがどこか神話的な雰囲気を作っ
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.7

「100人の首を斬る者を英雄と呼ぶ、たった1人の命を救う者を神と呼ぶ」

LOTRと300をベースに、インド映画要素を盛り込んだ激アツ映画🔥
野蛮民族みたいな奴らが完全にオーク😂

後編の『王の凱旋』
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さすらい(1975年製作の映画)

4.1

史上最高のロードムービー。

人間、映画、時代の流れ・変化によって起こるアイデンティティの消失について。

即興の演出のみで作られた映画なのに、非常に纏まった映画的な作品として完成しているから凄い👏
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晩春(1949年製作の映画)

3.8

幸せの難しさ。

小津安二郎監督作で最もディープで難解な映画だと思う。「心温まる感動の物語」でもあるけど、割と虚しい映画でもある。

変化への恐怖と、慣れ親しんだ不自由への依存。伝統的な日本の文化と、
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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.2

まさに赤線が引かれるような、社会にある非常に触れづらい部分を掘り下げた作品。

それぞれの人物の視点から、多角的に現実を写していく。これぞ群像劇の醍醐味!

『西鶴一代女』にユーモアと取っ付きやすさを
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逃げた女(2019年製作の映画)

4.0

なんて上手な映画なんだ!

ズレや噛み合わなさが、映画の中で繋がる気持ち良さ。脚本も演出も最高に洗練されている。

初期の頃のホン・サンス監督作のような直接的な表現は全く無く、今作は全てが婉曲されてい
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ソナチネ(1993年製作の映画)

3.5

ヤクザ、バカンス、またヤクザ。

他には類を見ない、不思議なヤクザ映画。暖かい沖縄と相反する「冷たさ」が恐ろしい。

沖縄行ってからがメインだが、何だかんだ一番好きなのは東京でのクレーンのシーン🏗
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HANA-BI(1997年製作の映画)

3.8

命の象徴としての「花」🌻
美しく一瞬で散る「花火」

初見時はたけしのナルシストっぽさが嫌で好きになれなかった映画だが、改めて観るとめちゃくちゃ良い。

「花」を絵(形・残る物)として保存する堀部と、
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