真一さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

七つの会議(2018年製作の映画)

4.7

行き詰まった日本型資本主義。
本作品は、架空の中堅企業に
焦点を当てる形で、資本主義
システムのほころびを浮かび
上がらせている。傑作だ。

価格を抑えるためには
不良製品の発注・販売も
辞さないとい
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ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

4.6

 人種差別の本質に迫った歴史的名作。
 
 舞台は1960年代、米南部ミシシッピー州。レストランも、バスも、水呑場も、白人用と黒人用に分かれていた頃の話だ。白い三角の覆面レイシスト集団「KKK」のメン
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.5

 私たちの心の奥底にある偏見と差別意識が、恐怖へと転化し、霊を浮かび上がらせるー。「残穢」を観たら、日本の霊現象のこうした発生プロセスが、よく分かった。

 サッサッサッの首吊り幽霊は高野家の嫁だ。生
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.0

ドキドキの脳内旅行!
満たされる知的好奇心!
手に汗握るシーン!

 準戦争状態の韓国と北朝鮮。双方の外交官が、相手より多く友好国をつくろうと、互いに不馴れなアフリカで外交工作を繰り広げるという設定が
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.1

4人の非力な幽霊と共闘して
マッチョな極悪男を倒すという
何ともユニークなホラー映画。
それなりに楽しめました🤭

それにしても謎が多い!
極悪男の犯行動機は?
なぜ被害者はそろって幽霊になるの?
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健太郎さん(2019年製作の映画)

2.3

世にも奇妙な物語風。
コメディ要素を差し引いた
イマキヨさん的世界観。

健太郎さんが
ナポリタンを獣食いする
冒頭シーンは強烈!
「おっ、この短編映画は
盛り上がりそうだ😃」と
期待したんだけど、
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.0

「資本主義💸の奴隷でいいのか?」

マルクスも拍手喝采しそうな
デビッド・フィンチャー流
「資本論」とも言うべき注目作。

「お前はモノに支配されている」
「僕らは消費者という名の奴隷だ」
「仕事以外
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.9

進化と衰退は同義だった。
いずれ文明はゼロに回帰するー。

なんたるスケールの映画だろう。
3周して、ようやく理解できた
ような?気がします。

「2001年宇宙の旅」は
ヒトが類人猿の頃より
「際限
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

5.0

胸が苦しくなった。

誰からも愛されない。
学力も常識も与えられていない。
社会から無視される。
希望や夢なんて見たことない。
巨大都市の歓楽街の片隅。
うぶな心。
戦場のトラウマ。
孤独な日々。
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.5

涙腺を刺激する
愛の短編アニメーション映画。
泣かされました😭

愛する人の思い出が、
実は人生そのものの
思い出なんだね。
所要わずか12分の
本作品を観て、
気づかされたよ…

主人公のおじいさん
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MERU/メルー(2014年製作の映画)

3.7

 ヒマラヤの切り立った岩峰をよじ登っていないと、生きている実感を得られないー。そんなアルピニスト3人が、難攻不落の未踏峰メルーに挑戦する山岳ドキュメント映画だ。
 
リーダーのコンラッドの「登山訓」が
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

4.2

男は、米軍兵士だった。
戦場で人を殺しまくった。
「俺は罪人になっちまった」
と嘆きつつ、帰還する男。

だが、そんな男を
政府は褒め称える。
「貴殿は勇敢な英雄だ!」

なんということか。
男は勲章
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.1

もし同性愛者だとばれたら
社会から差別され、排除され、
命までも奪われてしまう―

ジェンダーマイノリティーが
直面する差別の恐ろしさを
見せつけられ、言葉を失った。
 
差別されないための
カモフラ
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.5

上司からパワハラを受けた夜。
学校で仲間はずれにされた夜。
ホームで肩が触れた兄ちゃんから
「気を付けんか、ボケ( ;゚皿゚)ノシ」
と、どやされてしまった夜。

そんな情けなくて悔しい夜に
お勧めな
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ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言(2020年製作の映画)

4.1

 ユダヤ人強制収容所に関わったナチス党員、看守、近隣住民の証言から浮かび上がる「凡庸な悪」。おぞましいが、僕らの心の中にも巣食っている事実を認めざるを得ない。

「99人が虐殺命令に従うなら、私もそう
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沈黙 立ち上がる慰安婦(2017年製作の映画)

3.2

今から78年前まで
韓国と北朝鮮が
日本の植民地だった
事実を知る日本人は、
一体どれぐらいいるだろうか。
本作品はこうした「負の歴史」が
人々の記憶から消えゆく中で
出された、貴重な
ドキュメンタリ
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一分間タイムマシン(2014年製作の映画)

3.5

山高きが故に貴からず。
映画も長きが故に貴からず。

所要6分。楽しめました。
ちゃんと世界観あった(^-^)
世にも奇妙な物語なら、
第1話のホラーに続く
コメディタッチの第2話
として使えるかもで
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.9

鬱くしすぎるエンディング。

耐えがたいトラウマに
襲われた場合、人は

①別の自我にこもる
②心そのものを消す

しか逃げ道がないという結論を
突きつけられるのが、本作品だ。

ヤマ場は、主人公(デ
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226(1989年製作の映画)

2.5

テロを起こした青年将校の
生い立ちや決起までの葛藤が
全く描かれておらず、
感情移入できなかった。

三浦友和、丹波哲郎、本木雅弘ら
豪華名優陣の無駄遣い映画。

「田舎の家族は飢えている!」
「苦し
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選挙(2006年製作の映画)

3.7

これが、わが国の民主主義か。
情けないし、恥ずかしいが、
どうしようもない。

この作品でよく分かった。
自民党は、日本の縮図だ。
網の目のように張り巡らされた
後援会組織。
国会議員、県議、市議の上
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凶気の桜(2002年製作の映画)

1.7

期待はずれだった…
主人公ら3人がなぜ
ネオナチ集団
を結成したかの背景描写
がないため、感情移入できず
退屈した。
「行動」の動機も不明。
延々と続く喧嘩シーンに
あくびが出た。

なぜ「愛国」だと
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ウクライナから平和を叫ぶ Peace to You All(2016年製作の映画)

3.7

あるべき戦争ジャーナリズムとは
交戦中の両軍の主張を中立的に
報じることでは、決してない。

あるべき戦争ジャーナリズムとは
戦火の中で倒れ、苦しむ民の声を
ありのままに伝え、平和の意味を
世界に問う
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インセプション(2010年製作の映画)

3.5

RPGの実写版みたいな
ユニークな幻想アクション映画。
他人の夢の中に入り込み、
激しい銃撃戦を繰り広げる
ストーリーは、とにかく複雑で
奇想天外だ。

夢といっても、
本作品で言う「夢」とは
寝てい
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

アホらしいストーリーに
見せかけておいて、
実は極めて意味深な作品。

表向きは
「友好的なUFOと期待して
カメラを向けたところ、
それはUFOでなく、
残虐な侵略者だった」という、
あまりにしょー
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怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

3.2

 殺されないためには、自分も「人でなし」=「怪物」になるしかないー。壮絶なイジメを経て手にした主人公の悲しい教訓だった。

 舞台は、台湾。廃屋の一角で、高校生たちがゾンビに似た怪物女子を捕獲し、面白
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