GKさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.2

朝鮮戦争時代の保留収容所で結成された、国も立場も超えたタップダンスチームの話。

ダンスのとり方が良い。
タップダンスを華やかに見せるのって結構難しいと思うのだけど、この作品では様々な角度、音楽、そし
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.0

この作品とみたとき、日経新聞にNewspicksが掲載した広告が話題になっていた。

※コチラ
https://twitter.com/NewsPicks/status/101138695184324
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レッド・スパロー(2017年製作の映画)

4.0

スパイ映画って「華麗に諜報活動(キラキラ)」みたいなものが多いのだけど、この作品のドミニカ(ジェニファー・ローレンス)はかなり泥臭く、痛々しく任務をこなす。

007は「富裕層がリゾート地でお酒を飲み
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.0

2018年、映画館で韓国映画を観たのは3作品(どれも、ユ・ヘジンが出てる笑)。韓国映画だから、と選んでいるわけではなくて、観たい内容だから。それだけ韓国映画は面白い。

政治の話題をここまでストレート
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

トニー・リップ「俺はニューヨークのナイトクラブで長いこと働いてきたんだ。世界は複雑だ、ってことは知ってるよ。」

アカデミー賞 作品賞受賞作。どうも「視点が白人寄り」だとか「現代的な問題を扱っていな
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.8

ベン「そんなビニールハウスも、燃やされたがってるよ」

村上春樹の短編『納屋を焼く」を映画化したもの。静かなサスペンス作品でありながら、韓国の社会問題を織り交ぜて原作をうまくアレンジしている。

観客
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.7

デューク『ホワイトパワー!」
パトリス「ブラックパワー!」

いやぁ圧倒された。どストレートなメッセージ。

予告からはコメディのように思えるけれど(実際、劇場内で笑い声は複数回あがっていた)、正直
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運び屋(2018年製作の映画)

3.8

御年88歳のクリント・イーストウッド。年からくるものなのか、彼のやりたいことが詰まっている。内容は、彼の人生を重ねているように感じられるし、娘が娘役で出ているし、ポリコレ?なにそれ美味しいの?といった>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

2.5

ブッシュ(子)大統領時代の副大統領ディック・チェイニーを描いたコメディ?作品。ただコメディにしては笑う箇所があまりないし、ドキュメンタリーとしてみるには散らかりすぎている。
クリスチャン・ベールの役者
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ワイルドライフ(2018年製作の映画)

3.8

ジャネット「もしあなたが良いプランを知ってたら教えて欲しい。トライするから。きっと今よりいいはず。」

14歳の息子ジョーに取ってはハードでワイルドな、父ジェリーと母ジャネットの夫婦関係崩壊の話。最
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

4.3

1956年の社会主義国家である東ドイツにおいて、ハンガリーの民衆蜂起の犠牲者に対して黙祷を捧げた高校生が、自分たちにできることで体制と戦う、という実話。
ペンで戦う、とか、法律で戦う、とか、武力以外の
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アポロ 11 完全版(2019年製作の映画)

4.2

宇宙映画は好きなのだけど、やっぱりフィクション感があるというか、現実に遥か彼方まで宇宙が広がっているイメージが湧きにくいところってある。
『Apollo 11』を観て、初めて自分の生きている世界の延長
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

3.8

『天気の子』では「都会は冷たい。居場所がない」みたいな感想がチラホラ見られたけど、その比じゃない過酷さ。
両親は、子どもはたくさん産むがお金がかかるからと出生届を出さず、学校にも生かせず働かせる。
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.8

ハリウッドって云々〜、とか、小難しい感想は一切ありません。

タランティーノ監督の世界観(というか、彼が好きなもの全部詰め込み)、ディカプリオ!ブラピ!! 以上です。

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.2

韓国映画、すごい。
今年はこの作品と村上春樹『納屋を焼く』を原作とした『バーニング』を観たし、『パラサイト』が公開中のポン・ジュノ監督『殺人の追憶(2013年公開)』を観たりもした。飛び抜けているし、
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.1

『パラサイト』で一気に世界的な監督(その前からも著名だったがより一層)の作品。

複雑怪奇な事件の犯人への失望、怒り、葛藤、そして執念。
それが見事に映像化されている。

宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.0

靖子「あたしは命2つ持って生きてんだ、あんたにゃ負けないよ」

2019年で一番熱量を持った映画。
頑張れ宮本!!! みやじの曲も最高でした。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

予告編がかなりコメディタッチなのでどうまとめるのかな思っていたけど、素晴らしい作品だった。笑いをところどころまぜつつ、ベースは戦争映画。少年ジョジョの視点がいい。

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.0

89歳、クリント・イーストウッド監督の最新作。本当に創作意欲が衰えない。

本作は彼の「小さい政府」志向な政治的思想が全面に出ていたのでお腹いっぱい。

今のハリウッドのポリコレドリブン押しにも食傷気
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37セカンズ(2019年製作の映画)

4.1

出生時に37秒間呼吸が止まっていたことにより脳性麻痺になってしまった、1人の女性の成長物語。

公募で選ばれたという主演の佳山明さんが良かった。映画に出演する、という大きな冒険をした彼女の成長物語でも
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オマールの壁(2013年製作の映画)

3.8

主人公のオマール青年。決して強い人ではない、むしろ弱い。

3人の仲間うちでのイスラエル軍への抵抗において、彼の役割は「運転をすること」。イスラエル側に捕まって、スパイになることを条件に釈放されるわけ
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

本作の監督ジョーダン・ピールの作品は2作目、『Us』を先に鑑賞してから『ゲット・アウト』を観た。

2作に共通する点は「ストーリーだけを考えると、B級感がすごい」ということだ。ネタバレをしてしまうと面
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

4.8

言葉にならない、4年前に陥落したシリア アレッポの現実。まだ20代のワアド監督が経験した生と死。

アレッポにいたら、西欧諸国や国連はなぜ何もしてくれないのだろう?どうして?と思わざるを得ない。それだ
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

現実感のない、今までで一番現実に近い戦争映画。

『1917』を一言で表すとそういうことになると思う。

本作は、1917年の第一次世界大戦の兵士の1日を撮った作品。
一番長回しで撮ったのは10分弱ら
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

趣味の話をしている時に
「映画好きなんですね〜どんなジャンルの映画が好きなんですか?」
という話がなることがある。

一般的な回答としては、アクションムービーやサスペンス、恋愛ものが好き/よく観るとい
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.3

すごいものを観てしまった。
スカーレット・ヨハンソンはもちろんのこと、アダム・ドライバーが良すぎる。
カイロレンのイメージが強いけど、家族モノも良いのです彼は。パターソンとか。

通常は冷静なところを
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

ヴィラン。

英語としての意味は「悪党」や「悪人」といった意味を表す単語で、アメコミ作品に出てくる「悪役」を総称してそう呼ぶことが多い。


昔から、人はヴィラン(彼らの存在を脅かすモノ・コト)に立ち
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祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)

3.8

邦画はあまり観ないのだけど、TVで放送されていたので鑑賞。
期待せずに観たが思った以上に良かった。

東野圭吾の原作が良いのだろう(未読)。サスペンスとドラマのバランスが非常に良い。例えばサスペンス色
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あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

4.2

これはズルい。女性が観てどう思うかはわからいけど、高校生時代にこじらせていた自分には刺さった。特にラスト。

個人的には、ニュー・シネマ・パラダイスと並ぶラストでした。

イノセンス(2004年製作の映画)

3.8

押井守監督の作風で、かつ劇中の人物が外部記憶装置に頼っていて引用が多いのもあり、とっても哲学的。

のように思えるが、そんなことはない。押井守監督はこう説明している。

Q:イノセンスのバトーさん暗く
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ブラック・ミラー: バンダースナッチ(2018年製作の映画)

3.5

かまいたちの夜を思い出す。
映像作品としては斬新な作りで、VODだからこそできるもの。

どの分岐点を選んでも、結局主人公は救われず(ゲームの出来は変わるが)、そこが個人的に残念だった。

良い選択を
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シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

3.8

2019年初にNHKで放送された『平成ネット史(仮)』を見た。

「ああ、懐かしい」「あ、これ使ってたわ」のオンパレード。
そういう感情を抱くことはすなわち、今はそのサービスが使われなくなっているか、
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.0

私の好きな本に沢木耕太郎氏の『彼らの流儀』がある。

私はこの本を読むと元気づけられる。ロックやEDMのようなアップテンポな音楽を聞いてテンションを上げるようなものではない。自分が持っているが使えてい
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パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.2

世の中は『ボヘミアン・ラプソディ』フィーバーからの『ファンタビ』祭り。そして師走を駆け抜け冬休み映画の時期になろうとしている中、あまり話題になっていないがとても熱いインド映画を観た。

『パッドマン
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