GKさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

エモエモのエモだった。

これを観た人は、何かしら自分に重ねることになるだろうと思う。そして過去の恋愛を思い出すことになる。
多くのラブストーリーは「恋愛という夢」を描くものだけど、この作品は「恋愛と
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恋する惑星(1994年製作の映画)

3.8

California Dreamin` (夢のカリフォルニア) 。

この時代の香港は戻ってこないんだろうな。
一昨年香港に行こうとしたが、デモ活動が活発になってしまったので諦めた。今になっては悔やま
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時の面影(2021年製作の映画)

4.0

止まっているのに動いているように見える。そう見える写真がある。

例えばスティーブ・マッカリーという写真家(“アフガンの少女”で有名)の『Looking East』という写真集。
アジア各国の人々のポ
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.7

「うわぁぁぁぁ」
って今思い返すと恥ずかしい、青春時代の思い出は誰しも必ずある。
でもそれは今再現しようとしても、考えすぎてしまって、自分で自分にストップをかけてしまって、できない。

村上春樹が『傷
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.7

犯罪者であるダニエルが少年院から仮出所して、聖職者としてふるまう、という話。実話を元に脚本が作られている。ヨーロッパ圏、ポーランドでは、金銭面で恵まれている、人からの尊敬を集めることができるということ>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.8


荒波より凪。
熱波より空気。
歌う鳥はより、歌わない鳥。

それをよしとする1人の男の話。

とあるマーケティングプロフェッショナルな方が、その著書の中で「今の若者は物欲がない、というがそんなことは
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

3.0

まあ…良い話なのだけど、この手のピクサー映画はどうも乗り切れない。

なんだろう、伝えたいメッセージが表に出すぎているというか、それがメインでキャラクターやその世界、設定、ストーリーはメッセージを伝え
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パピチャ 未来へのランウェイ(2019年製作の映画)

3.8

衝撃だった。ほんの20数年前に、ここまで女性が虐げられていた国があるなんて。
当のアルジェリアでは上映禁止になったらしい。監督は見てほしかっただろうし無念でならないだろう。

こういった価値観、宗教観
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.0

最終陳述泣けた。彼らなり、彼らができること、彼らの戦い方はそれなんだと。それまでのシーンはすべて前フリだったかのような、そんな陳述に完全にやられた。
1つの戦いには負けて、1つの戦いには勝った。
そん
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

4.2

『MANK/マンク』はすごい作品だ。


マンクことハーマン・ジェイコブ・マンキーウィッツが脚本を執筆した『市民ケーン』の高度な引用、
映像に徹底的にこだわることが知られるデヴィッド・フィンチャー監督
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.0

政治家としての小川議員に関しては何も言うまい。
17年のもの歳月、彼を追ったドキュメンタリーが本作だが、その約2時間の映像は彼の一部でしかなく、彼の信念や行動がどうこうだと判断をすることはできない。
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市民ケーン(1941年製作の映画)

3.8

Mankの予習のために鑑賞。

話としては成功者の孤独の話なのだけど、その描き方が画期的。
最初に結末、その結末の謎に関して、間に過去の映像も挟みながら話が進む形式。
今やよく見る構成だけど、この作品
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監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

4.0

「良いビジネスモデル=収益性があるビジネス」という考え方が一般的で、これはSNSを提供する企業に当てはまるわけだが、それでいいのか。

収益性を優先するあまりに、社会を人間を歪めていないのか。

そん
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.0

最初に言っておきたいのは、役者の演技は最高だということ。草彅剛は草彅剛だけど、自分は違和感なく受け入れることができた。
そして一果役の服部樹咲。彼女はバレエのコンクールで賞を取るような才覚の持ち主なの
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朝が来る(2020年製作の映画)

3.8

永作博美、井浦新、蒔田彩珠、3人の演技が非常に良かった。前2人は迷い葛藤しつつ真摯に子どもに向き合う親を見事に演じていたし、蒔田彩珠は感情表現がうまくないが迷い苦しみそして救われる少女を抑えた表情で伝>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.0

公開から1週間、レイトショーで鑑賞してきた。

原作屈指のあの名シーンが盛り込まれているため、
「泣くかな〜いやそう認識してるから泣かないかな」
と思っていたが、やられた。煉獄さんカッコイイ。


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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

語り尽くされている『TENET』の仕掛け、仕組み、ストーリーに関して、もはや語ることはない。

1回観た。全くわからなかった。できの良いパンフレットと解説noteを読んで50%ぐらい理解した。
もう1
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

3.6

気軽に観れる、オシャコメディ。

ビル・マーレイ演じる父親のような父親だったら子どもは苦労するだろうなと思う。

本人は全く悪気はない。人生を楽しんでいるし、子どもも愛している。それに振り回される家族
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.5

梨泰院クラスのチョ・イソ役キム・ダミ主演でデビュー作。

展開遅いし説明不足なところ多いなーこれ回収しきれるのか?と思っていたら、まさかの第一部だった。

彼女の存在感はすごい。
素朴でマジメな女子高
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.8

撮影をしているビン・リュー監督が撮影対象者の仲の良い友人だったり息子だったりと関係が近いことによって、非常に正直で飾り気のない映像が撮れている。

貧困や家庭環境の負の連鎖。
なぜそれが起きてしまうの
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.0

『もののけ姫』に続くリバイバル上映鑑賞。

公開当初も鑑賞したが、あの時は若かった。
単純に劇中に出てくるキャクターに魅了され、音楽に心躍り、エンターテイメント性の高い脚本を楽しんだ。
あれから20年
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弁護人(2013年製作の映画)

3.8

韓国の盧武鉉元大統領の弁護士時代を題材にした作品。
ソン・ガンホ×法廷モノ×韓国の民主化。
この掛け算で面白くないはずがない。

『タクシー運転手』『1987、ある闘いの真実』と、この時代の韓国を題材
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もののけ姫(1997年製作の映画)

4.5

ちゃんと観たことがなく初鑑賞。
顎がはずれるほど良かった。映画館で観るべき作品だった。

宮崎駿監督の、「自然と人間の共存」に関する現実的な諦念と理想的な希望が複雑に入り混じっており、それが答えがない
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

39分という短い時間に、詰まっていた。
優しさが裏目に出てしまうことがあること、思春期の不安定さと思慮の浅さ、そして、好きという感情が素晴らしいことだということ。
エンドロールが忘れられない。

はちどり(2018年製作の映画)

3.8

「この世界が、気になった」

このコピーが逸脱で、『はちどり』の全てを表現していると思う。

大学の卒業式を終え、社会人になる前の3月のとある日。私は自室のベッドに寝転がりながら、ボーッと天井を見なが
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.1

人種、同性愛、宗教、理性と感情、重たくしようと思えばいくらでも重たくできるテーマを扱っているが、苦悩しながらも前向きなエリー、ポール、アスターによってきちんと青春映画になっている。

ただしんどいはし
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

3ヶ月ぶりの映画館鑑賞。
やっぱり映画館はいい。浸れる。

若草物語を映画化したもので、過去と姉妹が家を出た後の話が交互に展開される。

「女性は結婚して家庭に入るのが当たり前」の時代、次女ジョーのそ
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ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

3.8

当人への偏見だけではなく、当人の周囲への偏見について考えさせる作品。

一言でいうと、シャーリーズ・セロン様美しくて、下品な作品。そんな映画笑。

シャーリーズ・セロン演じる国務長官、そして次期大統領
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.0

32年前の作品なんて信じられない…
ブレードランナーと双璧をなす、退廃的な東京。金田のバイクのかっこよさ。15万枚にも及ぶセル画による躍動感のある映像。

大友克洋は、映画ではストーリーを伝えるつもり
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.0

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。
彼の作品に共通しているのは音の使い方。不穏で重たい音の使い方がたまらない。
また、セリフが必要以上にない、ということもある。

『静かなる叫び』は後者が特に顕著だった。
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.8

この事件からわずかわずか3年、この映画を公開してしまうスピード感。そして内容が受け入れられる土壌であることから、批評として映画が機能しているアメリカの現状を感じ取ることができる。
※少し前に、ブラピが
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

3.8

アンビバレンス。

子どもには理解し難い概念だと思う。全く正反対の考え/感情が存在する状態。
一種の諦めとも言える受容をすることができないので、ティーンはそれに苦しむ。

『怪物は少年コナーささやく』
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.6

気持ちいいぐらいのTHE大学生が、殺されると一日のはじめに戻るというループものの映画。

ループものにありがちな「当たり前の日常にマヂ感謝☆」がきた瞬間に「ああそのパターンか、、」と思ったら、もう1オ
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ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

3.8

さながらドキュメンタリーのように、淡々とアメリカがビンラディンを追い詰める様子を撮った作品。
当初の公開予定日はオバマ氏再選に向けた大統領選挙の前だったということで批判を受けたとのことだが、たしかにア
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