南森まちさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

南森まち

南森まち

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詩季織々(2018年製作の映画)

3.3

中国を舞台にした三作品からなるオムニバスアニメ。人生と衣食住をテーマとする、切なくもあたたかい物語。

一篇目はビーフンの描写が美味しそうで素敵な飯テロ。
二篇目は凡庸な立ち直りストーリー。
三篇目は
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リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

3.2

80年代イギリス。炭鉱夫の息子の少年はバレエに惹かれていく。彼は男らしさを重視する古風な父親が反対する中、内緒でバレエを習う…というお話。

シンプルなストーリーだが、美しい音楽にあわせた少年の美しい
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

2.0

夜な夜な泥酔したフリをしてナンパ待ちをする女性。彼女は学生時代に親友を事件で失い、ある目的を持っていた…というお話。

私には、意外性もエンターテインメントも学びもなく、ただ汚い男性の人間性をむき出し
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地球の静止する日(1951年製作の映画)

2.8

地上に降り立った謎の宇宙船から現れたのは脅威の兵器を持った異星人。米軍は彼を管理下におくが、街に逃げ出してしまう…というお話。

キアヌ・リーブス主演の『地球が静止する日』の、リメイク元のモノクロ映画
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.8

犯罪の片棒を担がされている天才ドライバー"ベイビー"。常に耳鳴りがするため音楽を聴きながら今日も運転する…というお話。

設定そのままで、ひたすらカーチェイスに合わせてゴキゲンな懐かしいナンバーがかか
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.3

現代NYが舞台。親友と同居中の27歳のダンスの練習生は、芸術家気取りで夢を語り、自堕落な生活を送るのだが…というお話。

スベリ芸のような会話を、モノクロの映像とオシャレな街並みとオールディーズのナン
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おろしや国酔夢譚(1992年製作の映画)

4.8

江戸時代後期。嵐にあった廻米船が半年間の漂流の末、離島に辿り着く。そこでロシア人と邂逅した彼らには、さらに数奇な運命が待ち受けていた…というお話。

原作は史実を元にした井上靖の長編小説(1968)。
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

4.6

NYのバーの経営者の元に、旧友が余命宣告を受けたという連絡が入る。彼は旧友の元恋人を訪ねる二人旅の運転手を務めるのだが…というお話。

…言っておきますが、「実はお前のことが好きだったんだよ!」とはな
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宇宙空母ギャラクティカ(1978年製作の映画)

3.8

住む星を宇宙人サイロンに滅ぼされた人類。僅かな生存者は、古文書にある「地球」を目指し旅に出る…というお話。

スター・ウォーズ人気にのっかった感はあるし、似せた部分も多い。
また、ストーリーが時々すっ
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ポセイドン・アドベンチャー(1972年製作の映画)

4.5

NYからアテネへ向かう豪華客船ポセイドン。大波に見舞われ沈み始める中、決死の脱出を試みる人々を描いた群像劇。

1969年に発表されたポール・ギャリコの小説を映画化。
117分しかないのに、11名全員
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オールド(2021年製作の映画)

2.9

あるビーチに着いたメンバーは、自分達が急速に老いるのに気づき脱出を試みるのだが…というお話。

初期設定さえ面白ければ良し!あとは辻褄を合わせます!という構成で、B級としか言えない出来だった
いや、伏
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グレイマン(2022年製作の映画)

4.3

CIA内の犯罪者あがりの殺害部隊「シエラ」で18年働くNo.6。彼の標的が死ぬ前に"自分はNo.4だ"という言葉とある物を託す…というお話。

最強でスマートな主人公が武器と肉体を駆使しながら、情報を
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スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

3.2

薄れゆく記憶の中で、過去に体験した惨劇の記憶を語る母を撮影したノンフィクション。

タイトルに「イデオロギー」という物騒な言葉がついているので身構えてしまうが、イデオロギーは深掘りしていない。大阪で生
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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

3.5

刑務所の矯正研修講師を引き受けた落ち目の役者。出所を待つ囚人達を見て『ゴドーを待ちながら』を演目にする…というお話。

やる気のない個性豊かなメンバー。そこに情熱を持ったコーチが現れてプロ意識を叩きこ
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C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

3.8

1970年代、5人兄弟と両親の家庭。特にお気に入りだった四男に、ある特性が芽生え始めた事に気づき、父の態度が変わる…というお話。

日曜はミサに通う典型的なカトリックの家庭の中で、自らのアイデンティテ
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偽りなき者(2012年製作の映画)

3.8

デンマークの小さな村で働く男性保育士。彼を慕う少女が「性器を見せられた」と園長に伝える…というお話。

冤罪がテーマの映画。だが『それでもボクはやってない』のような法廷劇とは違い、小さな村の人間関係が
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.0

離島の灯台(ライトハウス)の二人の管理人。彼らの四週間の生活は、次第に狂気に満ちていく…というお話。

ヨーロッパにおける船乗りの伝説や、ギリシャ神話をモチーフにした要素が多い。後半になると現実と幻想
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Blue Island 憂鬱之島(2022年製作の映画)

3.3

時代に翻弄される、さまざまな世代の香港人を描いた群像劇。クラウドファンディングで2,700人以上の支援を受けて製作された。

映画というよりはインタビュー集で時系列も含めてとりとめがなくややこしいが、
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.2

少年連続失踪事件が起きるデンバー。仲のいい妹、暴力的な父と暮らす少年フィニーにその危険が迫る…というお話。

おどろおどろしいジャケット写真とあらすじにだまされるが、まさかの友情・努力・オカルト・勝利
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プレデター(1987年製作の映画)

3.4

とある国で落下したヘリの救助命令が下された。救助部隊はゲリラ基地急襲に成功するが、彼らを謎の気配が追っていた…というお話。

まあプレデターが追ってるんですけど。
お話はいたってシンプルだし、仲間たち
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

2.5

CM撮影で来日した俳優ボブ・ハリスが、不満を持つ若妻シャーロットとデートする話。

若きスカーレット・ヨハンソンの美しさだけでもっている映画。
タイトル(”不正確な翻訳”)から、夫婦間の互いに理解でき
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

5.0

犯罪者が刑務所逃れのため詐病し精神病院に入る。院内の規則に辟易した彼は、患者達を巻き込み自由を求める・・・という話。

最初のグループセラピーあたりは冗長な映画だなと思ったが、中盤から活躍する各キャラ
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海上48hours ―悪夢のバカンス―(2022年製作の映画)

1.8

若者5人が洋上で壊れたジェットスキーの上に取り残されサメに襲われるお話。

予告映像やフライヤーですべて語られており、それ以上のことが起こりません。大事な伏線もなく、事故るまでの最初の30分は寝ていて
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破戒(2022年製作の映画)

4.1

明治39(1905)年、被差別部落出身の教師・瀬川は出自を隠していたが噂が広まり…というお話。

恥ずかしながら原作は題名もテーマも怖く暗そうで、手を出していませんでした。
こんなに前向きで素晴らしい
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.0

悪徳マネジャーが、プレスリーとの半生を語り、観客に問う。「彼を殺したのは私?彼自身?いや違う…」

観る前は、最近流行りのミュージックビデオのような映画かと思っていた。
しかし、歌唱シーンよりもアメリ
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

2.8

起きるたびに性別も年齢も人種も変わってしまう男のラブストーリー。

面白いSF設定だったがそれを十分に活かしたとは言えず、平凡なラブストーリーだった。
途中からヒロイン視点に変わり、彼の体質をどう受容
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マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

2.8

13世紀のボヘミア。領主の息子ミコラーシュが貴族を襲撃し、その息子を捕虜にする。王軍が彼らを討伐へ向かう…というお話。

見る前にちゃんとチラシ(フライヤーっていうんだっけ?)を読んだんですよ。ボヘミ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

3.6

40分の中編×3篇からなるオムニバス。
すべて息もつかせぬ会話劇で、冒頭から台詞に集中させられるため、最後まで楽しく見られた。
そして出てくる人物が皆理屈っぽく長回しも多い。集中しっぱなしの2時間でし
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.3

ある事をきっかけに行方不明の登山家・羽生を追うカメラマン。聞き込みを続け、山に人生を賭ける羽生の姿が見えてくる…というお話。

原作未読。仲間やライバルが倒れても、肉体労働でお金を貯めストイックに山に
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戦争と女の顔(2019年製作の映画)

3.9

戦争終結後の1945年のソ連。元兵士の女性たちに残された傷痕と周囲の人々の厳しい視線を描く…というお話。

もちろんその内容は重い。戦闘によるPTSD、取り返しのつかない大怪我、自らの死を望む傷病兵、
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.9

ロンドンの高級レストラン。TVの人気シェフが来店する一日はトラブル続きで…というお話。

高級レストランが最も賑わうクリスマス前の金曜日、その舞台裏の"沸騰"を特撮・CGなしのワンショットで見せる。
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街の上で(2019年製作の映画)

3.6

フラれた主人公の恋愛の終わりと再生を描く群像劇。

ひとつの新しい愛が、知らない人を失恋させているという当たり前の事柄を描いている。
いかにも日本らしい繊細な人間関係が描かれていて面白い。お金も技術も
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ライトスタッフ(1983年製作の映画)

3.7

有人宇宙飛行計画"マーキュリー計画"の宇宙飛行士の実話を基に描いた作品。

トップガンに似通ったアメリカらしい、「危険に挑戦するオレ、いいだろ?」…な、マッチョな価値観が全面に描かれています。う〜む😅
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ゲーム(1997年製作の映画)

4.4

大富豪の兄に不肖の弟から謎の会員証をプレゼントされる。そのサービスと契約した日から不可解な事が周囲に起こる…というお話。

もうなんも言えねえわ、傑作傑作!騙されないぞと思っても騙されてしまう出来栄え
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母へ捧げる僕たちのアリア(2021年製作の映画)

2.9

南仏の街。昏睡状態の母に好きだったオペラを毎夜聞かせていた少年が、歌を学ぶ機会を得る…というお話。

明るいタイトルとジャケット写真とは裏腹に、現実的で重い物語でした。そして、「え!ここで終わるの?」
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

3.7

ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員達の脱出劇を実話を基に描く。

見ている間、思っていたのは「はよ展開進めて!」でした。
協力を開始するのは全上映時間121分のうち80分頃から。もう協力
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