Iri17さんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

Iri17

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肉体の門(1988年製作の映画)

4.5

激動の昭和を力一杯生き抜いたパンパンたちの姿を描いた作品。

男たちが始めた戦争の結果、家や仕事を失い、憎めと教えられてきた敵国のアメリカ兵に体を売る、まさに時代に翻弄された女性たちである。彼女たちは
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レベッカ(1940年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ダフネ・デュ・モーリエの小説をヒッチコックが素晴らしい演出で映画化した作品。

タイトルのレベッカは主人公の夫の亡くなった前妻のことで、1度も登場しない。しかし、最後まで夫妻を縛り続ける幻影的な存在と
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億男(2018年製作の映画)

2.5

お金とは何か?というテーマを描いているものの、いや知ってるんだよそんなことは、という印象を受けました。
恐らく多少文学や映画に興味があったり、哲学的な問題を考えたことがある人なら、この映画の提示するお
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くちづけ(2013年製作の映画)

2.3

途中までは可もなく不可もなく、ラストが一気にダメ。あのような結末を感動的なラストにしようという下劣な考えがよろしくない。

汚い身なりで独り言言いながらウロウロしてるホームレスは知的障がい者らしい、俺
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

3.5

女子テニス界のレジェンド的存在で、フェミニスト、LGBTの権利運動の旗手として活動したビリー・ジーン・キングと、男性至上主義者で、名テニスプレーヤーであるビリー・リッグスの男女対抗戦、バトル・オブ・セ>>続きを読む

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.6

鬼才クストリッツァが3時間で送るユーゴスラビア史の叙事詩的作品であり、濃厚な人間ドラマがとてもなく素晴らしい演出に乗せて描かれている傑作である。

戦争が日常と化してしまっている社会で生きる人々と、軍
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パーフェクト・レボリューション(2017年製作の映画)

4.7

去年映画館で観れなかったのだが、観ていたら間違いなく、昨年のベスト10に入ったと思う。

この映画はすごく僕にとって思い入れの深いテーマを描いているため、正直言って公平な評価を下せているか分からない。
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人魚の眠る家(2018年製作の映画)

4.5

原作が東野圭吾なので、あの堤幸彦が監督してるのに素晴らしい作品になるという。

人の死について考えさせられる作品だ。脳死して意識もない状態で心臓だけ動かして、それは本当に人として生きていると言えるのだ
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ラプチャー 破裂(2016年製作の映画)

1.5

全てがテキトーな映画という印象。「ああもうなんも思い浮かばない!こんなんでいいや!」みたいなやっつけ感を感じた。

意味不明でどうでもいい設定と展開で、100分ちょっとの映画なのに間延びしている驚異的
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.1

全ては太賀がちゃんと働いていれば、臼田あさ美が光石研にスクール水着を着せられたり、オダギリジョーにたぶらかされることもなかったので、観ていても「ふーん」としか思わないですよ。

雰囲気はすごく好きで、
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パピヨン(1973年製作の映画)

4.5

スティーブ・マックィーンの名演で送る脱獄劇。刑務所からの脱獄だけでなく、自らの過去から自由を勝ち取るための葛藤が描かれる。

「お前の罪は殺人じゃない。人生を無駄にしたことだ」マックィーンが死にかけて
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グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)

3.5

随分評判が悪いようですが、僕は演出とか嫌いじゃないです。ルイ・ギャレルはゴダールにしか見えないし、ステイシー・マーティンは可愛すぎる。

ただやっぱり思ったのは、これ映画作る意味あったのかってこと。ゴ
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

3.5

100年前の映画とら言われても、今年の映画と言われても納得してしまうような作品こそ、まさに名作と言われるものだろう。

まさに映画の教科書みたいな映画で、最初から最後まで完璧なくらい良くできた映画だ。
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.7

孤独、閉塞感、不安、社会と人生のどうしようもなさ、社会の暗部と人間の内面をここまでセリフに頼らず映像のみで表現できる人は、僕は3人しかいないと思っている。キューブリック、タルコフスキー、そしてこの映画>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.6

熱狂、垂涎、歓喜、落涙。音楽の魅力をふんだんに詰め込んだ素晴らしい映画。

Queenのフロントマン、フレディ・マーキュリーの半生を、往年の名曲と共に描いた映画である。フレディ・マーキュリーは彗星のよ
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オズランド 笑顔の魔法おしえます。(2018年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

日本一職場環境の良い職場。それ以上でもそれ以下でもない。日本全国の職場がこうなればいいのに。

映画としては全く面白いと感じず、キャリアで最もハイテンションの橋本愛しか魅力を感じない作品だった。
何が
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蛇にピアス(2008年製作の映画)

3.6

何もかもが無意味で、虚構に満ち溢れた東京に生きる若者にとって、痛みとセックスのみが生を実感させてくれる。

いつからこうなったのか分からないが、日本って国はとっくにおかしくなってしまった。
スプリット
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未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

3.6

情報統制されたディストピア社会を独特の世界観で描いたテリー・ギリアムらしい作品。少し冗長ではあるが、作り上げられた世界が素晴らしいので飽きずに鑑賞できる。

こんな未来も然もありなんと思わされる不気味
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ヴェノム(2018年製作の映画)

2.7

これは評価が難しい作品だった。正直言って映画としての出来は悪い。映画全体に抑揚やメリハリのようなものが感じられないし、序盤のスパイダーマンそっくりの展開や後半に向かっても全く盛り上がらない構成は褒めら>>続きを読む

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

4.5

主人公の友達が僕の女友達にそっくりすぎて怖かったというのはさておき、この作品はタイの現状とこれからの在り方を暗示したような作品だった。

タイを含む東南アジアは、近年発展が進み、急速に豊かになっている
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.9

ツァラトゥストラはかく語りきから始まり、モノリスによって人類が道具の使い方を覚え、HAL9000の反乱の先に待つ次の進化。スターチャイルドはニーチェの説く超人なのか。

人類が進化するシーンで毎回ツァ
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マルサの女(1987年製作の映画)

3.0

伊丹十三の大ファンではあるがこれはちょっとな…

個人的に国税庁なんて市民から搾取する悪の権化のイメージしかないので、いくら山崎努が悪党でも国税庁の奴らなんか応援できない。だから点数低め。完全に個人的
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大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)

4.5

怪獣映画の原点にして哀愁漂う映画である。

孤独な怪獣が美女を求めるという構図はフランケンシュタインの原作に近い。この作品の裏には人間のエゴが見え隠れする。勝手にアマゾンに入ってきたのは人間ではないか
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もののけ姫(1997年製作の映画)

5.0

いやー久し振りに観ましたね、この映画。物心ついた時から観ている大好きな作品です。当時は意味なんて全く理解していなかったけれど、なぜか大好きで何度も何度もVHSを観ていたんですよ。
大学生になって学校で
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ミラーマスク(2005年製作の映画)

4.3

とにかく世界観が凄い。最初から最後まで観たことない絵面しか登場しない。
ストーリー自体はさほど面白くないものの、その超現実的な世界観に酔いしれるだけで充分観る価値のある映画だろう。

自己の善なる部分
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BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

4.0

この映画の銃が象徴するものは暴力衝動であり、自己破壊本能であり、誰もが持ってる隠したい本能のようなものだろう。
それはナルシズムかもしれないし、性欲かもしれないし、殺意かもしれない。一発の銃弾が心のリ
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

5.0

北部版『スリー・ビルボード』の様な作品。自然の美しさと厳しさを壮大に描き、人間の愚かさや醜さ、それでも生きていく人々の力強さを大自然をバックに描いた作品。

ネイティブ・アメリカンの保留地を舞台にした
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エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

3.1

映像の美しさなら4.5はあげたいところだが、脚本は薄っぺらく感じてしまったためこの点数。

ジャコ・ヴァン・ドルマルがプロデューサーを務めているが、明らかなジャコ・ヴァン・ドルマル風の撮影技法や音楽の
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ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

4.3

周りの人達の前評判でこの映画は退屈だと聞いていたけれど、僕は高く評価したい。人生における退屈さは人生で最も価値のあるものだと思ってるからです。

ワンカットがかなり長回しで、全編がほぼ会話のみで構成さ
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

心苦しくなる映画だけどこれが現実。LGBTQへの理解はアメリカ南部州や日本ではほとんど進んでいないし、ダウン症のような知的障がいともなれば、平等が達成されている国は世界に一つもないと言って過言ではない>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

5.0

アイドルから女優に転向した主人公が、現実と妄想の区別のつかない世界に入り込んでいくホラー映画。

アイドルという存在の虚構性、その虚構性に満ちた偶像を崇拝し狂気に走るファン、演技が自我と現実を侵食して
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マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)

3.5

日常的。それは退屈なようでとても尊い日々。子供時代の日常は毎日が冒険で、発見で、美しい日々だ。千年前も千年後も子供は非日常的な日常を過ごしていた。

大人になると忘れてしまう子供の時の楽しさ、無邪気さ
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スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

3.8

僕はソ連オタクですが、この映画は大満足です。

スターリン死後の権力闘争をコミカルに描いていることが斬新で面白い。終始笑えるシーンの連続であり、ソ連に興味がない、詳しくない人も楽しめる作品であることは
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

排外主義のレバノン人の男トニーとパレスチナ移民の労働者ヤーセル。2人の間に起きた些細なトラブルが国を揺るがす裁判になる。

レバノンにおけるキリスト教とイスラム教の対立が最も激化して起こったのがレバノ
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.4

実際のモントリオール理工科大学虐殺事件を基にした作品。犯人と被害者の両方の視点、両方を描いた作品で、カメラワークも『エレファント』からの影響大。

悲惨さ、恐ろしさの中に、不謹慎ながら美しさを感じてし
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