GTさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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悪魔(1972年製作の映画)

3.7

ズラウスキーの映画にマトモなものはない。これで彼の映画を見るのは三作目なのだが、相変わらず意味不明。…が、「ワルシャワの柔肌」や「ポゼッション」は割とカラッとしていてユーモアもあったような気がしたのだ>>続きを読む

PLAN6 CHANNEL9(2016年製作の映画)

3.8

不条理でブッ飛んだコメディ映画。非常に人を選ぶということが、スコアからも伺えるだろう。
シングルマザーであるまひるが経営する店に入り浸る人々とまひるの交流が物語の中心となるわけだが、出てくるキャラクタ
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アイドルたち(1968年製作の映画)

4.4

アイドルが歌って踊るキラキラ系青春映画!…というわけで勿論ない。ストーリーらしいものはあるが、基本話の筋を追う物ではないと思われる。
まず何より、アイドルだけあって歌があるのだがそれが致命的に下手くそ
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魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A’s(2012年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

アニメ版は途中まで視聴。だがそれももう随分前の話。
一期に引き続きド迫力の戦闘シーン。野太いビームをぶっ放し派手に大爆発が炸裂する。なのは達が使う「レイジング・ハート」をはじめとする所謂「魔法の杖」も
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アメリカン・ニューシネマの代表作として知られる本作。権力・常識に押さえつけられて潰れる純朴な青年と、自由の象徴のような老婆の交流というストーリーは、如何にもな感じ。
ハロルドを取り巻く状況があまりにも
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ゾッキ(2021年製作の映画)

4.7

なんとも言えない雰囲気の群像劇(?)。監督が三人いてそれぞれ別のエピソードを担当しているらしいが、タイトルなどは表示されないためどこか作品の切れ目なのかよくわからない。
基本的に山場もオチもなくダラダ
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エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

3.7

 全世界に感染すると自殺したくなる「レミング病」なるものが流行。ミズイとアスハラなる二人が奏でるノイズミュージックが病に効果がある、という設定だけ聞くとやや馬鹿馬鹿しい感じの映画。が、笑えるようなシー>>続きを読む

くれなずめ(2021年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの映画。
5年ぶりに集まった「帰宅部仲間」たち六人。結婚式の余興で高校の学園祭で披露した「赤フンダンス」を踊るために集まったという。映画の冒頭から、六人の仲の良さを見せつけられる。「永遠の友達
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炎上(1958年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 文豪三島由紀夫が執筆した「金閣寺」の映画化。原作は読了済みだが…(しかも二回ほど)。
 非常に緻密かつ難解な心理描写が圧巻の原作であるがその内面を映画化するのは非常に困難なためか、大筋は原作通りなも
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.9

 生活に困った兄が自閉症の妹を売春させるという、かなりキツいテーマの作品。実際キツいシーンも多く、チンピラに妹を犯されるシーンを無理矢理見せつけられるシーンの胸糞悪さはなかなかのもの。
 しかしこうし
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

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 YouTubeで「三島由紀夫」で検索すればおそらく三番目くらいには出てくるであろう有名な「東大全共闘vs三島由紀夫」のドキュメンタリー。
 超知識人同士の戦いだけあって何言ってるか全然分からない部分
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

5.0

 人喰い家から脱出するパニックホラー映画!…とおおまかに言ってしまえばそうなのだが演出も何もかもがとにかくキマっていて、最早言語化不可能なレベルに達している。
 そもそも人喰い家に訪れる前の時点で色々
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

本物の身体障害者を使用したことで当時としては衝撃的だった(多分)作品。なんと1932年。第二次世界大戦すらまだまだ先という時代に撮影された映画なのだ。昔すぎて、映像が非常に荒い。
サーカスの、そこで働
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ラブ&ピース(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「Love and Peace お前を 忘れない」
こういうタイプのストーリーに、俺は弱い…。
園子温監督と言ったら「冷たい熱帯魚」などのショッキングでグロテスクな作品が有名だが、本作は非常に無垢な作
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「良い」
ただこの一言だけは感想として思い浮かぶんだけどもっと具体的な感想を言えと言われるとなんだかとっても難しい。
役者として上京したが上手くいかず、交際相手とは破局していながらもズルズルと同棲を続
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ビジターQ(2000年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

キチガイ、それに尽きる。ここまで非倫理的で不条理な作品、なかなかないのでは。
冒頭からフルスロットル。「パパとしたことある?」というテロップが現れた後、売春をして金を稼ぐ娘と父親(遠藤憲一)のセックス
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非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎(2004年製作の映画)

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誰にも見せる気などなく、一万五千ページにも及ぶ小説と数百点もの挿絵を描いたアメリカのアーティスト、ヘンリー・ダーガーのドキュメンタリー。「誰にも見せるつもりがない」と書いた通り、死後その努力が認められ>>続きを読む

徳川セックス禁止令 色情大名(1972年製作の映画)

4.4

「下々の民が性の快楽を楽しんでいる事に嫉妬した殿様がセックス禁止令を発布する」という内容だけ見ると非常に馬鹿馬鹿しい映画。実際馬鹿馬鹿しいシーンも多く、セックスしたことのない殿様のために太鼓を打って腰>>続きを読む

カノン(1998年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

不幸な生い立ちを持つ中年男性の、呪詛に次ぐ呪詛。映画全体を男の独白が占めておりその殆どが上手くいかない現状への恨言で占められている。結婚しているにも関わらず妻に働かせ、そのくせ心の中で「デブ女」などと>>続きを読む

悪徳の栄え(1988年製作の映画)

3.2

マルキ・ド・サドの小説の映画化…というわけではなく「悪徳の栄え」の舞台を上映している劇団の話。
冒頭の、裸の女を侍らせて汚らしく飯を食うシーンのインパクトは絶大で、これぞサドの小説世界、といった感じ。
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狂った野獣(1976年製作の映画)

3.4

ひたすらに荒々しく疾走感溢れる映画だ。陽気な音楽に乗せてオープニングが始まったかと思いきや、ものの五分くらいでもうバスがジャックされる、その潔さ。
バスジャック犯は心理的余裕というものが皆無で、顔中に
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自殺サークル(2002年製作の映画)

4.4

女子高生が集団で電車に飛び込み自殺をする事件がきっかけに、日本中で自殺事件が次々起こるという内容。
冒頭の女子高生自殺シーンのインパクトがとにかく凄く、ネット上でも少し有名。女子高生50人が手を繋いで
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

何年ぶりかの鑑賞。ジブリはやっぱり素晴らしいなぁ、と再認識。
世界観が本当にオシャレで素敵だ。オープニング、夜の街を飛ぶキキが、ジジに箒にぶら下がったラジオのスイッチをオンにするよう頼む。ジジがスイッ
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サウンド・オブ・ミュージック(1964年製作の映画)

3.8

「私のお気に入り」「ドレミの歌」「エーデルワイス」など、誰でも一度は聞いたことのあるだろう名曲が揃ったミュージカル映画の傑作。歌もダンスも素晴らしく、特にトラップ家の七人の子供の可愛らしさは、本作の見>>続きを読む

富美子の足(2018年製作の映画)

4.4

原作読了済み…なのだがほぼ別物。
息を吐かせぬ変態描写の連続に大興奮and大爆笑の一時間半だった。富美子の足に執着する老人と若者を描く作品。主演三人の演技が素晴らしい。
「冷たい熱帯魚」で狂いに狂った
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ラッキー(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「死」をテーマに扱った作品。「感動系」の作品ではなく主人公であるラッキーが村の住民との交流を通して「死」を受け入れていく過程を静かに描く作品。晦渋、哲学的、ともすれば地味で退屈とも取られかねない作品で>>続きを読む

初恋(2020年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

なんというカオス、なんという熱量。鬱屈とした日々を豪快にぶっ飛ばしてくれる最高の映画だ。
一人の刑事と一人のヤクザのヤクの横流し計画が、あれよあれよ言う間に色々な人を巻き込んで取り返しのつかない事態ま
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カフカの「城」(1997年製作の映画)

4.0

原作読了済。非常に忠実に映画化されており(ラスト、草稿はここで終わっている、でぶった切ったのはいっそ清々しささえ感じた)原作を読んでから見る、もしくは、これを見た後に原作を読むことで、より一層楽しむこ>>続きを読む

センセイ君主(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

女の子向けの青春ラブコメディ。たまにこういう自分には全く合いそうにない映画を見たくなっちゃうんだよね。
告白してはフラれるを繰り返す女子高生、佐丸あゆは。ヤケになって牛丼屋で爆食いしたところ、金が足り
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十九歳の地図(1979年製作の映画)

4.6

新聞配達をしながら気に入らない家に×をつけ、×が溜まった家にイタ電をすることを唯一の楽しみとする吉岡と「カサブタだらけのマリア」と呼ばれる足の不自由な女に熱を上げる紺野との、奇妙な関係を主に描く映画。>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

精神病に入院したマクマーフィーの、抑圧への抵抗とその敗北を描く、アメリカンニューシネマの傑作。
ジャック・ニコルソン演じるマクマーフィーのキャラクターが良い。五回もの暴行罪で刑務所に入り、狂人を演じて
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

若者二人がバイクに乗ってニューオーリンズを目指すロードムービー。あらすじらしいあらすじがほとんどなく、旅の途中で訪れた人との交流とバイクでの移動シーンで映画が構成される。
「交流」とは言ったが、別に「
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

二度目の鑑賞。一度目は正直全然ハマらなかったのだが、主人公トラヴィスが抱える虚無感と怒りに何やら親近感が湧いてしまい(闇ぶっていうのも何だが)、一度目より遥かに面白く鑑賞できた。
主人公トラヴィスはベ
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

予告を見るとコメディに全振りした印象を受けるが、意外とシリアスな側面も大きい。
もう何作も作られた「ゾンビ映画」の一つなのだが、この映画では登場人物達がイヤに落ち着いている。ゾンビが現れる前のやりとり
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

所謂悪魔崇拝物。だが直接的な悪魔の描写はなく、悪魔の崇拝者が主人公であるローズマリーをじわじわと追い詰める様を描く。ジャンルはホラーとあるが、どちらかというとサスペンスで、怖い物が苦手な人でも大丈夫(>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

男二人女一人の三人の若者が旅をする様を淡々と描く、それだけの映画。これといった事件が起きるわけでもなく、起承転結は皆無。女がいるにも関わらずラブストーリー的な側面すら一切ないのには驚いた。
この説明で
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