改名した三島こねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 34ページ目

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

3.8

物語的な主人公→グランド博士
子供視点の主人公→レックス
隠れた主人公→ハモンド社長

子供視点の主人公はティムだろうという意見もあるだろうけれど、物語でわかりやすくヒロイックな役割をしたのは彼女だろ
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π(1997年製作の映画)

3.9

『アンダルシアの犬』
『イレイザー・ヘッド』
『ファンタスティック・プラネット』

これらの不気味極まりないナンセンス作品は好みがハッキリと分かれるのだけれど私は大好き。そして本作もそういったハイセン
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アイアン・スカイ(2012年製作の映画)

3.1

これの製作国がドイツというのが一番驚愕。
御国柄ジョークは自虐的な文脈でないと、笑えるどころかただただ不快になる。それ故ドイツ製作というのは納得といえば納得なのだけれど、あまりにも海外人的な自国民の見
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エイリアン2(1986年製作の映画)

3.6

『エイリアン』シリーズというよりジェームズ・キャメロンの性癖見本市みたいな作品。

①大人と子供の名コンビ
②男よりたくましい女性像
③しぶというえに有能な人造人間
④閉鎖空間に爆煙を大量使用
⑤終盤
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シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

3.7

かなり深刻に考えなければならないバイオレンス映画なのだけれど、目まぐるしい群像劇にすることで娯楽性も与えている。やはり映画はメッセージ性だけでなく脚本も重要だ。

本作で特に注目したのがカメラというア
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マスク(1994年製作の映画)

3.7

『ジョジョの奇妙な冒険』の海外流通時期から考えると、あまり関連性はないらしい。しかしあのマスクはどう見ても石仮面。

コメディ部分もアメコミのようでおもしろいのだが、ジム・キャリーのダンスシーンのクオ
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ハードコア(2015年製作の映画)

2.7

友人が隣でゲームをプレイしてるのをただ見ているだけの時間ってクソだと思いませんか?

操作ができないFPS。その一言に尽きる主観型映画。主人公の人格がさっぱりわからず、台詞が「………」だけのゲームの主
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.8

主人公トラヴィスの小根は善人寄りなのだろうけれど、やっていることは狂気の沙汰。しかしそれを"なんとなくオシャレでカッコいい"にしてしまったのが、本作のすごいところなのだろう。

実際トラヴィスが作中で
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コマンドーシャーク 地獄の殺人サメ部隊(2018年製作の映画)

1.0

"サメ"た目で見られたくないので、コマンドーシャークは物見遊山感覚の観客を皆殺しにした

サメ映画ファンからしたら「んほぉ〜このサメたまんねぇ〜」となること間違いなしなクソサメ映画。これわざとやってる
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きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

3.8

子どもが「助けて」と訴えているのに「証拠がない」とほざく人間も悪人だと断言できる。

近年体罰は過度に批判されるようになり、かえって体罰肯定派の声も聞こえるようになった。しかし体罰批判は過度などあり得
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パージ:エクスペリメント(2018年製作の映画)

3.3

これまでのパージシリーズとは違ってパージ制度の試験運用段階の話なので、その実施の裏の陰謀だとか謀略が増し増し。結果としてスリラー要素はなくなりアクションに振り切ったが、それはそれでアリであった。

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アラバマ物語(1962年製作の映画)

4.4

この作品は間違いなくアティカスを代表に人間の善性を描いているのだが、一方で確実に人間の醜悪で下劣で害悪な一面も描いている。特に作中のとある人物は人間の屑と称しても生温い蛆のような存在だ。アティカスの善>>続きを読む

シャーク・プリズン 鮫地獄女囚大脱獄(2015年製作の映画)

2.3

女囚要素はいらなかったけどチーム要素は燃える

サメが地面を泳ぐエフェクトのせいで猛烈に米を研ぎたくなる。ぼこぼこぼこぼこ。それが一番の見所。他はいつものサメ映画。

しかしサメという巨悪を前にした時
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レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語(2004年製作の映画)

2.2

あとがきに留めておくべき物語

作中メタフィクション要素が所々挿入されるのだが、実はそれは特に意味がない。物語性先行の映像作品への痛烈な批判ではなく、ただ単に脚本家の発言に商業性を付随させたいがために
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市民ケーン(1941年製作の映画)

2.9

本作の公開が1942年。冷戦の契機となるヤルタ会談が1945年。時代背景を頭に入れておくと、この作品の公開がいかに危ういタイミングであったかがわかる。

作中全体に資本主義の盲信への批判精神が散見され
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.6

ラブコメディのお手本のような作品

本作のコメディ成分でわかりやすいのは受話器の存在感くらいで、視聴者に「これで笑うのだ」とネタを明示してきたりはしない。そういった笑いどころは画面の端で繰り返される"
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デッド寿司(2012年製作の映画)

3.7

サメ映画かと思ったらゾンビ映画だった
ゾンビ映画かと思ったらニチアサだった

ふざけているのは広告だけ。ではないけれど序盤だけ。でもなかったけれど最後はなぜか魅入ってしまう不思議な映画。正統派の名作を
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アメリ(2001年製作の映画)

2.2

一応フォローしておくがホラー映画なら3.8点

この作品を紹介する時にたいてい"ラブリー""キュート""お洒落"なんて謳い文句を聞くのだが、ハッキリ言ってしまうとただただ不気味。アメリの視点で素晴らし
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私が、生きる肌(2011年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

気持ちいいくらいに気持ち悪い映画

日本の文壇なら夢野久作だとか江戸川乱歩あたりが執筆していそうなディティールの幻想映画。肉体の交差が美的映像に連結しているというのは、実は脳内映像にはできてもスクリー
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ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年製作の映画)

3.6

リーチ監督は変態と再認識する一作

ドミニクではなくホブズに視点を置いたワイスピ外伝作品。そのため従来のシリーズと比較するとカーアクションシーンは少ないものの、その分ぶっ飛んだ内容になっていて外伝なら
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ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年製作の映画)

3.4

コンクリートに穴は掘りませんでした

ブライアン、ハン、ジゼルという元祖ワイスピファミリーが続々と舞台を降りてからもワイスピは続く。しかし新規加入がホブズとデッカードってどんどんファミリーがいかつくな
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アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ(2016年製作の映画)

3.1

ドーナツシャークでも話は通じる

『アタックオブザキラートマト』を視聴された方々であればおわかりだと思いますが、あれをドーナツに変えただけでございます。愉快。

なぜか耳に残るOP曲だとか、まったく怖
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ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション(2015年製作の映画)

2.4

無理にハンガーゲームしなくていいよもう

全4部作の最終章ということよりも、P.K.ホフマンの遺作ということが個人的に最も大事な本作。シリーズの最終作としては盛り上がりに欠けたかなというのが正直な感想
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.9

現在のAI倫理学においては既に人間優位の思考は旧世代化していて、むしろ技術的特異点を超えてからいかに人間の尊厳を確立するかという論がある。それゆえこの作品のテーマはさほど目新しいものではないにしろ、『>>続きを読む

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

3.5

ほとんどの登場人物はとても小市民的なのだ。
レスター一家が作中に犯してしまう禁忌ですらも、わずかなボタンのかけ違いで誰の身の上にも起こりえることなのだ。

不倫をしないと言えるか。
嗜好品に溺れやしな
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.1

耽美な一時間でした

文明批判だとか人間中心主義批判だとか、読み取ろうとしたらどんな風刺にも取れる。ただこの作品のすごいところはそこではない。

映画にこれを落としこむかと喝采するしかない素晴らしい映
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死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.0

K.汚い
K.暗い
K.急に出てくる

3K揃ったとてもアメリカ的な古典ホラー。この作品以降低予算なコテージホラーが増加したので、今では作品単体のおもしろさはさほどでもない。ただしその後の同系統作品の
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最強のふたり(2011年製作の映画)

3.9

古来より御涙頂戴というレッテルがある。それら障碍だとか余命だとか、観衆の同情を誘うのを前提に物語の構築がなされていて、どこか悪臭がする。
しかし本作の障碍はそういった舞台装置ではない。障碍も継子も人為
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

3.9

マフィア飯が食いたくなる映画

というのもシシリアンマフィアは食にこだわるっていうのはギャングファンにはよく言われていることで、作中でも薬と暴力に並ぶ娯楽として食が描かれている。ステーキやらソーセージ
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

2.5

コーエン兄弟の作品はきっと視聴の賛否が二分されると思う。本作もストーリーの主軸からナンセンスな枝葉が発生していて、その意味不明な行ったり来たりを楽しめる人間向けというか。ただ本作は『ファーゴ』よりもそ>>続きを読む

きみに読む物語(2004年製作の映画)

2.8

読むというほどの行間がある作品ではないな…

真実の愛は人を成長させるというのはノアの言葉であるけれど、この作品においてそれは真理である。ノアであったりロンであったり、作業場の無名の男性であったり、金
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ディープブルー・ライジング(2016年製作の映画)

2.4

原題"ICE SHARKS"がなぜだか名作サメ映画『ディープブルー』の続編みたいな邦題になっているが、案外納得のサメ映画。ただしこちらは流石のB級。

似たようなテーマのサメ映画に『アイス・ジョーズ』
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

3.4

はてさてどちらが怪物なのか…

公開当初であれば本作の価値はそこまででもなかっただろうなというのが正直な感想。というのもこの時代であれば見世物小屋というのはそこまで特異なものではなかったろうし、実際倫
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カジノ(1995年製作の映画)

3.4

スコセッシの映画は鮮烈な暴力描写と人格破綻者の転落劇が見所と聞いていたのだが、本作はなんというか小汚い野良犬の交尾を三時間鑑賞させられた印象が強い。そこがいいのは間違いないのだが、ただシャロン・ストー>>続きを読む

おくりびと(2008年製作の映画)

4.2

本作はヒューマンドラマでもあるのだが、最も素晴らしいのは日本人的な死生観の受容を誠実に描ききった点であると声高に叫びたい。

本作の主人公である小林大悟をはじめとして、作中多くの人物が納棺師という存在
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アイス・ジョーズ(2013年製作の映画)

1.8

終わりよければ全てよし。つまり終わりが悪いと全部ダメになるんですよ。監督はなにを考えてこんなラストにしたんだ!スポンサーか!?スポンサーが悪いのか!!?

爆発オチにしたら大抵のサメ映画ファンは喜ぶと
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