改名した三島こねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 33ページ目

マグノリア(1999年製作の映画)

2.9

<概説>とある老人の死の床とは関係のないところで、老人とは関係のないだれかがまた苦悩する。彼等の悲嘆が予想もしないところで交錯したその顛末は。

群像劇はそもそも登場人物が雑多で、相当計画的に脚本を立
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.5

『タクシー・ドライバー』のマーティン・スコセッシが監督するミステリースリラー。異常者を収監する孤島で発生した失踪事件。その裏に隠された真実とは?

本作は検索サイトのサジェストに難解と出てくるくらいに
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.9

ミュージカル映画史に名を残す大傑作。その内容は意外にもラブ・コメディ色が強かった。しかもラブよりもコメディの配色がかなり強い。

ストーリーは王道も王道の展開なのだが、憎まれ役を演じるジーン・ヘイゲン
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マングラー(1995年製作の映画)

3.4

『悪魔のいけにえ』トビー・フーパー
『シャイニング』スティーヴン・キング

ホラー映画界の最強コンビがここに結成!殺人プレス機vs刑事とオカルトオタク!いやなんでそうなった!

内容は間違いなく『アタ
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エイリアン4(1997年製作の映画)

2.3

ジュネ監督作品はどうにも合わないと自分の趣味のせいにしかけたが、本作に限ってはジュネ監督はミスキャスティングだと言ってもよさそうだ。

『アメリ』で「見方を変えたらどんなことでも素晴らしいんだ!」とい
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バーニング・デッド(2015年製作の映画)

1.7

わかりやすい笑いどころがあるわけではないのだけれど、注意深く視聴すると色々ツッコミどころがあって楽しい作品。

①まったく回収されない伏線
②まったく回収されない意味深な描写
③意味不明なままに収拾が
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スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

3.0

この作品を正しく楽しむためにはDCコミックス関連映画をきちんと鑑賞していないとダメ。
というのも本作はぱっと見だけだと「悪い人達は実はいいところもあったんだ〜〜〜」と表面的に使い古された展開に見える。
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ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

3.9

トリロジーと題するからには三部作で完成した作品にしなければならない。映画という様々な要素が絡む媒体故に実現は至難を極め、故にこそそれを為し得たならば伝説とさえ呼称しえる。

本作はその伝説となりえた。
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エイリアン3(1992年製作の映画)

3.3

『エイリアン』シリーズとしてのパワフルさこそないものの、『ファイトクラブ』『セブン』のデヴィッド・フィンチャー発監督作品としては必見の一作。

物語の内容は初代『エイリアン』を大雑把に焼き増ししたよう
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メガ・シャークVSグレート・タイタン(2015年製作の映画)

2.4

相変わらずサイズ考証が雑なメガシャークシリーズ第四弾。続編の話は聞かないので実質最終章か。

今回の敵は原作諫山創な進○の巨人。サメの敵ではなくて人類の敵なので注意。タイトルに『VS』とついて素直に対
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ラバランチュラ 全員出動!(2015年製作の映画)

3.2

モンスターパニック映画には二種類あって、真面目なモンスターパニックと製作陣もジョーク感覚で製作してるモンスターパニックがある。本作もその後者に類するものであるのは間違いない。

その証拠に『シャークネ
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28週後...(2007年製作の映画)

3.4

ゾンビ映画としては異例なことにパンデミック解消後から始まる。よってウイルス感染に対応する社会の描写の方が主点で、人間劇やゾンビの脅威は実は脇役。

物語の大筋だけならばかなりユニーク。普段なら後手後手
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.2

困った。文句のつけようがない。

①群像劇を超えた群像劇
ノーラン作品はネームドキャラのほとんどに人格が見えるのだが、本作はジョーカーの仕組んだパーティーによってそれが一般市民にまで広げられている。端
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バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

3.2

SF作品として三部作観賞したが、本作がSFファンに笑顔のまま後脚で泥を引っかけるための作品だったとは。

全三部作通じてタイムトラベルの整合性は目も当てられないものだったのだが、最後の最後でそれは確信
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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

3.0

ワクワクはあるのだけれどSFとしてと、シリーズ第二弾としてと採点するとイマひとつ。というのも本作の前作映像の流用は伏線ではなくて後付けという形式で、Part.Ⅰの時点でPart.Ⅱの構想がという描写が>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

3.8

『バットマン』のなにより素晴らしいところはゴッサムシティという舞台なのですよね。確実に善と悪の彼岸は存在しながらも、その境界線がひどく曖昧になっている。T.フィリップスの『ジョーカー』で明示されたよう>>続きを読む

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.7

これは非常に稀有な作品。稀有な物語ではないのだが、製作国がかの米国であるということや、白人至上主義のトランプ政権下で発表されたことを考慮すると、簡単には無視できない。

アメリカ映画でネイティブ・アメ
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ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)

3.1

ホラーというよりは発達障害の子供の育児疲れについての映画であるようにしか見えない。
というのも作中明確にババドックを認識したのはアメリアだけで、サミュエルがそれを知覚したかについては明示されていない。
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.0

「家に来て妹をファックしていいぞ!」
「泣いたり笑ったりできなくしてやる!」
「逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ!」

このあたりの名言は全部この作品が出自というのだから驚愕。時にコミカル。時にシ
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メガ・シャーク VS メカ・シャーク(2014年製作の映画)

2.8

『vsジャイアントオクトパス』
良くも悪くもサメ映画。モンスターパニックモノで酷使される二体がサメ映画のノリで大決闘。

『vsクロコザウルス』
露骨に視覚的な巨大さを提示してきた。ここから他のサメ映
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ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

わざわざ人類の不死というのがストーリーに必要だったのかが疑問が残る。人生を賛美するのならミスター・ノーバディのみに特異性を含ませればよかったし、死すらも美化するのかと思ったらそんなことは一切ない。舞台>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

4.2

渡辺謙
妻夫木聡
森山未來

本作三篇の顔役である男優達は日本屈指の個性派ではあるのだが、悪く言ってしまうと我が強すぎる。どこをどう取ってもその役者らしくなってしまって、ハマり役でないと役者の味に負け
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リターン・オブ・ザ・キラー・トマト(1988年製作の映画)

3.7

本作の教訓:映画はエンドクレジットまで見よう

確信犯的オバカ映画第二弾。ただし本作はメタフィクション要素強めで、なかなかテクニカルな笑いを提供してくれる。
いちばんの笑いどころはさりげなく画面に映り
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.2

近年のジャーナリズム映画は形骸化した理想像ばかりを民衆の目に晒し、己のエゴイスティックな活動を権威付けようとしている。勿論過去の理想的なジャーナリストへのリスペクトを忘れてはならないのだが、それにした>>続きを読む

逆殺館(2016年製作の映画)

2.5

Phase1.シャーニ・ヴィンソン主演『逆殺館』という見出しから『サプライズ』のような逆襲劇を期待。しかしあちらほどのカタルシスがないので落胆する。

Phase2.強盗と廃屋というシチュエーションか
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

3.6

タイムトラベル映画で人気なものはかなり色眼鏡かけて見てしまうのだけれど、悔しいがこれは普通に面白かった。そもそもタイトルから受けるトライアンドエラーな印象とは違って、タイムトラベルをするのは作中ただの>>続きを読む

リバービースト ある半漁人の憂鬱(2013年製作の映画)

1.4

①エド・ウッド風味の開幕モノローグ
②謎の親切設計アラート
③無駄に楽曲はいい
④着ぐるみに愛嬌がある

これだけ揃っていればお手本のようなゲテモノ映画と呼んでも差し支えないでしょう。とても丁寧な話運
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キャビン・フィーバー(2002年製作の映画)

3.0

コテージモノはスラッシャー映画だと完全に固定観念に捉われていたが、これはその認識をひっくり返してきた。まさかまさかのウイルスパニック映画とは。

皮肉やら不条理やらは本当に刺さる作品は刺さるが、刺さら
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

4.3

これはまさしくONLY ONEの映画

『ドニー・ダーコ』系考察映画
▶︎難解さの水準というよりも、あちらと違ってそもそも解も方程式も存在しない。真面目に考察しようとすればするほどドツボにハマるタイプ
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ファイナル・デスティネーション(2000年製作の映画)

2.8

アホとキチガイのオンパレード!!!!!

『SAW』シリーズでもそうでしたが、ビックリドッキリ殺人ショーがやりたいならショートフィルムでいいんです。物語的な設定はいいんですが肝心の物語が雑。
特に主人
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.2

ラブコメディといえばラブコメディ。だけれども本題はきっとカップルよりももっと先の話。大切な人と一緒にいる時間がどれほど幸せかと。邦訳の副題に素直に頷ける一作であった。

特に子供が生まれてからの展開は
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メガ・シャークVSクロコザウルス(2010年製作の映画)

2.6

クロコザウルスのサイズ設定がガバガバなのだけれど、これはもしかして複数頭いるのではないか。

①ナイジェルの捕獲した身長数m級
②街で暴虐を尽くした身長数十m級
③本作の目玉の450m級

繁殖能力が
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英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

3.6

実話ベースというのが一番驚愕。ジェフリー・ラッシュ演じるライオネル・ローグが善人過ぎて、(もちろん脚色が多分に含まれているにしても)バーティをあそこまで導いたというのだからu...u... unbel>>続きを読む

トランスポーター(2002年製作の映画)

3.3

作品自体はいつものリュック・ベッソン作品なのだけれど、ステイサムだけ存在感が別格。というより本作の見所は基本全部ジェイソン・ステイサム。

現在では元プロレスラーのDSS捜査官と車を乗り回している、ト
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.2

前半部はハッキリと退屈なシーンが連続する。元々ゴジラの成立からして政治的な側面はあるにしても、官僚制の欠点だけを延々と続けられるので、ゴジラではゴジラ見せてほしいんだけどなあ。

しかしアクションシー
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武器人間(2013年製作の映画)

3.5

問:次の映画の方程式における正しい楽しみ方を述べよ

ナチス×モンスター×スリラー

この方程式が成立したなら基本的に真面目にスリラーとして楽しむことはやめています。というのもナチスが怪物を使ってウン
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