とぅんさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.6

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3年前に恋人を亡くしてから、時が止まったように生きていた主人公の元に、恋人がかつて書いた手紙が届いたことで始まる話。

教師だった主人公は蕎麦屋でアルバイトして生計を立てていたが、
蕎麦屋を経営する女
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双生児 GEMINI(1999年製作の映画)

3.0

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塚本晋也×江戸川乱歩というやはり胃がもたれるような組み合わせの強烈な作品。

みんな眉毛を薄く仕上げてるちょっとホラーっぽいビジュアルに、紛うことなき塚本監督節溢れるテンションの高さが相まって、他では
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

4.0

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もし、自分の娘が天才児だったら、どんな教育を受けさせるのか、どんな環境で育てるのか•••そんなことを考えさせられる作品だった。

天才数学者だった姉の死後、彼女の娘を引き取って、7歳まで育ててきた主人
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わたしを離さないで(2010年製作の映画)

3.6

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カズオ・イシグロ原作の良SFにして、薄幸なキャリー・マリガンを堪能する映画。
他にもアンドリュー・ガーフィールドとキーラ・ナイトレイという英国俳優の共演なのだけど、やはりキャリー・マリガンの何とも曇っ
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ひゃくはち(2008年製作の映画)

3.2

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野球強豪校の補欠達の青春を描いた作品。

補欠でも試合に出たい!っていう想いから生まれるドラマがしっかり熱いし、
何より未成年飲酒やタバコなど、描いてはいけない内容なんだろうけど、実際やってる奴いるだ
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.0

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私立探偵フィリップ・マーロウが殺人事件を追うハードボイルド映画。

昔、浅野忠信が主演やってたドラマを観てたけど、全然印象が違くて驚いた。
ストーリーとか謎を追う過程は正直そんなに面白いと感じる部分は
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ウィッチ(2015年製作の映画)

3.3

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村を追い出され、イングランドの山奥で住むこととなった敬虔なクリスチャンの一家が、魔女の存在に怯えすぎて、崩壊していく様を描くホラー。

信仰と狂気が紙一重であることを明快に描いており、いやいや何でそう
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淵に立つ(2016年製作の映画)

3.6

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深田監督の作品は歓待しか観ていないのだけど、話のあらすじが似ているので観てみたら、全然別物だった。

町の工場を経営している主人公一家の元に、父親の過去に関係している男・八坂が現れ、一家の日常に侵食し
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.6

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スパイダーマンNWHからのマルチバースの流れを引き継いだドクターストレンジの単独作。

正直言えば、マルチバースの何でもあり感を最大限に活かした色んなキャラが入り乱れる内容を期待しちゃった私が悪いのだ
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私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.2

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ディズニー製アニメで、サムネイルの可愛いレッサーパンダの見た目で見始めたら、母と娘の難しい関係性を描いた意外にも厳しい内容だった。

全編通して母親のミンのモンスターペアレントぶりが酷くて、何度も観て
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バブル(2022年製作の映画)

2.5

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やりたい事はわかる。
進撃の巨人で実績のある荒木監督の演出とWITのアニメでパルクールアクション。
ここぞというシーンでかかる澤野弘之の熱い劇伴。
わかる。

でも、このストーリーとキャラクターの薄さ
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.6

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イーストウッド御大最新作。

主演を兼ねるのは「運び屋」までかなと思っていたら、演者としてもまだまだ出るぞという気概を感じた。バイタリティやばい。
カウボーイ役というのはわかるのだけど、まさか「マッチ
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.2

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ゴーストバスターズの正統なる続編にして大傑作。

個人的には家族の話に舵を切ったのは英断だったと思うし、この物語をオリジナルの監督だったアイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマンが手がけるとい
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ゴーストバスターズ2(1989年製作の映画)

3.2

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前作から5年後を描く続編。
あんなに大活躍したゴーストバスターズのメンバーだけど、落ちぶれてうだつが上がらない感じで登場するとこから面白い。

今回の敵は感情に反応するスライムを駆使して、復活を企む邪
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.0

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船上で起こる愛憎渦巻く連続殺人事件をポアロが解決する、ケネス・ブラナー版ポアロ第2弾。
愛ゆえに、がキーワードなんでしょうか、金目当てに愛を利用した犯人達の真相と、ほろ苦いラストが印象的な作品であった
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.1

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アガサ・クリスティの原作をケネス・ブラナーが監督・主演で映像化した作品。
自身がポアロに扮しているあたりを見るに、相当やりたかったんだろうな。
ポアロは何度かドラマで観たことあるけど、オリエント急行殺
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.5

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ハリウッド在住のオタク男子が、隠された様々な暗号を解き明かして、煌びやかなハリウッドの闇に迫っていく話。

主人公の前に現れた女性が失踪して、行方を追うという導入なのだけど、中盤は陰謀論のオムニバスの
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曖昧な未来、黒沢清(2002年製作の映画)

3.6

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傑作「アカルイミライ」のメイキングだけど、中身は黒沢清監督に迫るドキュメンタリー。
インタビューが進めば進むほど、監督の掴めない感じが浮き彫りにされてて、なるほど映画として成り立ってしまう不思議な魅力
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オー・ブラザー!(2000年製作の映画)

3.0

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脱獄囚3人組珍道中。

歌を歌って知らぬ間にずぶ濡れボーイズとして有名になったり、女達に誘惑され気絶したり、KKKの集会に出くわしたり•••行く先々で出会う出来事の数々は、これが人生と言わんばかりに多
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現金に体を張れ(1956年製作の映画)

3.7

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キューブリック監督のハリウッド進出第1作。
完璧だったはずの競馬場での強盗計画が、色んなアクシデントで狂っていく様を描く。

観終わって、初期ガイ・リッチー作品はここから続いていたのかもしれないと思わ
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サボタージュ(1936年製作の映画)

2.8

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映画館を経営する男が裏でテロ活動に手を貸していて、これを察知した警察の捜査官と、何も知らない男の妻を絡めたサスペンス。

ヒッチコック節は随所に感じられるものの、まだまだ脂が乗ってくる前のような印象を
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.0

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ジム・ジャームッシュが贈る、タイトル通り登場人物達がコーヒーとタバコを摂取しながらだべる短編集。

1話10分もないぐらいの長さなので、どんどん次の話に行くから見やすいっちゃ見やすいかな。
話の内容も
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アザーズ(2001年製作の映画)

3.5

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子どもの頃、劇場公開時に観に行って以来の再鑑賞。
何でこの映画観ようと思ったのかは全く思い出せないのだけど、ラストのオチは「シックスセンス」じゃん、と思った記憶だけある。

古い屋敷に住む女性とその子
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ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

3.4

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「トマホークvs食人族」が衝撃的だったS・クレイグ・ザラー監督作。
あの作品も男臭い絵面が良かったけど、今作もメル・ギブソンとヴィンス・ヴォーンという組み合わせで非常にむさくてよろしい。

このやたら
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アリスのままで(2014年製作の映画)

3.7

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若年性アルツハイマーとなった女性・アリスの家族との生活を描く作品。
終始、自分がなってしまったら、家族がなってしまったらと考えながら観た。

ジュリアン・ムーアの名演は言わずもがな、ただ厳しい現実一辺
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.7

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殺し屋女子2人の日常系ムービー。
色んな方が絶賛していて、正直この導入で面白いのかなぁと思っていたのだけど、アクションが見応え抜群で結構面白かったな。

終盤にこそヤクザ殺しの報復を受けて、2人で敵陣
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.4

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ダニエル・クレイヴ版ボンドの完結作。

最後はどう考えても死んでるので、さすがにもう「やっぱりボンド引退しません」はないと思うし、製作サイドのお疲れ様を感じる花道みたいな作品だった。

レア・セドゥの
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

3.2

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黒沢清監督がフランスのキャストを迎えて撮った作品。

ダゲレオタイプという撮影技法に取り憑かれた男、彼の被写体の娘、彼女と財産をもらおうと画策するアシスタントの3人を中心としたホラーなのだけど、しっか
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タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

3.5

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3人目の子どもを産んだ主人公と、彼女が夜熟睡するために雇ったベビーシッターとの交流。
育児ノイローゼをテーマにしたシリアスな話なのだけど、全体が重苦しくなりすぎない演出は、「Juno」を思い起こさせる
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僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

3.4

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自伝小説の映画化ということだけど、割と他の自伝映画と比べると、劇的な事は全然起こらなくて、本当に1人の少年の成長譚という趣の作品。

結局のところ、ジョージ・クルーニーが贈るベン・アフレック映画と言い
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.4

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相変わらずあり得ないぐらいの超豪華キャストで贈る、オシャレで捻くれてるウェス・アンダーソン節全開の一作。
今作は新聞に掲載する4作の短編からなる構成になっていて、それを知らないで観たので、最初は結構戸
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運命のイタズラ(2022年製作の映画)

2.7

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企業の社長の家に金目当てで侵入した強盗と、たまたま帰って来ちゃった社長夫妻のジリジリしたやり取りが続くサスペンス。

冒頭の不穏な雰囲気から期待が高まったものの、何か起こりそうで起こらない、どちらかと
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.4

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キングスマンシリーズの前日譚にあたる作品。

随所にマシュー・ヴォーンのテイストを感じるものの、いつもよりも黒い笑いが少なくて、エグみも抑えられてる。
それ故にこれまでのシリーズのノリを期待すると、ち
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オーヴァーロード(2018年製作の映画)

2.8

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戦争×ゾンビ。
いや、厳密にはゾンビではなく、不死身の人体にする血清を打たれた人間なんだけども。

もっと地獄絵図を見せてくれるのかと思っていただけに、見終わった後、ちょっと期待しすぎたかなと反省した
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ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

3.3

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ある女性の自分の娘達への複雑過ぎる想いを落ち着いたストーリーテリングで炙り出す一作。
育児ノイローゼはこんな感じなのかな。このテーマの話は初めてだったかも。

マギー・ギレンホールの見事な初監督作とい
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.5

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矢野•••頑張れ!と拳を握ってしまったわ。
最後まで頑張ることの強さよ。
ワンシチュエーションで70分ちょっとという潔い構成も私好みな佳作。

アルプススタンドのはしの方で展開される会話劇で、最初はあ
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