三樹夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.2

人を犯すこともいとわない暴力的なチンピラが蔓延っている世界と、無理やり暴力性、残虐性を制御される世界どっちがいいと迫る、選択肢になってねぇよ、どっちもいやだよという映画。
さらにこの映画のいやらしさは
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

3.9

集団抗争時代劇の名作のリメイク。リメイクにあたってどうするかという所で、とにかく物量が増えてます。13対300(元の映画は13対53)、スプラッター、爆発等々。つまりインフレです。ジャンプ漫画で強い敵>>続きを読む

丑三つの村(1983年製作の映画)

3.7

陰湿、閉鎖的。津山三十人殺しの実際の事件が元になっていて、この事件は八つ墓村のモデルにもなっている。ちなみにこの津山三十人殺しというのは、その手のマニアの間ではかなり有名な事件だ。

主人公の殺戮行為
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デビルズリジェクト〜マーダーライドショー2〜(2005年製作の映画)

3.8

殺人一家の逃亡劇、ロードムービーです。警察に追われるも相変わらずな殺人一家ですが、不思議なもんで殺人一家のほうが善い者で警察側が悪者に見えてきます。殺人一家は表情も豊かで人生楽しんでますからね。笑顔の>>続きを読む

マーダー・ライド・ショー(2003年製作の映画)

3.3

作中で、生まれてから死ぬまで人は見たくないものから目を背けて生きる。だから俺が見せてやった、お気に召したかな?というセリフがありますが、これがすべてであり、ホラー映画のスピリットではないでしょうか。>>続きを読む

キサラギ(2007年製作の映画)

3.4

伏線回収凄いだろ映画。つまり観客に伏線回収すげーと言わせたいがための作品です。そのためには過剰なまでにここ伏線ですよと見せつけるし、ほら今、伏線回収してますよと過剰に説明して伏線を回収していきます。>>続きを読む

ガールズ&パンツァー 劇場版(2015年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

TVシリーズ、OVA(劇場で観た)視聴済み。戦車対戦車のアクション、血湧き肉躍る戦車スペクタクル、とにかく戦車の雄姿を見よという戦車祭り。映像と音響は素晴らしく爽快感と開放感溢れるもので戦車がはちゃめ>>続きを読む

宵闇せまれば(1969年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

部屋での出来事はメタファー的で、例えば人生論として捉えることも可能だ。マッチすれば死ぬという極限になっても遊びは遊びと真剣になってくれないゲームをおりた2人。これこそ君たちの言う極限状態じゃないのかと>>続きを読む

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2007年製作の映画)

3.4

ゴスカップルの悲劇。途中まではベストカップルだったんだけどな。ちなみにあのゴスねーちゃん(ヘレナ・ボナム=カーター)はティム・バートンの結婚はしていないけど事実上妻でもあったようです。ティム・バートン>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ロッキー1のリブートであり、ロッキー5のリベンジでもあります。ロッキー5は師弟ものからどんどん迷走していき酷評で長文が書けるぐらいの出来になっていましたが、この映画ではスタの演技が素晴らしいうえに決し>>続きを読む

D坂の殺人事件(1997年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

D坂に心理実験を加えた作品。原作のD坂はトリック(オチ)そのものにSMが絡んでくるのですが、この映画では殺人とSMは切り離されています。
冒頭から女装した真田広之(しかもED)という、いきなり倒錯して
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屋根裏の散歩者(1992年製作の映画)

3.5

厭人癖の男の唯一の世間と接する方法が犯罪(オーケンのエッセイより引用)という悲しいんだかイカレてんだか常人には理解しがたい乱歩ワールド。
三上博史の主人公はそんな乱歩キャラの典型で、世間に完全に飽きて
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ヒドゥン(1987年製作の映画)

4.3

ヘビメタ、フェラーリ、鉄砲、女好きという中学生みたいな寄生型宇宙人大暴れ、もう破壊描写が最高です。宇宙人がやってるってことで振り切ってます。車で人轢いたりとかね。周りなんて気にせず拳銃ドンパチ撃ちまく>>続きを読む

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ティラノサウルスかっけーというアトラクション映画。ティラノサウルスのPVと言ってもいいかもしれない。
映画館で3Dで観たが、アトラクションとしては十分楽しめると思う。モササウルスも迫力満点だし。クレア
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怪獣ゴルゴ(1959年製作の映画)

3.0

キングコング、眼下の敵、ゴジラと色々ごちゃ混ぜな怪獣映画。表層的には怪獣映画のツボをおさえてると思うので結構楽しめる。親ゴルゴのロンドン破壊シーンは良かった。

辟易させられるような余計な人間パートは
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怪獣総進撃(1968年製作の映画)

3.0

怪獣大戦争もそうだけど、人類対宇宙人がメインで怪獣はおまけになっちゃってる。怪獣が大暴れするシーンも操られて大暴れなのでイマイチ燃えないし。宇宙大戦争に怪獣要素足したという感じ。それで怪獣映画として満>>続きを読む

ゴジラ FINAL WARS(2004年製作の映画)

2.7

完全なバカ映画。10分に1回爆発がある。知能指数はゼロ。潤沢な予算つぎ込んで最後にド派手な花火打ち上げようとしたけど、あさっての方向に打ち上げてる。ゴジラや怪獣そっちのけでマトリックスとかジョン・カー>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

よく言えばエピソード4へのリスペクト(エピソード5のあのシーンという場面も出てくる)、悪く言えば焼き直しとも言える。冒頭はまんま流れがエピソード4。終わりもまんまエピソード4。というより全体的にエピソ>>続きを読む

インビジブル(2000年製作の映画)

3.1

透明人間になって透けて見えてくるものとは?答えは男の性加害性というのがこの映画。ベーコンが己の欲望の赴くままに行動し大変な事態になる。ベーコン凶暴化は透明化の薬の副作用というか、透明化する前からベーコ>>続きを読む

疑惑(1982年製作の映画)

3.9

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桃井かおりはこの役やるために生れてきたんかってぐらいはまってます。
岩下志麻の法曹の理念としてお前の弁護するだけで、お前のことは大嫌いという感じがみしみし伝わってくる演技も良いです。

桃井かおりの役
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.8

社会になじめない人たちの映画。ハリウッドはユダヤ人が創ったため、そういう輪に入りたいけど入れないという話が多いみたいね。
ただこの映画で本当に輪に入れないのは主人公だけで、友達のスカヨハもブシェミもな
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クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険(1996年製作の映画)

4.6

この映画は笑ってるんだけど目が笑ってない、その笑顔のまま人殺しそうみたいな不気味さがたまらない。この映画がクレしん映画の中で一番好き。
しんのすけが幼稚園バスを待ってるシーンなどすごい見上げる構図で異
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ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.7

走るゾンビ映画。従来のノロノロゾンビは1対1だとそれほど脅威ではないのだが、数が増えるにつれて手に負えなくなり数の暴力でおされていくという真綿で首を絞められるのが魅力だ。一方、走るゾンビは追いかけられ>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画見て、あの映画っぽいとかあの映画に似てると思い浮かぶ映画はいくつかあるのではないかと思う。私はショーン・コネリーの『理由』か『ミスティック・リバー』どっちかのパターンかなと思って、途中からは『>>続きを読む

トータル・リコール(1990年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

トータル社で火星で活躍するスパイの設定で夢を注文したら不具合が生じてうまくいかず、火星からの刺客に襲われてシュワが筋肉にものをいわせてコンスタントに暴力をふるうという超絶面白い映画。シュワの肉体労働者>>続きを読む

ゴジラVSスペースゴジラ(1994年製作の映画)

2.9

ついに三枝未希に彼氏ができる。そのためのショートカットなのか。彼女もピラミッドパワーの中で座禅組んでサイキックエナジーばっか高めてるわけにもいかないし。ただこの彼氏がいけすかねぇ野郎で、本多猪四郎作品>>続きを読む

ゴジラ(1984年製作の映画)

2.9

ゴジラは英霊の怒り、核の象徴、破壊の象徴であり、つまりこの世ならざるものだ。だから自衛隊が攻撃してもびくともしない。だって象徴とかであってこの世のものじゃないので。なのでオキシジェンデストロイヤーとい>>続きを読む

メカゴジラの逆襲(1975年製作の映画)

3.2

平田昭彦が地球防衛軍的な役を演じている。本多作品における平田昭彦はいつだって怪獣や侵略者側の人間だ。俺だって怪獣映画を観るときは破壊の限りをつくす怪獣に感情移入している。

この映画だが、ゴジラがガキ
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ゴジラ対メカゴジラ(1974年製作の映画)

3.5

ゴジラ初心者に勧める、怪獣映画ファンでなくてもすんなり楽しめるゴジラ映画は初代ゴジラ、モスゴジ、対へドラ、VSビオランテ、大怪獣総攻撃あたりだと思うが、個人的にはこの映画が大好き。ストーリーははっきり>>続きを読む

キング・コング(2005年製作の映画)

3.2

キングコングのリメイクというよりギラーミン版キングコングのリメイクです。キングコングと売れない女優の恋愛映画です。
なんでギラーミン版キングコングのリメイクみたいになったのかは分かりませんが、作中のこ
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天城越え(1983年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

この映画は誰がやったかという犯人当てではなく(フーダニット)、何故やったかという動機を推察する(ホワイダニット)ミステリーです。
その動機を一言で言えば、童貞をこじらせたと言えるんじゃないですかね。
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狂った野獣(1976年製作の映画)

3.6

渡瀬恒彦自らバスを運転し横転するという本作(リアリティを出すために映ってないけど拓ボンも乗ってる)。
渡瀬恒彦は当時演技に自信が持てなかったため、とにかく体を張っていたとのこと。大阪電撃作戦では車に引
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バッド・テイスト(1987年製作の映画)

3.6

ロード・オブ・ザ・リングの監督って他にどんな作品があるんだろ、と律儀にこの映画をみた純真な映画ファンが卒倒するようなピーター・ジャクソンの本性ゲロゲログチョグチョ映画でキモいものがいっぱい出てくる。し>>続きを読む

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.7

宮崎駿の映画初監督作品だが宮崎作品によく出てくる上下移動(地上から地下に落ちてそして上空へ)は既にこの作品でも使われている(他には未来少年コナン、ナウシカ、ラピュタ、千と千尋など)。この上下移動にはw>>続きを読む

Wの悲劇(1984年製作の映画)

3.7

アイドル映画はほつれと言われるが特にアイドルが好きなわけでも詳しいわけでもない私にとってはなんのこっちゃという感じだったし、薬師丸ひろ子に対しては『里見八犬伝』で真田広之との濡れ場をかったりーなと思っ>>続きを読む

暴力金脈(1975年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

チンピラ総会屋が成り上がりイケイケドンドン、だが途中で社会正義に目覚め資本主義と戦いだす(勝てるわけねぇよそんなの)という70年代の東映だな~という映画。結末も吠える松方弘樹が資本主義を代表する若山富>>続きを読む