プペさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

プペ

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パーフェクト・トラップ(2012年製作の映画)

4.4

‪隠れた良作『ワナオトコ』の続編。‬

‪実は私は、続編となるこの『パーフェクト・トラップ』を先に鑑賞し、その後、『ワナオトコ』がその前編に当たるという事実を知ったクチだ。‬
‪そういった鑑賞者は結構
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ワナオトコ(2009年製作の映画)

3.9

‪例えば、″あなた″がレンタルビデオ店に行ったとする。‬
‪仕事や大学が終わってしまえばすることがなく暇だ。‬
‪そこで、″あなた″は、何かおもしろい掘り出し物は無いかと店内を物色する。‬
‪しかし、
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アイズ(2008年製作の映画)

3.7

本作、ハリウッド版は、怖さよりもジェシカ・アルバが魅力的な″瞳″を十分に強調して活かした作りになっている。

人はやはり気になったものをそのままには出来ず、掘り下げてしまうものらしい。
そんな「分かる
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パニック・フライト(2005年製作の映画)

3.6

本作は『フライトプラン』と同時期に公開された航空パニックものだが、低予算ながらこちらのほうが数段出来が良い。

B級はB級でも、″物凄く上手く料理された″B級という感じだろう。
贅沢な食材をふんだんに
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イリュージョニスト(2010年製作の映画)

4.0

ひとり列車で去っていく老手品師の感情を追うように、街の光が一つずつ消えていくラストシーンを見終えて、一寸の間、心に空虚感が漂う。
あまりに悲し気な終幕に、突き放されたような印象さえ覚えるが、必ずしもそ
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ポセイドン(2006年製作の映画)

2.9

ご存知1972年の傑作パニック映画「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク作品。

このリメイクにおいては、巨匠ウォルフガング・ペーターゼンの威光の残像にすがったのかもしれないが、映画自体は残念ながら
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.7

ストーリーは非常にオーソドックス。
王道的ではあるが、ひねりがないと言われれば否定は出来ない。
最近のコメディ映画としては珍しいくらいに、登場人物たちが揃いも揃って基本的には″いいやつ″であることも、
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危険な遊び(1993年製作の映画)

3.9

子供の持つ残酷性、暗黒性、猟奇性。
これはある言葉でさも当たり前の様に表現される、″無邪気″。
本当にそうだろうか?
「子供も人間である」と言う事を無視した言葉だ。
先に記した三つは、特有の神秘性と言
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バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

3.4

感無量。
臆面なく言わせてもらうならば、満足度は高い。
と言うと、真っ当な映画ファンとしては「馬鹿じゃないか」と思われるだろうが、実際そうなのだから致し方ない。

勿論、この映画単体を指して、エンター
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怨霊の森(2006年製作の映画)

2.9

‪本作は、日本ではビデオスルーだったラッキー・マッキー監督のゴシックホラーだ。‬
‪ポップで能天気な名前のこの監督、そんじょそこらの映画監督より才能があると私は思っている。‬

‪お気に入りの部位を集
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.5

余命2年。
そのあまりに残酷な″運命″を突きつけられ、″彼″は己の人生から逃避するように″彼女″の元を去ろうとする。
それでも、彼女は背筋をピンと伸ばして、彼の後を付いていく。
そして、眼鏡の汚れを拭
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クロニクル(2012年製作の映画)

3.4

「童貞をこじらせる」なんて表現がしばしば使われるけれど、この映画ほど″童貞をこじらせた″主人公を描いた作品は他に無い。
この映画の主人公は確かに不幸な境遇にあるけれど、彼の暴走と発狂の発端は、決して特
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

3.7

ステル調の住宅・衣服、メルヘンチックな音楽とは裏腹に、人間の暗部が強烈に描かれているティム・バートン流の″おとぎ話″。
ファンタジーではあるが、その内容は現実と重なる。

自分達とは違う″エドワード″
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.0

原題は「The Danish Girl」、直訳すれば″デンマークの女の子″。
当然、主人公である″リリー″という「女性」を指しているだろう。
また、″リリー″に最期まで連れ添った「妻」のことも指してい
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

2.7

あまり気持ちのいい映画ではなかった。というのが正直な感想。
「実話」だからこその、決して避けられない登場人物たちの人生における″短絡さ″が、何だか無性に居心地の悪さを感じさせる映画だった。

「創作」
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スケルトン・キー(2005年製作の映画)

4.1

何とも言えない後味を残す映画だった。
突っ込みどころは多く、ところどころチープに感じる描写も目につく。
しかし、エンドロールが過ぎ去って「終劇」の大文字が頭に掲げられた頃には、不思議な印象深さと愛着を
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ロボット(2010年製作の映画)

3.2

本作は、相変わらずのインド娯楽映画ならではのテンポとテンション、濃ゆい演出とカメラワークがこれでもかと並べ立てられた問答無用に楽しい映画だった。
粗や突っ込みどころなどを挙げたらキリはないが、それらは
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ザ・フォッグ(2005年製作の映画)

1.1

つまらない作品に共通している原因は、やはり脚本構成や演出が大雑把という点。
せっかくの面白くなるであろう設定も、映画としての作りそのものがいい加減では、その設定を昇華出来なくて当然。

特に今作は、ス
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悪の法則(2013年製作の映画)

2.9

ラストシーン、或る人物が「お腹がすいた」と一言発し、暗転、この映画は終焉する。
その瞳は、愉悦を覚えているようにも見えるし、欲望を満たすことを続けなければこの「世界」では生き続けられないということを、
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イントゥ・ザ・ストーム(2014年製作の映画)

3.0

乱立する巨大竜巻に襲われる町、あらゆるものが吹き飛ばされていく中で、さりげなく″牛″の看板が飛ばされていく。
これは明らかに「ツイスター」のオマージュであり、今作はそのオマージュを捧げるに相応しい″竜
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アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

3.7

クリス・カイルという人物の実人生の最終的な″事実″を知らぬまま、今作を観たので、映画のラスト、敢えて感情的な表現を排除して描かれた「顛末」に対して、虚をつかれた。
そして流れる「無音」のエンドクレジ
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ジーパーズ 恐怖の都市伝説(2003年製作の映画)

3.0

最初に断言すると、この映画、間違いなく″クソ映画″の部類である。
しかしこれほど胸踊った映画も久しぶりだ。


さて本作、片想いしている女性の結婚式を止めるため、冴えない童貞主人公と下品な悪友がバカ騒
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.3

物語は不穏な女性のハミングが示すように、常に暗い影を落としている。
テーマは「錯乱」だが、結末が真実か妄想かはわからないまま終わる。

住み始めてから軌道に乗る夫の仕事。
それと比例するように、隣人と
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われらが背きし者(2015年製作の映画)

3.0

ファーストショットの美しく豪華な内装、そこから白銀の世界に移り、説明もないまま″惨劇″が行われる。
不穏な空気に包まれるこのオープニングは緊張感に満ち、この映画の空気を伝えている。

本作の見所はこの
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グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

3.4

ジェシー・アイゼンバーグが、冒頭から「ソーシャル・ネットワーク」よろしく早台詞をまくしたてる。
その時点で自分自身を含め健全な観客は、この映画の″ミスリード″に引っ掛かっていたのかもしれない。

″マ
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情婦(1957年製作の映画)

4.8

「情婦」という言葉の意味を、辞書で調べてみた。
辞書によると、″男の情人である女″、″色女″とあり、あまり良い意味合いではない。

アガサ・クリスティの原作の原題が「Witness for the P
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ロスト・バケーション(2016年製作の映画)

3.9

主人公の物語上の欲求は、″生き残る″こと。
原始的な欲求は、観る者に緊張感を与える。

本作の秀逸な点は、序盤の楽しいはずのサーフィンシーンからして「迫りくる危険」が随所に散りばめられているところだろ
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ふたつの名前を持つ少年(2013年製作の映画)

4.0

冒頭で、父が少年に託した「ユダヤ人であることを忘れるな」という言葉。
まだ右も左も分からない子供に、″民族の誇り″や″宗教″を押し付けるのは親のエゴではないのか。

その後、親と別れ一人キリスト教徒に
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ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声(2014年製作の映画)

3.4

本作は、少年期の声変り前の一瞬だけ存在する「天使の歌声」を題材にしたヒューマンドラマだ。
物語は、母子家庭で育つステットが荒れた生活の中で才能を見出され、母の死を機に名門音楽学校へと入学するところから
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エコール(2004年製作の映画)

2.9

棺桶に入った幼い少女が目を覚ます。

頭には色により学年を表す大きなリボンを揺らし、 純白のワンピースからは長く白い足を見せる。

無垢な少女たちに″性″のコノテーションを多く纏わせており、 「神
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

3.9

最終盤、この映画は数十秒間の不思議な長回しを映し出す。
主人公が、悲しみとも喜びともつかない表情を浮かべ、それが微妙に変化する様を延々と映し続ける。
その表情が何を表していたのか、明確にはならない。
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ライト/オフ(2016年製作の映画)

4.0

D.F.サンドバーグ監督と、″エスター″役のL.ロステン夫婦による3分にも満たない同名タイトルのショート・フィルムが評判となり、ジェームズ・ワンが共同製作として長篇化した一作。

さすがに描かれるホラ
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パディントン(2014年製作の映画)

2.4

映画は、ハートウォーミングなファンタジーに見せかけて、さり気なく現代の″社会問題への解決策″をも提示してみせる。

「礼儀正しく、行儀良く行動するならば、ロンドン(英国)は貴方を受け容れます。」

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第9地区(2009年製作の映画)

4.0

本作は、人類や社会構造の偽善と欺瞞、矛盾を、異星人という隠喩、SFというツールを使い暴き出した傑作だ。

エイリアンが脆弱でキャットフードに目が無い設定、また、飴でとり入ろうとしたヴィカスに、子供エイ
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

4.3

クイズ番組が好きだ。

問題に答えるための「知識」は、自分がこれまでの人生の中で生み出した結晶で、クイズ番組はそれを確認できる一つの方法だからだ。
「知識」は、積極的な勉学の果てに得たものだろうが、偶
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ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.5

死に際に、″自己との対話″を果たす。

この作品は単なる「夢オチ」映画ではなく、作中でも示唆されていたように、″死に逝く者の葛藤と最期の選択″を描いたものであり、ジェイコブの見た″狭間の世界″こそ、そ
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