隠れた良作『ワナオトコ』の続編。
実は私は、続編となるこの『パーフェクト・トラップ』を先に鑑賞し、その後、『ワナオトコ』がその前編に当たるという事実を知ったクチだ。
そういった鑑賞者は結構>>続きを読む
例えば、″あなた″がレンタルビデオ店に行ったとする。
仕事や大学が終わってしまえばすることがなく暇だ。
そこで、″あなた″は、何かおもしろい掘り出し物は無いかと店内を物色する。
しかし、>>続きを読む
本作、ハリウッド版は、怖さよりもジェシカ・アルバが魅力的な″瞳″を十分に強調して活かした作りになっている。
人はやはり気になったものをそのままには出来ず、掘り下げてしまうものらしい。
そんな「分かる>>続きを読む
本作は『フライトプラン』と同時期に公開された航空パニックものだが、低予算ながらこちらのほうが数段出来が良い。
B級はB級でも、″物凄く上手く料理された″B級という感じだろう。
贅沢な食材をふんだんに>>続きを読む
ひとり列車で去っていく老手品師の感情を追うように、街の光が一つずつ消えていくラストシーンを見終えて、一寸の間、心に空虚感が漂う。
あまりに悲し気な終幕に、突き放されたような印象さえ覚えるが、必ずしもそ>>続きを読む
ご存知1972年の傑作パニック映画「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク作品。
このリメイクにおいては、巨匠ウォルフガング・ペーターゼンの威光の残像にすがったのかもしれないが、映画自体は残念ながら>>続きを読む
ストーリーは非常にオーソドックス。
王道的ではあるが、ひねりがないと言われれば否定は出来ない。
最近のコメディ映画としては珍しいくらいに、登場人物たちが揃いも揃って基本的には″いいやつ″であることも、>>続きを読む
子供の持つ残酷性、暗黒性、猟奇性。
これはある言葉でさも当たり前の様に表現される、″無邪気″。
本当にそうだろうか?
「子供も人間である」と言う事を無視した言葉だ。
先に記した三つは、特有の神秘性と言>>続きを読む
感無量。
臆面なく言わせてもらうならば、満足度は高い。
と言うと、真っ当な映画ファンとしては「馬鹿じゃないか」と思われるだろうが、実際そうなのだから致し方ない。
勿論、この映画単体を指して、エンター>>続きを読む
本作は、日本ではビデオスルーだったラッキー・マッキー監督のゴシックホラーだ。
ポップで能天気な名前のこの監督、そんじょそこらの映画監督より才能があると私は思っている。
お気に入りの部位を集>>続きを読む
余命2年。
そのあまりに残酷な″運命″を突きつけられ、″彼″は己の人生から逃避するように″彼女″の元を去ろうとする。
それでも、彼女は背筋をピンと伸ばして、彼の後を付いていく。
そして、眼鏡の汚れを拭>>続きを読む
「童貞をこじらせる」なんて表現がしばしば使われるけれど、この映画ほど″童貞をこじらせた″主人公を描いた作品は他に無い。
この映画の主人公は確かに不幸な境遇にあるけれど、彼の暴走と発狂の発端は、決して特>>続きを読む
ステル調の住宅・衣服、メルヘンチックな音楽とは裏腹に、人間の暗部が強烈に描かれているティム・バートン流の″おとぎ話″。
ファンタジーではあるが、その内容は現実と重なる。
自分達とは違う″エドワード″>>続きを読む
原題は「The Danish Girl」、直訳すれば″デンマークの女の子″。
当然、主人公である″リリー″という「女性」を指しているだろう。
また、″リリー″に最期まで連れ添った「妻」のことも指してい>>続きを読む
あまり気持ちのいい映画ではなかった。というのが正直な感想。
「実話」だからこその、決して避けられない登場人物たちの人生における″短絡さ″が、何だか無性に居心地の悪さを感じさせる映画だった。
「創作」>>続きを読む
何とも言えない後味を残す映画だった。
突っ込みどころは多く、ところどころチープに感じる描写も目につく。
しかし、エンドロールが過ぎ去って「終劇」の大文字が頭に掲げられた頃には、不思議な印象深さと愛着を>>続きを読む
本作は、相変わらずのインド娯楽映画ならではのテンポとテンション、濃ゆい演出とカメラワークがこれでもかと並べ立てられた問答無用に楽しい映画だった。
粗や突っ込みどころなどを挙げたらキリはないが、それらは>>続きを読む
つまらない作品に共通している原因は、やはり脚本構成や演出が大雑把という点。
せっかくの面白くなるであろう設定も、映画としての作りそのものがいい加減では、その設定を昇華出来なくて当然。
特に今作は、ス>>続きを読む
ラストシーン、或る人物が「お腹がすいた」と一言発し、暗転、この映画は終焉する。
その瞳は、愉悦を覚えているようにも見えるし、欲望を満たすことを続けなければこの「世界」では生き続けられないということを、>>続きを読む
乱立する巨大竜巻に襲われる町、あらゆるものが吹き飛ばされていく中で、さりげなく″牛″の看板が飛ばされていく。
これは明らかに「ツイスター」のオマージュであり、今作はそのオマージュを捧げるに相応しい″竜>>続きを読む
クリス・カイルという人物の実人生の最終的な″事実″を知らぬまま、今作を観たので、映画のラスト、敢えて感情的な表現を排除して描かれた「顛末」に対して、虚をつかれた。
そして流れる「無音」のエンドクレジ>>続きを読む
最初に断言すると、この映画、間違いなく″クソ映画″の部類である。
しかしこれほど胸踊った映画も久しぶりだ。
さて本作、片想いしている女性の結婚式を止めるため、冴えない童貞主人公と下品な悪友がバカ騒>>続きを読む
物語は不穏な女性のハミングが示すように、常に暗い影を落としている。
テーマは「錯乱」だが、結末が真実か妄想かはわからないまま終わる。
住み始めてから軌道に乗る夫の仕事。
それと比例するように、隣人と>>続きを読む
ファーストショットの美しく豪華な内装、そこから白銀の世界に移り、説明もないまま″惨劇″が行われる。
不穏な空気に包まれるこのオープニングは緊張感に満ち、この映画の空気を伝えている。
本作の見所はこの>>続きを読む
ジェシー・アイゼンバーグが、冒頭から「ソーシャル・ネットワーク」よろしく早台詞をまくしたてる。
その時点で自分自身を含め健全な観客は、この映画の″ミスリード″に引っ掛かっていたのかもしれない。
″マ>>続きを読む
「情婦」という言葉の意味を、辞書で調べてみた。
辞書によると、″男の情人である女″、″色女″とあり、あまり良い意味合いではない。
アガサ・クリスティの原作の原題が「Witness for the P>>続きを読む
主人公の物語上の欲求は、″生き残る″こと。
原始的な欲求は、観る者に緊張感を与える。
本作の秀逸な点は、序盤の楽しいはずのサーフィンシーンからして「迫りくる危険」が随所に散りばめられているところだろ>>続きを読む
冒頭で、父が少年に託した「ユダヤ人であることを忘れるな」という言葉。
まだ右も左も分からない子供に、″民族の誇り″や″宗教″を押し付けるのは親のエゴではないのか。
その後、親と別れ一人キリスト教徒に>>続きを読む
本作は、少年期の声変り前の一瞬だけ存在する「天使の歌声」を題材にしたヒューマンドラマだ。
物語は、母子家庭で育つステットが荒れた生活の中で才能を見出され、母の死を機に名門音楽学校へと入学するところから>>続きを読む
棺桶に入った幼い少女が目を覚ます。
頭には色により学年を表す大きなリボンを揺らし、 純白のワンピースからは長く白い足を見せる。
無垢な少女たちに″性″のコノテーションを多く纏わせており、 「神>>続きを読む
最終盤、この映画は数十秒間の不思議な長回しを映し出す。
主人公が、悲しみとも喜びともつかない表情を浮かべ、それが微妙に変化する様を延々と映し続ける。
その表情が何を表していたのか、明確にはならない。>>続きを読む
D.F.サンドバーグ監督と、″エスター″役のL.ロステン夫婦による3分にも満たない同名タイトルのショート・フィルムが評判となり、ジェームズ・ワンが共同製作として長篇化した一作。
さすがに描かれるホラ>>続きを読む
映画は、ハートウォーミングなファンタジーに見せかけて、さり気なく現代の″社会問題への解決策″をも提示してみせる。
「礼儀正しく、行儀良く行動するならば、ロンドン(英国)は貴方を受け容れます。」
映>>続きを読む
本作は、人類や社会構造の偽善と欺瞞、矛盾を、異星人という隠喩、SFというツールを使い暴き出した傑作だ。
エイリアンが脆弱でキャットフードに目が無い設定、また、飴でとり入ろうとしたヴィカスに、子供エイ>>続きを読む
クイズ番組が好きだ。
問題に答えるための「知識」は、自分がこれまでの人生の中で生み出した結晶で、クイズ番組はそれを確認できる一つの方法だからだ。
「知識」は、積極的な勉学の果てに得たものだろうが、偶>>続きを読む
死に際に、″自己との対話″を果たす。
この作品は単なる「夢オチ」映画ではなく、作中でも示唆されていたように、″死に逝く者の葛藤と最期の選択″を描いたものであり、ジェイコブの見た″狭間の世界″こそ、そ>>続きを読む