ギャスさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

3.6

ズッシリと面白かった。
物語の圧力がすごい。
もちろんダニエル・デイ=ルイスの圧力も。そして、対するポール・ダノも。

石油(金)と宗教。
信じるものがある男たち、
信じる力が強いほど
それらが衝突す
>>続きを読む

ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.4

ドライなようで実は濃密なシスターフッドと、スタイリッシュかつロマンティックな舞台装置、美しいガンアクション、爽快な殺し、
なかなか面白かった。

ネタバレ
図書館のセットはそのままアトラクションにして
>>続きを読む

ドッペルゲンガー(2002年製作の映画)

3.0

全く乗り切れなかった。
面白くもなく
つまらなくもない。

単に好みの問題か、とにかく感情が動かなかった。

スウィート・シング(2020年製作の映画)

3.3

この世界に居場所のない子供たちの話は辛いが、画面はとにかく美しい。モノクロの強さ、そしてカラーの部分のちょっと浮かれた不安定さ。

ネタバレ
悲劇の後、最後の最後に彼らがこれから生きることへ希望を持つ
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

面白かった!
IMAX推奨。

予想以上の物量、情報量、社会的イシューを盛り込み、メタファーを考えさせて、単なるアクションエンターテイメント以上の仕上がり。爽やかな後味。

ネタバレ
彼女がなぜ特別な
>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.3

タイの奥地?の密林の中のような土着性と見知らぬ儀式の融合で、オカルト感盛り盛り。
呪われた若い女性の熱演が凄まじい。

原題は霊媒とか媒体という意味か。
「女神の継承」はちょっと違う気が。

ネタバレ
>>続きを読む

フォーガットン(2004年製作の映画)

2.9

サクッと見られる異色サスペンス。

展開に強引なところもあるうえに、オチである"その目的"がファンタジーだったが、
最後まで飽きずに見れた。


ネタバレ
そもそもオチがファンタジーで弱い(母性や親子
>>続きを読む

君に届け(2010年製作の映画)

3.1

地味な女子高生がイケメンに恋されるパターンの恋愛映画。
サラッと見れた。
ただ、多部未華子の持ち味の目を最大限に生かしたキャラクターはあまりに漫画的なシンプルさ。三浦春馬の役は爽やかで彼にピッタリだが
>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

3.1

くどいくらいに「好き」について説明しようと、あらゆるアプローチを試みる映画。

堅めの演技の神尾楓珠にちょうど良い役柄。
彼の見る光というものはトキメキか。
それにしても「トキメキ」という言葉は、まさ
>>続きを読む

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.1

気軽にサラッと。
チャニングテイタムのヘナチョコ会話がクスッと笑える。
ブロンドロン毛のヒーロー・ブラピのシーンも面白いが、ヤギ連れたおじさんの癒しの存在感が意外に印象に残った。

MUSICAL「ルードヴィヒ Beethoven The Piano」(2022年製作の映画)

3.6

少しもだれることなく最後まで緊張感と面白さを保ったままの2時間、
凄いというより凄まじい熱量。

ベートーヴェンの希望と苦悩に満ちた生涯を凝った趣向で描くが、とてもわかりやすい。

物語自体がしっかり
>>続きを読む

湯道(2023年製作の映画)

2.9

ちょっとした「湯道」という悪ふざけ的な思いつきを、大仰にし有名俳優を配し、ほぼ関係のない銭湯もくっつけていろいろなノスタルジック人情エピソードを載せてみた映画という印象。
どの人情もそして登場人物のエ
>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.3

この監督の独特さや作家性を知っているのといないのとでは、この映画の味わいは変わってくるだろう。
そして、故フィリップシーモアホフマンを知っているかいないかも含め。

愛というよりも恋。
2人は迷走を繰
>>続きを読む

極主夫道 ザ・シネマ(2022年製作の映画)

3.1

とにかく気軽に。
アドリブで吹き出す出演者たちも楽しげ。
極道言葉をどう普通の生活に不穏に応用できるか知恵を絞ったようなシーンの数々も微笑ましい。
ただ少し長い。盆踊りなどはもっと短くても良いのでは?
>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.7

途中まで人生の機微が、どこをとってもとても共感できるように描かれていたのに、突然ドアに叩きつけるある出来事で不可思議な人間模様へと突き進んでゆく。

人間の感情や行動の展開から、最後まで目が離せない。
>>続きを読む

突入せよ!「あさま山荘」事件(2002年製作の映画)

3.4

何と人間臭い警察内部の悲喜交々。
少しコメディぽくもあり、予想していた暗さや重さとは違ったテイストが面白かった。

かといって軽い作りではなく、
ふんわりと笑いを誘う要素の多かった前半の小さなミスや面
>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.6

加害者と被害者という立場が目まぐるしく入れ替わり混ざり合う。

見ている側の価値観もその中に取り込まれていき、自分で自分をジャッジしなければならなくなる。つまり「ある人物がある事を隠蔽できればいいのに
>>続きを読む

ツユクサ(2022年製作の映画)

3.2

ほのぼのしたあたたかいエピソードが重なっていく。人生の楽しさ可笑しさ、そして悲しさなどの細やかな心情が丁寧に描かれていた。

ネタバレ
ツユクサはどこにでもある楽しみと(結局逃げることのできない)悲し
>>続きを読む

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ: 手彫りの映画、その舞台裏(2022年製作の映画)

3.3

この労力たるや。そして技術。
動きの滑らかさと自然さが素晴らしい。

信念やメッセージもクリアで、監督だけではなく、スタッフもみんなこの作品を作り上げる愛に溢れていた。
逆に言うと、ハードワークがゆえ
>>続きを読む

妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪(2022年製作の映画)

3.5

おちゃらけもありつつ、ちょっと説教くさいほど熱いメッセージ。
でもその真摯な気持ちは嫌いじゃない。

それに、出ているのが演技力確かな好きな俳優さんたちばかりで、その力を存分に使っての振り切ったキャラ
>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.3

あのブランドにこんな話があった。
かすかに覚えがあるような、無いような。
その程度の関心しかなかったが、名前を冠したブランドが有名なだけに家族の内情はスキャンダラスで、かなりゴシップ的に楽しんだ。
>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

3.4

この内容を別のドキュメンタリー番組で見たが、グアンタナモでの扱いはもっと酷かった人もあったようだ。
突然拉致されて何年も監禁されるという不条理な現実に、憤りと恐怖で胸が詰まった。

誰かを捕えねば、、
>>続きを読む

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.4

親子を繋ぐもの。
それは血の繋がりでなくていい。
安心をくれる、ここちよい居場所であればいい。
しっかりと出来上がったその繋がりが引き裂かれて良いわけがない。
誰のためのなんのための法律なのだろう。
>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.6

最後まで息を詰めるように見た。
そして常に頭の中では、戦争ってなんなのだろうという思いがぐるぐると巡ったまま。
友達にもなれるような隣の国の人たちをあらゆる方法を使って大量に殺す。精神に異常をきたすよ
>>続きを読む

そんな彼なら捨てちゃえば?(2009年製作の映画)

3.0

当時の新しい男女の形的な意欲作だったのだろうなという気持ちと
豪華出演者を楽しむ気持ちで気軽に見た。

今も恋愛の実情は実はそう変わっていないが、
白人しか出ないキャスティングや、ゲイの出演がとてもこ
>>続きを読む

ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画)

3.3


見事だった。ディズニーの映画並みにクリアな起承転結が、まさに彼の身に起こっていた。

世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

3.3

私も、リアタイではないが思春期に彼の美しさを知り耽美的存在を"楽しんで"いたことを思い出す。
なので贖罪的な気持ちも込めて観た。

過酷にもてはやされた最も美しい少年は、実は最も愛情深く繊細に扱われな
>>続きを読む

99.9-刑事専門弁護士‐ THE MOVIE(2021年製作の映画)

3.1

いろいろと不必要なものや蛇足的なものがあった気持ちは否めないが、
なかなか面白かった。

たくさんの取り止めもないような断片的な情報のカオスが、
深山が料理という系統だった手順を必要とする作業のなかで
>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

結局、血筋かー。。

くじらびと(2021年製作の映画)

3.6

鯨と人間がいまだ"面と向かって"生きる世界。

前知識ゼロで見始め、のんびり見ていたが、次第にそれが神聖かつ危険であることが心に染みてきて、そして圧巻の捕鯨シーンには鼓動が早まった。

日本もかつては
>>続きを読む

特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)

3.3

サスペンスミステリーシリーズ、安定のクオリティ。
最終的に信仰ってなんなのだろうという
ため息が漏れた。

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.3

なかなか面白いと思ったが、ここまで評価が高い映画かというと、そうでもないような。

しかしそれは、私が故郷からあまり遠く離れたことがないからなのかもしれない。
この映画は、遠くにある故郷へのノスタルジ
>>続きを読む

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

3.4

じっくりと面白かった。地味なようでしっかりエンタメ。
展開はゆっくりなように思えたが、結果的にはこの丁寧さが必要だったと思える上質なダークミステリー。

この時代のロウソクの暗さがとてもリアルで、陰鬱
>>続きを読む

ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(2021年製作の映画)

3.3

はちゃめちゃを楽しむ、特にサルマ・ハエックを楽しむ!
見た後はほとんど何を見たか覚えていないが、とても楽しかった。

落下の王国(2006年製作の映画)

3.7

何度目かの鑑賞。
どこをどう切り取っても絵になる完璧な色と構図と配置。華麗な衣装と壮大な風景。

そんな絵だけを楽しむこともできるが、心象風景を御伽噺に落とし込む巧みさ、そして何より奇跡のような子役の
>>続きを読む

山猫(1963年製作の映画)

3.3

貴族という地主がどれだけ文化を大切にして教養を常に養い統治のために心を砕いて民を思っているか。その気高さや美しく尊い矜持など、新時代の成金や力を持ち始めた平民にわかりはしない。

そんな、自分自身が貴
>>続きを読む