「産んでくれた母、育ててくれた母、いま一緒にいる母」
監督で次女の関麻衣子さんが自分の家族をカメラに収めた卒業制作ドキュメンタリー。
"母"という呼称は3人の女性に共通していても、実際は別々の存在>>続きを読む
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すごい傑作!キアロスタミ版「あんたの夢を叶えたろか」。と言ってもこんな奇蹟のようなシナリオは決して凡人には描けないわけで、監督めっちゃ天才!!と讃えずにはいられない。
イランの映画監督の巨匠、マフバ>>続きを読む
中々上映されないアケルマン監督の人気作品とあって、チケットは上映2日前に早々と完売してました。うーん凄い!
この作品は言うなれば一人の未亡人の観察映画。キッチン、寝室、リヴィング、廊下に備え付けられ>>続きを読む
サン・ラーに招かれて辿り着いたのがこの惑星だったら確実に発狂しているな…。
中世風の世界から映し出されるのは、そこで生活を営む貧しい人々と、雪、泥、石、痰、唾、糞尿。SFでありながらも洗練さは皆無で>>続きを読む
「まだ気づかないの。世界はとっくに終わっている」
冒頭に流れるジャズの歌詞。SF映画を撮りつつも、サン・ラーからすればディストピア映画を撮っていたのだろうか。
全体的にB級映画っぽさが漂っていて好>>続きを読む
映画を観て暫く経ってから小説を読みました。
映画については勅使河原×安部作品初のカラーなのと、OPに「荒磯に波」が出てきたところからして、今までの文芸色からだいぶ大衆作品寄りに傾いたなぁ、という印象。>>続きを読む
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「言葉は想像力を運ぶ電車です」
濱口監督の言葉は自分にとって急行電車。もっとゆっくり走ってくれ〜!って言いたくなるけど、ひとたび停車駅に着くと暫く待ってくれているような気がする(そういう自分の電車は>>続きを読む
節穴から覗く薄気味悪い目。『他人の顔』しかり、安部公房×勅使河原宏が作り出す世界は何でこうも不気味なんだろう。
現実と虚構が上手い具合に融合した作品。
新しい仕事場を求めて廃れた炭鉱町に足を踏み入れ>>続きを読む
前作『僕の帰る場所』はドキュメンタリーと見間違えるほどのリアルな演技で衝撃を受けた。あれから2年半、藤元明緒監督の新作ということでワクワクしながら鑑賞。結果、やっぱり好きですねー。
今作も日本で就労>>続きを読む
想像以上に好みの作品でした!!
高校生の演技が物凄く自然。他愛も無い会話と丁度いい距離感。その分、ある出来事からクラスの空気が一変したシーンには思わず息を飲んだ。
ややもするとLGBTに対して偏見>>続きを読む
侯孝賢がレコード会社に依頼されて撮影したアイドル映画だそう(その心中たるや…)ハードボイルドな展開にヒロインが巻き込まれるストーリーは80年代の角川映画を彷彿とさせる。でもそこは侯孝賢の作品らしく、家>>続きを読む
エグいですね……。詳細はMarrikuriさんのレビューをご覧頂ければと思いますが、これはイランで実際に石打ち処刑を受けた女性のお話です。
観終わった後の胸がざわつく感じは『処刑の丘』や『炎628』>>続きを読む
ノスタルジーを感じて胸にじんと来た。子供の頃に悪さをして母親に叱られたことや、父親に思いの外褒められて照れくさかったことに懐かしさを感じるのは万国共通ですね。
侯孝賢監督の少年から青年期までの回顧録>>続きを読む
仏像好きとしては観ておきたかった作品。
仏像工房で働く警備員が友人と一緒に社長のドライブレコーダーを興味本位で覗いていたら・・・。
台湾のいわゆる勝ち組、負け組の姿をナレーション、ドライブレコーダー>>続きを読む
呆然。おいおい…とツッコまずにはいられない急転直下のプロパガンダ映画。当時のソ連国民はこの映画を観てどう思ったんだろう、気になる。
サーカスに出てくる芸達者な人や動物たちと、熱いソ連を見れたのは収穫。
『翌日戦争が始まった』と聞いて気持ちタイトルが似ている『僕の村は戦場だった』を勝手にイメージしていたら意外とポップな印象で、序盤はお洒落や恋愛に興味を持つ高校生たちの楽しそうな学園生活が描かれていた。>>続きを読む
小説は男が妻に向けて書いた嫉妬心たっぷりの手記を読んでいくスタイル。その文量ノート3冊分という「ド」が付くほどの変態ぶり。映画はというと、男が発する言葉の端々から粘着質で卑屈な性格が読み取れた。男が事>>続きを読む
ポスターが秀逸!『顔のない眼』『他人の顔』『犬神家の一族』『13日の金曜日』(ちょっと違う)のように、なぜ顔を隠しているのか事情を知りたくなる。人が持つ生来の好奇心がこの作品に蔓延っている。
インタ>>続きを読む
この短編は4つ観た中で群を抜いていた。ダラダラしてなくてコンパクト。苦しげにvomitする花弁の鮮やかで美しいこと!
監督の音への拘りと色彩センスが良い。野暮ったい言葉なんて要らない。映像だけで十分語>>続きを読む
数年越しで観たかった作品。
「映画を通して中国や日中関係を見つめ直す」という主旨で日芸生たちが企画した今年の日芸映画祭《中国を知る》
前説の話だと日本では上映権が終了していたので、ドイツの配給会社に>>続きを読む
「悪は存在せず」
アイロニカルなタイトルに興味が沸き鑑賞(もう観てからだいぶ経つけど)
日本と同じ死刑存置国のイランが舞台。4話で構成されているこのオムニバス映画は、死刑囚や被害者に纏わるストーリー>>続きを読む
ヨハン・ゼバスティアン・バッハの妻アンナ・マグダレーナの手記をもとにバッハの音楽活動を辿る、バッハ好きの人にとっては垂涎ものの作品。
冒頭、好きな曲「ブランデンブルク協奏曲第5番」で始まりテンション>>続きを読む
ずっと観たかった作品。アップリンククラウドのMOVIOLA配信にこの『郊遊』が入っていたのでラッキー♪と思い購入。でも観始めて3分で再生を止めました。タイトルバックがあまりにもカッコ良すぎて。これはス>>続きを読む
現実と幻想のグラデーション。現実の世界の中に幻想が溶け込んだ印象。この映画の世界で「死」は終わりではなく、あくまで「生」の延長線上の出来事として描かれている。
場所に魂が宿るという考えがある。思い出>>続きを読む
小学校の社会科の教科書に載っていた写真。母親が水俣病のわが子を悲しげな表情で抱き抱えている姿を見て当時ショックを受けたのを今でも覚えている。この作品は原一男監督が十数年という長い歳月の間、水俣病患者と>>続きを読む
日本でワン・トン監督作品が劇場初公開ということもあり、今年の《台湾巨匠傑作選》でイチオシされていた本作。鮮やかな黄色と緑のポスターが魅力的。
国共内戦が激化する最中、台湾にはバナナという見たことも食>>続きを読む
男女で痛みを分かち合う「Share the Pain」を目的にした法律、略してSP法(なんかBR法みたい…)
「性交人」という大人の男性との貫通式を経なければ女性とセックスをしてはならない、と定めら>>続きを読む
別れた男女が再会して当時の話をする、ただそれだけなのに時間の概念について考えさせられる。ノーランの作品が物理学ならこの作品は心理学的なアプローチで。
時間は万物に対して忠実。髪は1ヶ月で約1cm伸び>>続きを読む
「生きる希望」を描く映画は数多くある中で、「生きることの無意味さ・虚しさ」をテーマに描いている作品はそれほど多くない気がする。戦争映画のように生への強い執着から反転して虚無感に苛まれる兵士を描く作品は>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
友人夫婦の幼い娘を橋の欄干から突き落とした亜希。映画は亜希が取調室内で調書の確認をさせられるところから始まる。亜希の表情は虚ろ。そしてその動機が全く見えてこない。
普通の映画ならここで過去を回想して>>続きを読む
中国人でも知らない事実を私たちが知る。これこそがドキュメンタリー映画だと思う。
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いきなり家の窓からボンボンと家具が投げ捨てられ、そのたびにガシャン!!という轟音が鳴り響く様は、ヴァンダの咳と同じくらい不安を抱かせる。と同時に「何が起きてるんだろ⁉︎」という好奇心が芽生え始めてスク>>続きを読む
電車内で「コホンッ」と空咳すればすぐに冷たい視線を感じるこのご時世、ヴァンダの「ゲホッ!ゲホッ‼︎ ぺッ!」といういかにもヤバそうな咳を聞かされ続け、自分の眉と眉の間には終始皺が寄っていた。
もしヴァ>>続きを読む
厳しい残暑……納涼したいなぁ、、と思いアピチャッポン監督の作品を鑑賞。冒頭からジーという耳触りの良い夏の虫の鳴き声と、亜熱帯植物の艶やかで大きな葉が視覚的に心地良い。カメラも固定の引きショットなので、>>続きを読む
とても分かり易くて観易いドキュメンタリー映画だった。
それもそのはずで、監督はフィリピン残留日本人と中国残留孤児の現状を多くの人たちに知って欲しいために本作の制作を手掛けたんだとか。得手してそういう>>続きを読む
ウニの透明感。まだあどけない清純な顔立ちと何色にも染まっていない純粋な心根がウニに透明感をもたらす。掴まる枝が無くてハチドリのように飛び続けるウニ。その健気な姿から目が離せなかった。
個人的に感じた>>続きを読む