広島カップさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

広島カップ

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風が吹くとき(1986年製作の映画)

3.2

『スノーマン』(1982)のレイモンド・ブリッグスの脚本だからといって油断してはいけません。うっかり夢に溢れた作品だと思って観たら大間違い。夢も希望も無い反核作品。吹いてくる風というのは核爆弾による爆>>続きを読む

海辺の家(2001年製作の映画)

3.6

仕事をクビになった上に癌で余命宣告を受けた主人公の男(ケヴィン・クライン)は残り少なくなった人生をどう過ごすことにしたのか?
折り合いの悪かった長男と元妻との関係の修復と海辺の崖の上に建つ自らのボロ家
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桜桃の味(1997年製作の映画)

2.5

イランの山岳部が主な舞台。
自殺をしようと思っている主人公の男は自分が地面に掘った穴に入って死んだ後に埋めてくれる人物を探して車に乗って山岳部のクネクネ道を流している。
彼は二人の男には断られたが三人
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ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011年製作の映画)

3.0

ケネディ大統領暗殺の時代のミシシッピ州が舞台。
人種差別政策、人種差別思想が大手を振って歩いているアメリカ。
白人家庭に黒人の使用人が奴隷制度の延長のように居る世の中。その時代の黒人女性と白人女性それ
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ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

3.5

ロスアンゼルスの公道をレース場にしてスピードを競う若者達。逃走する大型獣を狙うサバンナのジャッカルのように彼らは徒党を組んでトラックを狩る。

スピード狂の話、スピードジャンキー達の話。
爆裂エンジ
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チェンジリング(1979年製作の映画)

2.8

本作が製作された1979年にはS F・ホラー・サスペンスの傑作の誉高い『エイリアン』が誕生しています。
エイリアンと本作と同列に並べてしまうのは無理があり過ぎるのは解っていますが、本作にもホラーとサス
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キング・コング(2005年製作の映画)

3.0

なんだか感想が散漫になる作品です。
やっぱり長過ぎるせいかな?...笑

こんな死に方は嫌だ!というシーンが映画を観ているとあるものです。
おそらく多くの方の賛同を得られそうな代表的なものとして『エイ
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

3.0

夢のあるラブコメを観るときに絶対にやってはいけない夢の無いオヤジ目線で観ると...

「旅行本だけ扱っている個人書店を彼女のいないイケメンの男が経営してるなんてまずあり得ないし、そこに飛び切り美人の女
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若い人(1962年製作の映画)

3.4

大人からしたら何考えてんだか理解し難い年頃の女の子。吉永小百合はよくもこんな面倒臭いタイプの女子高生を演ったものだと序盤を観ていて感じましたが、物語の進行と共に女子高生の背景が明らかになってくるにつれ>>続きを読む

キューポラのある街(1962年製作の映画)

3.5

街の躍動感というものを感じます。

埼玉県川口という街、もちろんキューポラが街にあったその当時の話ですけれど若者を育てるにはこんなに良い街は無いように思います。

鋳物工場の街で大人も体を使って毎日
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アサルト13 要塞警察(2005年製作の映画)

3.9

昨年時の人になった強面のあの男※は言いました「二発もらいました」。
しかしこの作品に登場する貫禄たっぷりの悪の親玉(ローレンス・フィッシュバーン)は更に上を行き六発をもらっています。

ジョン・カーペ
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シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

3.5

世の中を渡る事に関して不器用な男性諸氏はハンカチをご用意のうえご覧になることをお勧めします。特に一人娘をお持ちのお父様方は涙腺崩壊の作品です。

1800年代フランスの片田舎の郵便配達員シュヴァルが主
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耳をすませば(1995年製作の映画)

3.6

最初の出会いは中学生の時で牧歌的なジョン・デンバー。その次が爽やかなオリビア・ニュートン・ジョン、そしてその次が本作の挿入歌として...この曲と私の巡り会いはこの順番でした"カントリー・ロード"。>>続きを読む

ハートビート(2016年製作の映画)

2.6


音楽やダンスを学びにニューヨークにやって来た若者達を描く青春ストーリー。青春物語には鬱屈したパートが欲しいと感じている方には物足りなく感じるかもしれません。

バイオリン奏者としてプロを目指す男とバ
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マタンゴ(1963年製作の映画)

3.5

椎茸が苦手だった少年時代に観た本作はぶっ飛びキノコが沢山出て来て、生でそれを食べるシーンが生理的な不快感たっぷりな作品でした。バルタン星人の声で笑うキノコ人間が巣喰う島なんて死んでも行きたくないと思い>>続きを読む

コールド・スキン(2017年製作の映画)

3.0

冷たい皮膚の両生類。
夜になるとその謎の両生類が群れをなして孤島の岬に立つ灯台めがけて海からウジャウジャと上がって来るという画が魅力的です。

灯台には二人の男と一匹の雌の両生類。彼等と両生類達のせめ
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

4.5

近未来を舞台にしたSF作品では美術は非常に重要です。
遠い未来を描いたS Fならばかなり現在とかけ離れているデザインでもOKなのでしょうけど近未来だとそうもいかないのが難しいところです。
犯罪予知シス
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

4.0

お正月に映画館の前を歩いていると看板に渥美清の姿。
思わず心の中の時計が高速で巻き戻ってしまい吸い込まれるように中に入って行った方々を見回すと平均年齢75歳辺りの様子。
AIがどうのこうのという喧しく
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

2.5

ロードショー映画が通常販売価格のほぼ半値の¥1000で観れる毎月1日の映画の日。
そのウハウハの日が私の休みとタマタマ重なり、しかもその日が家族サービスもしなくて良い日で、私自身に用事が無くてフリーと
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シンプル・プラン(1998年製作の映画)

4.2

大晦日、雪の積もる林の中で偶然大金を拾った三人の男。迷った挙句この金をくすねようと計画した彼等だが次々に予期しない事がこのプランに起こる。

サスペンス映画では急展開ということがよくあります。
ドライ
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暴走機関車(1985年製作の映画)

3.8

脱獄と暴走する列車という男臭いアイテムの組み合わせ。
黒澤明は自分でメガフォンを取りたかっただろうなと思います。

もしも黒澤が存命だったとしたら撮ってもらいたかったなあと私が思う作品は他にもあって例
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単騎、千里を走る。(2005年製作の映画)

3.5


息子と上手くやれなくて疎遠になっている男(高倉健)。
息子の命が長くないと知った彼は息子がやり残した仕事、つまり"単騎千里を走る"という仮面劇を撮影しようと中国に渡る。
渡った先のその国で図らずもや
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ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年製作の映画)

2.7

南北戦争の最中、北軍のある兵士が「フロンティアが見たい」といって単身辺境の地に赴むきます。彼は徐々にアメリカ先住民族と馴染みになりますがやがて白人と彼等の人種間軋轢に巻き込まれていくことになります。>>続きを読む

静かなる決闘(1949年製作の映画)

3.3

太平洋戦争に従軍した若き軍医(三船敏郎)が野戦病院で不本意にも梅毒に感染してしまい苦悩する話。

その医師には将来を約束した許嫁がいたが帰国後そうした理由で結婚を言い出せなくなってしまう。
「彼女に言
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.1

サスペンスという触れ込みでしたが実際観てみるとホラーかSFの部類ではないでしょうか。

森と湖の国スウェーデンが舞台の摩訶不思議な話でネタバレにならないように書くのが難しいストーリー。

物語の始まり
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UFO -オヘアの未確認飛行物体-(2018年製作の映画)

2.6

シンシナティの空港に現れた未確認飛行物体の正体に数学を専攻する大学生が得意の難解数学を武器に迫る物語。

隔靴掻痒。
たけしの超常現象スペシャルとか矢追純一のU F O特番的なものを期待して観てしま
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

腰を入れて無重力を描こうという姿勢が凄い。
99.99%の映画は重力下で展開することが大前提。
本作は上と下がある既存の映画作品の構図をひっくり返しています。スクリーンの上辺下辺と左右の縁の意味があま
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

4.0

冒頭から主人公にとって訳が判らない状況がかなりの時間継続するサスペンスの傑作。
身の周りに起きる不可解なことに翻弄されっ放しの主人公の男(ケイリー・グラント)。
観客は彼に自身を同化させて観て行くわけ
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

4.0

テキサス発ニューヨーク経由マイアミ行き。長距離バスによる若者の苦い旅。

泳ぎ方を知らず大都会ニューヨークの荒波に蹴散らされる二人の若者。
大海の中のあまりに小さな二人がそれでも夢を抱いている姿がとて
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ポセイドン・アドベンチャー(1972年製作の映画)

5.0

船内の豪華ラウンジで大晦日のカウントダウンが行われている天地無用の豪華客船ポセイドン号。
そこに公開当時の日本人が皆さほど現実味を持って恐ろしいとは思ってはいなかった津波が襲い、ひっくり返った船の中で
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ターミネーター4(2009年製作の映画)

2.8

人間対ロボットが本シリーズの基本機軸。
そこへ双方のハイブリッドを持ち込んできたのが本作の新味。これが吉と出るか凶と出るかで評価が分かれるところでしょう。
いつまでもニ陣営対立では飽きられてしまうとで
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野良犬(1949年製作の映画)

5.0

こんなに見所が多い作品も珍しい。
見所が多過ぎて多過ぎて多過ぎて困ってしまいます。
あっちの電柱こっちの塀と街中をウロウロしてマーキングをする野良犬のように「ここもいい、あそこもいい」と頭の中で何から
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コピーキャット(1995年製作の映画)

2.5

サンフランシスコ市警はこの作品にクレームを付けなかったのだろうか?
連続模倣殺人犯対SF市警という物語ですが市警のヘッポコぶりがやたらに目立ってしまっています。

米でSF市警といえば伝説の警官ハリー
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ブルースチール(1990年製作の映画)

2.5

当時売り出し中のジェイミー・リー・カーチスがニューヨークの新米警察官を演るという魅力的な物語でしたが・・・

バリバリの切れ者女性警官が活躍する胸すく話ではなく頭のへんてこな犯人に翻弄される新人警察官
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ザ・シークレット・サービス(1993年製作の映画)

3.8

ダラスでのあの時、大統領を凶弾から守れなかった過去を持つシークレットサービスの男(クリント・イーストウッド)。
シークレットサービスの仕事に誇りを持つが齢を重ね仕事のやり方も古臭くなり次第に仕事場では
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鉄道員(1956年製作の映画)

4.0

辛いことも一家に起きるのに最後には心温まる、"家族"を描いたいかにもイタリア映画らしい作品。

ローマに暮らす父+母+長男(成人)+長女(成人)+次男(小学生)の構成の一家。
大黒柱の父(ピエトロ・ジ
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