ひでやんさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

ひでやん

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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

3.9

「ハンニバル」の続編のようなタイトルが関心を煽り立て、鑑賞前から負けた気分。蓋を開けてみるとレクター博士のようなシリアル・キラーの姿はなく、膵臓を蝕むサイレントキラーが少女の中に。

「透き通るほど真
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.0

ふつふつと沸き上がるやるせなさを、陽だまりのような優しさが包み込む作品だった。

シンクに溜まった食器、ゴミ箱に溢れるコンビニの袋、散らかった静寂の部屋に1人の少女。沈黙の映像が育児放棄を物語り、冒頭
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スネーク・アイズ(1998年製作の映画)

3.7

ボクシングの試合中、1万4千人の観衆の中で国防長官が暗殺され、現場に居合わせた刑事が事件の裏側にある陰謀に挑むサスペンス。

テレビに映りたがりのニコニコ刑事を演じるニコラス・ケイジ。冒頭からハイテン
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ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

4.1

B級映画の音響技師が、偶然録音した車の転落事故をきっかけに、政治的陰謀に巻き込まれていくサスペンス。

女子寮に忍び寄る殺人鬼視点から始まり、シャワー中の裸に刃物が光る。初っ端からエロスとホラーとヒッ
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愛のメモリー(1976年製作の映画)

3.6

亡き妻の妄執に囚われた男を描いたロマンティック・サスペンス。

最愛の妻と娘が誘拐され、その犯人捜しや救出劇が繰り広げられると思いきや、あっさり包囲する警察と、あっさり逃亡する犯人。そして最悪の結末へ
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昼下りの情事(1957年製作の映画)

4.0

扇情的なタイトルとは裏腹に、細かいショットで映し出されるパリの美しい景観。セーヌ川の左岸と右岸で、散水車が通る道で、噴水の横で、猫も杓子も熱いキスと抱擁。そのオープニングだけでお腹一杯という気分。>>続きを読む

イヴの総て(1950年製作の映画)

4.5

華やかな演劇界の裏側を描いた不朽の名作。

盛大な授賞式から始まり、評論家のナレーションが権威ある賞を説明。新進女優イヴにそれが贈られるが、複雑な表情で見守る関係者たち。

そこに至るまでの経緯が物語
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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

4.4

アカデミー賞主要5部門を独占し、数々の映画に影響を与えたハリウッド黄金期の傑作ラブ・コメディ。

逃亡した大富豪の令嬢と失業した新聞記者の恋路を描く本作は、「ローマの休日」に大きな影響を与えた事だろう
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22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

3.9

時効を迎えた殺人犯が、告白本の出版会見を開き、報道陣の前で「私が犯人です」という冒頭で引き込まれた。

殺人犯をアイドル化し、サイン会に押し寄せる人々が「バカ」に見えた。時効が成立しても人殺しは人殺し
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怒り(2016年製作の映画)

4.3

冒頭で映される殺害現場の蒸し暑さと重苦しい空気が暗澹たる気持ちにさせた。それは八王子で起きた夫婦惨殺事件で、事件から1年後の東京・千葉・沖縄が舞台となる。

全員が主役を張れるほど豪華なキャスト陣で、
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.2

戦時中の広島を舞台に、3人兄弟の長女として生まれ育ったすずと、周囲の人々の日常を描く。

おっとりした性格で天真爛漫なすずに、のんの穏やかな声がピタリと合っていて、妙に心地良いその声が身近な存在に感じ
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野いちご(1957年製作の映画)

4.1

人生や孤独、家族などをテーマに、車で旅する老人の1日を描いたロード・ムービー。

「老い」や「死」は誰にでもいつか訪れるが、まだまだ先の事だと頭の隅に追いやっている。考えたくない事は後回しの自分だが、
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夏の遊び(1951年製作の映画)

4.2

ゴダールが、最も美しい映画と絶賛した
ベルイマン初期の作品。

日記をきっかけにバレリーナが回想するひと夏の恋はキラキラとしていた。

照りつける夏の太陽、水面に乱反射する光の揺らめき、木の葉のざわめ
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

4.0

格子模様の斜めラインに沿ったオープニング・クレジットが洒落ていて、バーナード・ハーマンの音楽にゾクリ、バスに乗り遅れたヒッチコックにクスリ。

ケーリー・グラント扮する広告屋の男が、人違いによって突然
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深夜の告白(1944年製作の映画)

3.9

保険外交員の男が、顧客宅で知り合った人妻と不倫関係に陥り、共謀して保険金殺人を計画するフィルム・ノワール。

今観るとありふれたストーリーに思うが、製作されたのが戦時中の1944年というから驚き。練り
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.3

「光州事件」というタイトルで、市民が撃たれる場面がジャケ写だったら、鑑賞前のイメージが全然違っていただろうな。重そうで観なかったかも。

「タクシー運転手」というタイトルに、ソン・ガンホの笑顔ですもん
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.1

「セッション」で一躍脚光を浴びたデイミアン・チャゼル監督が、自ら書き上げた脚本を映画化したミュージカル。

舞台はロサンゼルス。大渋滞の高速道路を映し出すオープニングが心を鷲掴み。

「今、私は頂を目
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.0

80年代のアイルランド・ダブリンを舞台に、音楽で未来を切り開いていく若者たちを描いた監督の半自伝的作品。

大不況によって父親が失業し、家計の事情から転校を余儀なくされた14歳の少年コナー。家庭では両
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レインマン(1988年製作の映画)

3.9

絶縁状態だった父が他界し、その遺産を目当てにする青年が自閉症の兄と旅をする事になるヒューマンドラマ。

自由奔放な弟には車と薔薇を、
金銭の観念がない兄には300万ドルを。

そんな遺言状に憤慨したチ
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チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)

4.0

「独裁者」以来7年ぶりに製作された作品で、その恐ろしいタイトルに戸惑いながら鑑賞。

そこには、お馴染みのチャーリー・スタイルも喜劇色もなく、タイトル通りの殺人鬼がいた。

チャップリン扮するアンリは
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偽牧師(1923年製作の映画)

4.1

牧師の服を盗んだ脱獄囚チャーリーが、お得意の成り済ましで繰り広げる大騒動。

行く先を適当に指差したチャーリーが汽車に乗る序盤でもう心を掴まれた。たどり着いた村で新任牧師と間違われ、教会で説教をする羽
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チャップリンの拳闘(1915年製作の映画)

3.8

1本のソーセージを愛犬のブルドッグと分け合う冒頭が切なくてたまらない。

街角に張られたボクシングのスパーリング・パートナー募集の広告を見つけた彼は、空腹を満たすためジムに入る。グローブに馬の蹄鉄を入
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アルコール先生公園の巻(1915年製作の映画)

3.0

公園を舞台にしたドタバタ騒動だが、本作のチャップリンは陽気なおとぼけキャラではなく、悪戯好きな嫌われもの。

熟年カップルや読書する女性にちょっかいを出し、開いた口を灰皿にしたりソーセージを盗んだり。
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

3.8

誘拐され、奴隷として売られてしまった自由黒人ソロモン・ノーサップの体験記を基に、12年間の過酷な奴隷生活を描いた衝撃のヒューマンドラマ。

鎖で繋がれ、木に吊るされ、ムチで打たれて重労働。反抗心は許さ
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.9

文明社会から切り離された森の中で生活する家族が、母親の死をきっかけに旅に出るロードムービー。

文明の利器に埋もれ、情報媒体に振り回され、右へ倣えで足並み揃え、流行り廃りの消費社会。権力による支配があ
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現金に体を張れ(1956年製作の映画)

3.9

刑務所帰りの男が仲間を集めて競馬場売上金強盗を企てるフィルム・ノワール。

心情を語るナレーションの多用はあまり好きではないが、本作の語りは計画を遂行するまでの状況説明であり、展開が分かりやすい。
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非情の罠(1955年製作の映画)

3.6

ニューヨークを舞台に、ギャングの情婦を救うボクサーを描いたフィルムノワール。

冒頭、主人公のモノローグから回想となるが、その語りから悪い予感しかしない。

部屋の男と向かいに住む女性をそれぞれ映し出
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恐怖と欲望(1953年製作の映画)

3.5

完全主義者のキューブリックが本作を「アマチュアの仕事」として、プリントのほとんどを自ら買い占め封印したため幻となった作品。デビュー作とされる「非情の罠」以前に手掛けた戦争ドラマ。

敵陣内の森に不時着
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しあわせの隠れ場所(2009年製作の映画)

4.2

ある家族との出会いによって才能を開花させ、アメフト選手になったマイケル・オアーの実話を基に描いた作品。

「あれは何かを心に決めた時の顔だ」

寒空の下、薄着で歩く少年に声をかける妻を見て、夫が言った
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.8

盲目の退役軍人と高校生の交流を描いたヒューマンドラマ。

故郷から遠く離れ、奨学金で名門高校に通うチャーリー。友情を描いた青春ドラマのような幕開けだが、そこにあるのは貧富の差。裕福な家庭の生徒に囲まれ
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バックドラフト(1991年製作の映画)

3.7

殉職した父の後を継ぎ、消防士になった兄弟の物語。

本作はとにかく火の演出が凄まじい。今ならCGでどんな映像も可能だが、当時は火を用いた特殊効果でリアルな映像を作り上げている。

床や天井を這い、上昇
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

5.0

トーキー到来期のハリウッドを舞台に、映画業界の舞台裏で巻き起こる大騒動と恋を描いたミュージカル。

まずストーリーが面白い。マイクの位置や音声のズレ、イメージに合わない女優の声など、サイレントからトー
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駅馬車(1939年製作の映画)

4.1

前半は駅馬車に乗り合わせた乗客の人間模様が描かれ、華麗なガンアクションを期待していた自分は少し退屈を覚えたが、会話劇で見せる人間関係はなかなか面白かった。

賭博師は貴婦人の用心棒となり、商人の酒を目
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悪魔のシスター(1973年製作の映画)

3.5

シャム双生児を題材に、ヒッチコック愛を散りばめたデ・パルマ監督初期のサスペンス・スリラー。

不気味な旋律で胎児を映し出すオープニングで、ざわざわと胸に不安が広がった。戦慄のホラーが始まると思いきや、
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カジュアリティーズ(1989年製作の映画)

3.8

ベトナム戦争で実際に起こった事件を
ブライアン・デ・パルマが映画化。

電車内で向かいの席に座る女性にハッとした帰還兵の回想シーンに突入し、ジャングルの激しい銃撃戦が展開。

実話がベースなのでいつも
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ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

4.0

ブライアン・デ・パルマがヒッチコックの「めまい」「裏窓」をモチーフに放つエロチック・サスペンス。

いやぁ、面白かった。オープニングからエンドロールまで、たっぷり楽しませてもらった。

閉所恐怖症の売
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