ABBAッキオさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

  • List view
  • Grid view

ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ(1985年製作の映画)

4.5

1985年アメリカ。コッポラとルーカスがプロダクション。緒形拳が三島由紀夫(祖母、加藤治子、母 大谷直子)で、1970年11月25日の自決に至る1日を回想を交えつつ演じ、劇中劇として三島の三作品をイ>>続きを読む

東海道お化け道中(1969年製作の映画)

3.0

 1969年大映。妖怪三部作の最後の作品。すでに大映の衰退は明らかで、本作も前2作のような妖怪映画らしい楽しさと怖さのミックスを欠いている。非道に殺されたじじに伝えられた父を探して旅する少女をめぐり、>>続きを読む

妖怪百物語(1968年製作の映画)

3.9

 1968年大映。大映の妖怪三部作の第1作。長屋乗っ取りを企む悪奉行と悪徳商人に対して抵抗する長屋、それに妖怪が絡んで、というシンプルなストーリー。しかし子ども向けでなく大人が見てもしっかり作っている>>続きを読む

テッド・バンディ(2019年製作の映画)

3.0

 2019年アメリカ。Netflix製作の実話再現もの。アメリカで最も有名な連続殺人犯の一人、テッド・バンディについて、彼と恋愛関係にあった女性リズとの関わりを中心に描く。殺人シーンはほとんどなく、む>>続きを読む

ポラロイド(2018年製作の映画)

2.5

 2018年アメリカ。ポラロイド・カメラで写されると被写体が死ぬ、というリングのカメラ版のような映画。ポラロイドという昔のカメラの持ち主の怨念がとりついて、というようなストーリー展開ではあるのだけれど>>続きを読む

呪われた城(1946年製作の映画)

2.8

 1946年アメリカ。親戚の富豪の城を訪れた娘が富豪と恋をしたが夫が次第に本性を示し、といったストーリー。怪奇映画の名優ヴィンセント・プライスが富豪役。敬虔なキリスト教家庭の娘と血筋に囚われた富豪の葛>>続きを読む

ドライビング Miss デイジー(1989年製作の映画)

4.0

 1989年アメリカ。ジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンの名演が光る佳作。高齢になり運転が不自由になった気ぐらいの高いユダヤ人女性と、運転手として雇われた苦労人で如才のない黒人の心の触れあい。劇>>続きを読む

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

3.2

 2001年アメリカ。難解映画として有名で、ちょっと心して視聴した。意図的に分かりにくくしている部分もあるだろうが、説明不足という印象が強いかな。奇妙なウサギ男の破滅予言、出所不明の飛行機の墜落事故、>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

3.9

 2016年アメリカ。突然世界12カ所に現れたUFO。その目的は何かを探るという定番のSFストーリーだが、ここでは未知の文明とどうコミュニケーションを図るかが焦点で、主人公は優秀な言語学者。物理学者と>>続きを読む

世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す(1956年製作の映画)

3.0

1956年アメリカ映画。古典的な宇宙人侵略ものでストーリー的には面白くない。本映画の最大の見所はレイ・ハリーハウゼンの特撮だろう。円盤(アダムスキー型)がアメリカに襲来し、軍と交戦、ワシントンの建造物>>続きを読む

シンドバッド虎の目大冒険(1977年製作の映画)

3.1

 1977年イギリス。ハリーハウゼンのシンドバッド三部作の三作目。シンドバッドが猿にされてしまった王子の呪いを解くために航海に出る話。正直言ってストーリーはぱっとしない。敵役もそれほど存在感はなく、わ>>続きを読む

シンドバッド黄金の航海(1973年製作の映画)

3.3

 1973年イギリス。シンドバッドの冒険を映画化した3作ものの第2作。ストーリーは平凡だが、何よりハリーハウゼンの見事なストップモーション特撮に息をのむ。特撮に長い時間が割かれているのも納得。6手像の>>続きを読む

コンジアム(2018年製作の映画)

3.5

 2017年韓国。本格的なモキュメンタリー映画がなかった韓国で、標準的なホラー・モキュメンタリーを作ってみた、という作品。怪奇現象の噂のある閉鎖された精神病院に、ホラー・チャネルのクルーが興味本位で入>>続きを読む

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

3.4

 2017年イギリス。身元不明の女性死体を解剖して死因をつきとめようとする検死医親子が恐怖に見舞われる密室サスペンス・ホラー。緊張感が続き巧く作っていると思うが、結末は意外と言えば意外だが、ちょっとル>>続きを読む

告白(2010年製作の映画)

3.3

 2010年中島哲也監督。中島監督の映画は「来る」に次いで二本目。いずれも松たか子が主人公、この監督と相性がいいのだろうか。湊かなえの原作は未読。映画では中学教師の松たか子が30分ほど教室で告白し、そ>>続きを読む

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

3.9

 2007年周防正行監督。痴漢冤罪を正面から取り上げ、話題となった作品。ストレートに、淡々と痴漢冤罪で現行犯逮捕された人物が取り扱われ、起訴裁判が進んでいく様を描いている。冤罪をかけられた加瀬亮はじめ>>続きを読む

公式長編記録映画 日本万国博(1971年製作の映画)

4.0

 1971年谷口千吉監督。1970年、大阪で開催された万国博覧会の模様を記録した記録映画「日本万国博」。本編は3時間弱のバージョンで1971年に公開されたが、2006年、この記録映画の元フィルム(ラッ>>続きを読む

ヒトコワ3-ほんとに怖いのは人間-(2013年製作の映画)

2.7

 2013年児玉和土監督。ホラー・Vシネを多数制作している児玉監督のオムニバス・ホラ-5話。第1話に森川葵が女子高生役で登場していることが特徴。ストーリーはどれも一ひねりしてあり、最後まで見られる。演>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

4.0

 2017年黒沢清監督。夫がいきなり別人のようになり、常識を失ってあちこちを見て回り出す。それに伴って奇妙な出来事が広がっていく、というサスペンスとコメディを組み合わせたようなタッチで始まり、起伏に富>>続きを読む

悪人(2010年製作の映画)

4.0

 2010年李相日監督。吉田修一原作の映画化。今の自分の状況から這い上がろうと必死な者が、恵まれた者から蹴落とされ、マスコミの好奇心にさらされ、そうした者同士で対立し、また肩を寄せ合う。この作品後、『>>続きを読む

望み(2020年製作の映画)

3.5

 2020年堤幸彦監督。事件に巻き込まれ、行方不明になった高校生の息子。同級生の殺害の加害者か巻き添え被害者か分からない状態で、家族はマスコミと世間の注目にさらされる。子どもを持つ親であれば、堤真一と>>続きを読む

愚行録(2017年製作の映画)

3.8

 2017年石川慶監督。一家殺害事件とそれを追う週刊誌記者という構図が、彼らの歪んだ人間関係を明らかにしていく話。主人公の週刊誌記者・田中を演じる妻夫木は、「来る」同様に外面はさわやかだが内面に闇をか>>続きを読む

エイリアン(1979年製作の映画)

4.2

 1979年アメリカ。ブレードランナーと並ぶリドリー・スコットのSF傑作で、ジャンルの古典の一つ。ギーガーの作り出した造形の異様さが圧倒的で、それまでの宇宙人とも怪物とも異なる「エイリアン」像を造り出>>続きを読む

ミレニアムの後のミレニアム(2018年製作の映画)

4.0

 2018年アメリカ。残念ながら未見だが、例外的にレビュー。1996年、X-Filesを制作したクリス・カーターがFOXで始めたサスペンス・シリーズのミレニアム。ランス・ヘンリクセン演じる主人公が猟奇>>続きを読む

セブン(1995年製作の映画)

4.2

 1996年アメリカ。フィンチャー監督の代表作の一つ。胸くそ映画ランキングでも上位に来る有名な映画。モーガン・フリーマンとブラピの刑事バディが、聖書の「7つの大罪」になぞらえて起きる猟奇殺人の犯人を追>>続きを読む

エイリアン2(1986年製作の映画)

4.3

 1986年アメリカ。原題は「エイリアン」から「エイリアンズ」に変わっただけだが、リドリー・スコットからジェームズ・キャメロンへと監督超豪華リレーの傑作SFホラー。2が1並みかそれ以上に面白い数少ない>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.8

 2021年庵野秀明監督。1990年代からテレビアニメ、劇場版映画と長く、曲がりくねった経緯を経てきた平成時代を代表するアニメ、エヴァンゲリオン・シリーズの最終作。エヴァンゲリオンの世界よりも庵野秀明>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.7

 2019年イギリス。世界がなぜか停電になり、その時事故にあっていた売れない音楽家の主人公以外は誰もビートルズを覚えていない、ビートルズが消え去った世界になっていた、という映画。今の時代にビートルズの>>続きを読む

幽霊ゾンビ(2007年製作の映画)

2.3

 2007年白白石晃士監督。遠野実花というアイドル役で出てくる中村知世が主人公で、芸人のノッチや柳ユーレイが出てくる映画。なぜこの映画が制作されたか分からないが、中村のプロモーションのために、学生の習>>続きを読む

海底軍艦(1963年製作の映画)

3.3

 1963年本多猪四郎監督。海底に沈んだ古代文明ムー大陸から突然の「強迫(ママ)」を受ける世界。その中には日本海軍の残党が建造中という海底軍艦を引き渡せ、と言う要求があって海底軍艦を探すまでが序盤、南>>続きを読む

妖星ゴラス(1962年製作の映画)

3.2

 1962年本多猪四郎監督。円谷監督との共作特撮映画。宇宙の彼方から接近し、地球への衝突軌道にある惑星ゴラスからいかに地球を救うか、という正統派のSFもの。円谷特撮の傑作といっていいいのでは。宇宙遊泳>>続きを読む

拷問男(2012年製作の映画)

2.7

 2012年オーストラリア映画。日本語タイトルが与える印象と異なり、幼い娘を無残に殺された父親が復讐のために拷問に走る物語。シリアスな内容で真面目に作られているのだが、バランスが悪い印象。娘への愛情と>>続きを読む

THE JAPANESE TRADITION 〜日本の形〜(2006年製作の映画)

3.3

 2006年ラーメンズ。夏休み。お盆休み、謝罪、宴、箸、鮨、おにぎり、折り紙、手締めのショート・フィルム。外国人向けの日本文化紹介の形をとって日本文化論を皮肉っている。林賢太郎らしいウィットでつづられ>>続きを読む

小林賢太郎プロデュース公演 「LENS」(2005年製作の映画)

3.5

 2004年小林賢太郎プロデュース#4。前年に製作された椎名林檎との共作短篇映画「百色眼鏡」の前日談、関東大震災の2年後の大正14年のエピソード。超常現象担当の刑事・駒形(大森)と小説家志望の書生・天>>続きを読む

百色眼鏡(2003年製作の映画)

2.7

 2003年東芝EMI製作。椎名林檎のアルバム発売に合わせて製作されたイメージビデオ的作品。大正末期を舞台に、謎めいた女優(小雪)の正体を探るよう依頼された書生探偵(小林賢太郎)を主人公に、謎の女(椎>>続きを読む

タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.0

 1974年アメリカ。当時流行していたパニックものの中でも最高傑作の一つと思う。まず名優目白押しの豪華キャスト。マックイーン、ニューマン、ボーン、などなど。そしてCGを使わない高層建築火災。優雅なパー>>続きを読む