ABBAッキオさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

  • List view
  • Grid view

パッチギ!(2004年製作の映画)

3.4

 2004年井筒監督。1968年の京都朝鮮学校を中心に、日本人と在日コリアンの対立を縦糸に、学生運動期の暴力的だが力強い青春を横糸にしたような映画。若い俳優たちの力強い演技を引き出した井筒監督の演出力>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

4.5

 2014年クリストファー・ノーラン監督。コロナ下でも映画の劇場公開にこだわり、TENETを送り出したノーラン監督。現在において最も革新的で挑戦的な監督だろう。バットマン三部作を撮り終えたノーランが向>>続きを読む

バックダンサーズ!(2006年製作の映画)

2.8

 2006年。たまたま見た映画。アイドルのバックダンサーとして集められた4人がアイドルの突然の引退で行き場を失うが、何とか。今から見ると主演のhiro、平山あや、ソニン、紗栄子よりも新米マネジャー役の>>続きを読む

THAT/ザット ジ・エンド(2019年製作の映画)

1.5

2019年アサイラム。シャークネード・シリーズで笑わせて貰ったアサイラムなので期待したが、残念な出来でした。ネヴァダの謎の三角地帯に入り込んだお気楽大学生が呪われたサーカス小屋に迷い込む、という設定>>続きを読む

ブレードランナー(1982年製作の映画)

5.0

 1982年アメリカ。周知のリドリー・スコットの名作SF。サイバーパンク・ジャンルの映画として最初にして最高かもしれない。それまで輝く合理的なイメージでしか捉えられていなかった未来都市を、暗く、汚く、>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.0

 2020年豊島圭介。三島由紀夫が東大全共闘が占拠する駒場900番教室に招かれて行った討論会をTBSが記録した映像に解説映像をつけ加えたもの。今となっては貴重な歴史的映像だろう。東大全共闘は安田講堂闘>>続きを読む

長いお別れ(2019年製作の映画)

3.5

 2019年中野量太監督。山崎努が認知症が進行する元教師役で、そんな父に振り回され、戸惑いながら受け入れようとする娘たち(竹内結子、蒼井優)との関係を軸に描く。今の日本では多くの家族が経験する身近な話>>続きを読む

ザ・サークル(2017年製作の映画)

2.8

 2017年アメリカ。ネットワーク社会を風刺した、あるいはSFホラー化した映画。エマ・ワトソン演じる新人が入社したSNS会社。ザ・サークルと呼ばれるネットワークを作り、そこですべての情報が共有されてい>>続きを読む

キャビン(2011年製作の映画)

3.0

 2013年アメリカ。新感覚のホラーとして知る人ぞ知る作品らしい。私は知らなかったが、確かにひねりが効いている。パリピの学生たちが人里離れた別荘に行き、襲われるという定番B級ホラーの設定が、実は人類を>>続きを読む

フォーチュン・クッキー(2003年製作の映画)

3.0

 2003年アメリカ。久しぶりにリンジー・ローハンの名前を目にしてこの映画を見たことを思いだした。ローハンとジェミ・リー・カーティスの母娘がなぜか入れ替わるという話を主軸にしたラブ・コメディだが、ベテ>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

 2017年アメリカ。アマプラで鑑賞。評判に違わないジョーダン・ピールの秀作。1時間半の短い間に、薄らとした違和感が堆積していき、ぞっとする陰謀の世界に連れ込む。そこにアメリカ社会の宿痾ともいうべき黒>>続きを読む

宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海(2014年製作の映画)

3.2

 2014年。旧作「宇宙戦艦ヤマト」(1974-75,映画版1976)を時代に合わせてブラッシュアップしたテレビアニメ「2199」版。本作はその総集編。旧作は日本のアニメに宇宙時代を開いた記念すべき作>>続きを読む

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

3.7

 2019年鈴木雅之監督、東野圭吾原作。連続殺人の次の殺人が起こると予測されるホテルに警察が潜入捜査、刑事の木村拓哉がフロント係となり、長澤ますみと摩擦をしながら理解を深め、犯人逮捕に挑む。東野圭吾の>>続きを読む

かぞくのくに(2012年製作の映画)

4.3

 2012年ヤン・ヨンヒ監督。監督の自伝的回想を映像化した作品。1997年、北朝鮮への帰国事業で海を渡った兄が病気治療のために25年ぶりに大阪の家族の元に一時帰国する。しかし兄は家族にも旧友にも言葉少>>続きを読む

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち(2011年製作の映画)

3.0

 2011年若松孝二監督。 三島を井浦新、三島と共に自決した森田必勝を満島真之介、三島の妻を寺島しのぶが演じて、三島の自決への過程を描いたドキュメンタリー風映画。戦後体制への疑問に駆られた三島が自衛隊>>続きを読む

センチネル(1977年製作の映画)

3.3

 1977年アメリカ。76年のカレン・ブラック主演「家」などと同様の、アメリカ版ゴシック・ホラー。移り住んだアパートで奇妙な現象に見舞われ、やがて最上階にいるらしい神父が鍵を握っているらしいことが分か>>続きを読む

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(2006年製作の映画)

4.0

 2007年馬場康夫監督。バブル時代を象徴する映画として「私をスキーに連れてって」を挙げる人は少なくないだろう。その映画を製作監督したのはホイチョイプロという漫画グループの中心人物、馬場康夫。広告代理>>続きを読む

ブレイド(1998年製作の映画)

3.5

 1999年アメリカ。ウェズリー・スナイプス主演のアクションもの。ストーリーはバンパイア対ハンター(スナイプス)の対決で単純だが、演出、劇伴によってテンポよく見られて細かい点を気にせず見ることができる>>続きを読む

リング(1998年製作の映画)

3.8

 1998年中田秀夫監督、鈴木光司原作。あまりにも有名になり、Jホラーの代表作となってしまったがために批判もされるが、やはり起承転結破綻がなくできている点で秀作と言える作品だと思う。ビデオを見たら1週>>続きを読む

GAMERA1999(1999年製作の映画)

3.2

 1999年庵野秀明総監督、摩砂雪監督。平成ガメラ3部作最終話「ガメラ対イリス」の製作・撮影状況を追った異色のドキュメンタリー/メイキング。当時VHSとして公開・配布されたらしいが商業的には販売されず>>続きを読む

ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖(1973年製作の映画)

2.9

 1973年ジョージ・ロメロ監督。生物兵器ウイルスによって町が汚染され、ウイルスの影響で狂気に走る住民と秘密裏に感染を抑え込もうとする軍の葛藤というストーリー。後代には本作よりはるかにリアリティのある>>続きを読む

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

2.5

 2019年木村ひさし監督、原作今村昌弘の映画化。原作未読なので判断しにくいが、ゾンビとミステリを混ぜ合わせたストーリー。演出面で努力は感じられるが、本質的に水と油の要素をうまくくっつけることには成功>>続きを読む

スチームボーイ STEAMBOY(2003年製作の映画)

3.5

 2004年大友克洋原案監督作品。一言で言えば、弱点もあるが過小評価されている作品という印象。何しろ大友克洋監督のアニメ映画と言えば「Akira」という圧倒的な金字塔がある。30年以上前に作られ、いま>>続きを読む

女殺油地獄(1992年製作の映画)

3.0

 1992年五社英雄監督。女の業を描き続けた五社監督の最後の作品。油問屋のどら息子(堤)が元締めの一人娘(藤谷)と恋仲になり、勘当されそうになるが息子の乳母(樋口)がかばい、やがて樋口が堤と男女の関係>>続きを読む

金融腐蝕列島 〔呪縛〕(1999年製作の映画)

3.5

 1999年。経済小説を得意とした高杉良の原作の映画化。大銀行の実権を手放そうとしない高齢経営陣と改革を主張する若手行員が、総会屋への利益供与問題の処理を巡って対立する。仲代達矢演じる長老と、その女婿>>続きを読む

いぬやしき(2018年製作の映画)

3.5

 2018年佐藤信介。原作未読。冴えない中年男、犬屋敷は妻子からも馬鹿にされていたが、偶然、男子高校生と一緒に不思議な力を得る。身体を武器に変形し、空を飛び、瀕死の病人を救う力だ。自らを神と自認し、周>>続きを読む

さよならジュピター(1984年製作の映画)

2.8

 1983年小松左京総監督。封切り当時学生だったが悪評紛々で結局パスしてしまった。ご多聞に漏れずシン・エヴァの「ボイジャー」で思い出し、DVDで鑑賞。
 作品の評価は定まっていると思う。プロジェクトの
>>続きを読む

ベルセルク 黄金時代篇 II ドルドレイ攻略(2012年製作の映画)

3.3

 2012年。作者三浦建太郎の死去により未完に終わってしまった歴史ロマン・サガの大作マンガの映画化3部作の第2作。主人公ガッツと指導者でライバルのグリフィス、二人の間に立つキャスカの関係性を中心に、鷹>>続きを読む

犬鳴村(2020年製作の映画)

2.5

 2020年清水崇監督。都市伝説の村、犬鳴村を訪れた男女が呪われ、女性が自殺、男性は再びその村を訪れ、友人、家族を巻き込んでいく話だが、実際には男の妹が主人公。そしてこの家族は犬鳴村と血のつながりがあ>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.7

 1953年東宝。小津安二郎の代表作にして世界で最も評価され続ける日本映画の一つ。ハリウッドのスペクタクルを土台とした黒澤明、アメリカのモンスター映画を独特の世界観に転換したゴジラ、いずれも傑作だが、>>続きを読む

ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ(1985年製作の映画)

4.5

1985年アメリカ。コッポラとルーカスがプロダクション。緒形拳が三島由紀夫(祖母、加藤治子、母 大谷直子)で、1970年11月25日の自決に至る1日を回想を交えつつ演じ、劇中劇として三島の三作品をイ>>続きを読む

東海道お化け道中(1969年製作の映画)

3.0

 1969年大映。妖怪三部作の最後の作品。すでに大映の衰退は明らかで、本作も前2作のような妖怪映画らしい楽しさと怖さのミックスを欠いている。非道に殺されたじじに伝えられた父を探して旅する少女をめぐり、>>続きを読む

妖怪百物語(1968年製作の映画)

3.9

 1968年大映。大映の妖怪三部作の第1作。長屋乗っ取りを企む悪奉行と悪徳商人に対して抵抗する長屋、それに妖怪が絡んで、というシンプルなストーリー。しかし子ども向けでなく大人が見てもしっかり作っている>>続きを読む

テッド・バンディ(2019年製作の映画)

3.0

 2019年アメリカ。Netflix製作の実話再現もの。アメリカで最も有名な連続殺人犯の一人、テッド・バンディについて、彼と恋愛関係にあった女性リズとの関わりを中心に描く。殺人シーンはほとんどなく、む>>続きを読む

ポラロイド(2018年製作の映画)

2.5

 2018年アメリカ。ポラロイド・カメラで写されると被写体が死ぬ、というリングのカメラ版のような映画。ポラロイドという昔のカメラの持ち主の怨念がとりついて、というようなストーリー展開ではあるのだけれど>>続きを読む

呪われた城(1946年製作の映画)

2.8

 1946年アメリカ。親戚の富豪の城を訪れた娘が富豪と恋をしたが夫が次第に本性を示し、といったストーリー。怪奇映画の名優ヴィンセント・プライスが富豪役。敬虔なキリスト教家庭の娘と血筋に囚われた富豪の葛>>続きを読む