imaponさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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怪物(2023年製作の映画)

4.5

なるほど脚本賞。
ある一つの事実を立場の違う視点で見せるというと羅生門を想起させるけど、それとはちょっと趣きが違った形でグイグイ引き付けられた。登場人物に思い描くキャラクターのイメージがどんどん変わっ
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.6

ロバのロードムービー。ロバ視点で捉える世界。映像の美しさ。ロバから見た世界がこんな風に美しいかどうかは知らんけどEOを演じたロバ(複数らしい)に感情移入させてもらうと、「せっかく映画に主演できたのにイ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

キャンセル・カルチャーに対する鑑賞者の考え方によって印象が変わるかな。
フェルトヴェングラーやカラヤンの時代は名声や権力、支配の立場にあると好きな事、美味しい事一杯あったんだろうが今やそういうのはクソ
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Motherhood(2019年製作の映画)

4.0

20分の短編を承知の上の鑑賞だったが、もうしじみが福島の事言い始めたあたりから短編である事が惜しいと思うほどのワクワク鑑賞。
タイムスリップSFの形態を借りて抉る。何故1994年か、その衝撃。
連続上
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

秋葉原無差別殺人を思わせる事件が70年代チェコで起きていて犯人が女性で、しかもチェコの最後の死刑囚だと言うのだから、もうそれだけで十分に食いついてしまうわけだが、実話を元にしたドラマという興味以上に映>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.5

やらかしたかな。

前作鑑賞後絶対続編作って欲しいと思ったけど前作が完璧なだけに不安はあった。
2人のキャラ魅力は良いけど少しまひろがまともに見えた。
お掃除屋の後輩女子の熱量は良かった。
アクション
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百貨店(1926年製作の映画)

3.6

同じ百貨店に勤める真面目な姉と奔放が過ぎる妹。両親亡き後姉が母親代わり。
姉の彼氏を態度だけで無言で完オチさせるルイズ・ブルックスの小悪女ぶり最高。涙は金魚鉢の水。
一度は保留にしたプロポーズも一人旅
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チョビ髯大将(1926年製作の映画)

3.3

チョビ髭W.C.フィールズのドタバタギャグ・サイレントに20歳のルイズ・ブルックスが出てるってところが重要なポイントだが…

昼飯後のサイレントで懸念してたが、案の定、少し眠っちゃった。微睡間チョビ髭
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ミス・ヨーロッパ(1930年製作の映画)

3.6

ルイズ・ブルックス特集1本目。
巨大遊興プールでの若者たちのシーンやらお祭りのアトラクションなどサイレントからトーキー移行初期らしい映像の中、写真でしか見た事のない元祖ボブ美人のルイズ・ブルックスが動
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色暦女浮世絵師(1971年製作の映画)

3.6

嵯峨正子名義の山科ゆりがとにかく可哀想すぎるお嬢様。
小川節子が綺麗だし健気だし亭主に甘えたり拗ねたり可愛いなと思って見ていたがレイプリベンジの展開では怖ろしくなってしまった。絵師の女房だが父親が亭主
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妖怪の孫(2023年製作の映画)

3.4

公開規模が小さすぎるのと本来見ておくべき人々の許へは全く行き渡らないんだろうなと暗澹たる心持ちになってしまった。
小林節氏のところだけでも見て欲しいがな。

腐った政治や官僚、マスコミを笑い飛ばして溜
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.6

お付き合い鑑賞でほとんど期待してなかったけど好きな部分の多い作品だった。流石庵野さん。世代の割に元祖TV版に思い入れは無いですが一応見ているのでその程度に楽しめてた。
血が出る仮面ライダー良いです。
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雨月物語(1953年製作の映画)

3.8

言わずと知れた邦画の大傑作で動く絵として遠近や構図は今見ても見事。

原典にまともに当たった事は無いが、上田秋成の人気読本は基本さほど面白くないのではないかと思っていた。それは何度も何度も映画や芝居に
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雨月物語 若妻の祟り(2011年製作の映画)

2.6

溝口健二の「雨月物語」見てピンク界隈で誰かリメイクしてないかなと本作を発見したが、「吉備津の釜」が元なのでそもそも別の話だった。
上田秋成の原作の魅力への疑念は晴れず。
襦袢越しでも露わにしても磯良・
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デジレ(1937年製作の映画)

4.0

終盤サッシャ・ギトリの召使いデジレが仕える女優相手に性癖吐露吐露でしゃべくり倒す告白というか演説が圧巻で一気に求人広告の落ちまで行く見事さ。
冒頭ギドリがポートレイトを使い登場人物を紹介していくの何か
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バニシング・ポイント(1971年製作の映画)

3.6

小学生の時初めて子供だけで見に行った映画が「新猿の惑星」でその時の併映作だった。全裸金髪女がバイクに跨り登場すると恥ずかしく居たたまれず友とロビーに抜け出し「ぼくたち猿の惑星を見に来たんですよー、あく>>続きを読む

月はどっちに出ている(1993年製作の映画)

3.7

約30年ぶり。
在日コリアンのタクシー運転手とフィリピンバブの出稼ぎ女。
当時自分はよくこれ見たな。はっきり言って今より偏見強かったからね。
「夜明けまでバス停で」でルビー・モレノおばちゃんを見て若か
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平成無責任一家 東京デラックス(1995年製作の映画)

2.9

「騙されるより騙せ」が家訓の詐欺師一家を描く。
才能あるのは次男(岸谷五朗)くらいであと健気な親戚3人組が奮闘するが一家連中に仕込みネタを次々に不意にされて行くコメディ。
コンゲーム物としては中途半端
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けものの眠り(1960年製作の映画)

4.6

清順というか菊村到の原作、池田一朗の脚本が優秀なのか思いの外面白いサスペンス。

長い海外勤めから家族の元に帰った定年間際の男・芦田伸介が失踪。娘・吉行和子は知り合いの記者・長門裕之に相談。やがて父は
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十階のモスキート(1983年製作の映画)

3.8

崔洋一監督追悼特集で十年ぶり鑑賞。十年前の感想読み返したら「水のないプール」と比較して中村れい子が不調と記してあったけどいったい何処が不調なんでしょう?
とても優しいエロカワな飲み屋のネエチャンであっ
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友よ、静かに瞑れ(1985年製作の映画)

2.6

北方謙三のハードボイルド作品の映画化。ハードボイルド映画は時にとても退屈な物を生み出す事があるのではないか。北方謙三は読んだ事ないが、多分読んだ方が面白いんだろうな。男のロマンとか言い出すとどうもいけ>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

森の中で静かに紡がれていく寓話な感じが好ましい。
仕掛けられたSFな設定も興味深い。
8歳の少女ネリーが同じ歳の母マリオンと友達になって何を思うか?母親の中の微かな記憶、その後の人生に何を及ぼしたか?
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羅生門 鬼畜のまぐわい(2011年製作の映画)

2.2

鬼畜に墜ちた範田紗々の仁王立ち!
一緒に売られていったしじみは人気の遊女であったが、肺病を病み奈落の底へ。死肉を食らおうとして絶命。
しじみに留まらずつくしも良かったし、里見瑤子が元気だった。

黒沢
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魔性の女(2012年製作の映画)

2.8

社長の娘と婚約中のモテモテ青年に執拗なストーカー行為を繰り返す女医の範田紗々の狂気にはちょんと理由があって彼女の計略の首尾やいかに・・・。
エロ度は期待してなかった割に範田紗々がとてつもなかった。

喜劇 大安旅行(1968年製作の映画)

3.3

当時の国鉄や白浜、勝浦の観光地が楽しめるややゆるめの喜劇。
父(伴淳)は機関士、息子(フランキー)は車掌。
弁当屋の娘(新珠)とその母(笠置)父子で新珠に惚れてる。
フランキーの幼馴染(倍賞千恵子)は
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エストラパード街(1952年製作の映画)

3.8

エドワールとキャロリーヌ夫妻の二人(アンヌ・ベルノンとダニエル・ジェラン)が今度も上流階級と貧しい設定。こっちは夫婦じゃない。夫の浮気で安アパートに逃げてきたアンヌ・ベルノンに恋する歌手志望のダニエル>>続きを読む

パパ活 恋愛方程式(2021年製作の映画)

2.2

いかにも最低な彼氏(演技か演出かとてもうるさい😡)を持つヘッドスパ勤めの戸田真琴ちゃんを癒やし励ましアドバイスするのはパパ活を勧める後輩きみと歩美でも紳士な中年パパでもなく眼鏡店長のしじみだってところ>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.8

2020年に亡くなった映画音楽界の偉人、エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー。
これだけ多くエンニオ・モリコーネ自身がインタビューで自ら音楽を解説しているとは、さらにオーケストラの指揮を取り、映画の
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8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年製作の映画)

3.7

難病物は極力観ないようにしている。WOWOWで城定作品の後かかっていたのを眠気が起こらず何となく冷ややかに見ていたら最後まで観てしまった。
これ実話なんですね。

奇跡というのは起きるべき人の所にしか
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.1

身障者物は身障者プロレスを例外としてなるべく見ないようにしている。五体満足な自分が卑屈になるので😅
話題になってるけど興味は無かった。しかしWOWOWの予告でキキ・ディーの曲が流れて俄然観たくなってし
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好奇心(1971年製作の映画)

3.6

ケネス・ブラナーの自伝映画の時もそうだったけど、このルイ・マル自伝映画でも美しい母親ばかりに目が行ってしまう。映画監督ならずとも男は総じてマザコンですから。こちらはかなり危険領域の近親物、母を演じるは>>続きを読む

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)

3.3

14年ぶりの鑑賞

最も好きな東宝特撮怪獣映画という認識だったのだけれど、今回観たらそうでもなかった。・・・という事が解って良かった。
メガヌロンの件はやはり冗長だし、そこで展開される人間ドラマのレベ
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本当はエロいグリム童話 RED SWORD レッド・スウォード(2012年製作の映画)

3.3

全国の高校ラグビー部諸君必見。
犬神、魔女、赤ずきんちゃんの性的解釈。

兎にも角にも亜紗美がカッケー。
エロコスアクションと決め表情(左頬のワンポイントが有効)クールな台詞回し、ラストの笑顔。

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肉体の冠(1951年製作の映画)

3.7

ダンスの回転と美しく決まる平手打ち。

ファムファタール、シモーヌ・シニョレ(娼婦?)のキャラの魅力、アップの時は常に紗がかかっていて美しく見せる。二重の三角関係の行方は常にシモーヌ・シニョレにかかる
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Dressing UP(2012年製作の映画)

3.1

祷キララの原石、素材感がスゴイ。お団子結い。この頃はまだ少年のようで可愛いとか綺麗とかの範疇で無い感じを楽しんでいたら特殊造形飛び出してきて笑。

作品は悪い意味で低予算インディーズ臭。
ただ、父娘の
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殺しを呼ぶ卵 最長版(1968年製作の映画)

3.6

カッコいいと思ってた交通事故のポスタービジュアルは妄想フラッシュバック。
前衛な劇伴が終始やかましい。前衛音楽も使い方が難しいのかもしれない。個人的にはこの劇伴はNOでした。
そんな中、エヴァ・オーリ
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