Otoさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ANIMA(2019年製作の映画)

3.5

トムヨーク×ポールトーマスアンダーソンという才能の化学反応。Netflixのコピーが「音楽と映像の見事な融合」だったので絶対好きなやつだと期待していたけど、正直わからない...。
勉強不足もあって"な
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ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

3.6

ロックンロール・ミュージカルの傑作カルト、町山さんのオールタイムベスト。
成功や名誉に溺れる人間の危うさがテーマだと思うけど、アメリカ的な「契約社会」の危険性もサブテーマもありそうだなと思って観ていた
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.9

唯一無二で初めて観るタイプの映画で、観て良かった。
前半は具合悪くなりそうなぐらいずっと嫌な空気が流れ続けているけど,後半の小さなカタルシスでは少し泣いたし,それ以降は作家としての意外なほどの"しつこ
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めし(1951年製作の映画)

4.0

演出の勉強会で鑑賞。スクリーンで白黒を観たの初めてかも。
「夫婦、女の幸福とは」というテーマも、描写されている若者や夫婦の心情も今とほぼ変わらないし、名作は時代性など簡単に超えてくる普遍性を持っている
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私は渦の底から(2015年製作の映画)

3.7

最近学んだ映画論を回想しながら観てた。

・意味のないシーンは存在せず、無意味であれば「無意味なものを見せたい」という意味がある。視点にも順序にも全て意味がある
トイレのシーン浮いてるなーと思ったらむ
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ベイマックス(2014年製作の映画)

3.8

この分野の研究者の描写としてリアルで、「役に立つとか受け入れられるとかより、とにかく自分の好奇心を優先して物を作れ」と山中先生や暦本先生もよく言ってる。

(直接は)役に立たないものを作り続けてる身と
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わたしはアーティスト(2015年製作の映画)

4.0

等身大で好き。何と言っても告白シーンが斬新。
孤独を失う没個性への恐怖と、相手が好きでたまらない凡庸の間で葛藤する様子を、「ビデオアート」の表現を伏線回収的に用いてメタに描く。

「自分は特別だと思い
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前世、河童(2017年製作の映画)

3.0

面白切ないけど物足りない。根矢 涼香さんの表情はとても良い。
意図が汲み取れないとこがあったり、切なさが控えめでもう少し傷を残してもいいかなと思ったり。「あげないよ」とか緊張と緩和に笑ってしまったけど
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オアシス(2002年製作の映画)

4.2

最低で最高の映画...。『Burning』からファンになったイチャンドンだけど、「描きたい問題意識やそれによって救いたい人が明確に存在する作家」であるし、「誰も近寄りたがらない人にこそ関心を持って理解>>続きを読む

海獣の子供(2018年製作の映画)

3.4

CGI監督とプロデューサーが大学に講義をしにきてくれて、冒頭の15分をみせてもらえたんだけど、まんまと全部見たくなって劇場に行った。

受け取った哲学は赤瀬川原平の『宇宙の缶詰め』と似ている。
外側と
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そうして私たちはプールに金魚を、(2016年製作の映画)

3.9

『台風クラブ』の影響は『ウィーアーリトルゾンビーズ』でも感じたけどもっと直接的に感じられた(屋上プール、歌と踊り、テーマなど)。相米慎二、是枝裕和にしても、子供を上手に撮れる監督は世界的に評価されるな>>続きを読む

ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

4.3

(Filmarks試写会+監督インタビュー)

監督と一対一で直接お話しさせてもらうなど色んな幸運も重なって自分の価値観が変わるような大きな体験になったので、作品が面白かったかどうかとかはもはやどうで
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.9

当時の独裁政権の検閲に引っかからないようにあえて小難しく抽象的に作った結果、「語らずに見せる」という映画の大切な要素をクリアした美しい作品になったとか。
国政とか歴史を知ってみた方が面白い映画だと思う
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.1

すごく好き。ファストフードばかりじゃなくたまには和食も食べないとダメだな〜と再認識した。邦画はクソとか言う人はこういう作品を観てから言わんと。

"共生"ではない相互の"寄生"を描いてる。テルコ→守、
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.2

この映画の上映時間は3時間ではなく10年間だったんだな〜と思いながら観ていた。
まだまだ溢れ出す感情を言語化出来てないから、コメント欄で各キャラについて触れながら思い出してみた。

「MCUを追いかけ
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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.6

(United Airlines)
たしかに『ど根性ガエル』。自己と徹底的に向き合う『ファイトクラブ』とかおぞましい異生物と戦う『Life』の雰囲気を期待してみるとガッカリするのはたしかで、ライトでポ
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.7

(United Airlines)
圧倒的な歌とパフォーマンスと曲で、脚本の浅さや強引さがどうでも良くなってしまうタイプの映画かな〜と思ってみていたものの、終わってみたら深みがあった。Gagaにも驚い
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俺たちホームズ&ワトソン(2018年製作の映画)

2.5

(United Airlines)
いくらコメディといえど本筋と関係ない無駄が多すぎる。。
なぜ今これを作る必要があったのかが一番謎。

幼稚でシンプルな笑い、とってつけたようなオチ、考えることが馬鹿
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ヘルボーイ(2019年製作の映画)

3.3

せっかくアメリカの劇場に来たからコテコテなやつ観ようと思って、『Us』や『Shazam!』を我慢して観た。

その意味では期待通りで、殺しと死体がいちいちリアルでグロくて、アクションが無駄に派手でうる
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.8

(United Airlines)
機内上映楽しみにしてたのに字幕も吹替もなかったから気合いで観たけど、10%くらいの情報は見落としとか勘違いしていそう。でも意外と分かるから続けてれば慣れるんだろうな
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.5

(United Airlines)
前半はSW新シリーズのような印象で、選民思想からの刷新を図ろうとノンマジークを中心に置こうとしているんだなという感じ、後半はインフィニティーウォーのような印象で、他
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.5

最高。今年の暫定ベスト更新。遅くなったけど劇場で観て良かったし、好きな作品を観賞前に見極める力が少しずつ付いてきた気がする。

村上春樹の原作『納屋を焼く』を読んで「こんな数十ページの短編をどう2時間
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地獄でなぜ悪い(2013年製作の映画)

4.1

完全に沼にはまってしまって暫く園子温の映画ばかり観てた。基本的に一度ノッてからツッコむ事が必要な作品ばかりだけど、この映画は特に飛躍と笑いが多くて楽しかった。全体的にキャラの機転が素晴らしい、堤真一が>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

4.4

ずっと長さを理由に避けてきたけど『冷たい熱帯魚』がストライクだったから観た。長い大作に面白い作品が多いのは、逆説的に言えば長くても多くの人を惹きつけるくらいの魅力があるからかも。
園子温は日本にも数少
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

4.0

「小藪・笑い飯の土020」から。小藪さんの好きな映画は、パーマネント野ばら、007スカイフォール、インビクタス、冷たい熱帯魚らしい。

実話(愛犬家連続殺人)が元といえど、「映画や人生はなにをしたって
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.8

アニメーションが革命的なのは全員同意するはず。コミック中のような世界なのに、生きている感もアクションの躍動感もハンパない。異次元との境界(加速器)の表現もStranger Things的な実写やサマー>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

3.5

イーストウッドの間接的な出世作、刀の惨殺音やすれ違い後の死などの名演出の発明…歴史的にもの凄い作品であることは確かだけど、自分の物語ではないと感じてしまった。
三十郎が身体的にも精神的にも強すぎて、こ
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.6

あんまり観るつもりなかったけど、エンドゲームのtrailerにあんな感じで出されると観ちゃった。
結果、やっぱりmcuは資金に基づく技術力と、現代的なテーマ性で、ある程度の面白さは担保してくるので流石
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生きる(1952年製作の映画)

4.9

2023.4.3
リメイクの予習で、オールタイムベストを4年ぶりに見返した。やや分析的に観たけど、やっぱり自分の指針になるような作品。

この主人公のように生きていきたいと思うし、自分がベストに入れる
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.9

『パルプフィクション』の前日譚的な側面があると聞いていてやっと観たけど、タランティーノが好きなの大納得。トリュフォー鑑賞以降、ヌーベルバーグに対して苦手意識があったけど、まさに「三文小説」的なくだらな>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.8

映画やテレビの方がラジオより優れてるというようなことは思わないし、Twitterが普及しているように情報量を制限することの良さは色々あると思うので、TBSラジオの「聞けば見えてくる」ってコピーは"聞く>>続きを読む

小さな手/リトル・ハンズ(2017年製作の映画)

4.0

ずるい。。心が痛い。。今年のmyFFF、良作ぞろい。

きっと端から傷つけるつもりはなかったし職を守るためにやったことなんだろうけど、それを解決へと向かわせたのが親や警察ではなく子供自身の無垢な優しさ
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野獣(2018年製作の映画)

3.9

『野獣』というか『狼少年』。オスカー候補、サンダンス受賞とだけあって、短編では見たことないくらいの重み。

なんとも深いラストで、狐が実在したという事実が尚更、罪悪感・絶望感・虚しさを増長させるんだろ
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私たちの愛は誰にも負けない(2018年製作の映画)

3.7

opのズームインとedのズームアウトの対比が効いてる、技法と物語がマッチしている作品好き。
これ高校生の話だったら観てられなかっただろうな、話してる内容と容姿(ローラースケート、おでこの傷、ランドセル
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ジュディット・ホテル(2018年製作の映画)

4.0

『胡蝶の夢』。最近、自分の好きな作品の原型はほとんどが胡蝶の夢なのかもしれないと感じる、『マルホランドドライブ』『桐島〜』『Click』『ノクターナルアニマルズ』『コクソン』『ワンスアポンアタイム〜』>>続きを読む

コレクション(2018年製作の映画)

3.9

絵を売るか売らないかというだけの話なのに、こんなにも恐ろしくて緊張感がある。

「目に見えないコレクション」は、収集という行動の"虚構性"とか"盲目性"みたいなものを描いているのか、本当に大事なものは
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