Otoさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

間一髪(2018年製作の映画)

3.4

脱毛エステティシャンを目指す娘が、直前で被験者となるモデルに断られてしまい、父親を代理として試験会場に召喚する話。
設定が面白いだけに、もっと前半の語りを減らして早めにクライマックスに持って行ってほし
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.9

形骸的な組織の役職や商業主義の批判をレース映画を通して描くというの新鮮で面白い。裏方とされがちな人にスポットを当てているのも救いがあって、純粋なビジネスマンにはなりたくないと改めて思った。

一番印象
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.7

「おじいさんのリズムの『Goodfellas』」とか「マフィア映画の『Endgame』」ってコピーが的確。スコセッシ組の人生のVlogという感じなので20~30年後に観たらもっと刺さりそう。流石に長く>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

4.7

すっげえ刺さった...未来の自分から今観るならこれだよという啓示が来たのかなと思うくらい.勧められたけど眠いし時間ないから冒頭だけ観ようと思ったら2時間半+αが経ってた.
修論とか環境変化とかストレス
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

説教は笑いに包め,を徹底している.コメディですよ〜と振ってるから多少強引な展開があっても観ていられる.展開は意外とオーソドックスなんだけど,パンティとか結核みたいな飛躍があって,そこがむしろオリジナリ>>続きを読む

THE UPSIDE 最強のふたり/人生の動かし方(2017年製作の映画)

3.8

イブ&修論前に観るのに向いてる活力もらえる映画だった。フランス版観たのが昔すぎてほぼ覚えてないから新鮮に楽しめた。

シナリオは問題(家族、盗み、障害、クビ…)を定期的に挟んでいてお手本のよう。少しお
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.9

映画の虚構性への退屈さというのは最近切に感じていて,わざわざコストをかけまくって既にどこかにあるようなおとぎ話を作ることにはほとんど意味がないと思っているから,その意味では参考になる点が多い

まず音
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どんてん生活(1999年製作の映画)

3.6

今泉監督の講義で「笑いの原点はどこ?」という質問をした時に教えてもらった映画。その理由として「中の登場人物は一生懸命で面白いと思っていないのに、コメディとして成立しているから」と監督は言っていた。>>続きを読む

恋の季節(2013年製作の映画)

3.4

監督はこういう2vs2のナンセンスな絡みが好きなのかな、何が見せたいのかはあまりわからなかったけど笑、Vシネの経験からなのか直接的なキスや自慰だけでなく筆記音とか間接の官能的な描写が良かった。

ラスト・ワルツ(1978年製作の映画)

3.9

最高〜。音楽の楽しさの権化というか、こういう音楽がやりたくてずっとバンドやってた気がする。というか音楽に限らず"作業"をしている人がいなくて、目立つ技術なんかなくても全体が一つの目的に向かって輝いてい>>続きを読む

RIP(2018年製作の映画)

3.3

白飛びが表現として生かされてること、opタイトルとbgmの相性の良さなど学びがあった。
演出させていただく女優さんの出演作だけど、電話とエレベーターのシーンが好きです。

脚本はわからない部分もあった
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.6

ゲラゲラ笑ってみていた。スコセッシ映画の狂人/苦労人分類を見かけたけど、同じ仲間で半世紀同じような映画撮れるって最高に羨ましい。暴走のきっかけはほとんど「嫉妬」なので狂人というよりやきもち焼きに見えた>>続きを読む

喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

3.4

(東京国際映画祭)

恐妻家と娘と暮らす、売れない脚本家が主人公。でもセックスレスで妻とやりたくて仕方がないというのが最大のミッション。新しい企画に向けて香川へシナハンへ行く事になり、家族旅行を兼ねて
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.8

3の予習のつもりだけど間に合わないかも。。
町山さんも言ってたけどキアヌの人生がなければこの演技もキャスティングもありえないし、それを無視して評論や演出をすることなんてできるはずない。「映画としての出
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.8

普段からピアノを撮る機会が多いから学びの多い映画だった...。
演奏映像として印象的だった手法は...
・基本的には逆光で撮ってエッジをハッキリさせる
・風間の狂気を演出するような、下から見上げる顔と
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赤猫(2004年製作の映画)

3.5

世にも奇妙な〜を長く複雑にしたような映画。尺が長いと下の形式で纏めるの難しい。
ほぼモノローグだけど回想とクロスなので飽きない。たまに内心が縦字幕で出る不思議な演出。
監督の言う「クリエイティブな音」
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やす焦がし(2017年製作の映画)

4.0

好きな映画だった。

夫の視点で、雑貨カフェを営む夫婦の出会い以降について語られ、妻の家族に訃報があって情緒不安定になり、親戚女性を連れて帰ってくるが、夫がその女と浮気して駆け落ちして、妻の元には別の
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.8

フィクションであり続けてほしいと思うけど、トリエンナーレ問題やチンポム批判が起こるような世界に生きているので"危険すぎる"という意見も分かる。福祉職員に言った「一度も俺の話なんて聞いてない」とラストの>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

3.8

『JOKER』のおかげでみんなスコセッシ観てて良いなぁ。

「こんなのおとぎ話じゃん!」と切り捨てられるような世界だったら良かったけど、物語前半の決定的な事件を起こす前のパプキンなんてSNS上にいくら
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.5

「ブニュエル」という名前を講評や雑談で聞く機会が多いので観やすい短編から→( https://youtu.be/vJKNp7v5FOg )。

台風と風邪のダブルパンチで、諸々のタスクを諦めて、映画を
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運命の女(2002年製作の映画)

3.5

午後ロー。『ミスト』的な事後に知る絶望感があって良かった。留守電・スノードーム・バンパー…小道具が良い。リチャードギアの作品はほとんど観たことがないと気づいた。

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.0

「YouTuberが作ったYouTuberの映画」と勧められて観に行った。
"上手い"とか"よく出来てる"の対極にある作品だと思うけど、等身大でとても感動した。

脚本は型通り。旅立ち→通過儀礼→回帰
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ビジョンズ・オブ・ライト/光の魔術師たち(1992年製作の映画)

4.4

最高。撮影監督たちが映画の"視覚"(照明、色、撮影手法...)について創世記から90sまでの作品に触れながら解説する作品。

こんなに勉強になって刺激をもらえるドキュメンタリーに出会ったことがないので
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スティング(1973年製作の映画)

4.8

愛してやまない映画を久しぶりに観た。こういう原体験のような作品を客観的に評価するのは難しいけど、もう何度も観ているので脚本の手本・原点回帰として"なぜ好きなのか、なぜ面白いか"を分析的に観た。

脚本
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50回目のファースト・キス(2004年製作の映画)

3.9

コメディを学ぶ期間。「説明と気付かせない説明」に長けてる作品で、手数の多さによって退屈な時間を作らないことが常に意識されている。

opの台詞割りから飽きさせない演出で、仕事や船についてもギャグ・ドキ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.7

映画愛の強さはアトロクのインタビューでも改めて感じたけれど作品自体にもフィクション愛が詰まっていて、終わってみれば真っ当なタランティーノの映画なんだけど、終盤にたどり着くまでの過程の方が"らしさ"から>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.0

割り切れないし当てはめられない監督。計算し尽くされているようで無限。四つ子素数。
言葉の強さを教えてくれると同時に言葉の無力さを感じさせられる。言語を抜く訓練もしなければと感じる。

・章江が殴るのは
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アス(2019年製作の映画)

3.9

(試写会)
個人的には『Get Out』より断然好き。お得意の伏線芸は残したまま、現代的で強いテーマ(格差社会の下克上)が脚本に融け込んでいる。本能的な恐怖(音響やビジュアル)と理性的な恐怖(意味がわ
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よこがお(2019年製作の映画)

4.0

終始胸がざわざわして苦しい。『淵に立つ』未見だけど、ありふれた景色をここまで残酷で美しく映せる監督のセンスに脱帽。

2つの時間軸を交互に見せる効果として、「謎を隠す」ことよりもあえて「謎に気づかせる
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

4.5

2度目の鑑賞なので細かく分析。

<1幕> 部屋を貸すことで出世する哀しき男。
・ニューヨークの俯瞰。早口のモノローグで金額・人数・数字を詳細に語る知的好奇心の高い人物。どうでもいい知の追求に集中する
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ラブソングができるまで(2007年製作の映画)

3.7

三宅唱監督の「(映画を作るなら)コメディをもっとみればいいのに」特集。
たしかに観ようとは思っていてもどうしても優先順位が低くなってしまうけど、自分のベストにもコメディは多いし学べることは非常に多い。
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天気の子(2019年製作の映画)

3.7

普通は「恥ずかしい」「気持ち悪い」と言われるような、(悪く言えば)幼稚な世界観を平気で描いて芸術に昇華できるのは新海誠の強みだと思う。その照れ臭さの壁を乗り越えた者のみが作品を生み出して受け入れられる>>続きを読む

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

3.9

「映画への欲求を掻き立てられる作品」という鑑賞課題だったけどその通りで、呪いの映画と言われるほどに製作が難航した作品としても有名だけど、辛いメイキングを観てなおさら映画への覚悟を感じて好きになった。>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.0

ひどく引き込まれる...割り切れないからこそ持続する面白さ。
「リンチの映画はどんな解釈を当てはめても余りが出る」と最近聞いて納得したけど、分からなさの快感はそれに近い。

間宮のカリスマ性にやられる
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.5

無機物に命を与える研究をしているから観ないわけにはいかなかったし、感動もしたんだけど、傑作の3と比べるとかなりレベルが落ちたなぁと思ってしまった。

テーマは大人で面白い。「誰のための行動か」という話
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お引越し(1993年製作の映画)

3.8

是枝監督、池田千尋監督、長久監督...が勧める偉大な映画。
前半は質の高いコメディで、意外だ〜と思って観ていたら、後半は相米慎二らしい狂気が全開で少し安心した(アルコールランプ・お風呂立てこもり以降)
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