天井桟敷の演劇実験室映画。
「どこでもドア」についての散文。
これは幻想的で前衛的で好みでした。
リアルタイムで観たあの時代の人が、どんな風に受け止めたのか気になります。今観るとレトロモダンですが、>>続きを読む
待ちに待った寺山修司の「草迷宮」はトランス映画でした。
寺山修司は観るというより体験することなんだと思う。
某CMで炎上した赤い帯の本家本元のシーンを観ました。裸足でした。いえ、裸でした。
個人的>>続きを読む
初・利重剛監督作品。
これはとてもよかった、すごく好みです。
カナコ(松田美由紀)がちゃんと生きてきた人(三谷昇)の人生の重みを感じながら、約束を果たし、再生するロードムービー。死生観、人生観を60分>>続きを読む
前から観たかった「ボルサリーノ」。アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドの2大スターの夢の競演。私がローラだったら、どちらにしようか目移りしてしまう。美しいアラン・ドロンかキュートなベルモンドか。>>続きを読む
落ち着きのないギアの行動を追う風変わりな作品だった。オーケストラのパーカッショニストとしての職業病なんだろうか。待つことに不安を覚え、あらゆる音が刺激となり、気が散ってしまう。作品は街中の音もドアの開>>続きを読む
「AIR」観たらマイケル・ジョーダンのプレイがどうしても観たくなり、1998年の(2度目の)引退直前にNBAファイナルでの優勝への流れを決めた'The Last Shot' までを追ったドキュメンタリ>>続きを読む
既に配信になっていたとは!元バスケ部なので飛びつきました。
エアジョーダンが生み出されるまでのビジネス秘話、おもしろかったです。Nikeがもともとベンチャー気質だったのに、すっかり忘れて守りに入り、市>>続きを読む
母の日に。アルモドバルの描く母、本作もたくましく強い女性たちの物語でした。
ただ、前半の同じ日に出産した母親同士の関係と、後半のスペイン内戦がどうにも重ならず、前半と後半、別々の話に感じました。>>続きを読む
中村哲先生の
「荒野に希望の灯をともす」
願うのではない。灯す。
ドワネルシリーズ最終回、前4作の伏線がこんな形で回収されるとは!ストーリーの巧さは、さすがトリュフォーです。4作目から、トリュフォーが本作まで8年の時を空けたように、アントワーヌのダメっぷりが情けなく>>続きを読む
ノルウェーとスウェーデンの独身男性の心の交流を静かに描いた作品。
調査員として独居男性のキッチンの動線を調べている5週間の間に(スウェーデンの実話ベース)、無言の絆が生まれ、いつの間にか友情が育まれ>>続きを読む
初カレル・ゼマン。アニメーション×実写×版画で描く、不思議な世界観でした。ユーモア溢れる文明への風刺で、小さなギャグがいっぱい。ほら吹き男爵って紳士ですごくいい人なので、笑いながらもほっこりしました。>>続きを読む
クリスチャンではないけれど、何度も観たくなった作品です。言葉が見つからないのですが、さりげなく挟まれる二人のジョーク含めて会話が抜群にセンスいい。内容はカトリックの教えに始まり、宗教を語ってはいるもの>>続きを読む
心温まる誠実な作品。慈愛に満ちた世界に涙が止まらない。
長年、住み込みで働いてきた家政婦の桃さんが病で倒れた。家族たちは桃さんを慕い、桃さんが自分たちにしてきてくれたように、心を尽くす。桃さんと家族と>>続きを読む
アニエス・ヴァルダの原題は『 屋根も法もなく』。 邦題に旅とあるけれど、ホームレスの女性が亡くなるまでの数週間を描いている。自由と引き換えに捨てたものは家と社会規範だった。自由きままに野宿し、欲望のま>>続きを読む
パリ、18区、夜。と、邦題を重ねて書きたくなる。(原題)「眠れない」夜を過ごす移民街の人々の群像劇。男娼だったり、SM趣味だったりが特別ではない夜。もったりとした眠らない夜が過ぎると、夜より冴えない息>>続きを読む
圧倒的な映像美で描かれる実在したロマの詩人の物語。文字には呪いがかかっていると言われながらもパブーシャは文字を覚え、詩を吟じ、次第に文字に書き留めるようになる。それは迫害から逃れロマと共に暮らしていた>>続きを読む
白昼夢なのか悪夢なのか。
ウクライナ出身の前衛的アーティスト、マヤ・デレンによる実験的な短編。1943年の作品だけれど古さを感じさせない。全くのアート。
陽光眩しい午後にうとうとするのが怖くなる。
セネガルの巨匠ウスマン・センベーヌ監督のデビュー作。アフリカとヨーロッパの植民地主義と人種差別を鋭くえぐりだしている。 アフリカ人監督による、(サハラより南の)アフリカ映画では初めて国際的な注目を集め>>続きを読む
初セネガル作品。貧困や難民以外の現代のアフリカを映したものを観たくて、カンヌでグランプリを受賞した本作をチョイス。洗練された映像に終始波の音がついてまわる。最初は愛のない結婚とプラトニックな愛との間で>>続きを読む
オタール・イオセリアーニ特集にて。 タイトルのような古き良き貴族的な優雅さより、シニカルな毒気に満ちていました。「蝶」のようなフランス文化の美しさが、欲望によって狩られていくのを哀しんでいる作品で>>続きを読む
アンゲロプロスの作品は戦争によって引き離された家族や故郷を失った悲劇を描いているものが多く、しっとり染み入る、普遍的な哀しみです。本作の余韻もまた素晴らしく、いまだアンゲロプロスの詩的な映像の中から抜>>続きを読む
「コンドル」で戦闘機ではない飛行機に魅了され、見つけたこれは、あの「空飛ぶ幸吉」ではないですか。夏休みの子供向け舞台劇で夢中になった作品。何十年ぶりかに幸吉さんに再会し、子どもの時にワクワクしたように>>続きを読む
飛行サービス会社をブラジルで経営しているジェフ(ケイリー・グラント)とその働く仲間たちとの粋な友情、命懸けの飛行士のプロフェッショナルをハワード・ホークスが描くと厚みが出ますね。仕事を選ぶジェフ、恋人>>続きを読む
ソクーロフの最高傑作。配信終了で見逃していたのに、幸運にも劇場で観られました。驚くことに90分ワンカット、臨場感ある映像にうっとりしました。エルミタージュ美術館に迷い込んだ19世紀のフランスの外交官が>>続きを読む
スーパー子役二人(杉咲花ちゃん、伊東蒼ちゃん)が素晴らしい。母と娘の絆がテーマで、余命数ヶ月の母親役の宮沢りえさんの熟した演技はさすがでしたが。でもあり得ない不幸のエピソードのてんこ盛りに引いてしまい>>続きを読む
70年代のチェコの実際の無差別殺人事件がなぜこうまで身近に感じられるのか。生きづらい理由を社会のせいにして、道連れ自殺で何の罪もない人を巻き込んでしまう殺人事件は後を絶たない。早く楽になりたいから死刑>>続きを読む
隣村の少年たちとの戦争ごっこの話で、前半は無邪気なケンカが可愛くって可笑しくて、もう堪らなかったのですが、双方本気になってエスカレートしてしまいます。後半、リーダー格の少年の父親からの暴力にも視点が移>>続きを読む
言論の統制と闘ったスタンダップ・コメディアンのレニー・ブルースの生涯。演じる若きダスティン・ホフマンがとても魅力的でした。恋するレニーの愛らしさ、真面目な顔してもどこか本気でない感じ、心細そうな困った>>続きを読む
ソクーロフが描く死にゆく母と息子の愛のひととき。ノスタルジックな映像美でした。セピアカラーで遠近感がなく、まるでアルバムの想い出の写真か、母が読んでくれた絵本のよう。
二人が見つめあう姿、永遠に二人>>続きを読む
ソクーロフ特集にて。
砂漠の砂で黄土色にけぶったトルクメニスタンの辺境の町に駐在しているロシア人の医師。
乾いた熱風が吹き上がり、論文を書こうとすると、突発的な出来事がたびたび起きて邪魔をする。医師を>>続きを読む
ちょっと笑いました。3分のショート。オチは途中でわかったけど。
役者の二人がいい感じ。
この二人の別の作品観たい。
レビュー1番目👆
タイトルとスコアの高さに惹かれて鑑賞。アニメでも、暴力やグロシーンが苦手です。タイトルとは真逆な狂った世界で、人類滅亡、自殺菌、殺戮が続きます。短編アニメ13分、最後までなんとか鑑賞しました💦つらかっ>>続きを読む
映像美、構図、音楽、間合いの絶妙なコンビネーションが生み出した美しく哀しい中川信夫監督の四谷怪談。これぞ邦画の美、って感じました。
伊右衛門の弱さ、直助の悪魔の囁き、宅悦のいやらしさ、お岩と妹お袖の>>続きを読む
ソクーロフ特集にて。
全編にわたり、奥行きがなく、平面に凝縮された絵画のような空間。異次元空間なのか、歪んでいる。
水路に舞い降りた自由な白鳥とは対照的に、
貧しい者はどちらかしか選べないのか。
喜>>続きを読む
先日観たソクーロフの「静かなる一ページ」と同じく、絶望の中の若者。胸が締め付けられる作品でした。27歳の河野宏紀監督の叫びのようです…。痛ましい緊張感でした。社会からはみ出していると感じている孤独な二>>続きを読む