genarowlandsさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

巨人の星(1969年製作の映画)

3.7

まさかの昭和20年8月の焼け跡から始まる「巨人の星」の一徹。そうか、そうだったのか。軍隊的トレーニングを経てどん底から這い上がらせるのは。突っ込みながら、驚きながら観た総集編は飛雄馬が甲子園を目指すま>>続きを読む

人間の條件 完結篇(1961年製作の映画)

4.7

<人間の條件5部6部完結編>
壮絶だった。戦争が人間の精神を苛み肉体を蝕む残酷さがすべて詰まっていた。

見捨てられた関東軍の敗残兵たちは過酷な自然の満州~ソ連を彷徨う。荒野と森のどこにも味方がおらず
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ひゃくはち(2008年製作の映画)

4.1

これはよかった。ホロホロしました。 スポ根のジャンルに入るとしたら変化球で、強豪校に野球特待生で入学したけれど<万年補欠>の二人(斎藤嘉樹と中村蒼)が、神頼みしながら(笑)、切磋琢磨してベンチ入りを目>>続きを読む

人間の條件 第3部望郷篇/第4部戦雲篇(1959年製作の映画)

4.1

<人間の條件3部4部>
ドラマのクライマックス。暴力と狂気の中での人間的な葛藤が描かれています。

<3部>不条理な軍隊の暴力

軍部の不条理な暴力に対し、正義を語り、悪に立ち向かう梶は、大卒であった
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人間の條件 第1部純愛篇/第2部激怒篇(1959年製作の映画)

4.0

<人間の條件1部2部>
一部では、太平洋戦争末期、満州の鉱山における中国人労働者と中国人捕虜への強制労働を描いている。

同じく原作五味川純平、山本薩夫監督の「戦争と人間」がマクロの視点から大陸での軍
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(2011年製作の映画)

3.7

おもしろかった! フィルマのスコアなんでこんなに低いの? 女子高生とドラッカーのミスマッチに惹かれ、根性論ではない、原理原則と戦略が活きるラストの試合運びは見応えありです。野球観戦の心理戦等の見所もわ>>続きを読む

夏の庭 The Friends(1994年製作の映画)

3.7

人気児童文学が原作。三人の少年とあばら家に住む老人とのひと夏の友情物語。最初から最後まで少年たちが<死>と<生>の間を探検していて、最後に探しあてた宝物は、命の泉でした。

子供から見た大人の世界はこ
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おかあさん(1952年製作の映画)

4.0

とてもよかった。8月は反戦映画月間として戦争映画を見続けているので、終戦記念日には、戦争のない<日々の幸せ>を描く作品にしようと思っていました。

終戦後7年、クリーニング店を再開して軌道に乗りはじめ
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ナビィの恋(1999年製作の映画)

3.9

連日、沖縄戦のつらい作品ばかり観ていたので、ホッとするのをと探していました。このほっこりはナビィおばあの愛らしさだけでなく、それを許したおじいが、もうなんとも言えない味わいがあり、突然差し込まれる音楽>>続きを読む

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

3.6

「硫黄島からの手紙」とセットで鑑賞。
摺鉢山に立てた星条旗が太平洋戦争のアメリカの勝利のシンボルとなり、星条旗を掲げた6人の兵士たちは英雄としてかつぎ上げられます。星条旗を2回掲げたこと、英雄視された
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硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

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先にNスペ「硫黄島 玉砕戦~生還者61年目の証言~」(2006年)を観てから二度目の鑑賞。感想は正直難しかったです。

Nスペで「硫黄島の戦いは地獄」と元米兵。「極限状態」と生還した元日本兵。「<死ん
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ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶(2019年製作の映画)

5.0

このドキュメンタリーは毎年観ようと思う。
少年兵だったり、対馬丸の生還者だったり、当時の子供たちが語る沖縄戦である。

なぜ子供たちが傷つき、死ななければならなかったのか、親を失わなければならなかった
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島守の塔(2022年製作の映画)

3.8

沖縄戦の際に島田叡知事と荒川退造警察部長が、日本軍に見捨てられた県民の命を、軍部に逆らってでも守った史実のドラマ。

知事役の萩原聖人と警察部長荒川役の村上淳、そして知事の秘書の比嘉凛役の吉岡里帆のそ
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.6

メル・ギブソンが監督したこと以外前情報ほとんど入れず鑑賞。硫黄島の戦いと勘違いしてました。沖縄戦でした。しかも主人公ドスが宣言した「良心的兵役拒否」という言葉も知らず。さらに予想外の展開で、戦闘シーン>>続きを読む

真夏の夜の夢(1935年製作の映画)

3.7

衝撃的な「地の群れ」で眠れなさそうだったので、寝落ちしても気持ちよさそうな「真夏の夜の夢」を鑑賞。年代を感じさせるけれど、妖精たちが煌めき、パックがいたずらする楽しい舞台劇風ロマンス・ファンタジー、楽>>続きを読む

地の群れ(1970年製作の映画)

3.9

言葉を失う。熊井啓監督の映像の力は凄まじく、井上光晴原作に火炙りにされた。 長崎の市街から外れた浦上地区に原爆が投下されてから25年、過去から逃げ続けてきた主人公の医師を中心とした複数の家族の群像劇。>>続きを読む

シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~(2019年製作の映画)

3.7

「軍人の妻たち」の原題のほうがよさそう。アフガニスタン等戦地に出征した夫や子の無事の帰りを待つイギリスの軍人の妻たち。不安を紛らすために合唱をはじめたら、全国戦没者慰霊祭で歌うことになる実話。

「#
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ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)

4.7

こんなにも叙情的で悲しく虚しい作品だったんですね。原作は児童文学で読んだきり。市川崑監督がセルフリメイクしたほど思い入れのある作品、詩的な映像ともの悲しい唱歌で胸の奥を掴まれました。戦争の痛ましさや残>>続きを読む

ひろしま(1953年製作の映画)

5.0

今年も忘れないために観ました。
昨年、いいねして下さった方、コメント下さった方、すみません。昨年のレビューを再投稿いたします。昨年は、点数つけなかったのですが、今年はつけました。たくさんの方に観ていた
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フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白(2003年製作の映画)

3.7

「ペンタゴン・ペーパーズ」つながりで鑑賞。マクナマラ元国防長官のインタビュー。第一次大戦、太平洋戦争、キューバ危機、ベトナム戦争についての戦略を省み、手柄と自己弁護など語っています。突っ込みながら、ス>>続きを読む

テル・ミー・ライズ(1968年製作の映画)

4.5

イギリスの名舞台演出家ピーター・ブルック監督による、セミドキュメンタリーとロックを合わせた実験的ベトナム反戦ドラマ。どちらのパートも鋭く問題をえぐっている。ナパーム弾で被害を受けた少女の写真に衝撃をう>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.9

スピルバーグの社会派作品。勧善懲悪で爽快だった。メリル・ストリープとトム・ハンクスの持ち味が活かされていてとてもおもしろかった。

泥沼化するベトナム戦争をアメリカ政府は優勢であると発表し続けていたが
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Curve(原題)(2016年製作の映画)

3.7

ひるま観ることをオススメします。
うなされてしまいました💦
うなされる夢はたいてい追いかけられる夢で、溶岩、津波、大型トレーラー…。
落ちる夢は滅多に見ないのに




🙃

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.7

女性の体、生理や不正出血を映像にし、中絶後の体調等、タブーを生々しくリアルに描いた作品として意義がある。女性による女性の、誰のための映画だろう。命を宿すとは、命を産み育むとは具体的にどう体と心に不安定>>続きを読む

東京夜曲(1997年製作の映画)

3.9

眠れない夜に、寂しい夜に、悲しい夜に、自分を誰かを傷つけそうな夜に、車屋の茶の間みたいな、商店街の軒先で、聞くつもりもなかった世間話に耳を傾け、もしかしたらあの二人は付き合っていたのかもしれないと思い>>続きを読む

海底から来た女(1959年製作の映画)

3.6

夏はサメ🦈映画だ!ということで、石原慎太郎原作「鱶女(フカおんな)」を映画のタイトルに惹かれて鑑賞。「シェイプ・オブ・ウォーター」(未鑑賞ですが)と「ジョーズ」を合わせたような怪奇ロマンス。

夜な夜
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ある男と牛(2016年製作の映画)

3.8

アルジェリアから農夫と牛がパリまでゆっくり歩いて行くロードムービー。ほっこりしたくて、アマプラ有料を観ました。クストリッツァの笑いとカウリスマキの性善説をミックスしたような、癒しの映画。

ファタハの
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

4.0

見終わって唸った。当時観たアメリカの若者は何を感じたのか。
戦争を語らない反体制・反戦映画だった。
ラブ&ピースのヒッピーを嫌悪する大人世代と体制側。
自由に生きる若者への嫉妬が渦巻いていた。

「さ
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マンマ・ローマ(1962年製作の映画)

3.7

「フェリーニのローマ」でちらりと顔を見せたアンナ・マニャーニ。イタリアのたくましい女性の顔ともいえますが、パゾリーニの本作でも、逆境に耐え、生き抜く力強さを見せています。タイトルのマンマ・ローマはマニ>>続きを読む

フェリーニのローマ(1972年製作の映画)

4.3

フェリーニの記憶のローマ。マンジャーレ、カンターレ、アマーレのパッショナーレのカオスな街。映像の魔術で見せられた楽しいローマ・ツアーでした。

上京してきた若きフェリーニ(アラン・ドロン似のイケメン)
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.6

湿地の景色が美しく、ミステリアスな法廷劇でした。が、演出やキャラクター設定に違和感あり、入り込めませんでした。途中でオチが見えてしまったこともあり…

ルノワールの「スワンプ・ウォーター」のような沼地
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熱いトタン屋根の猫(1958年製作の映画)

3.8

酷暑にタイトルで選んだテネシー・ウィリアムズの戯曲。猫は出てこなくて一安心。比喩でした。家族の大喧嘩を通して、雨降って地固まる話。ポール・ニューマンが元フットボール選手、その妻にエリザベス・テーラー。>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

エンドロールのあの曲で涙が出てきました。シリーズ最初の3本は夢中で何度も観たのに、その後はすっかりご無沙汰。インディー・ジョーンズは永遠だろうと忘れていました。
戻らない過去にロマンを感じ、やり直せな
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イロイロ ぬくもりの記憶(2013年製作の映画)

3.9

フィリピン人メイドとシンガポール人家族の交流を描いたヒューマンドラマ。若い29歳の監督の自伝的作品ですが、甘さが一切ない。人間を裸にし、厳しさも弱さもそのままむき出しにしています。また、安易に奇跡に頼>>続きを読む

赤西蠣太(1936年製作の映画)

3.8

伊丹十三の父、伊丹万作監督のコメディ時代劇。志賀直哉原作。ほっこりしていて楽しい。センスのいいセリフと計算された構図に美しい映像、とぼけた笑いに洋楽を使ったミスマッチ感がお洒落。ストーリーは一部わから>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

3.5

初ウェス・アンダーソン。邦題に釣られました。マックスはまだ15歳、もう15歳。マックスのお父さん、シーモア・カッセルは大好きだけど、作風もマックスもお子様(←丁寧な表現)過ぎて、理解不能でした。世界観>>続きを読む