bunrokuさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

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ケイト・ブランシェット、TARのあとの息抜き映画かと思ったら製作年はTARの前なんですね。しかもこれまた人間的な訳ありを抱えた天才の物語。こんなのばかりに出ていたらフツーのおばさん役ができなくなりゃせ>>続きを読む

ウェルカム トゥ ダリ(2022年製作の映画)

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ダリの奇人変人ぶりもおやおやだけど、その妻ガラのとんでもぶりもなかなかのもんで、そんなふたりのプラスとプラスが反撥しあいながらも別れがたく粘着していることで生まれる爆発力。そんな危うい現場に凡人は近づ>>続きを読む

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

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せっかくのベネチアなのに陽光に背を向けた密室劇だったのでちょっと残念。たくさんの人がいて、そのなかのいったい誰が犯人でしょうというのがパターンなんだから、密室劇になるのは仕方ないんだろうけどね。パター>>続きを読む

ヒンターラント(2021年製作の映画)

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わざとらしく傾いた構図、絵画であることをことさら強調するような背景美術、そんな人工的な、表現主義的な描写が延々とつづく。しかもお話はかなりに重く暗い。なわけで私は、どんよりした檻のなかに閉じ込められた>>続きを読む

6月0日 アイヒマンが処刑された日(2022年製作の映画)

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アラブ系イスラエル人の少年の物語、収容されているアイヒマンを混乱しながら警護する警察官の物語、ゲットーや収容所での体験を語り継いでいこうとしているユダヤ人の物語、とかなんとか、視点やトーンや場所や時間>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

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随所に上手な台詞や演出があって、見応えたっぷり。もちろん夫婦ふたりの切れ味するどい演技あってのことなんだろうけど、この監督の才能をたっぷりと堪能できました。モラハラ的な気持ち悪さ満載の夫、そんな夫への>>続きを読む

私たちの声(2022年製作の映画)

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オムニバスってのは印象が拡散してしまうんで観るのが難しいんだけど、これはなかなか力作揃いで面白かった。どれが良かった云々とどうしても比較が生まれてしまうんで、作ってる人の力の入り具合もひとしおだろう。>>続きを読む

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

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大企業のリストラやホームレス問題といった資本主義の宿痾、そして戦争末期の東京大空襲の惨禍、そんな社会派っぽいあれこれが下町の人情劇のなかに放り込まれていて、しかも往年の松竹映画や寅さんシリーズをふと思>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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この監督の映画はいくつも観てるけど、どういうわけかどれもこれもピタッとこないというか、離人症的な感覚でしか捉えられないというか、でもけっこう人気がある監督みたいなので、これを面白がれないのは感度が錆び>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

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寄り気味が多い手持ちカメラ、そして窮屈な舐めカット。ハリウッド的な洗練されたカットには背を向けたような居心地のわるいカットがギクシャクと続く。なんといったらいいか、その素人っぽいギクシャク感が異化効果>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

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僕はバラエティ番組のコントみたいなオーバーな演技と演出で笑いをとる映画が洋の東西を問わず苦手なんだけど、これはまさにそのツボにぴたりとはまる苦手映画でした。バービー人形のファンであった過去を待つ人には>>続きを読む

君は行く先を知らない(2021年製作の映画)

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イラン映画はよく喋る。僕はそれを面白いと思う方だけど、うるさいなあと思う人がいるのも知っている。はっちゃけた子供の演技をうるさく思う人がいるのも知っている。でも僕にはそれが面白かった。どこに行き着くの>>続きを読む

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

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面白くは観たけれど、関係者による賛美につぐ賛美で、まるで聖なる遺影を取り囲んでの懐旧談みたい。不思議に感じたのは、タランティーノ本人へのインタビューがなかったこと。後半にワインスタイン事件についてちょ>>続きを読む

ぼくの小さな恋人たち 4Kデジタルリマスター版(1974年製作の映画)

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少年期、そして性の目覚め。断片的なエピソードがフェードアウトしながら連なっていく。その瑞々しさ、そのリズム。僕はすっかり魅了され、この映画大好きに。少年期はいつしか終わり、挫折に満ちた大人の世界にちょ>>続きを読む

サンタクロースの眼は青い(1965年製作の映画)

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「わるい仲間」がぶらついていたのはパリだったけど、これはどっか地方都市。でも都会も田舎も変わらない。若い男の頭の中に渦巻くのは女を求める気持ちばかり。「男性・女性」の余ったフィルムで撮られたんだよ、な>>続きを読む

わるい仲間(1963年製作の映画)

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仕事もなく金もなく、でも女を求める気持ちだけはたっぷり抱えて街をうろつく男たち。切なくかわいい。ヌーヴェルヴァーグによって切り開かれた街頭に足を踏み入れる精気溢れる手持ちカメラ、何撮ってんのやろとばか>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

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こりゃちょっとお手上げざんした。あれこれやってることが未来に繋がるみたいに言うんだけど、僕にはちんぷんかんぷん。自傷行為や身体変形損傷症候群とでも言いたくなるような現実にある風潮の拡大的な延長なのか、>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

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テレパシーやテレキネシスといった超能力の芽生え。それによる混乱や暴発や自責。そしてまわりに分かってもらえないもどかしさ。そんな少年少女の心の痛みが切々と伝わってくる。主眼はそっちのようで、だから展開の>>続きを読む

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

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陸軍と海軍が喧嘩するお話で、まあそれはそれとして面白いっちゃ面白いけど、陸軍のバカさ加減が際立ちすぎていて、こんな奴らに引きずられて日本は先般の戦争にはまり込んじゃったのかと思うと、国としてのあまりの>>続きを読む

猫と、とうさん(2022年製作の映画)

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ネコ動画でバズって儲けたよ、みたいなパートには吐き気がしたけれど、SNSを通して地域ネコを支える支援をアピールするというパートもあったんで、まあバランスはとれてたかな。それと男は犬派であるのが普通みた>>続きを読む

アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)

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あまりにも出来すぎたお話に思えたんだけど「事実は小説より奇なり」とはこのことですね。多少の脚色はもちろんあるんだろうけど。これまでも強制収容所から生還するお話はいろいろあったけど、たんに良かったね、だ>>続きを読む

ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

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カメラを向ける人もカメラを向けられる人もともども魅力的で興味をそそられる人物なので、その二人の関係のなかのあれやこれやが映し出されるとなると、こりゃ観るしかないわな。で、母と娘のあれこれもなんだけど、>>続きを読む

インスペクション ここで生きる(2022年製作の映画)

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えらくストレートな展開。もっと怖いことが起こるんじゃないかと身構えていたんだけど、案外さらりと観ることができて、案外さらりと感動できる映画でした。ゲイゆえの生きづらさ、求めても埋まらない母子の断裂。そ>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

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電車に乗せるという選択枝もあったはずなのにヒッチハイクにこだわったのは、ロードムービーをやりたいということ以外、福島の海岸を写したいということもあったんだろうな。そのほうが海外向けにもちょいと意味付け>>続きを読む

シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

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哲学者じゃない方のシモーヌヴェイユの愛と闘いの半生記。フランス、ドイツ、アルジェリア、イスラエル、そしてアウシュビッツ。時代を行きつ戻りつ。時代考証も丁寧(知らんけど)で、ニュース映像も上手く利用(分>>続きを読む

ナチスに仕掛けたチェスゲーム(2021年製作の映画)

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こりゃ凄い。緻密に組み立てられたトリッキーな物語。でももっとトリッキーなのはこの邦題。騙されてなんぼやから、ま、ええねんけど。観終わって、これには有名な原作があると知り納得。本そして物語への愛と切望、>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

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センシティブでエモーショナル、そして静かで淡々としているのにパワフル。くしゃくしゃになった絵、混乱のなかに突きだされる木の枝、そんな丁寧で細やかなディテールの数々に感銘。そしてなんといっても心に残るの>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

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手を変え品を変えのアクションシーンが恥も外聞もないご都合主義で数珠つなぎ。ま、これはいつものことかも知れないけれど、最終章が近付いてのスケールアップで手のひらは汗びっちょり。デジタルからアナログへの回>>続きを読む

プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

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こりゃ絶対あかんやっちゃろと確信しつつ、でもプーさんファンとしては見とかなあかんやろとの義務感もあって、ようやく鑑賞。お母さんに連れられた小学生もいて、トラウマにならんかったらええけど。幼年期のファン>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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コントローラーを触ることなく横からプレイを眺めるだけのゲーム音痴だけど、こりゃなかなか楽しめた。かわいいし、もっともっと楽しんでもらおうというスタッフの工夫と努力が嬉しい。封切りからずいぶん経っての劇>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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もうめぐり逢うことはないと思っていた宮崎さんの新作。しかもまったく知らされることのなかった内容。だからおのずと期待は鰻のぼりで、とんでもない映画になっているのではないかと、かなり緊張しての鑑賞に。でも>>続きを読む

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

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ところどころでウトウトしながらの鑑賞になってしまったのであんまり大声では語れないんだけど、お話の焦点が僕には不分明だった。裁判の行方もよくわかんないし、それを傍聴している女流作家の心の行方も今ひとつよ>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

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他の人のレビューを見て「Xエックス」の前日譚と知ってびっくり。みんな情報通やね。で、そうだと分かると、あんまり怖くなくてノスタルジックで作家性が出っ張りがちな由来が分かって、ややニンマリ。どっしり低め>>続きを読む

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(2021年製作の映画)

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ナチズムとスターリニズムに蹂躙される東欧の人々やユダヤ人。その惨禍を万遍なくバランスよく、やや図式的教科書的かもしれないけれど、上手く2時間のドラマにまとあげる手腕に感嘆。歴史から学ぶことが苦手なのが>>続きを読む

大いなる自由(2021年製作の映画)

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「大いなる自由」のなかにおいてもなお逃れることのできない性の強迫や桎梏、そのどうしようもなさが迫るラストか辛い。権力による恣意的な幽閉よりもひょっとすると性の不自由さの方が大きいのではなかろうかとさえ>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

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あーでもないこーでもない、あれ入れよこれ入れよ。そんなお話作りのブレーンストーミングが目に浮かぶようで、ご苦労さまでしたと言いたくなる。めいっぱいの展開をつなぎとめていくご都合主義にも乾杯。それにして>>続きを読む