FutosiSaitoさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

FutosiSaito

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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.6

 ネットなどで評判の「ヴェノム=ど根性ガエルのピョン吉」説は正しい。
 人の頭を食べてしまう化け物なのに、同化してからはまるで『ど根性ガエル』のひろしとピョン吉みたいに、バディものになっている。
 だ
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.7

 『万引き家族』がきれい(ごと)に見えてくる。
 見終わったあとのこの苦い感じ、報われない感じは何かに似ていると思い出していたら、わかった。
 日活ロマンポルノだ。『天使のはらわた 赤い教室』など天使
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夏の妹(1972年製作の映画)

4.0

 1967年に撮られた、フォーク・クルセダーズのアイドル映画『帰ってきたヨッパライ』は衝撃だった。
 アイドル映画なのに、ベトナム戦争の徴兵拒否韓国兵に間違われて追われるというぶっ飛んだ映画だった。
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

3.9

 1987年、ソウルオリンピック前年でも軍事政権だったという事実にあらためて驚いた。もう就職していた頃なのに。
 そこまでは大統領選挙も直接選挙ではなかったということにも。
 光州事件が1980年で、
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.7

 日本も捨てたもんでない。こんなくだらない映画に金をかけられるなんて。
 アメリカの映画では、名優と言われるレベルの役者たちが本気で演じているくだらない映画はあるが、日本は突き抜けていなかった。
 で
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レゴ(R)ムービー2(2019年製作の映画)

3.8

 レゴでここまで表現するかというのがひとつ、テーマがひとつ、その両方に応えたアニメだった。
 『スターウォーズ』を始めとし、DCヒーローものもふまえた展開に、アニメの「動きと変化をを楽しむ」という本来
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.0

 次元が違う、日本のアニメとは。
 背景をリアルにして、人物は「世界名作劇場」(我々世代はカルピス劇場だった)の素朴な絵柄という傾向のある、日本のアニメとは違う次元だった。
 (似ているといえば井上三
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

 カンヌとアカデミー賞の違い。感動実話で終わった『グリーンブック』とは違うし、ドキュメンタリー風の『デトロイト』とも違う。かっての『そして夜が明ける』とも異なる。
 現代へつながる「WASP」以外への
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.9

 演技力の迫力と説得力だ。
 それが『ワンダーウーマン』との違い。
 スタイルではかなわないが、さすがアカデミー賞女優、葛藤するヒロインを見事に演じているし、アップに耐える表情がすばらしい。
 だから
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運び屋(2018年製作の映画)

4.0

 肩の力を抜いた、88歳イーストウッド監督の実人生とユーモア。
 マルパソというプロダクションを持っているイーストウッド監督は『グラン・トリノ』でも『アメリカン・スナイパー』でも『ハドソン川の奇跡』で
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アジョシ(2010年製作の映画)

3.8

2010年にもうこんな映画があったのに、題名(おじさん)の意味から「食わず嫌い」で見逃していた。残念。
ウォンビンもかっこよすぎ。
敵のベトナム人もプロっぽくていいし、その対決シーンも、特にト
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.8

 映画には、問題提起で終わらせる型と、ハッピーエンド型とある。
 だが、これは後者だとわかっていても次々に驚きの展開があり、最後まで惹きつける作品だった。
 さらに『ミスター・ダマー』で『メリーに首っ
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パディントン(2014年製作の映画)

3.8

 エンディングのカリビアンな歌に込められたメッセージが、この作品のテーマを表している。
 みんな友だち。アメリカ人もインド人も、日本人も。異民族みんなみんな。
 そして、異種、異類さえもというグローバ
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.8

アクションは凄いけど、 ゲーム世代からすればありえる動きではないだろうか。
でも、楽しめた。そこがいい。
ロバート・ロドリゲス監督の力量でもある。
非力な少女を主人公にして、感情移入を図り、意の
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.7

 ほんとうに真面目に撮った映画だったということがわかるラストだ。
 その真面目さとは、ドラマを見せるだけでなく、こういう現実をなんとかしようというものだった。
 孤児を救おうという「ライオン基金」もあ
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七つの会議(2018年製作の映画)

3.3

 『半沢直樹』で『下町ロケット』で『陸王』な映画。
 要するに日曜劇場に野村萬斎を迎えた感じだった。
 得意の「顔芸」やら、タイムラプスやら、登場人物の肩書と名前の字幕やらがてんこ盛りだ。
 会社の正
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

 ”ブラック”エマ・ストーン。
 いい意味で、監督の悪趣味が全開の映画だった。きらびやかな宮廷ものを見に来た観客は、上映後は毒気に当てられてシーンとしていたが、面白かった。
 『ロブスター』『聖なる鹿
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アクアマン(2018年製作の映画)

3.8

インドでいえば『バーフバリ』で、マーベルでいえば『マイティーソー』なDCコミックスの王道(王位継承)ものだった。
ジャスティスリーグでは一番地味で、泳ぐくらいしか能がないだろくらいに思っていたアク
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.8

 「宇宙空間体験もの」としては『ゼログラビティ』が先行したが、あれは3Dを意識したカメラーワーク中心の作品だった。
 これはアポロ11号の着陸した「静かなる海」(当時はこう呼んでいた)のように、実に静
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ベルリンファイル(2013年製作の映画)

3.8

 ハ・ジョンウ、かっこよすぎ。これじゃ、同じチェ・ジウとのコンビで『暗殺』などが撮られるわけだ。納得。
 ベルリンが舞台というのは韓国映画では珍しい気がするが、アクションの重さとキレはすばらしい。
 
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

4.0

 日本がセルアニメにこだわるのはなぜか、とも考えた。
 セルアニメではないが、表現性はきわめて高い。リアルな背景や動きだけがアニメではない。
 『万引き家族』が評価されるなら、このように社会的なテーマ
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全員死刑(2017年製作の映画)

3.5

ずいぶんふざけた映画である。
実際の事件「大牟田四人殺人」の犯人が書いた手記による映画化だ。
あまりにもずさんで、あまりにも粗暴で、たしかにそれはギャグなのだが、シャレになるのかどうか。
笑え
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ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

3.8

 わかりやすくなくていい、監督の意図をそう感じた。
 でもインパクトの大きい映画、主演・柳楽優弥の佇まいは誰でも忘れられなくなることだろう。
 手当たり次第に人を殴るし、やられてもずっと追ってくる。戦
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

3.9

 小手先のCGやハイテクによる「見せかけ」でなく、有名俳優を揃えたスター映画でもない、本物を追求した映画。
 スピルバーグや大ヒットを飛ばす原題の巨匠と言われる監督たちに、これが本物の迫力だといわんば
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捜査官X(2011年製作の映画)

3.6

 何がしたいのかわかりにくい。それが率直な感想だ。
 でも、面白い。ドニー兄貴のものすごい体術に、敵の剣術も冴え渡る。
 ここでは、そこにCGも駆使した「経絡」の映像もあるので、戦いやアクションはわか
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素敵なダイナマイトスキャンダル(2017年製作の映画)

3.7

「ウィークエンドスーパー」はリアルタイムでないが、「写真時代」とそれが摘発されてからの「写真世界」は購読してた。
南辛坊など、同じく伝説の雑誌「ガロ」系の記事も面白く、もちろん荒木経惟の写真日記も
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

 わけがわかりにくい、これはいい映画の基準でもある。
 わけがわかりにくいが、興味深い。何だか忘れられない印象があるということだ。
 他にはない、独特の感覚。『聖なる鹿殺し』といい、ヨルゴス監督の映画
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.7

 フューリー司令官ことサミュエル・L・ジャクソンを主要キャストに据えたあたりに、監督の意図がよくわかる。
 マーベル・ヒーローに対するアンチテーゼもしくはシャマラン監督によるヒーローの解釈の提示だろう
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

3.8

 早く見とけばよかった。『500日のサマー』のズーイー=ディシャネルも不思議ちゃんでいいし、ジム=キャリーの顔芸も相変わらずさえている。
 セミナー’YES’はカルトのように思えるが、そこに絶対的な強
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ベイウォッチ(2017年製作の映画)

3.6

 総合格闘技の申し子であり、無敵だったヒクソン=グレイシーの夢は「ムービー・スター」だった。『インクレディブル・ハルク』にちょっと出てるけど。
 そして、プロレスラーから、まさにそれを実現したのが、こ
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メリッサ・マッカーシーinザ・ボス 世界で一番お金が好き!(2016年製作の映画)

3.5

 『The Happytime Murders』でも下品すぎて評判が悪いメリッサ・マッカーシーだが、前からそんなことをやっていたというのがよくわかる。
 下品だけど、ちょっと痛快なコメディ。性格はひど
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.8

 主人公の行動について、善悪を判断することは難しい。
 もし、こんなことになったらどうなのか、こんなこともあったという事実を元に作られた映画だ。
 テロに遭って家族を失い、生きる意味を失った主人公。通
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.6

 ホアキン・フェニックスはポール・トーマス・アンダーソン監督による『インヒアレント・ヴァイス』の間抜けな探偵イメージが強いので、この映画でのPTSDが残る元軍人役には驚いた。
 こちらも巧く演じていた
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この道(2018年製作の映画)

3.4

 「文部省推薦映画」小学校の視聴覚室で見たような、「文部科学省」というダサい名前でなく「文部省」時代に推薦された劇映画のようだった。
 童謡の誕生と、その生みの親である二人の物語。
 だんだんと父親、
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マジック・マイク(2012年製作の映画)

3.6

チャニング・テイタム大出世のきっかけとなった映画だが、ようやく見てそれを納得した。
ソーダバーグ監督、カット割りなど演出も若いなあ。
マッチョマンのストリップの世界を描いた青春映画だが、片やイギ
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.8

 大森立嗣どうした、今までの作風はという感じもしたが、そういう映画だった。いい意味で。
 斜めにものを見たり、ふざけたりしてはいけない。題名どおり「日日」を楽しむ・味わうべきなのだ。
 掛け軸に、器に
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