FutosiSaitoさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

FutosiSaito

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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

4.0

 木野花の独壇場だ。『かもめ食堂』の、もたいまさこ的ポジションのようで、全然ほのぼのしていない。
 脱いだり叫んだりすれば「熱演」と評価されることが多いが、木野花の
熱演は、そんな甘いものではない。
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CUTIE HONEY TEARS(2016年製作の映画)

2.9

 体にピッタリのスーツが売りなのに、ちょっとダブダブだし、普段は潜伏中なのでみすぼらしい格好をして顔も隠し気味だ。
 アクションも、踊りも何がやりたいんだかわかりにくい。
 くやしいので口直しに庵野秀
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宇宙大怪獣ギララ(1967年製作の映画)

3.3

 見終わるのに労力が必要だった。ホームドラマの松竹には特撮は難しいということか。
 でも、興味を持って見れば、面白いところはいくつかある。それでも退屈だが。
 どうしても比較してしまう『ゴジラ』との差
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シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011年製作の映画)

3.8

 シャドウゲーム含めて、アクションしまくりの「(スターク)社長」が見られる。
 「安楽椅子探偵」とまで言われているシャーロック・ホームズを格闘家にした時点で大成功だ。
 宿敵モーリアティ教授の悪者ぶり
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長いお別れ(2019年製作の映画)

3.8

 蒼井優を見ていると山里亮太が浮かんでくるし、竹内結子は中村獅童だ。
 山崎努はやはり『必殺仕置人』の格好いい念仏の鉄が浮かぶし、松原智恵子は渡哲也が主演した『無頼シリーズ』のヒロインだったころを思い
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アラジン(2019年製作の映画)

3.9

ハリウッドでボリウッド(インド)なアラビアンナイト。
さすがディズニー、わかりやすい。アニメ版よりさらに現代的にしている。
『スターウォーズ』でも女性の司令官が必ず出てくるように、今のディズニー
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パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.0

 うわさ(噂)にたがわぬ(違わぬ)いい映画だった。
 なかなかテーマにしがたい生理とナプキンの問題をエンタテインメントにし、それでも面白いという、インド映画の凄さも見た。
 タブーだった女性の生理、そ
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セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!(2017年製作の映画)

3.8

 映画は、知らない世界や、違う世界を見せてくれる。その意味でいい映画だった。
 実話が元だというと、ハリウッドでは深刻な事件が絡んだ犯罪ものが多いのだが、これは違った。
 なんだかほのぼのする交流で、
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ブローン・アパート(2008年製作の映画)

3.5

黙ってミッシェル・ウィリアムズを見よう。設定や展開には突っ込まないこと。
この映画のあとに、『私が愛したS』でユアン・マクレガーと再び共演し、しっかりミステリーとしても成立するから。
グラマラス
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名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

3.9

またもレジェンダリーピクチャーズに感謝だ。
ピカチュウがしゃべって、名探偵だと?と、子供むけで無難なものを予想していたが、これがもう面白かった。
『ゴジラ・キングオブモンスター』に次ぐ、実写もの
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.8

 オダギリジョーのクズ感が最高。
 モテるが、相手のことをぜんぜん考えていないタイプ。それは誇張されているだけで、俺(たち)のことだ。
 その「ハギオ」も、優しい「せいいち」も好きなツチダもまた、どこ
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

4.1

三大怪獣が出てくるゆえの早い展開で、かつ全てが見どころな怪獣プロレス映画。まさに全力で戦っている。
アングルも日本の特撮アングルを模していたり、音楽も日本のゴジラリスベクとで、そこにも興奮する。
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彼が二度愛したS(2008年製作の映画)

3.6

 レンタルDVDジャケットの説明にやられた。もっといやらしいものかと思ったらが、正統派のサスペンスで恋愛ものだった。
 ファム・ファタール「破滅に導く女」にふさわしいミシェル・ウィリアムス目当てで観た
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スティルライフオブメモリーズ(2018年製作の映画)

3.5

 まず、挑戦的ということ、これを評価する。
 評判では「わけのわからない」「アートフィルム」ふうなものだったので、そう思い込んで観たのだが、いい意味で裏切られた。
 なかなかおもしろかった。
 性器を
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ヘイト・ユー・ギブ(2018年製作の映画)

3.7

 『ストレイト・アウタ・コンプトン』に近い。と思っていたら、原作者は元ラッパーだった。
 古くは『ボーイズ・ン・ザ・フット』だ。
 黒人映画で、貧困が犯罪を生む悪循環。
 こういう映画がいくつも作られ
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居眠り磐音(2019年製作の映画)

3.8

 そうか、これは『陽炎の辻』だった。NHKが推しすぎて、観ていなかった時代劇。山本耕史が主演だった。
 時代劇は民放でなく、NHKが守るという姿勢も苦手で、敬遠していたが、後悔。
 五十巻以上ある原作
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主戦場(2018年製作の映画)

4.0

 かつて大島渚は『大東亜戦争』というドキュメンタリーで、大本営発表や当時の映像をコメント無しでひたすら流して、報道のウソを我々に示した。
 ここでは、慰安婦などなかったという、右派を代表する杉田水脈、
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セント・エルモス・ファイアー(1985年製作の映画)

3.9

 日本のトレンディドラマを含め、あらゆる青春群像ものに影響を与えた作品。
 ようやく見ることができたが、評判どおり、ちょっと甘酸っぱくて、哀しかった。
 主演のロブ・ロウもエミリオ・エステベスも若すぎ
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運命は踊る(2017年製作の映画)

3.9

 イスラエルとガザ地区の国境でない「国境」検問所を警備する矛盾と悲しみ。
 中東戦争の傷跡を残す父親と、警備の息子が運命に翻弄される。
 息子が死んだと告げられ、ショックを受ける両親から始まり、最後ま
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.9

 現実はフィクションほどうまくいかない。世の中と地元に不満を持つ若者の姿を描く中盤までは、青春もののようにも見えるが、実際に事件を起こした本人たちがドキュメントパートに出演し始めると、重くスリリングに>>続きを読む

シャザム!(2019年製作の映画)

3.7

 実はそうとう古いヒーローのシャザム。
 ど派手なコスチュームに白マント(フード付き)というのが凄い。
 この映画化では、そこも突っ込まれるし、SNS時代のヒーローとして、撮影に応じて小遣い稼ぎもする
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ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)

3.8

 ホアキン・フェニックスはユーモアのある『インヒアレント・ヴァイス』が大好きで、そのあとの『ザ・マスター』では常に狂気を帯びていて怖かった。
 前作『ビューティフル・デイ』でまたシリアスな役をして今作
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スケアクロウ(1973年製作の映画)

4.3

 アメリカン・ニューシネマの傑作にして、そのロードムービーとしても『真夜中のカーボーイ』と並ぶ傑作だ。
 BSのインタビューでショーケンが語っていたとおりだった。
 ここでのアル・パチーノは「ライオン
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

3.8

 クズばかりで、やさぐれ、あばずれた登場人物だらけの物語。
 ナンシー・ケリガン襲撃事件の真相に「迫る」とかいう事実を明らかにするというものでなく、どういう人物たちが関わっていたのかということに終止し
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キングダム(2019年製作の映画)

3.9

 原作マンガがあると、どうも「そっくりさん大会」になり、どれだけ似ているかに評価の重点が置かれるが、これはそれを抜きにして活劇として面白い。
 人がたくさん死ぬが、基本的には心配無用。主人公側が勝つと
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バースデー・ワンダーランド(2019年製作の映画)

3.7

 原恵一監督の今作は、いままでどうって変わってファンタジーなので、反応もいまひとつだと思うが、じゅうぶんおもしろかった。
 インタビューを見ると、さらにおもしろくなる。
 色彩にこだわったこと。説明を
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映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(2019年製作の映画)

4.0

 カスカベ防衛隊のシーンは絞って、野原一家の活躍に重点を置いた作品。
 『オタケベ!カスカベ野生王国』でも家族の歴史と絆が描かれていたが、ここではさらに夫婦のことがテーマとなっている。
 テレビ
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センチメンタル・アドベンチャー(1982年製作の映画)

3.9

 実の息子になんてことを演じさせるのか。
 『タイトロープ』でも娘を出演させているが、これも泥棒に売春宿に飲酒にマリファナというハードな内容(通過儀礼とも言うが)で、この監督は何を考えているのだかと思
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.2

 今考えられる最高の娯楽映画だ。本当のオールスターキャストといい、てんこ盛りの特撮といい、伏線を回収する展開といい、贅沢な上映時間といい、どれもかもがだ。
 これが同じ料金で観られるとは。
 アップル
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百日紅 Miss HOKUSAI(2014年製作の映画)

4.0

 杉浦日向子先生の原作で、「漫画ゴラク」で連載していたのを毎回スクラップしていた。
 怪談噺のような、シュールな話も面白くて、後の漫画『蟲師』に繋がる世界観の元になった。
 原監督はその漫画をみごとに
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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

3.9

 この青春感。かっての『パンツの穴』のような青々しさ。
 男は惹かれた女とヤレることを重視するが、相手はおかまいなしということ、翻弄されるのは男であるという現実がよく描かれていた。
 最初から「デキて
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.9

 いい意味で、クソな映画で、最高だった。
 テレビでは絶対にできない、放送コードにひっかかりまくりの内容ばかりで、言葉も含めゲスぶり炸裂の西部劇だ。
 密室でのメンバーもみな曲者・強面ぞろいで、衣装も
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バイス(2018年製作の映画)

3.9

 現実はもうフィクションになったということの証左。
 フェイクニュースでなく、現実はフィクションであり、当事者ですら他人事のように観られるようになってしまったということだ。
 主人公チェイニーや子ブッ
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.7

 全編パソコン画面の映画。アイディアに感心する。
 また、主人公が韓国系アメリカ人で、監督がインド生まれのインド系というところも面白い。
 『シックスセンス』で『アンブレイカブル』のM・ナイト・シャマ
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イコライザー2(2018年製作の映画)

3.9

 寅さん(男はつらいよ)の安心感。
 主人公がこれ(プロ中のプロ)だから、トラブル解消は必至。モーガン・フリーマンが出ていれば、ホワイトハウス陥落でも何でも解決できるというのと同じくらい安心感がある。
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パディントン 2(2017年製作の映画)

4.0

 ともかくハッピー。容疑者として収監されたりするのに明るいというのは重要なことだ。
 パディントンを純粋=与太郎(クマのプーさん)のような間抜けなキャラにせず、ただひたすら正直で打算のないキャラにした
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