FutosiSaitoさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

FutosiSaito

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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.9

 ある意味わかりやすいストーリーだが、とてつもなく手がかかった人形アニメで、(サムライ)日本を舞台にした時代劇。監督は本物の日本好きだ。
 黒澤明や宮崎駿などの監督をリスペクトして、丁寧に作っているの
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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

4.1

 銃撃と爆撃は都合よく外れてはくれないというリアル。
 キリアン=マーフィー目当てで見たら、とんでもない良作だった。
 感覚としては『カティンの森』に近い。
 ナチスに領有されることを選んだ(そうせざ
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LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

3.6

 もしも……仮定のひとつ。
 不死身のウルヴァリンが死ぬとすればどうなるのか、という映画だった。
 というより17年もの長い間、演じてきた「本人」の希望とあらば叶えるしかなかったのだろう。
 プロフェ
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焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)

3.9

 韓国政府が、南北統一を訴える済州島の村々を壊滅した事件を知らないで見るのと、知ってから見るのでは大きく違う。島の人口は、日本に逃れた人も多く28万人が3万人まで激減した。
 これは、小熊英二らの聞き
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パンク侍、斬られて候(2018年製作の映画)

3.9

 「俺はパンク侍だあ!」と主人公が叫ぶシーンがあるが、それは「これはパンク映画だあ!」という宣言だ。
 話はハナから破綻しっぱなしだし、今どきの外来語はしゃべるし、ともかく凄い。リアリズム度外視で、セ
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.1

 アニメーションの、ひとつの傑作でしょう。原作と別物とかは、どうでもいい。
 『ルパン三世』などはとうの昔にこんな改題をやっている。
 夢を題材にした作品としても、歴史に残るべきものだ。
 夢とはどう
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

4.0

 原作は、動機を簡単に「心の闇」とか言えなくなるような衝撃を与えるマンガだったが、これは映画としてまた同じくらいショッキングだ。
 まずはストレートな暴力の凄まじさ。
 そして、サイコパスな森田剛の佇
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密偵(2016年製作の映画)

3.8

 ハ=ジョンウの『暗殺』はサスペンス中心だったが、この映画も両方が日本の占領が生んだ悲劇を描いている。
 こういうことがあったと、未だに作品として表現されているのだ。
 自虐史観とか言う前に、こういう
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デッドプール2(2018年製作の映画)

3.9

何でもあり。ジョン・ランディス監督『ケンタッキー・フライド・ムービー』や山本晋也監督『下落合焼き鳥ムービー』のようだ。
 オープニングタイトルからして「007」だし。
楽屋オチやから、自虐ネタまで
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VIKING バイキング 誇り高き戦士たち(2016年製作の映画)

3.6

 神の存在の意義とは。社会主義が否定した宗教の意義とは。
 この映画のヒットは、その復権を意味しているのだろうか。
 ともかく、この物語が、ロシアのキリスト教の始まりを語っているとわかると面白さが倍増
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ホステージ 戦慄のテロ計画(2017年製作の映画)

3.3

 渡航の自由とか住居の自由とか、実感が湧きにくいが、これを見ていると日本では「自由を享受している」ということを理解できる。
 相撲で話題の栃ノ心の母国、ジョージア。インタビューで本人は「グルジア」と発
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セントラル・インテリジェンス(2016年製作の映画)

3.8

 ロック、演技が巧すぎ。第二の天職。
 そして、それを生かしてくれるスタッフの居るハリウッドに感心する。
 ムービースターに憧れるプロレスラーは日本にもいるだろうが、ほぼプロレスラー役だったりで多様性
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.1

 こんな変な趣味の(もちろんいい意味で)人形アニメが、商業作品として多くの人に受け入れられるようになったとは。感慨深い。
 ウェス=アンダーソン監督はまさに『天才マックスの世界』の主人公のような変な人
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.0

 センス・オブ・ワンダーでしょ。
 観客の期待をいい意味で裏切る、逆ブランド主義というか、そういう才能だ。
 スタジオ・ジブリなどはブランドの安心感が観客動員に繋がるのだが、この監督は違う。違うように
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

 邪道だが、監督の副音声付き別のラストを見たら全貌がよくわかったし、何よりも演出意図が理解できた。
 コメディ監督だが、意識は深い。
 表向きの反差別主義が、怖くて不思議な感覚で批判されていたのだ。
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ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(2016年製作の映画)

3.9

 天才は今も実存するということ。
 その天才は、その分野(彼の場合はダンス、バレエ)によって、何でも自己表現ができるということ。あらためてそれを知った。
 回転力は、ヌレエフのほうが凄く見えるし、ニジ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

3.8

 役所広司の演技力がハンパない。『アウトレイジ』でも狡猾な親分役だった石橋蓮司も。
 『仁義なき戦い』の演技力アップ版。だが、あの当時のギラギラした雰囲気と比べるとどうだろうとも思った。川谷拓三や室田
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パターソン(2016年製作の映画)

4.0

 パターソンに住む、パターソンってうバスの運転手が詩人で、何気ない日常なんだけど……と、他人に話していると、どんどんネタが浮かんできて、じわじわキてしまう映画。
 随所に現れる双子(ツインズ)だとか、
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.7

 やっぱりリアルか。ラストも『007』みたいで実は王道をいくフィクションだ。
 話題になっているように、日本産のキャラクターがいくつも出てきて、「クール・ジャパン」(by 麻生太郎『とてつもない日本』
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.9

 いくつ感想を読んでも、また発見があり、いつくもの解釈を生む映画。
 それが、いい作品だ。そうやって、何度も味わえるからだ。
 主人公はエキセントリックに描かれているが、それはフィクションだからだ。程
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.0

 いよっ、ジェシカ=チャステイン!
 ロビイとはなにか、どんな策略を巡らすのか、あらゆる手段を用いて、先の先を取るその勇姿にしびれる。
 まさに辣腕で豪腕だ。
 仕事の仲間とも、常にディスカッションし
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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

3.9

 なんでもアリのCGが魔法のように使える時代の、なんでもありの総力戦だ。
 国王(パンサー)に大富豪(アイアンマン)に、魔法使い(ストレンジ)に神様(ソー)から高校生(略)やならず者(スターロード)ま
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パシフィック・リム アップライジング(2018年製作の映画)

3.8

 実写版巨大ロボットだけでなく、『エヴァンゲリオン』を元ネタにした「敵」ネタがいくつもあった。
 前作もエヴァンゲリオンらしさはあったが、今作は黒いイエーガーは出るし、白い量産機も、それらがやることも
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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

3.6

 猿が出てくるけど、人間の映画だ。
 邦題が「猿」だけど原題は「ape」=類人猿だ。
 でも、エイプは「ヒト」だ。人のように描かれている。
 しかし、シーザーは人類のように復讐することなく、人類のよう
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海辺の生と死(2017年製作の映画)

3.6

 島尾敏雄の妻、ミホが書いた原作の映画化。
 奄美の自然がすばらしい。ロングショットの多さは、それを見せるためだろう。
 また、シマの言葉をそのまま使っている。唄も含め、標準語に「吹き替え」しないのも
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ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

3.5

 徹底的に地味。それがすばらしい。
 そして、盛り上がりがほとんどない。
 大団円もない。それが凄い。
 三者三様の生き方を、「枯れた」風景を背景に描く物語。
 ますます顔が、殻をむいた茹で卵のように
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ラフ・ナイト 史上最悪! ?の独身さよならパーティー(2016年製作の映画)

3.5

 うーむ、どこかで見たようなネタだけど、スカーレット=ヨハンソンにケイト=マッキノンがいるから平気だ。
 『ハングオーバー』で『バチェロレッテ』な作品だった。
 でも、キャラクターが多彩だから、主人公
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映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~(2018年製作の映画)

4.1

 行き過ぎた正義への警鐘。
 ラーメン道、ラーメンブームへの違和感。
 『クレヨンしんちゃん』にはもう傑作は生まれないと思っていた自分がバカだった。
 示唆に富む、このシリーズを甘く見ていた。
 他国
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.8

 戦時中、「トピックセンテンス」方式で、一つの報告に一つの事実を簡潔に述べさせた。
 感情や私見でなく、事実の分析を重視した。それがウィンストン=チャーチルだ。
 これは、木下是雄の名著『理科系の作文
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.0

 『桐島部活やめたってよ』が「負の青春」屈折した青春の典型だとしたら、これは純粋な「陽の青春」で、その要素・エピソードをいくつも織り込んだ作品だ。
 彼女の妊娠やあこがれの人、実家と元恋人怪しい隣人な
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.2

 ベルリンの壁がある光景や設定など、奇跡的にできた寓話。
 上空から見下ろす天使の視点や、子供にしか見えないその姿など設定もすばらしい。
 そして「詩」。題名どおりの詩が随所にちりばめられ、映像が重な
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セトウツミ(2016年製作の映画)

3.6

 挑戦は難しい、漫画原作があるとよけいに。
 表情など、原作漫画に「似せる」のはよくある。『鋼鉄の錬金術師』や『ジョジョの奇妙な冒険』などでもそういうことはよくある。そっくりさん映画。
 でも、そこが
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エル ELLE(2016年製作の映画)

3.8

 解釈を拒む怪作で、インパクトありすぎ。
 普通の男性中心な映画に対する鏡というのはわかる。世の男性が願望するものを手に入れたり、性欲を含めたその欲望のまま生きている熟女が主人公。
 これが男性だった
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ことの次第(1981年製作の映画)

4.3

 映像による詩であり芸術。
 ハリウッド式の誰にでもわかりやすい物語への決別でありその宣言だった。
 後に『ベルリン・天使の詩』でブームを呼んだヴェンダース監督作品は、そこから『アメリカの友人』を見て
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

 それじゃ日本はどうなんだ?と情けなくなった。
 「朝日新聞は〜」と特定の新聞社を非難したり、「毎日新聞」系のTBSを目の敵にしたり、逆に改憲については「読売新聞を読め」とか、例年「産經新聞」に正月対
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破裏拳ポリマー(2017年製作の映画)

2.9

 ドラム缶がいちばん印象に残るアクション映画(そこは見てのお楽しみ)。
 スケールがテレビの延長で、特に傷や血糊のメイクがちょっと……というところ。
 ただ、アクションは総合格闘技ふうで見応えがある。
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