シャーリーズ・セロン、自身が制作したアクション映画に続いて、実録社会派ドラマでも「侠気」を見せた。かっこいい。
『アトミック・ブロンド』では、危険で体を張ったスタントをこなしたが、それも制作者が自>>続きを読む
万人受けする内容ではないが、たくさん客が入っていた。前作と同様に、人が死ぬ(死んだ)ところがアップになったり、その方法がショッキングだったりだからだ。
そして布石。その打ち方が実に巧い。
よく見>>続きを読む
ちょうど『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の予告を見ていたので、そんな「大切な日常」や「家族」を描いたアニメとして見た。
台湾現代史(さらに差別問題もさらっと)を織り込んだ展開は見事で、それ>>続きを読む
はみ出し者とダウン症の若者によるロードムービー。施設では問題を起こして脱走をしたがるザックは、密漁者タイラーには対等な友達として扱われ、過度なサポートもなしに旅ができている。
この映画のテーマは、>>続きを読む
疑似体験のための長回し。2時間でこの緊張感なのに、ずっと戦場にいさせるということは、どこまで非人道的なのか。
逆に落ち着けるとは、平和な状態とは何かということも考えさせられる。
長回しやワンカッ>>続きを読む
イギリスの至宝、ケン・ローチ監督の真骨頂。引退するといいながら、今作を撮ったが、これまた凄い映画だった。
プロテスタントの国、アメリカとドイツとイギリスは「勤勉」「利益の追求・拡大」を教義に入れた>>続きを読む
手話まで入れると、実に5種の言語による多様なコミュニケーションが取られているが、違和感がない。
タミール語、英語、中国語、マレー語、そして英語が、もちろん多様な民族も宗教も出てくる。
ディズコミ>>続きを読む
監督の変わらぬ瑞々しい感性と、空撮を駆使した美しい仙台。
フィクションの利点は時間と空間を飛ばせることだが、それを活かした物語展開だった。
過去と現在、『ラブレター』でも手紙と時制のずれが感動を>>続きを読む
支離滅裂かと思ったが、創作の熱い思いに満ちた映画だった。
BBCの『モンティ・パイソン』で活躍したテリー・ギリアム監督は1981年『バンデッドQ』、1985年『ブラジル』でも人気を博した。
しか>>続きを読む
才能の塊が、音や映像でびっくりさせるのではなく、展開や緻密な設定でじわじわくる怖さを創造した。
様々な伏線が回収されていく脚本(もちろん監督が書いた)も見事だ。
インタビューで述べているとおり、>>続きを読む
静かなる告発映画。マルパソプロダクション最高。
クリント・イーストウッドを語るとき、必ず触れないといけないのは、インディーズであることだ。
自らの「マルパソプロダクション」によって制作をする。だ>>続きを読む
日曜劇場のような企業根性ものでない、もっと「クールで熱い」物語なのがよかった。
チームワークも個人の活かし方ももっとクールでじめじめしていない。
クリスチャン・ベイルがまたいい仕事をしている。も>>続きを読む
監督も自由だし、キャストも自由にできるんだという映画。
ヒットを宿命付けられたマーベルユニバースの監督に抜擢され、ユニバースという制約や、万人に受けるものという制約などに縛られていたワイティティ監>>続きを読む
想像を超えた、バイオレンス復讐(と贖罪)コメディ。
あらゆる意味で、先入観を超えてくる。どう分類していいいのかわからないジャンルも、えーこうなるのかという展開も何もかもだ。
冒頭から、クムジャさ>>続きを読む
ファンタジーのない『万引き家族』。
そして、同じ半地下室でも『天気の子』とは大違いだ。リアルな半地下とは、こういうところだと言わんばかりの描写力だ。
大雨や洪水の描写に関してもしかり。それは綺麗>>続きを読む
青春群像、テロリストというより「アナキスト」だけど。
女相撲に、アナキスト集団である「ギロチン社」をかけ合わせる瀬々監督のセンスは凄い。
古代からの神事だから土俵は女人禁制だというのは、あと付け>>続きを読む
上映回数が減ったから、厳しい作品かと思ったら、王道のルパンだった。
寅さんみたいに定番なので、そのツボは押さえないといけないが、リスペクトがたくさん込められていた。
大人の作風と、大人の峰不二子>>続きを読む
本当はそこまで老いていない倍賞千恵子や前田吟らが、『家族はつらいよ』のように年齢なりの姿を演じ、満男のシワも増えた。
だが、思い出の寅さんの姿は変わらず、いつもみんなの心に生きている。
TVシリ>>続きを読む
NHK朝のドラマで『ロマンス』では辰巳琢郎と榎木孝明がW主演で、ヒロインは樋口可奈子だった。
トーキーの時代になると、悪声だったバレンチノなど落ちぶれていく役者と、活動弁士が描かれていた。
この>>続きを読む
ときに笑いが起こっていたが、笑いごとではない。
伊藤詩織さんの民事裁判で、元TBS山口被告に賠償命令が出た現在だからよけいに客が入ってもいるが。
だが、その経緯を追ったドキュメンタリーを題材の一>>続きを読む
企画優先のお色気優先時代劇かと、高をくくっていたが面白かった。
阿部寛は画になるし、豊川悦司には艶がある。寺島しのぶには、さらに色気の貫禄さえあるので、この主要キャストだけでも楽しめる。
「蚤取>>続きを読む
過激な環境運動は新しいのか、レトロなのか。
反社会的なのか、しかたのない悪なのか。
洪水のニュースに、世界の情勢を少しずつつ表して、主人公たちの信念も描いている、
みんなが感想を書くだろうから、思い出を綴る。初作『スターウォーズ』は1977年、もちろんガンダムより早い。少年サンデーで撮影中の記事が出たときは『宇宙戦争』だった。
そして公開。わざわざ船に乗って>>続きを読む
異色作にもほどがある!これを作りきったスタッフは偉い。
動物キャラと言えば癒やしだの、かわいいだのというのが常識だが、これは人間の醜い部分の戯画だ。
徹底して好意的に描こうとしない。
描写もエ>>続きを読む
予告を観ていたので、とてつもなく下品かと思っていたら、とんでもなく下品なくらいだった。
でも、パペットはホームレスや社会的弱者、移民や外国人に置き換えられる。そういう意味でも面白い。
しかし、プ>>続きを読む
テロリストに容赦はない。主人公だから助けるとか、選択もしない。
それがリアルであり、緊張感を生んでいる。駅や超高級ホテルをターゲットにしたイスラム原理主義テロリストが、あえて自分たちから搾取をした>>続きを読む
「息をするように人を殺す」犯罪を犯す、という言い方はあるが、この主人公のスイッチはもっと軽く入る。
この作品は、どう評価するかによってその評価する人間の嗜好や考えを晒してしまう映画だ。
まず、主>>続きを読む
タランティーノ監督『イングロリアス・バスターズ』でメジャーになった頃は「お嬢さん」然としたかわいい娘だったのが、このところアイパッチしたりで妙にかっこよくなった、ロザムンド・パイク。
これはその「>>続きを読む
これは熱い。熱いプロレス映画だ。
プロレス一家の娘が体を張ってサクセスを目指す。実話だとわかっていても、その先が心配になるし、トライアウトや試合のシーンのたびに、こちらも力が入ってしまう。
単身>>続きを読む
夏川結衣に星ひとつ追加。かつて『夜がまた来る』(石井隆監督)でナミを演じていた頃の、またTVドラマ『結婚できない男』の頃の美しさは忘れられない。
山田洋次監督もそれを意識してこの題名をつけたのだろ>>続きを読む
名優の無駄遣いでなく、みんな楽しそうなゾンビ映画。
特にエマ・ストーン、前作のあとこの10年間でアカデミー賞作品賞『ラ・ラ・ランド』では主演女優賞を、『女王陛下のお気に入り』で助演女優賞を受賞と輝>>続きを読む
名作だ。やはりイギリスはロックの国だ。パンクでロック。
雰囲気が『アバウト・タイム』に似ていると思ったら、脚本がその監督リチャード・カーティスではないか。
ミュージシャンの映画であり、ビートルズ>>続きを読む
「凄まじい天才」と、支援者が言うように、草間彌生こそ本当の天才なのだろう。世にいくらでもいる天才と呼ばれる人ではなく。
このドキュメンタリーは、時系列で草間を捉え、数々の関係者や学者の証言から彼女>>続きを読む
ファンタジーとは悪夢でホラーもある。その『クレヨンしんちゃん』の「悪夢路線」を定着させたのがこの映画だ。
ちょっと歪んだキャラクター「ヘンダー」や、ヘンダーランドの造形と色彩や絵柄。
人を喰った>>続きを読む
白石監督は『孤狼の血』で暴力の極みを描いたが、『凪待ち』で家族に目を向けはじめ、この『ひとよ』に至った。
家族の再生というより、新しい関係の始まり。
優等生キャラの鈴木亮平から激情を引き出したり>>続きを読む
『神々の深き欲望』を高校の時に深夜放送で観たときには衝撃を受けた。
何だ、この映画は。というインパクト。
神話的とかいう言葉も知らなかった頃だ。
そして、大学時代、オールナイトで『にっぽん昆虫>>続きを読む