2021年の一本目。
下宿が嵐電沿いということで特別な気持ちになる。
沿線沿いでこんなドラマが起きていたらいいな、と思ってみたり。
南天と子午線のシーンは結構好きでした。
特に南天の告白(?)シー>>続きを読む
浮世さんは罪深いですね…。
ただ、観ている自分も引き込まれそうになる不思議な魅力を土村芳さんは表現できたんじゃないかなと思います。
とにかく観ていて、危うい。少し「寝ても覚めても」のあさこを思い出し>>続きを読む
映像的な巧みさもそうだし、シナリオとしてエンディングの持っていきかたも素晴らしい。
ジャーナリズムも政治の裏側にある様々な駆け引きなどの実情も知らない。この映画が決して100%リアリティを映したとは思>>続きを読む
全く言葉の通じない国での前田敦子演じる女性の用心深さ、脆さ、無力感の表現が良かった。
「どの命も祝福されてこの世に生まれる」ということを強く実感した。
夫婦のみならず、少女のストーリーを同じぐらいの重みでみせてくれたことはすごくフェアだしよかった。少女が擦り切れていってしまう姿を見る>>続きを読む
片方が忘却しても、両方が忘れない限り終わらない。
一緒に罪悪感を背負って行きていく。
捨てれば終わりではないし、他者との関わりによって生じた記憶はそう簡単に忘却されるわけではない。
単純だけど難し>>続きを読む
不思議と見入ってしまうような吸引力がある作品。
不良少年の部屋の床が水浸しになることでシーンのシュールさが際立つ。あの効果は絶妙だった。
シャオカンがほとんど喋らないところ、間、セリフのないシーン>>続きを読む
サイレントで90分、背景の音楽もないのに、こんなに見入ってしまうなんて驚いた。しまいには泣いてしまったぐらい。サイレント映画であることなど忘れてしまうぐらいの素晴らしいクォリティ。
子供の視点で描いて>>続きを読む
ホン・サンス作品の男たちは共通してどこか「情けない」。
本作の主人公もそうで、女性の前で饒舌になるし、ロマンチックな言葉を使えば、いいところを見せようとしてピアノを弾きだす。
さしてハンサムでもなけ>>続きを読む
2回目の鑑賞。
「恋する惑星」に比べてよりアングラで退廃的な雰囲気がした。だから違う「クセ」のようなものを感じさせるし、より記憶に引っかかりを与えてくれる作品だった。
映像のアングルやパースの取れ方>>続きを読む
水中の世界に酔いしれる。
澄んだ水の中ではもはや水は水ではなくて空気のような存在の仕方をしている。ならばそこに浮かぶ泡、漂う魚、いずみに根をはる植物、沈む岩が不思議な存在の仕方をしている。そこには重>>続きを読む
肌が美しい。彼らの肌はあらゆる光を現象させることができ、光の「庭」あるいは「カンヴァス」となっているのではないかと感じた。
序盤。人々がカメラの前を次々と横切っていくシーンはまさに幽霊・亡霊そのもの>>続きを読む
「敗者三部作」の第3作。
彼じゃなくてもいいのに彼が犠牲者に選ばれてしまった。不条理。
面白いのはケンカなどの暴力のシーンは極力描かないようにして、結果だけを見せる。どの作品でもコテンパンにやられる>>続きを読む
これも面白い。そしてなんか変な感じ。エモーショナルなものでないから、くさい感情演出がなくてむしろ信じられる気もする。大きく心をゆさぶるようなもの(それを目指したもの)ではないから、不必要にざわめくこと>>続きを読む
配色がまず素晴らしい。赤、青、黄色を基調とする画面もあれば、褪せた色調で統一するときもある。どちらも絵として美しかった。
フィンランド人特有の気質なのか、アキ・カウリスマキ作品の登場人物特有のものな>>続きを読む
これまで見てきた韓国の映画とはひと味違った感じがする。同じように社会や家庭を扱った映画がある中で、自分が見てきた多くの韓国映画は心にナイフで切り込みを入れられるような、痛みを必ず伴っていた。対して、こ>>続きを読む
劇中の音楽に注意することは多くはないのだが、この作品の音楽は良かった。16歳特有の複雑な心境、ノスタルジー、などなどすこし感傷的な感情が蘇ってくるような気持ちになる。
大林監督特有の映像マジックが手>>続きを読む
取調室でのやり取りから始まり、気づけば台本の読み合わせ、リハーサル、そして本番?の間を反復する。(この映画の中の全てが本番なのでもあるが)
どの部分からがこの作品の中におけるフィクションなのかが最初は>>続きを読む
痛みの伴う愛を見た。カサヴェテス作品に通底するさまざまなフェイシズを捉えることは今回も例外ではなかった。
ジーナローランズの不安定で、脆い姿をみるとこちらもなかなかこたえる。時折見せる子供のような表>>続きを読む
本作はオープニングナイトやフェイシズなどといった作品と異なり、ジーナ・ローランズは出演せず、ベン・ギャザラが主演を飾る。
カメラワークや映像のスタイリッシュさは健在で、暗闇をうまく使っていたような印>>続きを読む
UPLINK京都の「カサヴェテス・レトロスペクティブ」で2年越しの2回目の鑑賞をした。映画館の大画面で見るとやはりカサヴェテス映画特有の表情のアップのシーン(まさに「フェイシズ」)はより迫力が増す。>>続きを読む
まず英語タイトル「Out-Take from the Life of a Happy Man」からの和訳「幸せな人生からの拾遺集」が素晴らしいと思いました。
まさにその名の通り拾遺集で様々な映像、ま>>続きを読む
まずこのようなクオリティの映像を学生時代から撮れたことに驚きました。
映像を見ながら密かに縦方向の中心線を心の中に引き被写体の中心線近辺での向きや配置について着目してみたらなかなか面白かった。人物は>>続きを読む
「彼女はかがり火だ。愛と失脚の似合う最後のカウボーイだ。」
そうトレイシーはブルックを表現しましたね。NYに出てきたトレイシーにとって、都会の恋人ともいえようブルックは憧れの存在であった。「フランシ>>続きを読む
感情移入の難しい作品。韓国映画特有の暴力性と激しさには何回も心に爪痕を残す。
この豹変してしまった男をどの様に観ればいいのか、それは難しい問題だった。狼狽しきり、もはや死所を求め彷徨うだけの抜け殻の>>続きを読む
初めてみる、鈴木清順のモノクロ映画。
アングル、光と影、ネガポジの反転、などなど、多彩な技術を駆使し、ハードボイルドな空気感を一層際立たせた。
ハードボイルドだと、何を言わせてもハードボイルドであ>>続きを読む
さすが河瀬直美監督といった映像美、河瀬監督といえば「萌の朱雀」のような、大自然の雄大さと美しさを映像におさめるというイメージだったのだが、雨のシーンや何気ない街のショットなどの、日常のシーンもこんなに>>続きを読む
観た当時はそこまで響くものがなかったのだけれども、たまにこの映画の浅野温子と、テーマソングを思い出す瞬間がある。そう考えるといい映画だったのかもしれない。
美しい女性たちの映画。
映像に躍動感があり、ジョーが街を駆けるシーン、ダンスのシーンなどは特にそれを感じさせた。素晴らしい映像だった。服装のデザインも一つ一つが丁寧でかつ上品であった。
ジョーのひ>>続きを読む