penさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

マクベス(1971年製作の映画)

-

ジャンル的にホラーって訳では無いと思うけど、ホラー映画のように怖かった。

一面に拡がるぬかるんだ大地、立ち込める濃霧、黒色の山々、曇り空。始まって早々に終末感の漂う世界が提示され、晴れの日のシーンで
>>続きを読む

マッド・ガンズ(2014年製作の映画)

-

異常気象で水が貴重な資源となった近未来の西部が舞台。SF映画に分類されるが、あくまでも本筋は家族の物語。
1つの家族を軸としながら主人公は入れ変わり、同時に物語のジャンルも変遷する。親子ドラマ、ピカレ
>>続きを読む

逮捕しちゃうぞ the MOVIE(1999年製作の映画)

5.0

藤島康介氏の同名漫画が原作としてあるし、TVシリーズも放送されていた。
とはいえこの劇場版に関しては『機動警察パトレイバー』の映画や『踊る大捜査線』からの影響があると思う。

現場の人間が奮闘する姿や
>>続きを読む

カンフー・ジャングル(2014年製作の映画)

5.0

カンフーの達人を次々と殺す男を捕まえようとする話で、犯人逮捕の為に警察と協力する主人公を演じるのは、ドニー・イェン。ドニーはアクション監督も兼ねており、これだけで格闘戦に不安は無い。

序盤からドニー
>>続きを読む

ジョン・カーペンターの 要塞警察(1976年製作の映画)

5.0

真っ黒な画面に赤い文字でクレジットが出るシンプルなオープニングとバックで流れるシンセサイザーがメインの音楽が、激渋い。
監督であるジョン・カーペンター自身が音楽を担当しているというんだから驚かされる。
>>続きを読む

探検隊の栄光(2015年製作の映画)

-

出演したドラマが原因で熱血なイメージが付いてしまった俳優が、ジャングルの奥地に潜む生物を探すバラエティーロケに参加し、番組スタッフのノリや現地での撮影内容に戸惑うという話。

藤原竜也が「一般にイメー
>>続きを読む

東京無国籍少女(2015年製作の映画)

-

清野 菜名(せいの なな)。
本作は彼女の類稀なる身体能力に驚嘆する映画だ。
彼女のことを知っている人は「こんな動きも出来るのか!」と目が覚め、一方知らない人は「こんな動きが出来るこの女性は何者だ!」
>>続きを読む

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

5.0

物語については何書いてもネタバレになる気がするので割愛。

本作はとにかくアクションが素晴らしい。
それぞれの能力を活かしたチームプレーの演出はもちろんのこと、前作『ウィンターソルジャー』から更にスピ
>>続きを読む

大いなる眠り(1978年製作の映画)

-

レイモンド・チャンドラーの同名小説が原作の、私立探偵フィリップ・マーロウが主人公の映画。
マーロウを演じるのは『さらば愛しき女よ』でも同役を演じたロバート・ミッチャム。
監督・脚本は『狼よさらば』のマ
>>続きを読む

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦(2015年製作の映画)

5.0

全7章で作られた『機動警察パトレイバー』実写版の完結編となる長編劇場版。
レインボーブリッジを爆破した新型戦闘ヘリ「グレイゴースト」に三代目特車二課が挑むというお話。

ミステリーとしての『劇パト』、
>>続きを読む

アサルトガールズ(2009年製作の映画)

-

本作は非常に人を選ぶ作品だ。エンターテイメント性は低い。
もう1つ書くと、冒頭で堅苦しい言葉が並べられるが無視しても構わない。
要は「アヴァロン(f)」というオンラインゲームがあることを理解すれば良い
>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

5.0

「人間じゃないからオッケー!」という厳しいんだか緩いんだかよく分からない日本の現在の表現規制に、今回は感謝したくなった。
黒沢清監督の『回路』を思い出しつつ、日本発のちゃんとしたヒーロー映画を久しぶり
>>続きを読む

デビルマン(2004年製作の映画)

-

染谷将太(!)演じるススムと渋谷飛鳥演じるミーコが初めて出会い一緒にススムの家へ行くホラーテイストな映像は好きだし、主人公がお世話になっている家に彼が居ない間に暴徒化した集団が殴り込みをかける「悪魔狩>>続きを読む

リベリオン(2002年製作の映画)

5.0

何はともあれ「ガン=カタ」だ。
仮にこの言葉をWikipediaか何かで調べた結果首を傾げたくなったのなら、その感覚は正しい。
名前から設定まで無茶苦茶だ。

その無茶苦茶な格闘術を如何に映画の中で製
>>続きを読む

のび太の結婚前夜(1999年製作の映画)

5.0

のび太がドラえもんと一緒に大人になった自分としずかの結婚を見に行くところから物語が動き出すのだが、本作はその大人のび太としずかの視点が多く、どちらかというと主人公はこの2人という印象が強い。
その結果
>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

5.0

慣れ親しんでいる自分の住む街が次第に変貌していく、日常が非日常へと切り替わっていく不気味さ。
この現象の原因は一体何なのか?

といったミステリーとホラー映画を思わせる雰囲気の中で『うる星やつら』のエ
>>続きを読む

ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)

5.0

完結編として作られた前作『3』で起きたあるドラマ上の大イベントが本作でも前半の山場として展開され、『ファイナル』や近年の傑作『クリード』まで、ロッキーの物語は「失い続ける男の戦いのドラマ」へと変貌して>>続きを読む

レッド・アフガン(1988年製作の映画)

5.0

ソ連のアフガニスタン侵攻を題材に「異なる文化の接触」がストレートに描かれる物語なのでこんな邦題なんだと思うが、
そんなことより本作で最も目を惹くのは戦車の存在である。

静かな日常から一転、轟音と共に
>>続きを読む

ルーム(2015年製作の映画)

5.0

母親・ジョイにとって最悪の状況である前半が、息子のジャックの目と耳による体感に寄り添って描かれることで、彼女の過酷な戦いの日々を観る側に想像させる。この前半があるからこそ、その後のジョイの葛藤を印象的>>続きを読む

マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

4.0

実際に起きた金融破綻を、複数の主人公達の視点から語る作品。

役者を使いながらも映画全体の作りはドキュメンタリーのようであり、経済状況がゆっくりと泥沼に沈んでいく様子を迫真を持って描いていた。反面、そ
>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.0

喋る言葉の抑揚の強弱をハッキリさせることで生まれるリズムのある会話劇、1つの物語を軸に繰り広げられるサスペンスの連続、緊張と緩和の巧みな切り替え等々・・・。

限定された空間の中で発生する疑心暗鬼の集
>>続きを読む

恐怖分子(1986年製作の映画)

5.0

街で起きた1つの事件をきっかけに、
複数の人間の日常が少しずつ変容していく様を描き出す群像劇。

最初は全く関係無い人々のドラマが少しずつ交わっていく構成は見事。
全体的に静かな雰囲気ながら雪崩のよう
>>続きを読む

県警対組織暴力(1975年製作の映画)

5.0

欲望に忠実な男達の生き方に度肝抜かれつつ、刑事とヤクザの立場の違う2人の友情がすれ違いで壊れていく友情ドラマが泣かせる。
松方弘樹の狂気、菅原文太の哀愁。
数え上げれば切りがないほど、物語を盛り上げる
>>続きを読む

ジュブナイル(2000年製作の映画)

4.0

夏休みという割にはそれっぽい日常風景はダイジェストの如く流されたり、主役の子ども達のキャラクターも類型的。
しかし、ポケモンコロコロPS2にサルゲッチュ・・・明らかに宣伝的な映り方や使い方とは思いつつ
>>続きを読む

回転(1961年製作の映画)

4.0

舞台となる屋敷の内装を大々的には見せず、しかし人物が移動する度に映り込む装飾に、一寸の隙を感じさせない作品世界が構築されていることを確信させる。
主人公と子ども達との演技合戦は一見の価値あり。特に相手
>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.5

かつて夢を掴んだ男が、夢を追いかける若者と共に戦う。固い絆で結ばれた激熱なドラマだった。
過去作を観てなくても、青年の自分探しの旅の物語として魅力的な内容。
シリーズ随一の臨場感と迫力で釘付け必至の試
>>続きを読む

劇場版 MOZU(2015年製作の映画)

3.0

壮大なスケールの映像には目を奪われた。日本でも海外でも同じテンションで演出され、作品全体がホラー的な要素を含んだ幻想的な雰囲気に包まれている。1つ1つのアクションや爆発シーンにも監督の美意識が感じられ>>続きを読む

007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.0

物語のテンポは現在の映画と比べると正直ゆったりしているように感じられた。しかし派手な爆発込みのヘリコプターとの戦い、ボートチェイスといったアクションは今でも見応え十分で、リアルタイムで観ていたら更に衝>>続きを読む

HERO(2015年製作の映画)

3.0

自分が『HERO』の魅力と思っているのが2つある。
1.自由型の久利生と堅物な雨宮の軽妙なやり取り
2.あくまで事件の捜査が中心。その脇に箸休め的ながら詰め込まれた登場人物同士の掛け合い。
今回はこの
>>続きを読む

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.0

子どもを見守る親の気持ちで全編を包まれている映画だった。物語の中心になる女の子ライリーの両親はもちろん、彼女の頭の中の感情達もライリーを守る為に気持ちのコントロールを行う。思えば主要な登場人物の中でラ>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

一体どうやって発想したのか? と思うほどに狂気的なデザインをした車の数々が、砂塵舞う荒野を爆走する。過剰なまでの爆発炎上の連続、にも関わらず単調さは一切無い。シンプルな物語の中で、必死に生きようと戦う>>続きを読む

ある殺し屋(1967年製作の映画)

3.0

市川雷蔵主演映画は『斬る』しか観たことなかったが、あの作品同様にこの映画からも死の香りや虚無感が尋常じゃないくらいに漂う。
監督は違うけど、役者をどう活かせば輝くのかが分かっているんだろうなと思った。
>>続きを読む

レクイエム 最後の銃弾(2013年製作の映画)

3.5

この作品の監督のアクション描写はインパクトがありつつそれでいて熱量があることが魅力だと思うのだが、今回はそれが少なすぎず多すぎずの配分に抑えられている気がした。それによって映画の主軸となっている「三人>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.0

子どもの成長としての旅立ち、番組の対象としてだけではなく愛情も入り交じった複雑な感情を持った父親の子離れが描かれた素敵な作品。初めてこれを観たとき、『マスク』でしか知らなかったジム・キャリー。笑顔ひと>>続きを読む

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

4.8

爆発、クラッシュの置いてかれそうになる勢いと溢れんばかりのエネルギーで描かれる群像劇の85分。色んなイベントが収束していって最後に巻き起こるカーチェイスからの大暴走にはもうなにも言えない。笑いあり渡瀬>>続きを読む

ダニー・ザ・ドッグ(2005年製作の映画)

3.5

テンション上がる疾走感溢れるアクション映画でありつつ、惜し気もないくらい良い話を堂々と展開していた。ありがちな話も演技が上手い人達を集めれば見応えのあるものになることが分かる。アクションと演技の両立が>>続きを読む