penさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

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やがて死に至る者としか歌をハミングしないホアキン・フェニックスの姿に泣けてしまった。
歌と死が結び付く。そんな歌に対して、積極的に「死」に近付こうとしてきた主人公が最後に取る選択にも涙。軽快な歌をバッ
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ピーターラビット(2018年製作の映画)

5.0

本編時間約90分を駆け抜けるかのようにアクションに次ぐアクションの連続、冒頭から人対兎の仁義なき戦争が繰り広げられ、両者ともに理性を保ちながら本能のままに生きてる感じが映画の疾走感に一役買っている。>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

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血生臭い暴力団同士のパワーゲームが描かれ、展開と共に画面が緩んでも脇を支える構成員を演じる役者陣がスパーク。勝矢、中村倫也、島津健太郎、音尾琢真とイイ顔した面子が多少強引でも突っ走る。

しかしそれら
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ラプラスの魔女(2018年製作の映画)

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原作未読だけど、映画に関しては設定する主人公を間違えたような気がしている。
広瀬すず演じるヒロインを主人公にすれば、追っ手から逃れる&大事な人を追いかけるサスペンスとして冒頭から幸先良くスタート出来た
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

5.0

3つのジャンルを経由するかのように展開される三部構成の本作は、愛する家族を喪った1人の女性の決断を描く。
傷ついた主人公の姿は目を背けたくなるほどに辛い。しかし映画の辿る展開は彼女が追い込まれるほどに
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

5.0

韓国政府の暗部ともいえる歴史をベースとした映画。
知らなかったことに直面し、知らなかったこと故に受ける痛みを実際に味わった時、人は果たして行動を起こせるのかどうか。
1人の男の姿を通じてその選択を描く
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ぼくらと、ぼくらの闇(2017年製作の映画)

5.0

男子中学生の他愛のない会話や気になる女子への目配せと、文章にすれば青春映画といわれても何の不思議もないエピソードが冒頭から展開されるのにも関わらず、冬の空は曇っていて、部屋の中には異様に暗い影が差し込>>続きを読む

スモール・タウン・クライム -回り道の正義-(2017年製作の映画)

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酒浸りの元警察官の男が殺人事件に首を突っ込み、巻き込まれていくサスペンス。
偽名を使って探偵を名乗り、ズタボロになりながら事件解決にひた走る姿には探偵小説の主人公を感じさせる。
90分という手頃な本編
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ドロメ 女子篇(2016年製作の映画)

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先日観た『ミスミソウ』とプロデューサー、監督、撮影が被っていたので鑑賞。
黒沢清監督のホラー映画を彷彿とさせる演出の数々、特に窓や風に揺れるカーテンの使い方に唸りながら、何より驚いたのは、そういった恐
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

5.0

娯楽が何もない殺風景な田舎と廃校が決定している学校で行われる凄惨ないじめは、緩やかに終わっていく世界の終わりを見ているかのような気分にさせられる。
過去は遠い幻影として描写され、その頃にもう戻ることは
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

5.0

前作までと同様に群像劇のスタイルで物語は進んでいくけど、メインとなるのはやっぱり太一と千早で、本作はこの2人が自身の内側の足りない部分を埋めて完成するまでを描いた映画のように思う。何かが足りないことを>>続きを読む

さらば映画の友よ インディアンサマー(1979年製作の映画)

5.0

そんなに観ていないが原田眞人監督の作品の中で『金融腐蝕列島 呪縛』に次いで好きかもしれない。浪人生の若者のほろ苦い青春映画。
冬の季節に一時だけ訪れる夏のように暑い日が副題にもなっている「インディアン
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ガルム・ウォーズ(2014年製作の映画)

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絵コンテ段階で30%カット、ロケ撮影が本来の日数から4日に短縮、現地プロデューサーが何人か更迭させられたり給与支払いに不安を覚えた現地スタッフがストを起こしたり・・・何かとトラブルが多かった作品だった>>続きを読む

アナイアレイション -全滅領域-(2017年製作の映画)

5.0

ジャンルとしてはSFだけど、個人的にはホラー映画としての良さを強く感じた。それも必要以上にパニックを煽るのではなく、静かにじんわりと迫ってくる演出の方向性。たとえ劇中で起こる事象のインパクトが大きくて>>続きを読む

劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!(2018年製作の映画)

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TV版のストーリーの続編で、1人の少年が自身の出生に縛られた宿命を乗り越えてヒーローになるまでがTV版の物語なら、映画はヒーローになった後の物語。こういう場合によくあるパターンは2つで、調子にのって痛>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

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実際に起きた事件を描く為に、その事件を解決に導いた人間の半生をじっくり描く。映画1本を作るには事件の発生から決着までの時間が短いからこその物語構成かとも最初に思ったのだけども、『ハドソン川の奇跡』のよ>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

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自分が動くということは国全体が動くということであり、自分の選択は国家の選択に繋がる。国王になった主人公が選択することで世界を何とかする道に繋がっていくのであれば、本作もヒーローオリジンの映画だなと思っ>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の宝島(2018年製作の映画)

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少年の些細な憧れを切っ掛けに始まる、大海原への冒険。それをドラえもんという作品のフィルターを通せばのび太の気まぐれになり、ドラえもんによって壮大なごっこ遊びになる。そして大長編映画だから、ただの日常で>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

5.0

「彼」と会う時の彼女はいつも青い服を着ていて(仕事着だってのもあるけど)、水の中と外でも距離を感じさせず、ある時点を境に目に残るほどの鮮やかな赤の靴とアイテムを身に付けるようになる。全編で色が印象的な>>続きを読む

クローバーフィールド・パラドックス(2018年製作の映画)

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宇宙船を舞台にした密室空間スリラーというと自分は『エイリアン』シリーズをやっぱり思い出してしまうのだが、最近のシリーズ(『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』)で個人的にツボだった宇宙船内のデザ>>続きを読む

アクロス・ザ・ユニバース(2007年製作の映画)

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舞台は1960年代のベトナム戦争真っ只中のアメリカで、家には召集令状が届いて若者が戦場に赴き、街ではアートや音楽の文化が溢れる中、戦争反対を訴える若者達がデモ運動を起こしている。
そんな時代の中で夢や
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ザ・リチュアル いけにえの儀式(2017年製作の映画)

5.0

ある事件によって心に傷を負った主人公が、仲間達とともに行った旅先で森に迷い込み、恐怖の体験をするというホラー。英国の同名小説が原作らしい。

森に迷って散々な目に遭うというのはホラー映画でよくあるよう
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サニー/32(2018年製作の映画)

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ネットの描写や音楽の使い方に『告白』や『モテキ』のようなテイストを感じてそういう方向で進んでいくのかと思いきや、主人公の監禁状態がスタートしてから描かれる容赦のない暴力描写や集団心理によって共犯関係が>>続きを読む

亡国のイージス(2005年製作の映画)

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キャストクレジットに並ぶ名前も実際に画面に出てくる顔ぶれも豪華、戦闘機や戦艦は自衛隊関係が全面協力、国家を揺るがす壮大なスケールの物語とそれに絡む男たちの固い信念、気合いの入ったセットにアクションと爆>>続きを読む

アンツ・パニック 巨大蟻襲来(2017年製作の映画)

5.0

題名がその映画をそのまま表している通り、巨大蟻が襲来する映画です。
モンスターパニックモノってモンスターに立ち向かう登場人物の描き方も大切だと思うのだが、その要素が個人的に非常に気に入った。

巨大蟻
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ザ☆ドラえもんズ おかしなお菓子なオカシナナ?(1999年製作の映画)

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小さい頃に観たアニメ映画は意外と記憶に残りやすいもので、特に同時上映作品というのは本編以上に記憶に残ったりするケースが時々あり、本作を含む『ザ・ドラえもんズ』シリーズもそれにあたる人がいるのではないだ>>続きを読む

ゴジラ2000 ミレニアム(1999年製作の映画)

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冒頭の根室上陸は恐らく劇場で観ていたら興奮していたことは間違いないほどに観てる側の緊張を高め、その後のドラマパート、細かくいうと『シン・ゴジラ』のタバ作戦のような攻防に至るまでの展開は正直いって手に汗>>続きを読む

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

5.0

学校生活を通じて変容していく少女を描いた映画なんだけど、肉への渇望が加わることでこんなにパワーの溢れた作品になるのかと驚愕。
失神者続出! という宣伝文句も分からないでもないんだけど、学校生活の戸惑い
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犬猿(2017年製作の映画)

5.0

吉田恵輔監督の徹底したドライな視線が全編で貫かれた一作。2組の兄弟と姉妹、4人の狡さ汚さ、それらに埋もれた良い部分を時に滑稽に時に真摯に描いた会話劇で、当たり前ののように軽く言い合ってた悪口が段々と罵>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

5.0

カメラが左から右へパディントンを追いかけるように移動すると画面の彩りが増し、情報量も増えていくのがリアルタイムで描かれていく絵物語を見ているようで楽しく、素敵。

流れるように展開する出勤シーン、飛び
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でーれーガールズ(2015年製作の映画)

5.0

主人公の学生時代の過去と大人になった現在の両方が描かれるんだけど、
2つの異なる時間が並行して流れているような描き方が好みだ。過去は過去として時を刻み、一方の現在は戻らない過去を回想する。その差から生
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ただいま、ジャクリーン(2013年製作の映画)

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三竦みの人間関係でその一角が腹話術の人形、心の声があるので最初はびっくりしたのだが、それが決してコミュニケーションが取れない壁を認識させて妙に切ない。
本作にも大九監督が度々使用する「引っ越し」の要素
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東京無印女子物語(2012年製作の映画)

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場所は違うが同じ東京の空の下、3人の女性それぞれが体験する出来事を描く連作短編のような映画。
悩みを抱えながらも最後には空を見上げられる強さを主人公達から感じる。基本コミカルでポジティブなのが良い。
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恋するマドリ(2007年製作の映画)

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お隣さんが楽器弾いてたり、『雨に唄えば』をうっすら思い出す歌シーンがあったり、骨魚を模したグッズを主人公が部屋に飾ったり。
大九明子監督の初商業長編映画で最新作の『勝手にふるえてろ』とは対照的な映画な
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Man from Reno(2014年製作の映画)

5.0

日本人の女性小説家が旅先で1人の男と出会う。その男と親しくなり一夜を共にした彼女だったが、彼はすぐに姿を消してしまう。直後に別の男が現れて彼のことを聴いてくる。一体失踪した男は何者なのか?
一方、ベテ
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われらが背きし者(2015年製作の映画)

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イギリスでの資金洗浄を目論むロシアンマフィアとMI6の攻防が中心にお話は進んでいくけど、映画の始まりとドラマの中心は旅先で偶然出会った大学教授と重要な情報を持つ男の奇妙な友情、そして教授側と男側の2組>>続きを読む