バルべさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

ジブリは詳しくないが、これは攻めているようで攻めていないのではと感じる。

面白くないわけではない。難解だが、人物の過去を描いているため感情移入はできるし、よく作られているとは感じる。ただ期待値が高か
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.0

「最後そう終わるの!?」って言わせるための映画。

だからといって途中がおざなりになっているのかと言われるとそういうわけではない。
二転三転するところも十分面白いし、その辺りは映画というよりはドラマを
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.3

映画の冒頭とはこうあるべきかもしれない。
完璧な音楽とシークエンス、素晴らしい映画が始まると感じずにはいられない。

大量のスパイダーマンと大量の情報、そして何より狂った映像表現。全く新しい映画体験に
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

音楽素晴らしい、ストーリーも分かりやすいし興行収入が伸びるのは理解できる。

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.6

奇妙だねえ。別に面白くはないけど、ぼーっと見てしまう魅力がある。

ジャスミンがなぜブレンダに気に入られようと思ったのか、なぜあそこに定住しようと思ったのか明確な理由は描かれていないが、それこそがジャ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

自伝なんだから別に面白い必要はないでしょ、とスピルバーグに諭された気分。

大きな起伏はなく、悲しいことは悲しく、楽しいことは楽しくありのままを映す。それなのに映画になる。なんの変哲もない物語なのにち
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真夏の方程式(2013年製作の映画)

3.5

面白いが、巻き込む人が多い割にはストーリーに驚きはない。

東野圭吾っぽく(と言ってもそれほど知らないのだが)胸糞感や程よい後味の悪さは健在だが、いかんせんストーリーにそこまで波がないため今一つ乗れな
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

優しい、本当に優しい映画だ。

ネット社会の現代、SNS上の誰かにアイデンティティを奪われる気がしてしまう現代、本当に寄り添ってくれる人はゼロなのか、実はそばにいるその人こそ自分にとって最も大切な人な
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月世界旅行(1902年製作の映画)

3.5

120年前ってなんとも言えないですね。大昔といえばそうだけど、100年生きる人がいると考えると映画ってまだまだ歴史が浅いなあとも思ったり。

まあ実際に月に行くなんて考えられない時代にこの作品を作った
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キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒(1925年製作の映画)

3.5

コメディの教科書みたいな作品。

相続の条件からよく分からない設定ではあるものの、見ていて非常に楽しいし、そう感じさせるだけの演技がすでに完成していることに感動する。

カサブランカ(1942年製作の映画)

3.5

くどさの割にはそんなに味が濃くない映画。

W.W.Ⅱの真っ最中にこれを作り、公開していることに価値がある作品である。

正直現代に見ると、恋愛、友情等描かれるものはクサいなぁと思うところはあるが、そ
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ローマの休日(1953年製作の映画)

4.0

恥ずかしながら初見。
あまりな名作なので正直語ることもない。

ただラストシーンはもう至高極まりない。それまで「雰囲気良い少女漫画の映画じゃん」って気持ちを吹っ飛ばす。いやなんならその気持ちがあるから
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.7

なんともきったない映画だこと。
ただ、こういう「汚」から始まるのは嫌いじゃない。最近見て自分的にはかなり高評価の「バビロン」も本作からの引用は少なからずあるだろう。

しかし、こういう徹底的な豪遊を描
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.1

やはりスコセッシはシンプルに面白い。

前半は予告編のようで少々飽きもくる時間があるが、後半にインパクトを何度も持ってくる展開はやはりうまいなと感じる。

「限界マフィア」と言ってもいいような我々に馴
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タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

4.8

テレビでしか見たことなかったが、こんなに面白く、感動する作品だったっけ。
後半はほとんど泣いていた。
泣いたものが必ずしも良い作品とは思わないが、上映最終日に滑り込んで本当に良かった。

3時間と聞く
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西部戦線異状なし(1930年製作の映画)

3.8

個別の野心を捨てさせる戦争。
個別の野心を敵を倒すことにさせる戦争。
これをこの時代に描いていることに感心するのと同時に、なんでこの十数年後にはW.W.2やってんだよという人間の情けなさも感じてしまう
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.2

疲れてしまった。今後もこの出来が続くならばずっと見てきたこのシリーズも挫折してしまうかもしれない…

まず根本的な問題としてキャラの魅力が見えてこない。それぞれの間にある家族愛みたいなものは良いと思え
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.0

無味乾燥。

これより上のスコアをつける要素もなければ、これより下のスコアをつける要素もない。

本人役なんだ、監督イーストウッドなんだというちょっとした驚きぐらいかな。

元の話はすごいとは思うが、
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バビロン(2021年製作の映画)

4.5

最高の自慰映画だ。映画はこうであって欲しかった。「汚いからなんだ、サイレント映画を貶したからなんだ、私の作りたいものはこれで、私の好きなもの、好きな映画はこれなんだ」というのを3時間フルに使って表現し>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

3.9

相変わらず評価するのが難しい作品を作るのが本当に得意な監督だなと思わされる。

前半はとにかく暴言を浴びせられ、変化していく海兵の話だが、正直冗長なところがないとは言えない。ただ、これ未満の時間で描き
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(1963年製作の映画)

3.5

時代的に技術も発展途上で、鳥の表現方法が限られているにもかかわらず、しっかり怖さを演出しているのは流石でしかない。

もう少し説明が欲しかったなと思う反面、ヒッチコックにとっては「ラブバード」で十分説
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.9

そうだった、この映画のタイトルは「Climb」じゃなくて「FALL」だった。登っている時間は正直冗長な部分もありますが、あくまでそこは序章であり、本番はそこからです。

恐怖が続くだけの映画なのでそん
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.7

明里が常に1人だと考えている中学生時代から、明里に相手がいるのではないかと考えて振り返るのに時間がかかるようになってしまったのは貴樹の成長ともいえるが、それが本当に悲しいし、小田急を恨んでしまう。>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.1

モノクロがなんともノスタルジック。カラーしか知らない世代の自分にとっては、モノクロというだけで特別感が出てしまいますが、おそらく監督としては子供時代を思い出すという意味で使われているのでしょうね。>>続きを読む

バンバン!(2014年製作の映画)

3.4

オンライン試写会で観させていただきました。ありがとうございます。

まあ率直にいうと長いです。クサい恋愛シーンやダンスシーンとド派手なアクションシーンが交互にやってくるので、一貫したテーマも見えず、た
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.3

いやー、どこの誰にでもあるんですよ。
嫌だけど何が嫌なのかわからないし、側にあるからずっと触れてなければならないもの。住んでる街が、自分の名前が、学校が、友達が、親が…

けどふとした瞬間、それは何に
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おやすみ オポチュニティ(2022年製作の映画)

4.0

普段あまりドキュメンタリーは見ないのですが、本作品はかなり良質な一作でした。

機械工学や宇宙工学、地質学といった様々な学問が登場し、同じプロジェクトでもそれぞれの分野で重きを置いていることが異なって
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.6

この作品を好きな人がいることは理解できる、90年代の良さが詰まっていることも分かる。ただ自分には合わなかった。

こういう「エモさ」激推し映画というのは、いかに自分の経験と共通することがあるかどうかで
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.4

成人式の後に観るの良くないですね。
自分と重ねてしまって綺麗すぎる涙が出ます。

12歳っていうのは本当に絶妙な年齢で、少しませてきた子もいれば、まだまだ子供っぽくいかにも小学生というような言動の子も
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

理解度と満足度は本当に比例しない。
正直主人公が今何のために行動しているのか分からない瞬間は結構あったし、テンポも早く「これ絶対置いていかれてんな」と思わされるが、なぜか満足してしまう。

理解力の乏
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ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years(2016年製作の映画)

3.5

かっこいいよね皆んな、ほんとに。

他のバンドなら数十年かけてもできないことをたった数年でやってしまうこの伝説的バンド。リアルタイムで見たかった。

現代の日本人20歳比だとかなりビートルズを聴いてい
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.2

いやー、人って怖い。
アレックスや実験に関わった人々、アレックスを政治的に利用する人々…もちろん彼らは怖いです。
ただ、あらゆる人やシステムを皮肉ったこの作品では、あれだけ序盤に暴力を強調されたアレッ
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セブン(1995年製作の映画)

4.0

本当に完成度が高い映画だなと。
最高のオープニングから胸糞のラストまで抜けのない素晴らしい作品でした。

ただ、これはファイトクラブもそうでしたが、ポエムみたいな台詞が多いので、それが今回みたいなサス
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