おさかなはフィッシュさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

おさかなはフィッシュ

おさかなはフィッシュ

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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

3.0

友だちの座右の銘がPART3の最後の台詞だというので、久しぶりに鑑賞。

タイムトラベル直前の、リビアの過激派にロケットランチャーを向けられながらデロリアンで激走するシーン、緊迫した雰囲気の音楽のまま
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八甲田山(1977年製作の映画)

3.0

冬なので雪の映画を観よう!の巻。
暖房の効いた室内で、お煎茶を飲んで干し柿を食べながら観ました…。ごめんなさい…。

偉い人の思いつきに下々の者が付き合わされ散々な目に遭うやつの、めちゃくちゃスケール
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過去のない男(2002年製作の映画)

5.0

近しい、好ましい、寒い国の映画。
見ていると落ち着く。

乾燥して皺の深くなった肌、ベッドに入る前の足先の冷たさ、淡く透き通ったスープの立てる湯気、等々。
北方の質感、そこにある機微が映し出されている
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

3.5

よみがえる記憶。
小学四、五年生の頃、下校中のアスファルトの上で「小学、中学、高校、大学。こんな日々があと十二、三年も続くのか」と空を仰ぐ。幼心にも平坦な毎日に倦んでいた。
大学四年時の三月も半ばを過
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永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.0

この日この時間に上映しているのがここしかなかったとはいえ、11月の金曜日の夜にわざわざ橋本まで向かう。絵画に興味はあるけれど…。いったい何に突き動かされたというのか…。
と思っていたら、映画との重なり
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残された者-北の極地-(2018年製作の映画)

3.0

とにかくマッツ・ミケルセンがかわいそうな目に遭う映画。
あまりに不憫で健気なのをただ見ていることしかできないので、観客は趣味の悪い金持ちの遊びに興じているようなよく分からない心境になってくる。

本当
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.5

俳優の周りをカメラが回り出すや、行先にやや懸念が浮かぶ。実際、かなり忙しないパッセージで事が運ばれる。しかし、上辺を滑るだけには終始せず、その運動自体が原作小説とはまた違った意味合いを生んでいた。>>続きを読む

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)

4.0

滔々たる滝の流れは徐々に白濁し、不穏な気配が漂う。一転、目に眩しい雪の白。盆の魚を少女の手が雪ぐ。

イメージは支配の下にない。白一つとっても豊饒さをはらむ。遥か古から多数の民族や文明に踏み入られてき
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ウィンターズ・ボーン(2010年製作の映画)

3.0

「普通に面白そうだけれど、どうして借りたんだっけ?」と思っていたら、途中で狩ったリスを調理するシーンがあった。絶対ここだ〜。

北海道に帰ったら、鹿肉が食べたい。



やっと観られたTSUTAYA
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ひかりのまち(1999年製作の映画)

3.5

毎日を過ごしていて、身の裂かれるようなさみしさなんてそうあるものではないけれど、「そんなものだよな」と微笑んですぐに生活へと戻っていく、そういうさみしさは数えてみればきっとそれなりにあるのではなかろう>>続きを読む

SR サイタマノラッパー(2008年製作の映画)

3.5

全編がほぼフィックスの長回しで進むので、内容も相俟ってホームビデオ的な緩さがあった。

千夏がプレーヤーとヘッドホンごとCDを受け取る場面がよい。「いらねえ」の感情がほとんどなのにもかかわらず、出立の
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さらば青春の光(1979年製作の映画)

3.5

モッズとロッカーズに分かれてイザコザ、何やら楽しそうだ。
要素盛りだくさんの青春映画だった。

揃いのコートを羽織った若者たちの集団はイナゴあるいは蜂の子を思わせる。
パーティーの一室、窓の外の街灯が
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鉄男 II BODY HAMMER(1992年製作の映画)

3.0

日常の生活空間で展開する前半が出色。ショットというショット、どれも驚くほど構図がキマっている。
傾斜した垂直線に球体。高層ビルに人間の頭部。写真的な画が続く。都市の青、橙。空気の質感を湛える色合い。
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鉄男 THE BULLET MAN(2009年製作の映画)

2.5

普通に外国人な顔つきの俳優さんが当たり前に英語を話しているだけなのに、なぜだか笑ってしまう。
ドラゴンボール的な意味でのハリウッド版感。果たして大丈夫だろうか。そんな出だし。

『鉄男』に比べ、わりと
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.0

昔、「ふと自分の顔が新幹線に似ているのではないかと思った男が、その日以来徐々に顔が新幹線へと近付いていく不安に苛まれる」みたいな夢を見たのだったか、想像をして遊んだのだったかを思い出した。
午前3時く
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.0

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞というのと、身の周りでやけに評判が悪いのとで気になって、ミーハー心で映画館へ。
上映前の予告番組で劇団ひとりが「予備知識がなくても大丈夫」と言っていたので、本作品にてア
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

5.0

はああ、ちょう楽しかった!!!

チャプター2の最後で「これは風呂敷広げすぎちゃったんじゃないか?」と思って正直そこまで期待していなかったんだけれど、さすがジョン・ウィック様々だった。次回作も楽しみ。
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グリズリーマン(2005年製作の映画)

3.0

ヘルツォーク先生による、クマ大好きおじさんのドキュメンタリー。
理性と野性、エコロジーなど西洋的知を十分に備えてから観た方がもっと面白くなりそうだった。

中盤のクマずもうが迫力満点。
どういう骨格で
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山猫は眠らない(1993年製作の映画)

3.0

スナイパーって冷静沈着なイメージがあったけれど、そうでもない映画。
生意気な新人、常にイラついている上司。仕事中にじゃれつくな、喧嘩するな〜。
ミラーがベケットを照準に入れて突然“Beautiful.
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劔岳 点の記(2008年製作の映画)

3.0

大自然を映画というスケールの中に収めることの難しさを実感する。
スクリーンや時間の尺という面でもそうだし、自然には本来筋書きがなく、物語とは相反することからも。
そういう面では、台詞の唐突さとオチの説
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

3.0

OLにとっては、人生デトックス映画。
私もおおらかな親戚のおばさんのところで、一か月くらいお世話になりたい。

許すってすごく大事なことよね。
自分が自分の人生をどう生きるかという側面で。

(ぽっと
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JM(1995年製作の映画)

3.7

キアヌとたけしが出ていて、なんだか不思議な感覚。サイバーパンクにガンアクションにと、私の偏愛系映画。

冒頭、スター・ウォーズ的字幕で背景の説明。資本主義の末期、多国籍企業が幅を利かせている時代。“T
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リベリオン(2002年製作の映画)

5.0

最高アンド最高。
ガン=カタのある世界に感謝。



お誕生日記念にお気に入りの映画を観る。

私の好きな映画って、観る欲望と考える欲望を同時に満たしてくれるものだな、という傾向があるけれど、この映
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山猫(1963年製作の映画)

5.0

冒頭の祈祷のシーン、サリーナ公爵という中心にして秩序のもと、跪きそれぞれに位置する家族の人々。ラピスラズリを思わせる公爵の瞳は、その青を波及させる。衣裳の色調を通し、人々に支配を及ぼす。
そう、宇宙。
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

5.0

映画内の二項の対立や距離が、その日はなんだかヴィスコンティと私に符合して、彼の美のあまりの遠さ、厳しさに泣いてしまった。私は人生のうちに、あの岸辺に辿り着くことができるのか…。



わざわざ鴨居く
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.0

宮本が非常階段で両手を突き上げて快哉を叫んだとき、はっとして、また一つ人生の答えを得た気がした。
こんなに自分勝手でいいのか! いや、お前も覚悟を持って全力の自分勝手を見せてみろ!と自分自身に思った。
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルがラテン語だし、あらすじを調べてみるとコンラッドの『闇の奥』が出てくるしで、わくわくしながら観に行ったけれど、こ、これは…!?
一言でいうと、「スペースオペラ・父をたずねて三千里 (どころでは
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

適切すぎるカメラワーク、早朝の“出撃”シーンの力強さ、なにより“フェイクニュース時代”への了見を、映画であることの意義を十分に満たしつつ、しかも高水準の娯楽映画へと落とし込む監督の才覚…!「やばいよや>>続きを読む

狼煙が呼ぶ(2019年製作の映画)

3.5

何年か前、漫画家の先生が車内にナイフを所持していただかで、銃刀法違反で逮捕されたことがあったような。確かに納得はいかない。
けれども法は願いで、その集積。(会社で事業場外労働に関するみなし労働時間制の
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哀戀花火(1993年製作の映画)

3.5

今日は『哀戀花火』を観た いつかどこかで知って、面白そうだなと思った映画 前評判通り、とにかく爆竹爆竹爆竹ゥ!な映画だった

「清朝末期、300年続く老舗商家」「19才で店とすべての財産を相続した、若
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柔道龍虎房(2004年製作の映画)

4.0

紅虎餃子房みたいなタイトルの映画。
いきなり「やれば出来るさ〜」と日本語が聞こえたのでびっくりした。

街中の至る所で突如柔道の組手が始まる。
男たちは柔道で語り合う。JKがみんな麻雀やってる咲かよ。
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偉大なるアンバーソン家の人々(1942年製作の映画)

3.5

冒頭、ナレーションはかつてのアンバーソン家について語るばかりか、当時の風俗の紹介を始める。
富豪の一族が誇った栄華は、今やそんなにも遠くにあるのか。

『ゴダールの映画史』鑑賞時に、本当にあるのかと半
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.5

タランティーノ監督の、60年代後半ハリウッドへの憧憬に溢れた映画。
ブラピが車を走らせた、色とりどりのネオンサインが光る通りは、まるでディズニーランドにいるかのようだった。
愛情をもって作り込まれた賑
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カビリアの夜(1957年製作の映画)

3.5

ファーストショット。
野原を駆けるカビリアがフレームインし、男に抱きつきクルクル回ったかと思えば、今度は手に持ったバッグをぐるんぐるんと振り回して川まで走る、そして突如川に突き落とされ、男はバッグを奪
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海炭市叙景(2010年製作の映画)

3.5

薄暗い曇り空、土の混じった雪。
およそ映画向きではない風景に、やっと幾ばくか映画らしい竹原ピストルの作り笑顔。
普段であれば人は、北国に住む人間はこんな笑い方はしない。相手に腹を探らせる暇があるなら、
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PTU(2003年製作の映画)

3.0

冒頭の一触即発な空気漂う席替えパズルからのクロスカッティング立ち回りは、数の映画なのかなと期待させる繋ぎでよかった。
その方向で言うと、街に散らばった警察やマフィア、果ては自転車少年までもが一本の広東
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