paraさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

para

para

映画(1253)
ドラマ(2)
アニメ(0)

アオサギとツル(1974年製作の映画)

-

祝80歳企画 新文芸坐
短編 その4

分かり合えないアオサギとツルは、まるで分かり合えない女と男。
繊細な絵本の世界。

キツネとウサギ(1973年製作の映画)

-

祝80歳企画 新文芸坐
短編 その3

キツネ=狡賢い。
ウサギは泣いてばかりいたから目が赤いのか?
アニメーションも物語も御伽噺の絵本の世界。

ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

-

祝80歳企画 新文芸坐
短編その2

フレスコ画と細密画を用いたとテロップ入る。
国のために戦いに出向く男と
見送る女と子ども。
聖母マリアを模した姿は何の象徴だったのか。

25日・最初の日(1968年製作の映画)

-

祝80歳企画 新文芸坐
短編 その1

評議会=ソビエト誕生(ロシア革命)を描いたアニメーション。
ショスタコーヴィチの交響曲に乗せて描かれる共産主義賛歌。

平等・解放を喜ぶ人々とレーニンの演説…
>>続きを読む

花椒の味(2019年製作の映画)

3.9

皆、誰かの子どもだった。
実の親、育ての親を問わず。
近すぎて、何でもわかってくれる、わかっているつもりになっているからこそ生じる気持ちのすれ違い。
生きている間に伝えることの大切さは失って初めてわか
>>続きを読む

渚の果てにこの愛を(1969年製作の映画)

3.8

想像していた以上に冒頭からサスペンス。
ねっとりしていそうな話なのに、湿度を感じさせない乾ききったビザール。
狂気の愛が狂気を生み、必然として破綻に向かう。
原題よりもこの邦題のセンスが素晴らしい。

スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.2

言葉にならない感情が押し寄せてきて、心の中が涙でいっぱいになり、、理由の分からない涙が溢れ続ける。
悲しいわけでも辛いわけでもない。共感もなんなら覚えない。
なのに駅に向かう道も涙を堪えながら歩く。
>>続きを読む

三度目の、正直(2021年製作の映画)

-

TIFF コンペティション(ワールド・プレミア)
野原位監督、川村りらさん、出村弘美さんによるティーチイン付き。


うーん。
なんだろうか、この不完全燃焼感。
以下、辛口。

「ハッピーアワー」や
>>続きを読む

リスペクト(2021年製作の映画)

4.2

エンドロールが反則の件。
泣きました。

ジェニファー・ハドソンの歌唱も大変素晴らしかった。
エンドロールは、、あそこでスタオベしたくなったのは自分だけではないはず。(隣の人は小さく手を叩いていた)
>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

-

TIFF ガラ・セレクション

情報量過多で脳がついていかない😆
思わずクスッとしてしまう洗練された笑い。

アニメーションの場面と
静止画に模した微妙に動く人々のところが好き。
モノクロームと絵本の
>>続きを読む

イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

4.0

笑顔で憎めない、いや人を魅了してしまう悪党?に振り回され続ける、、、
人を信じてしまううだつの上がらない優しい映画監督志望の主人公がin the soup(ドツボに嵌る)する、クリスマスシーズンらしい
>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.8

一足早く、TIFF ガラ・セレクションにて。
原作未読。
クリスチャンでないと最後の瞬間までタイトルの意味がわからない。のが辛い。
旧約聖書の詩篇から。
人間が持つ「悪」の権現。

ラストをどう解釈
>>続きを読む

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

4.0

『怒火』
TIFF ガラ・セレクション

ベニー・チェン監督遺作 谷垣健治スタントコーディネーター。
ドニー・イェン×ニコラス・ツェーで送る迫力満点香港警察アクション映画。
ガンアクション、ナイフ、
>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

-

悪名高きグアンタナモ収容所での実話。
bacedでもinspiredでもなく、単にtrue storyと最初に流れる。

製作の中にBBC Filmsが含まれているのも気になった、現在進行形のアメリカ
>>続きを読む

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.2

コロンビアのゲリラ組織を垣間見る。

予告から想像していたものを遥かに超える狂気。
息つく暇もない102分。

因みに万人向けではない。

エンドでランボー役の方が女性の名前だったのを見て、パンフ購入
>>続きを読む

場所はいつも旅先だった(2021年製作の映画)

-

写真と映像は素晴らしい。
時折、ハッとする瞬間もあり、映像としては美しい。

旅先、、ということで、勝手に『世界ふれあい街歩き』(大好き)のような作品と思い鑑賞したのだが…

自分語りの言葉に心を動か
>>続きを読む

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

-

午前十時の映画祭

回想が事実であるのか否か。
ヒリつくバイオレンス。
ケビン・スパイシーの怪演。

スワンソング(2021年製作の映画)

-

第34回東京国際映画祭 ワールド・フォーカス

ウド・キア主演、そして怪演。
思わず吹き出す笑いあり、ほろ苦さありの、老人が過去の蟠りを振り返るロードムービー。
過去に向かう、、ので右から左に歩いてい
>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.5

音楽という魔物に取り憑かれてしまった男たちの狂気合戦(セッション)。

10万分の1秒の音響映画祭。
(音良かったです。予告で流れる『リスペクト』で音の違いを強く感じました。)

好きな映画なのでのめ
>>続きを読む

ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野(2021年製作の映画)

-

豪華俳優陣で送る西部劇。
期間限定劇場公開。

報復…の意味が最後にわかる。

THE DEPTHS(2010年製作の映画)

4.0

濱口竜介監督 2010年作品。

濱口印とも言える俯瞰からの街と電車が走る様が雄弁。
不意に映し出される神懸かり的なショットに唸ってしまう。
ラストが秀逸。
あとは東京の街が朝から夜に変化するほんの数
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.2

part one
壮大な物語の序章。
part twoが今から大変楽しみです。
ポールのシャラメはカリスマ性抜群。

ホドロフスキーの企画が実現されたらどうだったかはわからないが、とてもわかりやすい内
>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

4.3

ボサノヴァの名曲♪ブラジルの水彩画に乗せてお届けするテリー・ギリアム監督、唯一無二の世界観。

管理社会の中で、夢想に耽る男の奇想天外な夢物語。
夢か現か幻か。

SF風タイトルですが、先が全く読め
>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.8

1380年代のフランスで、真実を語るのは誰であるのかを神に問う決闘裁判。

女性が男性の付属でしかない時代。
泣き寝入りするしかなかった陵辱を訴え、名誉と生命を賭けて闘う。

前半はやや冗長だが、第3
>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.2

身じろぎせずに見入った153分。
嘘とまこと。
正しいことが正義なのか?
正しいこととは立場によって異なるのか?
一度世に晒されてしまうと社会に殺されてしまう…
重たいけれど、見応えあり。

劇場を後
>>続きを読む

草の響き(2021年製作の映画)

4.0

まず冒頭が良い。
そして余韻が強く残る作品。

佐藤泰志氏の人生を思うと、繊細な心の揺らぎは体の細胞から絞り出された声のように聞こえた。


東出昌大の心の動きに合わせて変わる表情にも強く心揺さぶられ
>>続きを読む

PITY ある不幸な男(2018年製作の映画)

4.5

万人受けはしないけれど……
超絶好み。
細かなディテールも好き。
何処までも何処までも、果てしなくシニカルでシュールな不条理劇。
自己の不幸を同情される快感を得るために道を外す男の狂気な姿と滑稽な展開
>>続きを読む

カブールのツバメ(2019年製作の映画)

3.8

配給会社が買い付けていないため劇場公開が難しい中、
アフガニスタンの現況を憂いて、、一部劇場での緊急特別上映。

黒い服を纏い空を飛ぶツバメはタリバン政権下の女性の暗喩。

1998年タリバンに占領さ
>>続きを読む

夢のアンデス(2019年製作の映画)

-

チリの暗黒時代を描き続けるパトリシオ・グスマン監督の新作。
光の扱いが美しく好きな映像作家。

『光のノスタルジア』、『真珠のボタン』と構成はほぼ同じ。
美しい自然の映像美と
対比するような1973年
>>続きを読む

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

-

ルーマニアにある「コレクティブ」というライブハウスで起きた火災事故を発端に腐敗政治が暴かれて…というドキュメンタリー。

先ずこの火災事故のスマホ撮影と思われる映像が恐怖。このスマホ所有者は生存してい
>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.8

James Bond will return.

のっけから期待値MAX過ぎて感極まってしまいそうになり、、
最後まで肩に力が入りまくり。

2020.4.10と記載されたムビチケを1年8ヶ月くらい持
>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.0

キューバ危機の最中、核戦争を回避するためにその水面下で行われていた国家機密を巡るやりとり。
スリリングな展開にハラハラしながら、
脚色ありとしても現実にあった話なので…
自分が当事者なら持ち堪えること
>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.0

苦 怒 苛 憤 辛 …
人間が持つ負の感情。
その感情が生み出すこれ以上ない程の心の痛み、そして罪。

抱える心の空白を、
誰かの言葉や存在により直視し埋めていく。
地獄の中の仏。 
埋めることが出来
>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.8

写真家ユージン・スミスの生き様を通して描かれる水俣の公害。
(映画はところどころ史実とは少し異なる。)

重く響いたのは、彼が実際に遺した写真と
エンドロールで流れる文章と写真。
日本政府に対する痛烈
>>続きを読む

スイング・ステート(2020年製作の映画)

4.2

PLAN B製作。

いやぁ〜面白かった。結構クスッと笑いました。
予告を観る機会なく、どなたのレビューも拝見せず、
スティーヴ・カレル主演のアメリカ選挙映画というだけの前情報。

選挙と金と、、、、
>>続きを読む

トムボーイ(2011年製作の映画)

3.7

セリーヌ・シアマ監督。
劇伴は一曲。ワンシーンのみ。
性自認の芽生えを音楽に頼らずにセリフと表情だけで瑞々しくも痛みの伴う描き方。

仕方がないとはいえ酷な母親の行動。
それはこの先に待ち受けている
>>続きを読む