さっさんの映画レビュー・感想・評価 - 65ページ目

魚影の群れ(1983年製作の映画)

4.5

相米版JAWS

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壮絶なマグロの一本釣り漁。俊一の頭にテグスが絡み付き鮮血が吹き出す場面が怖すぎ。その彼を放り出して、吸い寄せられるようにマグロと一人格闘を始める緒形拳もいろんな意味ですごい。房
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プルガサリ 伝説の大怪獣(1985年製作の映画)

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『大魔神』のオマージュ、くらいに考えてたらそれ以上。展開するのはまったくの農民戦争。しかも朝廷倒して終わらないまさかの結末。ここら辺は民間伝承、奇譚の味わい

プルガサリの存在もユニークで目を引く。人
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ビルとテッドの地獄旅行(1991年製作の映画)

3.8

コンビから滲み出るアホさ(笑)。二人が灰色(霊)になって出てきたのが個人的にツボ。死神のポンコツぶり。ずーっと能天気で良い

それでも独特な27世紀のインテリアやファッション(安っぽいが遠目には意外と
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死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

4.0

サスペンスすごい。スヴォボダとマーシャたちがギリギリのところでゲシュタポの上手をとってその捜査をかわし続けるのが絶妙。彼女の婚約者の存在も絡み、エンタメ性充分。それでも結局ノヴォトニーは救えない……>>続きを読む

駅馬車(1939年製作の映画)

4.5

乾燥湖での駅馬車とアパッチ軍団との大追跡戦がヤバい。アパッチは皆ほとんど喋らず、全速力で馬を駆りながら弓や銃を放つ。ただ者ではない感がしてカッコいい。描き方が差別的なのは確かだが……

駅馬車に乗り合
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戦国自衛隊(1979年製作の映画)

1.0

タイムスリップした自衛官が殺人鬼と強姦魔と理性のカケラも感じられない、補給のことすら頭にないクソばっかりという、正気とは思えないシチュエーション。どういう意図で自衛隊を描こうとしたんだろう?批判にせよ>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.1

めちゃくちゃな罵詈雑言に満ちた海兵隊員養成訓練は淡々と続く。ふつうの理性や常識の類は破壊され、繰り返される銃を掲げたり担いだりの単調な動作がまさに機械の印象

戦場のスケールの大きさがすごい。市街戦が
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盲獣(1969年製作の映画)

4.1

アトリエ内の美術もすごいけど、暗く薄汚い倉庫の内装も嫌悪感を抱かせて良い

盲目でマザコンの変態という船越英二が……。アキの肌を撫で回す手つきが超きもい

登場人物が3人限定で、その閉鎖性に息が詰まり
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ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)

4.2

思考は保持しているにもかかわらず、外界との交流の術を持たない肉塊と化したジョーが、それでもなお僅かな身体能力を駆使して、昼と夜の別を知り、日付を知り、他者と会話しようとする姿に胸を打たれる。だが……彼>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

4.2

うーむ、一見しただけではストーリーはなかなか理解できないが……澄んだ印象の映像がノスタルジック。謎の効果音の中で超常的な世界へ次第に足を踏み入れていく

放蕩家の中砂はともかく、青地の有閑ぶりがちょっ
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劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え! 星の戦士たち(2005年製作の映画)

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海底軍艦マーチに感激。カッコいいドッグからの浮上・出撃シーンをはじめ、初めて砲塔からの砲撃が見られるなど轟天号フィーチャーが嬉しい。川北による、『ゴジラ FINAL WARS』の勝手なリベンジ(笑)>>続きを読む

The FEAST/ザ・フィースト(2005年製作の映画)

2.9

キモい。キモい

襲撃シーンとかで怪物やアクションの全体像がすげー不鮮明なのは、当事者の緊張による視野の狭まりの再現とか低予算の補完の狙いがあるのだろうが、それでも大体何が起こってるのか伝わるのは地味
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Wの悲劇(1984年製作の映画)

3.4

薬師丸ひろ子と三田佳子は本当にすごいけど、諸々の価値観がやっぱり古くてつらい

森口が刺されて全然平気なのはどうよ。かおり可哀想……

なかなか盛りだくさんの内容で飽きない。堂原は死体でのみ登場すると
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.5

ヴィトーがチッチオの腹から胸をかっさばいて復讐を遂げる手際の鮮やかさ!彼の最初の殺人となったファヌッチ殺しからして恐るべき暗殺者の如き犯行

一方、あれから8年、マイケルは「敵」とみなした者ーたとえそ
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ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)

4.0

これだけ酷い、どうにもならない現実が描かれる中、窮地を何度も脱してダイヤと息子を取り戻すアーチャーとソロモンのヒロイックな活躍ぶりにはやや違和感があったが……観る者、特にシエラレオネの人々にせめて少し>>続きを読む

ああ爆弾(1964年製作の映画)

3.6

「刑法第二〇五條~~」舞台のように広い監獄で狂言やるアヴァンから独特だがおもしろい。伊藤雄之助のあの喋り方もあってかなり台詞は聞き取りづらいが……

大名と太郎が矢東に一泡吹かせるところが見たかったな
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.1

失敗やら濡れ衣やらで何度も警察に捕まりさらに逃亡するチャップリン。発狂するわ覚醒剤は飲んじゃうわ、笑っちゃうけど思ったよりハード。諷刺の痛烈さは言わずもがなだがラストも実際かなり悲惨

工場のセットは
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モスラ3 キングギドラ来襲(1998年製作の映画)

1.3

ずっとモタモタしてる演出もあれだが脚本が壊滅状態に思われる……

特撮も、無論工夫が凝らされているのはわかるのだが、見所に乏しくて辛い。都市破壊や恐竜が……ショボい……

白亜紀型キングギドラの造型や
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.2

「スコットランド最悪のトイレ」ヒエ~ッ

レントンが禁断症状に見舞われる場面はどうやって撮ったのかわかんねえ……この辺から映像的にもストーリー的にもぐるぐる度合いがさらに加速。ほんの小さなきっかけでこ
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

5.0

全編ほぼずっと団地の一室を盗撮したような映像が続く

前田家は狡猾で厚顔無恥そのもの、なのだがあまりにあけすけに、べらべらと自分の行状やら計画やら社会批評(?)やらを語らう、そのやりとりがもう最高
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

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ムード優先に感じられてちょっとついていきづらかった。夜の街の光が滲む映像はきれいだったけど……

無学で常識にも欠けるが、ニューヨークの街に苛立ち何か大きなことを成し遂げたいと考える不眠症の元海兵隊員
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殺人地帯U・S・A(1961年製作の映画)

3.7

まどろっこしいトリーの復讐の計略がひたすら進められていく展開に引き付けられる。嘘と裏切りが重なっていく様もスリリング。人物配置も巧い。演出も緊張感があって良い。オーバーラップが多いのがちょっとテンポ悪>>続きを読む

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

4.2

ビジュアル的にも倫理的にもここまでつきつめた表現を延々展開しておきながらこのオチは……せっかくの2時間を自ら放棄するなんて

キリストの姿をした盗賊、顔を覆う虫、'CONQUEST OF MEXICO
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.4

エニグマ解読プロジェクトと「クリストファー」=コンピューター開発、天才の孤独、同性愛、女性の闘い、スパイ、秘密、「普通」でないこと、神の視座に立つこと。いくつもの問題が層をなし絡み合い同調する。よく映>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなにみんなで笑える映画はなかなかない。そういう場の空気というか一体感がちょっと苦手ではあったが……それがフィーバーってもんなんだろうな。別に悪いことではない

よくまとめたな~という感じ。入れ子構
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

3.7

タイムスリップでやるべきネタをちゃんとやりきった感じ。お気楽なSFも良し

ジョージの身のこなしがおかしい笑

ロレインも可愛らしい。マーティ、ジョージ、ビフの間でモノのように扱われてる感はあるが
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

4.5

この騒々しさ。カラフルで幻想的な、訳のわからない、ごっちゃごちゃな映像。人をからかったような表現とでも言えばいいのか

可憐な少女たち。夢と現実が交錯する魔境。ジュブナイルな人体損壊(?)

マックの
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東京湾炎上(1975年製作の映画)

3.7

夏だ!爆発!大爆発‼

登場するのは藤岡弘に海の男たちに黒人ゲリラに政府のジジイどもに……となんとも暑苦しい。モワモワベトベト汗まみれ

しかしその分ゲリラ=POFFDORとのガチの闘いが見られて良い
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続人間革命(1976年製作の映画)

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「バイ菌みたいな信心を振り撒く奴らめ!」岸田森。学会員にハヤタとダン。志村喬が丹波の宗教活動を叱る!10代の大竹しのぶもいる

「広宣流布」にガツガツする丹波が怖い。そこらへん遠慮して描かないのね。戸
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人間革命(1973年製作の映画)

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丹波丹波丹波……がブツブツ言ったり呻いたり説教したり。これだけゴリ押しでも魅する丹波の力量は流石だけど

後半は完全に布教モード。助けて……

日蓮の仲代達矢が雪舞う佐渡島で荒れる日本海に向き合うとこ
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さよならジュピター(1984年製作の映画)

1.6

いいところ
・火星極冠融解シーン
・ジェイド3の木星大気圏突入シーン
・ジュピターゴーストの一連の描写

JS計画vsジュピター教団、ジュピターゴーストの謎、ブラックホール危機からの木星爆破、が絡む複
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零戦燃ゆ(1984年製作の映画)

2.2

目まぐるしい宙返りを繰り返すドッグファイトとか『大空のサムライ』からさらに進歩したオープン撮影のラジコン機(人物と実際に組み合わせたショットが絶妙)とかB29空中爆発ショットがすごい

本編は野暮でつ
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地震列島(1980年製作の映画)

3.2

マンション破壊と銀座線赤坂見附駅付近のトンネル・車輌を飲み込む濁流の描写は本編・特撮とも緻密でネチネチ。マンションはアオリの画が良い

大滝秀治が乗ったジャンボ機が羽田で着陸に失敗して爆発しちゃうシー
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連合艦隊(1981年製作の映画)

3.7

この空気の密度、水の重さ、爆発の巨大さ・荘厳さ。中野特撮の極致

大和が岬の陰から赤黒い空を背にその巨体を現す場面といい、沖縄特攻で猛爆撃に曝され、火柱、黒煙、水飛沫、うじゃうじゃ飛び回る航空機、そし
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