sonozyさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

ディスタント・ファザー(2014年製作の映画)

3.5

この短編は、フー・ボー(胡波)は脚本担当で、監督はFan Chao(范超)です。
奇妙な2人の男の物語。

10歳の頃、父とタトゥーショップに行き、ドラゴンを彫って欲しいとお願いしたが出来なかったと話
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Man in the well(2017年製作の映画)

3.0

3冊の小説、4本の短編映画、そして初長編映画『象は静かに眠っている』の完成直後、29歳の若さで自ら命を絶ってしまった中国のフー・ボー(胡波 Hu Bo)監督の短編(白黒 約15分)。

中国の若い映画
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

3.5

29歳のフー・ボー監督の長編デビュー作にして遺作となってしまった作品。自身の短編小説の映画化。
ベルリン国際映画祭: 批評家連盟賞、最優秀新人監督賞
金馬奨: 観客賞、作品賞、脚色賞 ほか

町も人も
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マチルダ・ザ・ミュージカル(2022年製作の映画)

3.0

『マチルダ(1996)』で映画化されたロアルド・ダールの児童文学『マチルダは小さな大天才(Matilda)』のミュージカル版の映画化。

アホな毒親と、虐待女校長トランチブル独裁状態の小学校という劣悪
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離ればなれになっても(2020年製作の映画)

3.5

1982年のローマ。16歳の頃、ジュリオとパオロは暴動に巻き込まれ銃で撃たれたリッカルドを助ける。
同級生のジェンマと恋に落ちるパオロ、4人はかけがえのない関係となり青春を謳歌する。
まさにタイトル『
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

4.0

『凱里ブルース』『ロングデイズ・ジャーニー』の中国のビー・ガン監督の短編。

友達も家も生きる目的もないという奇妙な黒猫がある日カカシに出会う。
自由の身になりたいから火をつけてくれと頼まれた黒猫は、
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エッフェル塔~創造者の愛~(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランス革命100周年を記念してパリでの開催が決まった、1889年の第4回万博。
フランスの募金で贈呈されたNYの「自由の女神」の構造設計で高い評価を得て「鉄の魔術師」と呼ばれたエッフェル社の代表ギュ
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メルビンとハワード(1980年製作の映画)

4.0

ネバダ州の砂漠で一人バイクを飛ばし楽しむ男ハワード・ヒューズ(ジェイソン・ロバーズ ※ジャケ写右)が、ジャンプの着地に失敗し怪我をし、その夜、たまたま彼を発見したメルヴィン・ダマー(ポール・ル・マット>>続きを読む

バルド、偽りの記録と一握りの真実(2022年製作の映画)

3.0

主人公はメキシコ出身でLA拠点に活動する成功したジャーナリスト/映画製作者シルヴェリオ(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督自身を投影)。

オープニングの砂漠での心象的な浮遊映像、3人目の子と
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フィンランドのユホ・クオスマネン監督作。
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』に次ぐ2作目にして、カンヌ・グランプリを始め世界で17冠を獲得したという作品。

考古学/言語学の研究のためフィンランドから
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

北アイルランドに暮らすシングルファーザーのジョンと4歳の息子マイケルの物語。

ジョンは窓拭き職人。最愛の息子マイケルを日中はシッターや知人の家で面倒を見てもらっている。

寝る前の絵本の読み聞かせや
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スティーヴン・スピルバーグの少年時代の半自伝的作品。
エンジニアの父バート(ポール・ダノ)と、ピアニストの母ミッツィ(ミシェル・ウィリアムズ)、3人の妹(レジー、ナタリー、リサ)のフェイブルマン一家の
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.0

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の続編。
これも面白かった!

ある危険なテクノロジーを開発する「アルファ」のCEO・億万長者のマイルズ(エドワード・ノートン)から、不思議な小包を受け取る4
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.5

裕福な犯罪小説家ハーラン(クリストファー・プラマー)の85歳の誕生日、邸宅に集まる一族。
パーティーの翌朝、ハーランは喉が切られた状態で死んでいた。
自殺とする警察だが、匿名の依頼を受けた私立探偵ブノ
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『エスター(2009)』の前日譚となる本作。
『エスター』のケイトとジョンの養子となる前、エストニアでの話。

『エスター』でも出てきますが本名はリーナ。
精神病院におり非常に危険な患者だったこと、あ
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エスター(2009年製作の映画)

4.0

以前からジャケ写が気になっていた本作をやっと。
3人目の子供を流産した喪失感が癒えることのない夫妻が、孤児院から養子として引き取った9歳の少女エスターが巻き起こす惨劇。
原題は『Orphan(孤児)』
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フラッグ・デイ 父を想う日(2021年製作の映画)

2.0

原作はジャーナリストのジェニファー・ヴォーゲルの回顧録で、昔から散々やらかした父親ジョン・ヴォーゲルが最後はアメリカ最大級の贋札事件(精巧な偽札を2200万ドルも印刷した)の犯人となってしまうお話。>>続きを読む

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

4.0

永子と誠一の結婚式当日のお話。

昨夜飲み過ぎてなかなか起きない誠一と永子のやり取り。この冒頭から、これ結婚式当日?という微妙な空気感。

早めに家を出る永子。
ギリギリまで寝てしまいダッシュで出かけ
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.5

『アメリカン・ハッスル』他のデヴィッド・O・ラッセル監督作。
1918年、第一次世界大戦末期、フランスに駐留していた医師バート(クリスチャン・ベール)と兵士のハロルド(ジョン・デヴィッド・ワシントン)
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

インドのパン・ナリン監督の半自伝的な物語。
原題『Last Film Show』
監督の故郷インド北西部グジャラート州の小さな村チャララをロケ地に、俳優もグジャラート州出身者で固めたという作品。

9
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督作。
本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島、イニシェリン島。
中年の主人公パードリック(コリン・ファレル)は妹シボーン(ケリー・コンドン)
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死刑台のメロディ(1971年製作の映画)

4.0

『Ennio(モリコーネ 映画が恋した音楽家)』にも登場する本作。
1920年の人種差別と思想的偏見によるアメリカでの冤罪事件「サッコとヴァンゼッティ事件」の映画化。
原題は『Sacco and Va
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.0

2020年7月に91歳で逝去された巨匠エンニオ・モリコーネ。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督による5年以上にわたる密着取材でその生前の姿を捉えた貴重なドキュメンタリー。原題はシンプルに『Ennio』。
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

映画プロダクション「ミラマックス」を創立・成功させたハーヴェイ・ワインスタインが、1990年代から社内女性スタッフや自社作品に出演する女優、女優志願者などに繰り返していた虐待・性暴力、その脅迫と示談に>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の主席指揮者/作曲家のLydia Tár/リディア・ター(という架空の人物)をケイト・ブランシェットが演じたトッド・フィールド監督作。

リディアはレズビアンのパート
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督作。
“人喰い”(本作内では“Eater”)という宿命を背負った2人を、テイラー・ラッセルとティモシー・シャラメが演じます。

父と二人で暮らす18歳の
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スマイル(2022年製作の映画)

3.5

パーカー・フィンという監督による短編ホラー『Loura Hasn’t Sleep』をベースにした初長編作。

主人公は精神科医のローズ(ソジー・ベーコン)。
病院の机でうたた寝し、10歳の頃の母親の死
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

5.0

ギャスパー・ノエ監督作。
パリのアパートに長年暮らす老夫婦が、花に囲まれた小さなベランダでワインを楽しむ幸せそうなシーンから、フランソワーズ・アルディ『Mon Amie la Rose(バラのほほえみ
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

5.0

ギレルモ・デル・トロ&マーク・グスタフソン共同監督による、ストップモーションアニメによるピノッキオ。

第一次大戦中のイタリア。空爆で最愛の息子カルロを失ったゼペットじいさんは、何年もの間、その喪失感
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Black Girl(英題)(1966年製作の映画)

4.0

裕福な白人家族のアパートで住み込みで働くため、ダカール(セネガル)からフランスにやってきたBlack Girl、Diouanaの物語。

船でフランスにやってきた(ジャケ写通り)オシャレなDiouan
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Looks That Kill(原題)(2020年製作の映画)

3.5

主人公は両親と暮らす16歳のマックス(ブランドン・フリン)。
目と口以外の頭部に包帯を巻き、サングラスにキャップ姿で過ごす彼。
彼の顔を見た人は目の色を変え、苦しむこともなくその場で倒れ死んでしまうと
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あるメイドの密かな欲望(2015年製作の映画)

3.5

ジャン・ルノワール監督やルイス・ブニュエル監督が映画化したオクターヴ・ミルボーの小説「小間使の日記」。
本作は、ダルデンヌ兄弟らのプロデュース、ブノワ・ジャコー監督、レア・セドゥ主演。
ブルジョワの生
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アヴァ(2017年製作の映画)

3.0

『午前4時にパリの夜は明ける(ミカエル・アース)』で、ホームレスの少女タルラを演じたノエ・アヴィタが主演のジャケ写が印象的な本作。

海辺で母モード(ロール・カラミー)とビーチでヴァカンスを過ごす13
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ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)

3.0

クリスマス〜新年に向けホリデームードに満ち溢れた高級ホテル「エムロス」が舞台の、韓国版『ラブ・アクチュアリー』的なアンサンブル・ラブコメ。

●何年も告白出来なかった、バンド仲間の男友達スンヒョ(キム
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

5.0

10年おきに英国で発表される“史上最高の映画TOP100”(Top 100 Greatest Films of All Time)を見ていて、未見の8位の本作を。
久々のデヴィッド・リンチ先生の脳内カ
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『サマーフィーリング』『アマンダと僕』のミカエル・アース監督の新作。
時代は、1981年 ミッテラン大統領就任で改革への希望に溢れるパリ。

夫が女と暮らし始め、結婚生活が終わり、不眠症気味のエリザベ
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