くりふさんの映画レビュー・感想・評価 - 49ページ目

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.5

【冬のレザボア・ドッグス】

元が70mm撮影の大長編で、日本ではその通り公開されぬと聞き、何となく行く気が起きぬまま劇場公開は逃し、DVDレンタルにて軽ーい感じでチェックした。

タラちゃんの新境地
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スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(1983年製作の映画)

3.0

【人喰いテディベアとお家騒動】

私はこれで、SWをやめました。

過去2作のヒットを受け、恐らく更に贅沢な制作体制で臨まれたのでしょうが…当時の映像製品とすれば質は高いのでしょうが、楽しくない、ワク
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007/リビング・デイライツ(1987年製作の映画)

4.0

【ボンド15/怒りのアフガン】

個人的(当時)新春企画。

旧いDVDが出てきたので久しぶりにみ始めたら、こんなにわかり易い話しだっけ、とスッキリ一気見してしまった。

確か、社会人になって初めて、
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ボンベイ・ベルベット(2015年製作の映画)

3.5

【ボンベイ・バビロン】

「IFFJ2016@キネカ大森」での上映にて。

(当時)昨年のIFFJ上映時、作品紹介には「本当の主人公はボンベイの街。そう思わせるほど本作での1960年代ボンベイの風景、
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スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年製作の映画)

4.0

【アイラブユー、の後に刻まれる影】

前作を、アイデアは素晴しいが仕上がりは歪、と感じた私にとって、仕上がりに美しさまで感じられた本作が、シリーズ中一番好きです。

ラストがつづく、になってしまうのが
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ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

3.0

【モザイクなし!うれしくもなし!】

これを(当時)個人的正月映画にしようと思ったが、事情ありチョー寝不足で臨んでしまった。

眠気吹き飛ぶ激笑モノを期待したがそこまでには至らず。けっこう寝落ちしたら
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一人っ子の国(2019年製作の映画)

4.0

【赤信号みんなで渡れと国が言う】

以前から気になっていた2019年のドキュメンタリー。アマプラにて。

日本未公開が勿体ない、強烈な記録でした。娯楽映画はどうでもよいですが、よいドキュメンタリーは、
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

3.5

【勧善懲悪という名の花火を上げる】

今や伝説と化してしまった第一作目。日本公開は、確か20世紀FOXの戦略でアメリカ公開から一年遅くなりました。その間、情報を与え煽って、観客をお預け状態にしたのです
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ミルピエ パリ・オペラ座に挑んだ男(2015年製作の映画)

3.5

【「国歌斉唱も振り付けるかい?」】

ミルピエより、個人的に注目しているオペラ座の新プルミエール、レオノール・ボラックが見たかったので行きました。

が、映画の肝…1人のクリエイターが、ひとつの作品を
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光りの墓(2015年製作の映画)

4.0

【眠るクーデターと、河なき彼岸】

気にしていた監督、まとめて一気にみたいと思いつつ機会合わず、イメフォ特集上映でこの(当時)最新作だけ年内に抑えた。

当たり。2時間という尺には疑問もあるが、新しい
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悪党に粛清を(2014年製作の映画)

4.0

【オイリーアメリカ】

キネ旬シアターの上映で。硬質の美しさが大画面に映え、劇場でみてよかった。

シンプルな憤怒をめぐるウェスタンですが、デンマークという他者から見たアメリカを描きますね。住みたくね
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ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)

2.5

【ビッチな人魚の尻悩み】

これは劇場公開時、スカジョさんがエスター・ウィリアムズもどきを演じるという興味だけで行きましたが、退屈だったので投稿忘れていました。

『トランボ』公開後の関連興味から一応
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シアター・プノンペン(2014年製作の映画)

3.0

【志高くも息が続かず】

劇場のスクリーンでみたかったが機会合わず、ようやく新文芸坐の上映にて。自分には珍しきカンボジア映画。題材もよく、いい物語で、みた甲斐はありました。

が、作劇が拙くて正直、途
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.0

【誰もが、すずさんである】

できることを丁寧に積み上げた映画、でした。

熱狂や号泣ではなく、静かに受け止めたい。特別視や神格化で額に飾るのもイヤだな。

まず映画をみる前に出会った、こうの史代さん
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ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

3.5

【映画を読み取る力、を取り戻すために】

「ヒッチコック/トリュフォー」という冠ですが、かの歴史的書物の映画化というより、出版後の波及がより語られますね。キャッチコピー「10名の監督たちが語るヒッチコ
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バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

3.0

【老後の国のアリス】

このシリーズはエクスプロイテーションだと割り切ったらけっこう楽しめるようになり、今回もロジャー・コーマン映画でもみる感覚で、ポップコーン頬張りながら頭カラにして面白がろう…と思
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

3.0

【の・ようなもの】

私の心のSWはep5で終わっていますが、ep4の前日譚である本作なら、あの高揚感が蘇るかも?と小さじ一杯の期待を持ち行きました。…結果は、似て非なるものでした。

が、現代にSW
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

4.0

【ブラインド・フューリーの家】

じつに不快になれる快作!盗みに入った家の主が、ゲゲゲな秘密を抱える座頭市だったら?…的プロットで、逃げられぬ88分を一気にみせる。息するな言うが息継ぎ忘れる。

現代
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

2.5

【リリーの皮だけ】

劇場でみた時は首を傾げた。

その後映画公開に合わせ、荒俣宏さんが『女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」』を著したと知り読んでみた。…これが面白い!この不思議な夫婦をかなり
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

2.5

【一足先に正月映画気分…にさせられた。】

ハリポタファンではないが、大人向けとの情報もあり少し興味湧き、シネコン無料券で。いや失敗。凡庸で愚鈍。このボンヤリ映画は正月にみるべきだった。

後から知っ
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

3.0

【サカナ系腐女子の腐海】

これ、要はショタコン腐女子の暗い妄想ですね。

私はその外にいるので7割ほどは退屈だった。が、やりたいことは明確だし、映像での妄想力はしっかりしている。

「裸の美少年と、
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スタークラッシュ(1978年製作の映画)

4.0

【ステラ・スターの玩具的冒険】

暫く前、スティングレイから出た超・特別版Blu-rayをさほど迷わず購入。やー盛り盛り。公開バージョン違いの他、映像特典3時間以上あって、音声解説含め、忙しき身で制覇
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PK(2014年製作の映画)

3.5

【PK phone god.】

「したコメ」での上映に行けず、最近ようやく。

日本ではNEXT『きっと、うまくいく』のように宣伝されていますが、比べると大分スッキリ味ですね。小ネタを数珠つなぎする
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恋物語(2015年製作の映画)

3.5

【コリアン女子カップルの恋煩い】

東京FILMeX2016にて。

美大生と、飲食店員の女子同士の、きわめて自然なラブストーリー。本作の魅力はその自然さ、につきますね。

同性愛を描いていますが、『
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バーニング・バード(2016年製作の映画)

3.0

【銃後の母地獄】

東京FILMeX2016にて。

作中からはわかりませんでしたが、舞台は1989年とのこと。内戦中のスリランカの村で、父を民兵に拉致され、残された家族たち…子供8人と姑を抱える母・
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ガール・オン・ザ・トレイン(2016年製作の映画)

4.0

【愚かの環】

原作は未読。エミリー・ブラント×レベッカ・ファーガソン×テイト・テイラー監督…なら拾い物かと期待したら、なかなか充実しておりました。

後から知ったが脚本も、大好きな『セクレタリー』『
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スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)

2.5

【宇宙、それは人類に残された最後の喧嘩場である。】

トレッキーじゃないがまあ好きで、リブート版も毎回みてきたが…離れる潮時かなあ。もはや退屈。新しさも驚きもない。

まず初航海3年目で船降りたいって
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ブルカの中の口紅(2016年製作の映画)

3.5

【ルージュのあとさき】

東京国際映画祭の上映にて。他にもみたいもの幾つかありましたが、予定が合ってみられたのはこれ一本でした。

個人的印象を一言でいうと、薄味のアルモドバル。

築115年!?のア
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ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

4.0

【団地管理人はタミルの虎】

キネ旬シアターの上映にて。はじめ食指動かなかったのですが、スリランカの反政府武装組織LTTE(タミル・タイガー)の話だと知り興味がわき、みました。

以前、LTTEによる
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.0

【華とアリス】

キネ旬シアターの上映にて。面白かった!岩井映画を再び、そう感じられる日が来るとは。

やはりこの人は少女の追っ駆け屋で、今回は大人視点でそれを描いたことがよかったかと思いました。
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虹蛇と眠る女(2015年製作の映画)

3.0

【荒野のヤリマン】

DVDで。ニコマンさんは好きで、久しぶりに母国映画に出るというのでみてみた。ヌードも売りにしていますが、以前からよく脱いでいるから有難味は薄し。

で、すごく面白い部分があるのに
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偉大なるマルグリット(2015年製作の映画)

3.0

【裸の女王様】

DVDで。仕立てはしっかりした映画だが、心は動かなかった。ヒロインのマルグリットさんに対して、ずいぶん冷ややかな映画なんですね。

後でモデルになったフローレンス・フォスター・ジェン
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プルガサリ 伝説の大怪獣(1985年製作の映画)

3.5

【喜び組大活躍】

先日みたドキュメンタリー『将軍様、あなたのために映画を撮ります』に本作が登場し、80年代当時の制作背景を知り興味がわいたので、レンタルしてみました。

将軍様が自ら製作を手掛けたそ
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カプール家の家族写真(2016年製作の映画)

3.5

【クヌールの逆噴射家族】

IFFJ2016にて。死んだふりとアダルト映画が大好きなお爺ちゃんが、ホントに心臓発作で倒れてしまい、英米に散っていた息子二人がクヌールの実家に帰郷する。で、巻き起こる笑い
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ファン(2016年製作の映画)

3.0

【インナー・カーン】

IFFJ2016にて。King of Bollywood主演、本年度IFFJ最大の目玉で超大作…みたいな予測してたらゼンゼン違った(笑)。これ、小粒な偏愛映画ですね。

ファン
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ニールジャー(2016年製作の映画)

4.0

【22歳女子vsパレスチナの狂犬】

IFFJ2016にて。今年は3本みられ、本作が一番よかった。1986年、パキスタンのカラチで実際に起きたハイジャック事件を描く、求心力溢れるスリラー。

なのに歌
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