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マカロニ・ウエスタン、つまりそれは正統派なウエスタンではないのだというのを思い知らされる作品。イタリア語を皆が話しているのに舞台はメキシコで、時折女性が英語の歌を歌ったりして国際色豊か(今作品に限っ>>続きを読む
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沖縄映画祭で鑑賞。ある17歳の叫び。大江健三郎の「性的人間」(未読)を引用しつつ、物語は時系列を乱しながら進んでいく。短編だが非常に挑戦的な作品。
初っ端の演技の迫力がすごい。真に迫っていたが、>>続きを読む
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沖縄映画祭にて鑑賞。監督のカルト映画好きっぷりが随所に伺えた作品でした。非常にキモい(褒め言葉)作品です。タイトルの読みは「たんがたけ」でした。
まず自分の精子を卵に注射して入れる衝撃のオープニ>>続きを読む
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またもやドリーミーで、よりファンタジック!「月世界旅行」的な幻想世界と、「天井桟敷の人々」のあの道化のような人物という、映画への愛も垣間見える今作品は、月や幻燈という投射する/されるという映画の構造>>続きを読む
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ケネス・アンガー!好き!ほんとこのキッチュで脆くて、それでいて確固とした世界観に惚れる惚れる。ドリーミーな音楽と隙間だらけの内容が想像を膨らます。またこの女性の存在自体が非常に惹きつけられる魅力があ>>続きを読む
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鬼畜キートンが行く。今作品のキートンはかなり特異な存在で、いつものような無表情とアクロバティックな身体性がない。代わりに、むき出しの感情とゲスすぎる性格を備えて登場する。それゆえに他の作品よりも評価>>続きを読む
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映像がいくつか紛失し、肝心な白昼夢シーンが大幅に無かった。結婚をかけて都会へ出向き働く。彼女に宛てた手紙の理想のシーンと実際のキートンのギャップが笑える。
内容としては、キートンの十八番を詰め合>>続きを読む
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物語の入り口と出口がこんなに真反対である作品があるだろうか?それはいい意味では不意をついて、悪い意味で一貫性がないのだが。短編なんでそこはサクッと見れた。一応自殺したい男の話なんだが、こうも脱線でき>>続きを読む
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旅行でもなんでもない犯罪の逃避行によって日本の風土を見せるという、その形式が既に反体制的である。実際の当たり屋一家の事件を元に、少年の視点から物語られる。この視点があぶり出す大人の姿。ワンカットワン>>続きを読む
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切符切りのカチカチという音と共に打ち出される「水のないプール」というタイトル文字、このスタイリッシュさ。また題材が実際に起きた事件を元にしているという過激さ。前半はその緊張感といいヤバイもの見てしま>>続きを読む
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「日本映画名優〘バイプレイヤーズ〙列伝」展でもちろん名前が出ていた殿山泰司を竹中直人というさらなるクセ強俳優が演じる。また演技もクセ強で、ちょっとキモかった。これは嫌悪感というよりも、滑稽さも度を超>>続きを読む
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まさか、「黒部の太陽」の監督とは思えない。重苦しく、より社会派で、映像音ともに洗練されている。ベルイマン映画のような深刻な方へと向かう人々。彼らは被爆者差別、部落差別、朝鮮人差別と様々に虐げられている>>続きを読む
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この映画が描き出したものと、この映画が生まれた経緯が、間違いなく昭和だったからという一語で表せるだろう。良くも悪くも熱い映画でした。また、昨日ちょうど「日本映画名優〘バイプレイヤーズ〙列伝」という鎌>>続きを読む
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ホラーというジャンルを踏まえて、その裏をついた逆転発想の映画!また、映画の演出や意図がここでは全て露悪的なものとして登場し、映画の傲慢さを穿つようなメタ映画ともいえるのではないだろうか?ただ単にラス>>続きを読む
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1945年(昭和20年)8月6日(月曜日)午前8時15分、広島に原爆が投下された。今作品はその8年後の1953年に公開された。よくここまで再現し、映像に焼き付けたなと驚いた。以前見た今作品のドキュメ>>続きを読む
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相米慎二監督初見!いやぁ泣いてしまった。レンコのあどけなさと自立を見守る内に、非常に切ない想いが湧いてくる。どこかノスタルジックな街並みと関西弁が心地よい。ちょくちょく幻想的でもあり、非常に面白い映>>続きを読む
とにかくイーストウッドが優しい男だとわかるドキュメンタリー。自分はそこまでイーストウッド監督作をおさえておらず、かなりネタバレも多く半目で見ていたが、俄然観たい欲がそそられた。
イーストウッド作>>続きを読む
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錚々たる面子がキューブリックを語っていく形式のドキュメンタリー。個人的にはジャック・ニコルソンが語った一面になるほどと思った。なぜあそこまで完璧主義的な製作だったのか、ぼんやりだがわかった気がする。>>続きを読む
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創作することの葛藤と喜びを体現した傑作コメディだった!いやぁ、後半になるに連れて笑いが止まらない止まらない。笑えたし、それだけでない創作することへの愛を感じた。どうやったらこんだけ面白いものが作れる>>続きを読む
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多摩川に惹かれて鑑賞。平均点低いから、全然期待していなかったが、全然面白いという。「この国は悪い女の子に甘すぎる」という台詞が出るように、悪少女たちが多摩川を舞台に生き生きする姿が描かれている。20>>続きを読む
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実にわかりやすい、大人のための絵本だった。冒頭。女神は禍々しい人間達を目にしてまるで懲りたかのように、海深くへと帰っていく。画面の中、常に集中を切らすように人物がちらついたり、何かチラチラ動くものが>>続きを読む
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キューブリック作品の中で「2001年〜」よりも謎めいているのが今作品だと思った。夫婦と、その間に走る亀裂、またセックスの誘惑に突き動かされるトム・クルーズ演じるビルの滑稽さ!何を見せられ、何を訴えて>>続きを読む
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冒頭からのイカれ具合。主人公のケリーが出るたびにただならぬ雰囲気が纏わりつく。いわば彼女は爆弾のようなものである。その衝撃のオープニングからどんどん引き込まれていった。前作「ショック集団」に次いで、>>続きを読む
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そういえば、「バグダッド・カフェ」以外のパーシー・アドロン監督の作品を見たことがなかったので鑑賞した。やはりいい。この異国の閉鎖的な田舎で広げられる物語。主人公を演じたK・Dラングが歌う「Baref>>続きを読む
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めっちゃ久しく見たけど、あの新鮮な印象は変わっていなくてよかった。荒涼とした大地に、おかしな人々。ジャームッシュとかカウリスマキみたいな、些細な日常への愛が詰まっている。「I calling you>>続きを読む
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チャップリンとキッドの掛け合いの面白さ。また、なんてったってジャッキー・クーガン演じるジョンが可愛すぎる!ちょっとダボついた服を着たり、警官を巻くところのすばしっこさだったり、どれもチャップリンに似>>続きを読む
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タイトルや、精神分析的な内容の会話から始まるこの映画は「サイコ」(1960)に追随するようなサイコサスペンスだと予期していたが、蓋を開ければ実に社会派だった。流石は「映画は戦場だ」で知られるサミュエ>>続きを読む
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業を背負った極悪非道の男たちの物語。西部劇とは思えない殺害描写の力の入れ具合と、地獄の彷徨に打ちのめされる(「恐怖の報酬」を彷彿とさせる)。「わらの犬」(1971)の翌年に公開された今作品は、そうし>>続きを読む
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徐々に加速するラストへの流れといい、観客をカタルシスへと叩き落とすタイミングの絶妙さ!それでいて、暴力神話で終わらず、「帰り道がわからない」という真空状態へと我々を放り投げる。
家を守る。それが>>続きを読む
ゴダールがSF作品「アルファヴィル」を公開した同年、イタリアでも摩訶不思議なSF作品が作られていた!殺人がゲームとして合法化された未来の話。殺人が題材なのにも関わらず、殺しの描写は全くスリリングでな>>続きを読む
キートン作品の中でも支離滅裂な映画だった笑。いつもなら、ある一定の事柄とキートンの間の葛藤やらやりとりがあるが、まるで一貫性がない。一応オチが丸く収めようとしている感じはあるが、無理やりだった気もす>>続きを読む
ほんのちょっとのブラックユーモアと、なんてことない物語と、そして裏に潜むとてつもない諸行無常感。あんまり自分にはハマらず。夢のシーンはケン・ラッセルぶりにはっちゃけてて驚いた。似せたというより、宗教>>続きを読む
ジャームッシュは「デッドマン」以降あんま見てないので、どうなったことやらと覗いてみたら、撮り方こそ変わっていたが、やってることほぼ一緒で安心した。そして今作品の安定感。まさにコロナ禍で失われた平凡な>>続きを読む
ここにきて、こうきたかという感じ。あそこまで、「パラダイス:愛」「パラダイス:神」でやってきた無常感からは想像もつかないライトな作品。これが、希望?唯一確かに救いという体裁ではある。ただ、今作主人公>>続きを読む
「パラダイス:愛」では妹が黒人男性を買っていた。一方その頃姉は信心深く自分に鞭を打ち、妹の不貞の罪の赦しをこうのだった・・・。と、冒頭から地獄が始まる。はっきり言って前作「愛」に比べてかなり落ち着い>>続きを読む