方眼さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

2022年。オタクは集団の中でなぜ存在できるのか。ヒトとして生産的でもなく狩りに役立つ攻撃力も低い。その特性は「忘れない力」と「物語を紡ぐ力」。悲しい過去を忘れずに教訓とし、亡くなった魂を悼む。出来事>>続きを読む

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

4.3

2022年”Black Panther: Wakanda Forever”。観終わって”いい葬式だったなあ”と思う。映画館からの帰り道、とぼとぼ歩きながら、親しい人の弔いに行ったときに似た感覚。生前の>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

4.2

2022年。高校生作家・久保留亜とライター・市川茂巳の交流で、留亜の小説『ラ・フランス』の内容が「ミザリー」のように浮かび上がってくる前半。他の登場人物の背景と関係も徐々に見えてくる。マスカット→パフ>>続きを読む

バッドガイズ(2022年製作の映画)

4.1

2022年”The Bad Guys”。DREAMWORKS製作。ウルフ・スネーク・シャーク・タランチュラ・ピラニアのドロボー5人組、”黄金のイルカ”を盗み出す作戦。話にからむキツネ市長とモルモット教>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

4.2

2018年”Searching”。サスペンス好きには全面的にお勧めできる、アイデアと手間の一作。発想はわかるが個々の画面をよく作り込んだ。劇中事実は誰が誰に伝えたことなのか、すべて伏線。Faceboo>>続きを読む

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

4.1

1991年”Cape Fear”。弁護士サムは、16年前に自分が関わった事件で服役し、出所したてのマックスにつきまとわれる。元作62年のサイコホラーを、70年代オカルトから80年代スプラッタという流れ>>続きを読む

はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.2

2013年”Begin Again”。美女とミックスリストを二人で聞きながらN.Y.の街を散歩、音楽オジサンの妄想が全開なんで笑ってしまった。”On the road”ならぬ”The Great Ou>>続きを読む

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

4.1

2016年”A Street Cat Named Bob”。薬物依存治療中の路上ミュージシャン・ジェームズのところに、野良猫ボブがやって来て、少しづつ人生が回り始める。ジェームズの肩に乗るボブ、実に絵>>続きを読む

ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー(1982年製作の映画)

4.0

1983年”Let's Spend the Night Together”。1981年のStonesアメリカツアー、何個か映像混ぜて編集している。スタジアムはロックコンサートにはデカすぎて最初はスキマ>>続きを読む

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

4.3

2020年”Wolfwalkers”。17世紀アイルランド。イングランドから来た護国卿とその部下たちは狼から街を守るのが目的。ハンターのグッドフェローズとその娘ロビンとフクロウの相棒マーリン。一方、森>>続きを読む

マローナの素晴らしき旅/マロナの幻想的な物語り(2019年製作の映画)

4.2

2020年”L'extraordinaire Voyage de Marona”。フランス・ルーマニア・ベルギー。第一印象は”黒田征太郎の絵が動いとる!”。三部構成のいぬ映画、転生はない。一人目の飼い>>続きを読む

怪盗グルーのミニオン大脱走(2017年製作の映画)

3.9

2018年”Despicable Me 3”。イルミネーション。反悪党同盟の一員グルーの前に、80年代子役がひねて悪党になったバルタザールが登場、ダイヤを盗む。ルーシーは三人の娘と、親子関係を構築中。>>続きを読む

(1965年製作の映画)

4.1

1965年東宝・三船プロ。原作は何度も映画化されている。ということで桜田門外の変を舞台にしたプロット骨子は、密告者は誰だサスペンスと主人公の出自の謎で、時代劇要素の定番。橋本脚本は、金無し腕は立つ新納>>続きを読む

大菩薩峠(1960年製作の映画)

3.9

1960年大映。変な感想だが、ルッソ兄弟ならもうちょっと手際よい映画になるだろう。大長編講談小説の何度目かの映画化は、雷蔵座長の舞台公演的な演出。複数登場人物間の因果と出入り、関係と境遇の変化、江戸と>>続きを読む

祇園囃子(1953年製作の映画)

4.2

1953年大映。昭和28年のシスターフッド映画。祇園の芸妓・美代春さんのところへ、行くあてが無い栄子が訪ねてくる。序盤は栄子=美代栄の、舞妓訓練。文化風俗描写も面白くて退屈しない。デビュー日の挨拶は流>>続きを読む

スキャンダル(2019年製作の映画)

3.9

2019年”Bombshell”。FOXニュースでのセクハラを題材にした作品。テーマ選定、出演者が良い割に、パタパタして終わる。演出上の技法、こっちに向いて説明や手持ちブレ・ズームアップの撮影もそんな>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.1

2016年”Lion”。動物映画だと思いこんで観始めた。製作オーストラリア、舞台はインドらしいがトラじゃないのか。とか考えてるうちに、サルーの境遇をハラハラして見守ることに。危機管理能力が結構あって、>>続きを読む

奥さまは魔女(2005年製作の映画)

4.0

2005年”Bewitched”。大人気TVドラマの映画版、だけど正攻法リメイクでは無く、いろんなところから文句が出る作りなのは理解できる。「奥さまは魔女」の新しいTVシリーズが作られることになり、そ>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.2

2018年”Hereditary”。不愉快である。少し左から小さく鳴る低音。チャーリーの舌を鳴らす癖。不穏なホームドラマを、Jホラーテイストも加え「エクソシスト」として作る。母アリーの仕事、ミニチュア>>続きを読む

葛城事件(2016年製作の映画)

4.2

2016年。不穏な家族、父の話。「事件」と「事故」は違う。ラストの行動は「事件」、その後は「事故」。生かされて、食べる。母は療養所で水ようかん。葛城家の庭に蜜柑の木があり、実っている。父の暴力の前にす>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.3

2022年。「バットマン」のように始まり「ミスター・ガラス」のように終わるスーパーヒーロー誕生譚。唯一無二のさかなクン伝記。小学生時代「これ、家族のやつじゃん」と海水浴につき合わされる二人、それぞれ後>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.0

2022年”Bullet Train”。アヴちゃんが歌う”Stayin' Alive "でブラピが歩く足元。東京から乗り込む”笑ってはいけない弾丸列車”。怪しい登場人物たち。品川でも横浜でも降りられな>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

2022年”Nope”。ジャンル・シフト映画というより、ジャンル謎解き映画。前半、何が起こっているかゆっくり描き、あえての鈍重さも。これはいったい何の話なんだと思いつつ、じわじわ判ってくる後半。ストー>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.3

2017年”Get Out”。TSA(米運輸保安局)はそんなにスゴイのか調べてしまった。ホントによくできたスリラー。伝統的なプロットに、視点の逆転。核となる技術の描写は雑だが、薄っぺらい人権派の化けの>>続きを読む

ブラック・ライダー(1971年製作の映画)

4.0

1972年”Buck and the Preacher”。南北戦争後、開放されたはずの黒人たちを農場に戻そうとする白人軍団と、逃し屋バックの戦い。原題からもわかる通り、マカロニを意識した対決の西部劇。>>続きを読む

燃える平原児(1960年製作の映画)

4.1

1960年”Flaming Star”。真田昌幸の子、長男信之と次男幸村が東軍と西軍に別れて戦う話、ではない。スター映画として始まり、歌と踊りがあるが、数分でそんなことも忘れて見入るテンポの良さ。キャ>>続きを読む

折れた槍(1954年製作の映画)

4.0

1954年”Broken Lance”。土地開拓、水の引き込みから牧場を立ち上げたデヴロー家のワンマン親父マットと先妻の子3人と後妻の子1人。とにかくデヴロー家の屋敷内がでかくてセットと照明が重厚、室>>続きを読む

草原の野獣(1958年製作の映画)

4.0

1958年”Gunman's Walk”。ワイオミングの牧場主ハケット家の父リー、長男エド、次男ダーヴェイの物語。父リーは牧場を作り上げた地元の実力者で、暴力的で粗野だがいろいろ便宜をはかってくれる面>>続きを読む

大いなる勇者(1972年製作の映画)

4.3

1972年”Jeremiah Johnson”。19世紀実在の山男ジョンソンをモデルにしたこの「行きて帰りし物語」は、タカ派ジョン・ミリアスの脚本を、監督とレッドフォードがいい具合にリベラル化して味わ>>続きを読む

リオ・ロボ(1970年製作の映画)

4.0

1970年”Rio Lobo”。定番のホークス西部劇を戦術で挟む構成。南北戦争期、北軍が汽車で運ぶ金塊を南軍が大胆な作戦で奪い取る。追い追われる集団から、キャラクターが絞り込まれていく過程のスマートさ>>続きを読む

シェラマドレの決斗(1966年製作の映画)

4.0

1966年”The Appaloosa”。メキシコ国境近くの街、お尻に白黒の斑点があるアパルーサ種の馬と共に帰ってきた男マテオ。さびれた街の教会で男女のイザコザに巻き込まれカッコよく去るも、昔なじみの>>続きを読む

スタンピード(1965年製作の映画)

3.9

1966年”The Rare Breed”。英国夫人マーサは娘ヒラリーと、ヘレフォード種の牛をアメリカに売りに来る。セントルイスでの競売からスタート、角のあるロングホーン種の暴走を止めるカーボーイ・サ>>続きを読む

夕陽に向って走れ(1969年製作の映画)

4.0

1969年”Tell Them Willie Boy Is Here”。20世紀初頭、汽車に乗ってローラのいる居留地に来たウィリー、若き二人のネイテイブインディアン、逢瀬と脱走のアメリカン・ニューシネ>>続きを読む

ガンファイターの最後(1969年製作の映画)

3.8

1969年”Death of a Gunfighter”。アラン・スミシーがクレジットされている作品を、誰が撮ったか考えながらの100分。答えはリチャード・トッテンとドン・シーゲルだが、純粋に鑑賞だけ>>続きを読む

折れた矢(1950年製作の映画)

4.0

1950年”Broken Arrow”。対立をテキパキ撮るのが得意な監督、スタンフォード大法学卒。南北戦争後、ゴールドを探してアリゾナに来たトム、いろいろあってアパッチ族とアメリカ人の間を取り持つ役回>>続きを読む

リオ・グランデの砦(1950年製作の映画)

4.0

1950年”Rio Grande”。ジョン・ウェインはリオ・グランデ川の近くにある騎兵隊砦の中佐ヨーク。息子ジェフは学校退学で入隊、偶然父のいる部隊に配属される。そこにオカンのキャサリーンが息子を除隊>>続きを読む